little Angel story〜1人の少女の物語〜 作:ムーンナイト
|壁|д・)ちらぁ
|壁| =( ・д・)つ□ ソォーッ…
|壁|彡サッ!(ガンッ、ガラガラァ…チーン…
間が空いて話が分からなくなった人のための、3行で分かったりしなくもない前回のあらすじ
・シリアスですねこれは…
・ひなちゃん is ほのぼの。
・シリアs…ツバサ先輩が可愛いからほのぼの。
side:ひな
──鳥の声が聞こえる。
ゆっくりとまぶたを上げると、見慣れない木で作られた骨組みが視界に入ってきた。2段ベッド…?
ここは…そっか、寮のお部屋。病院ではなくて四ツ星学園なんだ…
「──ふうぅ」
横になったまま伸びをしたあと、息を吐いて脱力。目を閉じて深く静かに呼吸をしながら身体の調子をチェックする。
昨日の疲れはもう残っていない。お風呂でのマッサージと寝る前のストレッチが効いているから筋肉痛も無い。脈も正常。
よし、大丈夫。
体を起こして、ニッチに置いていたアイカツモバイルで時間を確認。
5時30分…やっぱり昨日は疲れていたみたい。この時間まで寝ていたのは久し振り。
ベッドから降りてめぐるが寝ているのを確認しながら伸びをする。
…今日はあのお花がいいかな。
机の
アルストロメリアの花言葉は、未来への憧れ。今の私の気持ちを表すのにぴったり♪
えっと、8時には201教室の近くにいたいから…。朝ごはんの時間を
いつものようにコップ1杯のお水を飲んでから、洗面所で顔を洗って髪を結ぶ。髪は特に跳ねてもいないし、
ひなのスペースね、とめぐるが空けてくれた右のウォールシェルフに櫛を戻して完了。
めぐるを起こさないように静かにクローゼットから取ってきたジャージに着替える。
このジャージ、動きやすいなぁ。インナーも肌触りが良くて、汗をかいたとしても通気性が損なわれないみたい。
ホリゾンブルーのインナーに、ピンクのジャージ。とってもいい感じ♪
「行ってきます」
小さく呟いて扉を閉める。
人気の無い廊下を歩いて玄関へ。…昨日ここから走り出した時は暗い気持ちでいっぱいだったけれど、今は違う。
今日から始まる、私の学園生活。
色々な思い出を、たくさん作れますように♪
☆☆☆☆
「アイ、カツ!アイ、カツ!」
あと少し………階段を上って、到着!
「わぁ…!」
ランニングをしながら学園内の色々な所を見て回っていたら、展望台のような所を見つけた。
とっても綺麗…
海が見えて、街が見えて。
素敵な場所。ここで歌ったら気持ちいいだろうな。
きらきら病院は…見えない。方角も違うし、他の場所からなら見えるかも。また探してみよう。
もうすぐ1時間だから、今日は寮に帰らないと。
☆☆☆☆
「ぁれ、ひな、もう起きてんの…?」
お部屋に帰って制服に着替えてから朝のお勉強をしていたら、ベッドの上からぼんやりとした声が聞こえてきた。
めぐるが起きたみたい。
「うん。おはよう、めぐる」
眠そうに目をこすりながら体を起こして私の方を向いためぐる。そのままボーッと固まってしまった。
「めぐる?」
「えへへ、おはよぉ」
ふにゃっとした笑顔を浮かべて挨拶を返してくれた。
まだ寝ぼけているのかな?なんだか可愛い。
そういえば昨日、明日は早起きするぞー!と言っていたけれど、どうなのだろう?めぐるの早起きの時間が分からないからなんとも言えない。
「ふわあぁ。今なんじ?」
あくびをしながらもゆるく笑顔を浮かべたままのめぐる。
えっと今は…
「6時54分」
お勉強の時間を30分にしたから、軽くする程度にしか出来なかった。それでも一通りの復習は終わったし、テストは大丈夫そうかな。
めぐるはというと…
「・・・」
不思議そうに目をパチパチとしていた。
「・・うっそ!!?」
あ、目が覚めたみたい。ゆるい笑顔から一気に焦った顔になった。
「本当だよ?いま55分になったところ」
少しだけ浮かせていた体を自然に椅子に落として座り直しながら時間を確認する。
「ヤバっ!7時には出てご飯食べに行きたかったのに!…いやまだ間に合うか?!うん、準備するからちょっと待っててひな!」
そう言うが早いか、ベッドの
すごく早口だったなぁ。でも、不思議と嫌な気持ちにはならない。
