1話からちょっとずれてる気がしますが、こっちが本当です。
モデルとしてはフェアリーテイルのエルザですかね。ギャグがほとんどありませんが。
「と言うわけでこの箱庭に来たばかりの皆さんを黒ウサギのコミュニティにいれてあげても良いのですが…。正直、力のない人は邪魔者、お荷物、足手まといなのですよ」
何やらあからさまな挑発を行う黒ウサギ。
確かにプライドの高そうな人には挑発するのが定石だが、彼らはそんなに短慮な人間ではないだろう。
私だったら確実に様子をみるしな。
「へぇ、素敵な挑発をありがとよ。そのゲーム乗ったぜ」
そんな私の思考を尻目に、十六夜が参加を決めていた。早いなおい。
表情を見る限り黒ウサギが何かを隠していることは分かってるだろうに、こんなに簡単に挑発に乗るとは自信家と言うか豪胆と言うか。
まあ、ギフトゲームとやらに参加したからといって問答無用で黒ウサギのコミュニティに入らなければならないわけでも無さそうだし大丈夫だろう。
「では御四方にゲームの説明をさせていただきます。ルールは簡単」
パチンと指を鳴らし、魔法の様にカジノにありそうなギャンブルテーブルを取り出す黒ウサギ。そしてその短いスカートのポケットからトランプ一式を取り出し、シャッフル。
「このテーブルに散りばめられた裏面のトランプをそれぞれ一枚選び、53枚のカードの中からK・Q・J・ジョーカーの絵札、計13枚のどれかを引く事が出来れば御三方の勝利となります。引けなかった場合は黒ウサギの一人勝ちでございます」
「ほお、意外と単純なルールだな、分かりやすいぜ。それで、俺達は何を賭ければいいんだ?」
「いえ、今回はギフトゲームがどのような物かを御理解頂く為の予行演習ですので、賭けや報酬は無しで結構です。強いて言うのなら、賭けて頂くのはご自身のプライドですね」
ノーリスクノーリターン。初めてのギフトゲームには妥当なものだった。
しかし十六夜は納得しなかったようだ。
「嫌だね。何か報酬が無いとつまらない」
「……そうですね。それでは黒ウサギが何か一つ言う事を聞く、というのでどうでしょうか」
「そうか…」
黒ウサギの言葉に反応した十六夜がその視線を黒ウサギの豊満な胸に寄せている。
「性的な事は駄目でございます!」
「チッ」
まったくこいつは。ノーリスクノーリターンからノーリスクハイリターンのヌルゲーに早変わりだ。
カードを三人がチェックし終え、いよいよゲームが始まろうとしていた。
「おい、一葉。お前はカードを『チェック』しとかなくてよかったのか?」
笑みを浮かべながら十六夜が小声で聞いていた。
どうやら三人ともカードに何かしら細工をしていたらしい。抜かりないな皆。
「君がなんとかしてくれるのだろう?」
「ヤッハハハハ。ちょっと挑発のお礼をしようとおもってな」
そう言うと十六夜はテーブルの前に立ち、手を振り下ろした。
「俺の選んだカードは、これだっっ」
テーブルを思い切り叩きつけた衝撃でトランプが舞い上がる。
「じゃあ私はこのカードで」
「私はコレ」
丸見えになった絵札を思い思い選んでいく飛鳥と曜。それにならい私も一つ選ぶ。
「な、なんてことするんですか十六夜さんっ!!」
「俺はなにもルールに抵触してないぜ。ルール通りカードを選んだだけだ」
黒ウサギは顔を真っ赤にして抗議するが、十六夜はどこ吹く風と言った様子だ。
「うぅ、箱庭の中枢から問題なしとの判断が届きました。お三方はクリアです。ですがっ、十六夜さんはまだ分かりませんよ!」
そう苦し紛れに抵抗する黒ウサギ。しかし十六夜の表情は余裕綽々といった風だ。
「おいおい、俺を誰だと思っているんだ?」
十六夜がカードをめくると、そこにはクローバーのキングが描かれていた。
「すごいな、十六夜。君は全てのカードを覚えたのか」
私もこれには感嘆せざるを得ない。恐るべき記憶力と、カードシャッフルを見切る圧倒的な動体視力がなければできない芸当だ。
「やるじゃない。見直したわ」
これには飛鳥と曜も驚いているようだった。
こうして黒ウサギの敗北は決定した。
「それで黒ウサギ。なにか一つ言うことを聞いてもらうわけだが…」
「性的なことはダメでございますよ!」
十六夜の言葉に素早く反応する黒ウサギ。
「そっちも魅力的だが、俺の聞きたいことはただ一つ」
十六夜の目が光る。
「この世界はおもしろいか?」
実に十六夜らしい言葉に黒ウサギは答える。
「Yes!ギフトゲームは人智を越えた神魔が集う究極の遊戯。この箱庭は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証します!」
こうして箱庭での日々が始まった。
ほぼ原作通りになりました。個人的にオリ主がでしゃばって原作キャラの出番を潰す、なんてことは出来るだけ避けたいのです。主人公の影が薄薄です。というより十六夜以外は薄薄です(泣)
次は主人公のギフト披露です。