哿(エネイブル)のルームメイト   作:ゆぎ

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オズでチャーリーと

 

 

 

 

 ドラゴンは、マザーを煉獄の外に解き放った数ある怪物のなかでも旧く、特に強力な種。

 多くの伝承に描かれているようにドラゴンは体を高熱にしたり、口から火を吐くことができる。

 

 しかしながら、本土で俺たちが退治した個体を火炎放射器とするなら、目の前で吐き出されるのはナパーム弾。

 輻射熱だけでも肌は軽く焼け焦げ、その火力は記憶にあるドラゴンのものより遥かに強く、凶悪だ。

 

 高速で飛行し、眼下を片っ端から焼け野原にしていく姿はまさしく攻撃爆撃機。

 

 Zセカンドとの背筋が凍てつくカーチェイスは終わり、一つ落ち着きそうだった夜の湾岸線──それも数分前のこと。 

 舗装された道路に炎が赤く揺らめき、休みなしに銃声と空薬莢が落ち続ける危険地帯にあっという間に逆戻りだ。

 

 

「制空権を奪って、辺り一面を火の海にする。なんて有害な生物なんだ‥‥‥体の中で着火させたのか?」

 

「グリム版のドラゴンは霧状に噴射して静電気で着火させてたが、アレはたぶん胃から引っ張り上げたメタンか何かに火をつけた上で吐き出してる」

 

「ふん、言われなくても分かる。あのドラゴンにはマグネシウム質の結石を溜め込む砂肝みたいな器官があるんだ──Damn it、なんてモンスターだッ!」

 

 ジープの後ろになんとか隠れ、もはや生物兵器と言われても仕方なさそうなドラゴンの暴れようにマッシュが憤慨する。

 

 あの高熱ブレスの前じゃ車も大した壁にならない。

 かと言って、おとなしくバーベキューになってやる気もないので、XDのスライドを戻し、ジープの影から飛び出す。

 

 

「鱗が、硬すぎるよっ!」

 

「目だ、目を狙え! 無限罪のブラドも目を狙われたらちっとは怯んだ!」

 

 ツクモにそう叫んで返すと、装填したばかりの16発を撃ち切るつもりで道路の15メートルほどの高さにいるドラゴンに引き金を絞る。

 

 ただ鱗や表皮が硬いってだけの話じゃねえな‥‥‥

 魔術的な加護も受けてんのか。9mmだけじゃない対物に強いはずの5.7x28mm弾を浴びても平気で飛び続けてる。

 

 高度を取ったり降りてきたり、一箇所には留まらず鉛の雨が集中するのを避けるようにたえず動き回りながら道路に火を放ち、熱気でこっちの動きも制限してくる。

 

 障害物のない空を自由に動きながら火をばら撒いてくる移動砲台、実際に向き合うと文字に起こす以上にやばい。

 仮に素手でこんなモンスターを仕留められる人間がいたらもはや人間の皮を被った何かだ、恐ろしや。

 

 

「リロード‥‥‥! これで最後だっ!」

 

 

「キリくん! 車にG36がある!」

 

「5.56ミリじゃあんなの落とせないってっ!」

 

「ナイフで飛びかかるよりマシだ。援護してくれ!」

 

「豪快に了解!」

 

「っ──行って!」

 

 

 ‥‥‥弾切れッ!

 アトラス、ツクモを背にし、まだ炎上していないZ3の後ろまで疾駆。車が跳ね上げられる前にトランクから黒のケースを引っ張り上げる。

 

 緊急事態とはいえ、武偵がアサルトライフル──色んなところからお怒りを買いそうだ。

 道路で派手に銃撃戦、それもモノホンのドラゴンが相手。少ないとはいえ、一般車も通過する場所だ。いつまでもパニック状態にさせとくわけには行かない。

 

 G36のストックを起こし、ケースにあったマガジンを叩き込む。

 

 

「────隣あいてる?」

 

「いつでもどうぞ」

 

「ひどい日焼けになる程度じゃ済まないね」

 

「だな。ニュージャージーの日焼けサロンがかわいく見える」

 

 tmpと一緒に滑り込んできたロカが、こっちも苦い顔で弾を入れ替える。

 

「専門家からアドバイスある? あったら聞くよ」

 