待っている間に少しだけノートを読み返しておこうかな。テストの最初の方に出そうなものを重点的に…
国語。
漢字は、日頃からやっているから今は飛ばす。
言葉の単位は、文章、段落、文、文節、単語の順。段落は1マス下がっている所で、文は丸、文節は言語として不自然に感じない1番短い所で切って、単語は細かく1つ1つ分ける。
数学。
正負の数。
文字と式。掛け算の
方程式。これはパズルのように解けるから平気。
平面図形。記号に注意して書いたら、あとは間違えずに辺の長さを計算すること。
理科。
生物。アオミドロやミジンコ、クンショウモ。それぞれ図に名前を当てはめる問題や生態系についての問いがあるはず。
観察の仕方については覚えているから大丈夫。
植物。花のつくり、葉のつくり、
植物の分類。植物は種を作る
種子植物はいずれ成長すれば種子になる
被子植物は更に
そして双子葉類はそこからまた
社会。
地理。3大洋の太平洋・大西洋・インド洋。6大陸のユーラシア大陸・アフリカ大陸・オーストラリア大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・南極大陸。ただし州にするとオーストラリア近辺はオセアニア州に名前が変わるから注意。
赤道を0度に同じ
歴史。おおまかな日本の歴史は梓さんが教えてくれた歌で覚えているから自分で書いた補足を復習。クシコス・ポストに乗せて歌われているあの曲、オフの日にお姉ちゃんが楽しそうに歌っていてちょっとビックリした…すごく上手で、それにつられて私も覚えられたから良かったな。
「よしっ、オッケー!」
ノートから顔を上げて左を見たら、ツーサイドアップに髪を結んでしっかり制服に着替え終わっためぐるがいた。
時間は…6時59分。すごい、もう終わったみたい。
「早いね」
「えっへへー♪あたし朝弱くてさ、よく寝坊してたら早くなった!」
それは…良かったのかな?
準備が早く終われば他の事も出来るし、それ自体は特技になる気がするけれど…
「行こっ♪ひな!」
扉の方へ歩いていくめぐる。
「うん。あれ…?」
近くに立っているめぐるを見上げながら話していたから気付かなかったことに気が付いた。
「ん?」
私の声に振り返っためぐるは…気付いていなさそう。
「めぐる、靴下が違う気が…」
右足は夏服の青いラインが入った白色の靴下だけど、左足はラインの色がイエロー。長さも少しだけ違うみたい。
「え?あぁっ!!!」
ふふっ、
私はキッチンを覗いてみようかな。昨日荷解きをした時はあまり詳しく見れなかったから。
““ガチャ””
私がキッチンへの扉を開けるのと同時にもう1つ音が響く。入り口…?
「めぐる。起き…」
扉に手をかけて1歩お部屋に入って来た子と目があった。
薄い水色から毛先にかけて透明感のある白色に変化しているサラリとしたストレートの髪に、サテン生地の黒いカチューシャ。まるでガラスを見ているような不思議な感覚になる瞳。少し青みがかっているかな。
えっと…
「あっサツキ!おはよー」
やっぱり、劇組所属の
私がオーディションの映像を思い出していると、めぐるがクローゼットから靴下を取り出しながら汝鳥さんに声をかけていた。
“カチャン”
私と目が合ったまま固まっていた汝鳥さん。視線をゆっくりと左右に動かしたあと、そのまま外に出て扉を閉めてしまった。
「ちょ⁈サツキ⁈待って待って!!ごめんひな、扉開けてサツキ捕まえて!」
その行動に驚いたのか、器用に片脚立ちをして靴下を履き替えていためぐるは慌てて崩れかけたバランスを取っていた。
「うん、わかった」
多分移動はしていないから、すぐ出た所にいるよね。
“カチャ”
よかった、いてくれた。
どこか不安そうな表情で汝鳥さんは立っていた。あとは驚いているのと、戸惑っているのと、混乱もあるみたい。
「驚かせてしまってごめんなさい。昨日からめぐると同じお部屋になった、白鳥ひなです。よろしくお願いします」
開けた扉から手を離してお辞儀をすると、少し慌てたような雰囲気がした。
「汝鳥サツキ、です」
返してくれて嬉しい。
とりあえず中に入ってもらおうかな?
