夜になり俺は夕食の前の時間にペテル達から質問を受けていた。
「リクさん。貴方はどのような鍛錬であそこまでの力を手に入れたのですか?」
とペテルが聞きてきた。
「そうだな。・・・俺のいた所は貧富の差が恐ろしくハッキリした場所でな。俺みたいな貧乏人が親の代わりに稼ごうとなると刀と魔法を鍛えるしか無かった。だから1ヶ月の間、両親に頼んで森の中で自給自足しながら野生の魔物達と戦いながら暮らしていたんだ。」
とでっち上げた話を伝えるとペテルはふと疑問に思ったのか聞いてきた。
「森の中で1ヶ月ですか。・・・魔法はどのように?」
「魔法は才能があったようでな。魔物との戦いの中で理解した。名前は後から知ったが。」
と言うとペテルは感心したように
「そうなのですか。やはり強くなるには自分を追い込む必要があるのですね。」
「それは間違い無い。・・・でもな森を出た時には俺のいた場所は滅んでいたよ。なんでも別の国の者達に住んでいた場所を潰されたみたいだ。」
と言うとペテルは申し訳なさそうにして
「すいません。嫌な事を思い出させてしまいました。」
と言ってきた。
「なに。今となっては昔の話。そこに住んでいた人達の分まで生きてやると思っている。それに妹だけは助けられたんだ。両親の死体の下にあった地下室の入口から逃げたようで地下室にいたよ。」
そう言って俺はムイの頭を撫でる。
「リクさんとムイさんにそのような過去があるとは思いもしませんでした。・・・実はニニャも似たようなものでして」
とペテルが言うとニニャが
「ペテル。リクさん達に比べたら僕はまだましです。僕達の村に旅の商人の男が来て幼い時に連れ去られて行ったので今、僕は生きているかもしれない姉さんを探しているのですから。」
とニニャが言っていた。そしてニニャが
「リクさん。僕を弟子にして頂けないでしょうか?」
と聞いてきた。
「何故・・・と聞くのは野暮だが敢えて聞こう。何故俺なんだ。」
と聞くとニニャは俺の目を見てハッキリと答えた。
「僕は姉さんを助けたいから力が欲しいんです。まだ生きているのかもどこに居るのかも分からない姉さんを。だから・・・」
と言ったところで俺は止めた。
「もう理解はした。そうだな。この護衛の仕事を終えたらまた詳しく話を聞こう。」
と言うとニニャは
「お願いします!」
と言った。
「まだ弟子になると決まった訳では無いがな。」
と言ってから俺はひとつ聴いた。
「ペテル達は何故漆黒の剣と名乗っているんだ?」
と聞いたら理由を話してくれた。それを聞いていると・・・あいつらを思い出すな。と思い、アインズ・ウール・ゴウンの前身であるナインズ・オウン・ゴールに入った時の事を思い出しているとモモンが少し話していた。そしてその後にニニャが
「いつかその時の仲間と同じ位の仲間と出会えますよ。」
と言った。それを聞いたモモンが
「もう会えませんよ…!」
と言ってからムイとナーベを連れて離れて言った。そして俺は
「済まないな。確かに俺もあの当時の仲間と同等の仲間には会えないと思う。でもニニャの気遣いはありがたい。」
そう言って俺もモモンの元へ歩いて行った。