「火炎放射に目が行くが、あの爪や足にも気をつけろ。体当たりや雑菌だらけの爪で裂かれるだけでも十分やばい、女に引っ掛かれるのとはわけが違う」

 

「‥‥‥もうちょっと例える言葉は選びなよ。でもやばいってことは伝わった。作戦は?」

 

「五分五分のヤツが一つ、ただし効果があるか微妙なところだ。運否天賦になっちまうからな。ロカ、あれやってくれ。幸運と不幸を一つずつ運ぶやつ」

 

「無理。冷凍食品みたいに言われてすぐにできるものじゃないって」

 

「‥‥‥なんで冷凍食品で例えたんだよ」

 

「それでどんな作戦? 先に聞くけど気は確かなんだよね、お前のバカ頭で頭突きしたって勝てっこないんだよ?」

 

「ベッキーと兄貴の結婚式。まあ偽りの結婚式だったが結婚式の引き出物でなんとかできるかも」

 

「は? 引き出物でドラゴンと戦うの?」

 

「世の中何がどこで役に立つか分かんねえのさ! 明日に向かって撃てだ。祈っといてくれ」

 

 

 ロカより一歩先に炎揺らめく道路に踏み込み、トリガーを引き絞ったG36が激しく音を立てる。

 ケースにあったのはマガジン2つ。60発あれば接敵するまではなんとかなる。

 退路なんてどこにもない、それもいつものことだ。

 

 武偵らしからぬ銃火器を手に、俺は空で様子見をするようにホバリングするドラゴンに真正面から突っ込む、完全に凶器の沙汰だ。

 ツクモが信じられない顔してるの見るのこれで何度目だろ。

 

 

「刺し違えるつもり‥‥‥!? あんなの食らったら丸焦げだよ!」

 

「まあ、見てな。伊達にモンスター退治の専門家をやってないんだ。グロテスクなペットちゃんの一匹二匹なんとかしてやる」

 

 硝煙と熱気が充満する中で、30発──吐き出した鉛は硬い表皮を目掛けて吸い込まれるも巨体を道路に落とすには、遠すぎる。

 

 LOOや少尉のニードルガンもやはりというか効き目がない。外からなんとかするのは気が滅入る、だったらまったくの別方面から攻め立てる。

 見たところ、炎を吐き出すのは口からだけ。主に手を経由させてた俺の知ってるのとはやっぱ別種。口を開けっ放しにしてくれるなら好都合だ。

 

 

 もっと近づけ、降りてこい。

 勝負は一発、当てるか外すか。

 

「おーい、人食いトカゲー! 腹減ってんだろ! 降りてこーい! 俺の肉はうまいぜー!」

 

 ‥‥‥イヤだなー、これ。

 10年前に廃坑でやったのと同じだよ‥‥‥

 10年経ってもまだ俺は自分の肉を餌に怪物をおびき出してる。

 

「俺の肉は食いたくないってかー! 上等だァ!」

 

 再装填したG36を空へ向け、敵意を煽るように弾をぶち撒ける。

 連射で断続的な点ではなく、継ぎ目のない線のようになった発火炎がオレンジの十字を作るように夜に弾ける。

 

 鱗を越えて中には刺さらない。

 だが敵意を煽るには十分。目の前を飛び回る邪魔な虫は、燃やしたくなるよな。主人の命を受けてやる気が立ってるなら尚更だ。

 

 

 『グオオォゥゥォオオオオ』と、強風が建物を叩きつけて揺らしてしているような重苦しい音が空から響く。

 恐怖を煽るような喉を震わす音は、さっきよりもずっと近くにある。

 ははっ、降りてきやがった。よしきた、勝負のテーブルには引きずり込んだ。あとはこの1枚が爆撃機に通るか、どうか。

 

 鱗の隙間から喉元にオレンジの光が見え、退路に自分から火を放つつもりで俺は銃を手放し、リュックから矢と一緒に抜いておいた『エリクサー』の瓶を右手に滑らせた。

 

 命懸けのストラックアウト?