…めぐるが靴下を履き終わったみたいだから大丈夫かも。
「ひなとは昨日からルームメイトになったんだ。連絡してなくてごめん」
靴を履いてこっちに来ためぐるが顔の前で手を合わせると、汝鳥さんはコクリと頷いた。
「ありがと。それじゃ切り替えて、ご飯食べに行こー!」
自然な流れ。めぐるはいつも汝鳥さんと朝ご飯を食べているのだと思う。私も行って大丈夫なのかな…
「…」
先に廊下に出ためぐるを見ていたら、腕をトン、とされた。
「?」
視線を戻すと、腕を伸ばしていたのは汝鳥さん。浮かんでいるのは自分の行動に対する疑問と、焦りと驚き。その2つはすぐに消えて、もう1度…今度は両手で私の
嬉しいな。
でも少し不思議。私、顔にはあまり出ない方だと思うのだけど…
「わかるから。一緒、似てる」
私は、人の感情をある程度なら読み取ることが出来る。その人がどう思っているのか、どういうことを考えているのか、なんとなく察することも多い。同じ空間にいればいるほど分かりやすくなるから、悲しい気持ちになったりする事もあるけれど。
「ありがとう、汝鳥さん」
…嬉しいな。
自分が当てることはあっても、他の人から当てられることは少なかったから。
「ん…」
嬉しそうにして頷いてくれた汝鳥さん。
「ねー、行かないのー?…って、えぇ?!」
くるりと振り向いためぐるの口と目が、私と汝鳥さんを見て大きく開いた。
「…
どこか呆然とした表情になって疑問を噴出させるめぐる。大丈夫かな…?
それといつ仲良くなったのかは…汝鳥さんの方に顔を向けると、丁度目があった。2人同時にめぐるの方へ視線を戻す。
「「いま?」」
「オーケーなるほど、落ち着けあたし。たとえあたしが1年かかったことを1分かけないでひなが達成したとしても、サツキに新しく友達ができんのはいいこと。だから落ち着けあたしぃぃ」
私と汝鳥さんが仲良くなったことがそれくらい衝撃だったのか目を瞑ってウンウン頷きながらブツブツと言っていためぐる。フゥゥ、と息を吐いたあとに顔を上げた。
「とりあえず、ご飯食べに行こっか」
☆☆☆☆
「よし、全員揃ったしー」
先に席取りをしていてくれた汝鳥さんがトレイを持って帰ってきた所で、めぐるの声に合わせて息を吸う。
「いただきますっ」「いただきます♪」「いただきます」
時間を確認するために出していたアイカツモバイルをスクールバッグにしまってから、視線を前に戻して食べ始める。
めぐるに教えてもらった食堂のシステム。
朝ご飯やお昼ご飯、晩ご飯はお弁当を買うでも食堂で食べるでも寮で自炊するでもいい。ご飯の他にもスイーツやゼリー飲料などが幅広く売られていて、お会計をする時は学生証をセンサーにタッチ。そうすることで入学前に登録していた口座から四ツ星学園にお金が振り込まれて、何を買ったのかが端末に記録される。
申請すれば誰でも使える設備が整ったキッチンもあるみたいで、お料理番組のお仕事の練習で使うこともあるみたい。寮にもコミュニティキッチンという所があるから、みんなで集まってご飯を作ったりお菓子を作ったりするのだとか。
「めぐる、今日も同じ」
汝鳥さんの声が聞こえて、そちらに意識を戻す。
「ビッグBLTサンドお肉マシマシ!だって美味しいし。そーゆーサツキだっていつも同じじゃん」
めぐるの朝ご飯はレタスとお肉、トマトなどが沢山詰まった大きめのサイズのサンドウィッチと、スクランブルエッグにコンソメスープ。斜めにカットされているサンドウィッチは、2つともお肉の比率が高いかな。
「ごはんは活力。欠かせない」
一方汝鳥さんの朝ご飯は
「お肉だってエネルギーだもん!コレ食べたらシャキンッてするし」
そう言いながら豪快かつ綺麗にサンドウィッチにかぶりつくめぐると、おにぎりを両手で持ってよく噛みながら1口ずつ食べ進める汝鳥さん。どちらも美味しそう。
「…」
もぐもぐと口を動かしながら正面に座っている私の朝ご飯と自分のおにぎりを少し見比べてチラッと私を見た汝鳥さん。コクンと飲み込んだあとに小さく口を開いた。
「こっち…?」
私の朝ご飯はハムとチーズのホットサンドにサラダ、それとドライフルーツやナッツがトッピングされたヨーグルト。色々なメニューがあって悩んでいたら、めぐるにサンドウィッチ系がおすすめと言われてこの朝ご飯にしてみたの。他にも美味しそうなものは沢山あったから、色々食べてみたいな。
