問題児達に妖狐が混じっているそうですよ?   作:せーじゅん

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世界の果てまで○ッテQ!!
はい、ということで十六夜君と大瀑布観光ツアーです。
いやしかし地の文が難しい。やっぱり三人称でやっとけば良かったかな?

今回もおかしな点があればどしどし感想で送ってください!
ただしあまり難しいのは次回に反映できるかは分かりません(-o-;)


第4話

さて、問題児たちとのギフトゲームにも勝利し、後は黒ウサギに箱庭の案内をしてもらい×××というコミュニティを探すだけ。

のはずだったのだが…

 

猛スピードで箱庭から遠ざかっている。解せぬ。

 

ー 事の発端は遡ること十数分前 ー

 

 

 

 

 

「ちょっと世界の果てを見てくる」

 

黒ウサギに聞こえないよう、十六夜が唐突に言い放った。

正直、説得すれば止まるような奴ではないと言うことはこの数時間で分かったのでヒラヒラと手を振ると

 

「勿論一葉もくるだろ?答えは『はい』か『yes』しか受け付けないぜ」

 

どうやら私に拒否権はないらしい。

 

「ちょっと待ってくれ十六夜。町の案内は私から言い出し、ギフトゲームまでしたんだ。いくらなんでもここで私が勝手な行動をするのは非常識だろう。行くならお前一人で行ってくれ」

 

そう反論すると十六夜はニヤリと笑った。

 

「大丈夫だ、俺がなんとかしてやる。さっきのギフトゲームでお前が使ったギフトについて答え合わせがしたいんだが」

 

十六夜の言葉に肩がビクリと反応する。視線を横に遣ると、十六夜が挑戦的な笑みを浮かべていた。

その笑みが自分の推論に自信を持っていることを示している。

 

「もし着いて行かなかったら?」

「箱庭中に俺の推論を吹聴しまくるだけだ」

 

ギフトゲームで私が使用したのは一部分なので知られても致命的ではないが、手札はなるべく知られない方が良い。

十六夜の推論が外れている可能性もあるが、こいつの記憶力と洞察力は最初のギフトゲームで確認済みだ。外れていても遠からず、と言ったところだろう。

 

「はぁ、仕方がないな。ギフトゲーム云々については何を言っているかよく分からないが、取り敢えず付き合おう」

「ヤハハハハ。それじゃあ行こうぜ」

 

一応しらばっくれて十六夜の後を追いかける。身代わりを置いておけば大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

と言うわけで今、私と十六夜の二人で世界の果てを目指しているわけだが…

 

「なぜ私を抱えているんだ!?そ、それにこれは」

 

十六夜が腕で私の胴を抱え込み、もう一方の腕を私の膝の下に入れて足を支えている。所謂お姫様抱っこと言うやつだ。

 

「お前と一緒だと全力でスピード出せないからな」

「抱えることは問題ない。なんでこんな抱え方なんだ!!」

「なんだ不満か?じゃあ首根っこ掴んで引きずってやっても」

「お断りだ!し、しかし、これはいかんせん…」

恥ずかしすぎる。

 

考えてもみてくれ。元の世界で、私は友人でさえ両手で足りるほどしかいなかったのだ。男子との接点なぞほぼ無かったといっていい。

そんな私が、先刻知り合ったばかりの十六夜にこんな抱き方をされている。平気なほうがよっぽどどうにかしているだろう。

それに、なにやらチラチラと視線を感じるのだ。おそらく森の魑魅魍魎たちだろう。誰も見ていないならまだしも、こんなに視線を送られると恥ずかしくてたまったものではい。

 

「ヤハハハハ。恋愛指南によく呼び出される狐狗狸さんも、実はうぶだったってか?」

 

ピシリと空気が凍りつく。

十六夜は立ち止まり私を降ろした。

 

「ふう、ビンゴだ。私のギフトが狐狗狸さんの霊格に基づいているとまで分かるとはな。うまく隠したつもりだったんだが」

 

先ほどの半分の速度、私が着いていける速さで進み出す。

 

「ヒントはあったぜ。春日部の『吸い寄せられた』という言葉やカードの選択中一切動かなかったお前。カードの選択を強制させるのは催眠か憑依位だから、狐憑きの類だろうと推測したわけだ。なおかつ指の誘導と言ったら狐狗狸さんだろ」

「催眠か憑依だと言うところまではいいが、いきなり狐憑きというのはいささか早計じゃないか?」

「ハッ。お前の容姿を見たら狐憑き以外考えられないぜ」

 

……忘れていた。今の私には素敵アイテムが2つ着いていたな

 

「何かしらトリックを使った可能性もあるが」

「そのセンも無いわけではないが…」

 

十六夜がこちらの考えはお見通しとばかりにニヤリと笑う。

 

「ギアスロールにあからさまに書かれた『ギフトの使用に制限はかけない』という文言と、それを隠そうとするようなイカサマ云々のミスリード。確かにあの手のモノは本質が単純であればあるほど有効に働くもんだ。現にあの3人は見事に引っ掛かっていたからな。ただ原点に立ち返ればすぐに気づけるぜ。あれが“ギフトゲームである”という原点にな」

 

私は言い訳を続ける。

 

「偶々偶然っていう可能性が2割のこっているが?」

「春日部が引いたスペードのクイーン。あれは最初のギフトゲームで春日部が引いたカードとおなじだ。53枚のカードの中から引いたカードが連続で同じなんてこと、何かしら人為的なものが働いてるとしか思えない」

 

洞察力、知識、思考の柔軟性。あれだけの情報でここまでピタリとあてるとは、どれをとってもトップレベルだろう。

 

「降参だ。見事としか言いようがないよ。確かに私のギフトは狐狗狸さん、というよりは狐憑きそのものだな。大正解だよ十六夜」

 