 ああ、子供の頃はやってみたかったよ州代表のピッチャー。

 

「yippee-ki-yay、くそったれ‥‥‥ぇ!」

 

 

 ついこの間、教会でルシファーに火を投げ付けたのと同じセリフを今度は目の前のモンスターに向けて贈ってやる。

 畏敬と感嘆とこんちくしょうを添えてな。

 

 炎を吐き出すタイミングで開いたワニのような突き出た口に狙いをつけ、冷や汗を掻きながら投げ付けた無色透明の瓶は引き込まれるように消えていった。

 

 

 

 

 

 映画や書籍。

 多くの創作の中でアルテミスが弓を操ったり、ゼウスが雷を落としているように実際の神と人がイメージしている神には、意外と当たらずしも遠からずな部分があったりする。

 

 これは武器や遺物にも言えることで、実際キンジはシャーロックの女王陛下から承った国宝級の刀を多くのゲームに出てくる高レアリティーの武器という一点でエクスカリバー、ミストルティンと予想し、実際にエクスカリバーの真名を言い当ててシャーロックを驚愕させるトンデモ技をやってのけた。

 

 エリクサー。

 ゲームや漫画では錬金術の宝だとか、どんな傷や病も癒せる幻の薬として色んなところに登場する代物で液体や珍しい薬品ってのは間違ってない。

 だが実際のエリクサーは別に上等な傷薬ってわけじゃない。

 

 

願いを叶える魔法(デッドストック)の一種なのさ、エリクサーってのは。心の奥にある感情を引っ張り出して、ちょいと弄くる。数回会って名前を知ってるくらいの友人をいきなり運命の相手と認識して結婚式をやっちまうくらいにな。よし、即興だが」

 

 即興だがこれでいいだろう。手綱は最低限振り落とされなきゃいい。昔の教訓だ。

 

「願いを叶える魔法って言ったよね? このワイバーンをつまりその‥‥‥口説いたの?」

 

「ロカ、世の中には深く掘り下げなくていいこともあんの。うまくいくかどうかは半々だったけどな。とりあえず、協力してくれるってさ。どうどう」

 

 キースやLOOを除いて、信じられないというよりそこにあるのは苦笑い。

 さっきまで好き放題に火を噴きまくっていたドラゴンは道路に足を下ろし、首を右に左に鶏みたいに振ってる。攻撃爆撃機が穏やかなもんだ。

 

「‥‥‥作戦ってデッドストックをかけて、竜を服従させることだったんだね。いかにも忠誠心が高そうな下僕を魔術で無理矢理従わせるなんて──さすがウィンチェスター、敵と見做したら遠慮なしだね」

 

「変な言い方するなっての、お前が火だるまになるのを助けてやったんだから感謝しろ」

 

 呆れ半分、苦笑い半分、微妙に棘があるのが実にツクモらしい。

 よし、それじゃ──かなでを追いかけるか。

 

「さっきから聞こうと思ってたんだけど‥‥何してるの‥‥‥? まさかとは思うけど──さ、察しがいいのは認めるけどやめときなって! 馬とは違うよ、分かんないの!?」

 

 超能力者に説明は不要か。

 いつも余裕ぶってるロカが慌てふためく姿は、見ていてちょっとおもしろい。背伸びしたがるお年頃、優しさを隠すように強がろうとする姿がクレアと似てるからかな。ちょっと微笑ましい。

 

 太い首元付近に繋げた手綱を掴み、背に跨って足でGOの指示を出す。

 軽く喉を震わせたあと、巨大な蝙蝠のような両翼が雄々しく羽ばたき始めた。

 

「き、キリくん‥‥‥!? ま、まさか君はそれに乗って豪快にキンジくんを追いかけようと言うのかい!」

 

「お、お前っ‥‥‥竜になんて乗れるのか!? 落下したら大変なことになるぞ!」

 

「大丈夫。空を飛ぶドラゴンは、5年位前にオズの国でチャーリーとさんざん乗り回してっから」

 

 少尉、ツクモにまでロカの慌て具合が伝染したが‥‥‥

 今度は困惑の顔になった。ああ、俺も初めて聞いたときはそう思ったよ。

 実際にあるんだ、オズの国。もう扉は閉じて行けなくなっちまったけどな。

 

「5年前って中学生じゃないのか‥‥‥」

 

 

 マッシュ、そこは突っ込まないで。

 

 

 

「みんなあとのことは頼む」

 

 

 オズの国、オズの魔法使い。懐かしいが思い出に浸るのはあとだ。チャーリーが隣にいたら、やるべきことを先にやれってそう言うだろうからな。

 もう一度合図を出すと、ドラゴンは空へ飛翔。

 ほぼ無風だった夜の湾岸線の空へゆるりと舞い上がった。

 