とりあえず明日の朝ご飯は、汝鳥さんのおすすめを聞いてみよう。
「うん。楽しみにしているね♪」
私がそう返すとぽわっと嬉しそうにしてくれた。
「…え、なにを?まいっか。そういえばひなのクラス担任ってだれだっけ?あたしとサツキはデーブ先生なんだけどさ、午前中は授業でしょ?」
残念、クラスは別れていたみたい。
「私の担任はアンナ先生。でも、午前中はテストを受けるから今日の授業には参加しないの。午後のレッスンには参加する予定かな」
そう言うと、めぐるも汝鳥さんもそれぞれ驚いた顔をした。めぐるにいたっては背景に落雷が見えるような衝撃を受けているみたい。
「テスト?!もしかしなくてもアレだよね…あのなんか終わるけど終わんないヤツ」
終わるけど終わらない?そのテストを思い出しているのかカタカタと震えている。
「あれ、悔しくなる」
少しむすっとしながらおにぎりを頬張る汝鳥さん。めぐるのように震えてはいないけれど、良い感情は無さそう。
怖いテストなのかな…?でも、今までお勉強はしてきたから、それを信じて出来ることをするしかないよね。
「がんばってくるね」
「めっちゃ応援してるから!…って、そいえばあたし、お昼一緒に食べれないかも」
サムズアップをしたあと気が抜けたように言うめぐる。
「授業のあと1時までお仕事入っててさ、ご飯外で食べると思う。サツキは?」
「11時から、仕事」
汝鳥さんのその答えを聞いためぐるが私の方に顔を向けた。
「ごめんひな、2人ともダメだ…誰かに頼んどこっか?」
眉をハの字に下げながらそう言ってくれた。
「ありがとう。でも大丈夫、モバイルに校内図も入っているし、ご飯の買い方や場所は2人に教えてもらったから♪」
こことドレスメイクルームの使い方はもうバッチリ。それも伝えると、めぐるも納得してくれたみたい。
めぐるも汝鳥さんも優しい。
「ごちそうさまでした」
少しして3人とも朝ご飯を完食。
ホットサンド、外側がカリッと焼かれていて美味しかった。
「ひな、教室201でしょ?こっちからの方が近いんだ」
階段の方に私の手を取って進んでいくめぐる。階段を登って左を見ると少し進んだ先の右手に通路が続いていた。
「こっからまっすぐ行って左に曲がったら201!扉の上にプレートあるから、それ見たら間違えないよ」
「めぐるは4月、見ないで間違えた」
説明してくれためぐるの後に間を開けず汝鳥さんが口を開く。…入る前にちゃんと見ておこう。
「なぁっそれ思い出したくなかった!!」
「ふふっ」
勢いよく顔を覆っためぐるを見て、つい笑ってしまった。
そんな私を見てえへへ、と笑っためぐる。
「それじゃ、テストがんばってね!ひな」
2人のお陰でリラックスして
「うん、がんばるね」
「心を強く持って、負けちゃダメだよ!」
「う、うん…?」
真剣な眼差しでめぐるが私の肩に両手を置いた。
「いくら絶望しようとも、問題が段々モンスターに見えてきても…ってサツキ?!ちょっ、まだ伝えられてないのに!」
すごく励ましてくれていためぐるをぐいっと引き剥がしてずるずると階段側へ連れて行く汝鳥さん。意外と力持ち?
「平気。もう時間」
私なら大丈夫ということみたい。汝鳥さんに引き剥がされてバタバタとしていためぐるが手を振りながら口を開く。
「とりまファイトだよー!」
階段を降りて行く2人に手を振ってから、教えてもらった通りに進む。
テストが終わったら午後は歌組のレッスン。
素敵なお友達も出来たし、これから毎日楽しくなりそう♪
お久しぶりです。
前書きにて、前々からやってみたかった顔文字が出来て満足なムーンナイトでございます。
2人目の本作オリジナルキャラクター、汝鳥サツキさん。いかがでしょうか?
これから魅力をたっぷり詰め込みつつ物語を進めていきたいと思います。
さて。ハーメルンにて、ガイドラインに反さなければ歌詞使用が可能となりました。とても嬉しいです。(つまりシリーズをいろどる楽曲たちの使用が可能になったわけです。さぁ増えろぉ…増えるのだー…アイカツシリーズ小説………)
そしてですね、感想を送って下さった方、忙しくて小説を書けず疲れも溜まり少々気が滅入っていた時に、力をもらうことが出来ました。ありがとうございます。
これからも頑張ります。
それではまた次の後書きで!