両手をあげそう言うと

 

「その身体能力も狐憑きか?随分と高尚な奴らしいな」

 

そう十六夜が返してきた。言葉の端々に皮肉がみえる。

まったくやりにくい相手だ。

 

「さあ?どうだろう。今はただの同伴者である十六夜には話せないな」

「そりゃ残念だ。後の楽しみにとっておこう…っと着いたみたいだぜ、世界の果てに」

 

視界が開けるとそこには壮大な瀑布が轟いていた。

 

 

 

 

 

 

世界の果て、トリトニスの大滝に見惚れていると水面が盛り上がり、身の丈30尺強はあろう巨大な蛇が現れた。

 

「久々の来訪者が脆弱な人間とはな。少々驚いたぞ。さて、ここに来たのは我の試練を受けに来たのだろう?勇気、知恵、力の3つから試練を選べ。まあ、ひどい怪我をしない程度にしてやるから安心しろ」

いかにも威風堂々といった風に口上をのべる蛇神。しかしその尊大な態度が十六夜の遊び心をくすぐったらしい。

 

「ハッ、ご高説な口上ありがとよ。ただアンタが俺達を試せるのかどうか甚だ疑問だぜ」

 

そういうや否や十六夜は地面を蹴って飛び上がり、蛇神の頭を掴むとそのまま水面に叩きつけた。

 

「オラオラァ!!そんなもんかオイ!」

 

間髪いれずに何時の間にか拾っていた礫を投合する。第三宇宙速度に匹敵するソレで投げ込まれた礫は蛇神の姿を水中に沈めた。

 

「あまり飛沫を飛ばすな十六夜。せっかく乾いた服がまたびしょ濡れだ」

 

水柱をあげるほどの礫だが、手加減したのかほとんどが直撃していない。

 

と、そこに髪を淡い緋色に染めた黒ウサギがやって来た。

 

「もう、一体何処まで来ているんですか!?」

「世界の果てまで来てるんですよ、っと。あれ?一葉、お前身代わりを置いてきて無かったか?」

 

小憎たらしい笑みを黒ウサギに投げ掛けながら十六夜が私に問う。

 

「あれはただのメッセンジャーだ。流石に親切にしてくれている人を出し抜くわけにはいかないからな。」

「そうは言いつつもしっかり時間を稼がせてたじゃないですか!」

 

まあ、私のギフトについて話しているときに追い付かれたら困るからな。

 

「それはともかく!お二人ともご無事で良かったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」

「いや、十六夜は挑んだぞ。あれを挑むと言って良いのかどうかは分からんが」

 

私の言葉に、え?と硬直する黒ウサギ。

その瞬間水面が激しい水飛沫をあげ蛇神が鎌首をもたげた。

 

「まだ………まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ!!」

 

その身を怒りに震えさせる蛇神。

 

「どっ、どうしたらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!」

 

黒ウサギの言葉に十六夜はケラケラと笑いながら事の顛末を話す。

 

「なんか偉そうに『試練を選べ』とかなんとか、上から目線で素敵なこといってくれたからよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()のさ。結果はまあ、残念な奴だったが」

「貴様っ………付け上がるな人間!我がこの程度のことで倒れるか!!」

 

蛇神の甲高い咆哮が響き、牙と瞳を光らせる。巻き上がる風が水柱を上げて立ち上る。

まるで巨大なミキサーだった。あれに巻き込まれたら最後、普通の人間ならば容赦なくちぎれ飛ぶだろう。

 

「十六夜さん、下がっ、んん~!?」

「邪魔をするな黒ウサギ。十六夜に叩き潰されるぞ」

 

十六夜を庇おうとする黒ウサギを制する。蛇神程度の相手なら心配することはないだろう。むしろ邪魔をするとこちらに危害を加えかねない。

黒ウサギも始まってしまったゲームには手出しできないと気付いて歯噛みする。

 

「さあ来いよ、水神様ァ!人待たせてんだ。次で終わりにしようぜ」

「いいだろう。もしこの一撃を凌げたら貴様の勝利をみとめてやる」

「寝言は寝て言え。決闘は勝者を決めて終わるんじゃない。()()()()()()()()()()()()

 

求めるまでも無く、勝者は既に決まっている。

その傲慢極まりない態度に私と黒ウサギは頭を抱え込んだ。

 

「フン、その戯言が貴様の最期だ!」

 

蛇神の雄叫びに応えて嵐のように川の水が巻き上がる。何百トンもの水を吸い上げ、水のミキサーは更に凶悪なモノへと変貌する。

竜巻く水柱は3本。それぞれが生き物のように十六夜に襲いかかった。

 

「ハッ、しゃらくせえ!!」

 

おそらく“神格”と呼ばれるギフト。それで造り上げた激流を十六夜は腕の一振りでなぎ払った。

 

「うそ!?」

「バカな!?」

 

驚愕する黒ウサギと蛇神。十六夜の力は人間が持てるそれを遥かに越えていた。

そうして放心した蛇神の隙を十六夜は見逃さなかった。

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

勢いよく地面を踏み切って繰り出された十六夜の蹴りは轟音と共に蛇神を身体を十メートルほど打ち上げる。飛ばされた蛇神はそのまま川へ落下し、辺りに水をぶちまけた。

 

「ったく、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらい出してもらわねーとたまったもんじゃないぜ」

 

そう冗談めかし十六夜はこちらに歩みをすすめた。

 




はい、主人公空気ですね。どうも十六夜君に力を入れてしまいます。

ヤバイよこれ。飛鳥とか耀とか書ききれる自信皆無ですよ。
主人公、十六夜以外はだいたい空気になる気がします。執筆スキルと時間が足りない\(゜ロ\)(/ロ゜)/
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