 

「‥‥‥‥」

 

 女騎士によって張られていた濃霧は晴れ、湾岸線も上からクリアな状態で見下ろせる。とはいえ、レキほど視力がいいわけじゃないしな。もう少し近づかないと詳しい状況はまだ見えないか。

 残念ながら壮大に広がっている夜景を楽しんでる余裕はなく、先を行ったマセラティと米軍を追うべくドラゴンを疾駆。GOの合図をもう一度かける。

 

 

(正直ツクモの言葉は結構芯を食ってたな。テロリストでも忠誠心の高い生き物をまじないで無理に従わせるってのは、なかなかあくどい。そもそもエリクサー自体、十字路の悪魔が取引に使ってた代物だし)

 

 

 かと言って、みんなが炎に焼かれるかもしれないあの状況でやり方云々にこだわってるほど俺も馬鹿じゃない。

 汚いやり方でもどうでもいい、そんなもんにこだわって仲間を失ったら墓に入るまで後悔する。

 

 

「加速だ! 振り落とすつもりでいけ!」

 

 本気で落とされてしまえば笑えないので手綱をしっかり掴み、足でサインを出す。グッと体が一瞬前に引っ張られ、次いで視界がぐらついてしまうような速度で景色が進む。

 あの女騎士‥‥‥こんな暴走列車を飼いならしてたとは‥‥‥やっぱり只者じゃねえな。

 

 ほんの数秒でこの加速だ。

 軽く150kmは出てる。

 とはいえ、地上を走るのと空を裂くように飛んでいくのは同じ速度でも別物。昔騎乗したのを体が覚えてなきゃ振り落とされてたな‥‥‥

 

 世の中、何が役に立つか分からん。

 切にそう思うよ。今夜は特にな。

 

 

(‥‥‥? あれは例の女騎士か?)

 

 

 高度をやや落とし、道路を沿うように飛行していると眼下に見覚えのある鎧騎士と倒れ込んでいるドラゴンの姿が見えた。

 

 女騎士はともかく、ドラゴンは見たところ身動き一つせず道路に翼ごと投げ出され、完全に沈黙してる感じだ。

 ‥‥‥俺たちが総出で手を焼いたこいつを、一体何があったんだ? ジーサードやかなめが最先端科学兵装で昏倒させた?

 

 もう一頭と鉢合わせる心構えはしてたが‥‥‥もしかすると遠山家を身くびってたのは俺のほうか?

 

 

「金一さんなら素手でドラゴン退治くらいやりそうだしな‥‥‥」

 

 キンジも大概だがあの人も底が知れない。

 特に今回は家族に手を出されてる、ありったけの技術を総動員してくるだろう。

 

 火を吐くドラゴンとどっちが恐ろしいかって?

 そんなの聞くまでもないだろ。

 

 

 

 手綱と足でさらにアクセルをかけると、風圧で歪む視界にも徐々に慣れてきた。自転車と同じだな、実際に乗れば体が思い出す。

 

 見えた、今度こそ黒塗りのマセラティ。ハードトップを開けてるアシだ。

 金一さんとかなめは見えるが‥‥ジーサードとキンジがいない。あの脇にいるのはZセカンドか? 

 

 一瞬、こっちを見たかなめがすごい顔をしてるのが見えたが立ち上がって迎撃しそうになったZセカンドを抑えつけてくれた。

 

「俺だッ、かなめぇー! ジーサードとキンジはどうした‥‥‥!」

 

「空だよ! 飛行ユニットで空にいる! こっちはいいからお兄ちゃんを援護してッ! ワイバーンに乗って追いかけてくるってどういうことーッ!?」

 

「話せば長い、いつも通りさ。なんかやばそうなことになってるな。オスプレイがこんなとこまで出張ってくるかよ。やあーッ、上昇だミラバルカン!」

 

 

 引き出物で手なづけた、なんてややこしいこと言ってる暇はなさそうだ。

 下げていた高度を再び上げ、視界を目的地である空港側へと向ける。ベル・ボーイング、V-22、オスプレイ。米海兵隊所属のティルトローター機が目視できるところまで飛んできてる。

 

 だが、翼端灯を切りながら?

 さんざん不安定だと噂されたあの機体で?

 小さな違和感が鋭い針のようになって背筋を刺す、この状況での嫌な予感は、経験上すぐに予感じゃなくなる。

 

 そして予感じゃなくて確かなのは、ここが正真正銘の最終局面。勝つか負けるかのテーブル。

 

 

「ここまでご苦労。今すぐにでも俺に火炎放射したいところだろうが今回は俺にものっぴきならない事情があってな。お前も日本の大事な道路を焼け野原にしたんだ。重罪だよな。てことで、あともうちょっと付き合え」

 

 喉を震わせ、怒ってんのか頷いてくれたのかはわからねえが返事をしてくれた。

 お前、もう少し別の出会い方してたらソーセージやるくらいには仲良くなれてたかもな。犯罪現場じゃなくもしもバーで出会ってたら友達になれてたかもって感じで。

 

 一瞬緩めた神経が反動を貰ったように張り詰める。

 オスプレイだけじゃない。見えたぜ、胴や尾翼の無い、翼だけのジェットグライダー。 

 

 巨大なブーメランのような形に翼後縁にはスラスターの噴射口がご丁寧に備えられた、どう見ても店員オーバーのそれをなんとか操縦してるジーサードと、しがみつくようにぶら下がってるキンジと腕に抱かれているかなで‥‥‥ようやく追いついた。

 

 そしてギリギリまで、かなでがいるってのにジェットグライダーが落ちそうな距離にまでオスプレイが接近してるってのはやっぱり妙だ。

 ああ、胴体後部ハッチもご丁寧に開いたまま。こんな無茶苦茶な状態で米軍が飛行を許すわけない。乗り物をジャックしたのは俺だけじゃないってことか、お互い様だな。

 

 

「あぁ!? おまっ‥‥‥──マジかよ‥‥‥」

 

 ジェットグライダーを吹き飛ばさないように速度を落とし、接敵。腕立て伏せみたいなかなり不安定な姿勢で飛んでるがふざけた五感でこっちを認識したジーサードと目が合う。

 そりゃこっちもオスプレイ並に目立つデカさだ。隠れてこそこそはできねえか。

 

「待たせたな、ジーサード! なんか取り込み中みたいじゃねえか」

 

 ジェットグライダーを巻き込まないように手綱を弄り、並び立っているオスプレイとジェットグライダーの間、点で三角を結ぶような位置まで上昇、ハッチの中が見える位置まで躍り出る。

 かなで、見るのは久々だな。

 

「また会えて良かった、久しぶり」

 

 

「き、切さん‥‥‥!?」

 

「‥‥‥ヴァルキュリヤの──‥‥‥なんでお前が乗ってんだよ!」

 

「思ったより元気そうだな、キンジ。お見事、今日のお前は間違いなく勲章者だよ。もうちょい頑張れ」

 

 本当なら背後からオスプレイに体当たりでもして奇襲したかったが、これだけグライダーの近くを飛ばれたらバランスを崩した途端巻き込んじまう。

 

 馬鹿正直にご挨拶するってのは遺憾だが今回は仕方ない。

 手綱を揺らし、その場で静止するように竜に合図を送りながら俺は開きっぱなしになったオスプレイの後部ハッチに目を向けた。

 

 

「──初めまして、ネモ提督。ヘマした次は本体で乗り込むとはご苦労なことで」

 

 

 刹那、軍帽の下からゆるりと底の見えない瑠璃紺の瞳が持ち上がった。

 宝石のような綺麗な瞳ってのは今まで何度も見てきた。それはロカだったり、夾竹桃だったり、ジャンヌや神崎だったりと挙げれば尽きない。

 

 しかしこいつは異様だ。

 ルシファーやリリスのように瞳に悪意が渦巻いてるわけじゃない。だが、底の見えない瑠璃紺の瞳からは理屈や常識では計り知れない得体の知れなさを感じる。

 

 これがNの提督。

 立場相応にこいつは、やばい。

 

 

「‥‥‥賢人か。カスバート・シンクレアといい、お前たちはいつも礼儀とは逆にいる。それは我が同胞、ヴァルキュリヤの忠臣のはずだが」

 

 手にしていた後期型のレ・マット・リボルバーを下げ、完全にこっちを認識したネモは‥‥‥まるで緋色の髪を水色に染めた神崎だ。

 モデルや女優が両手を挙げて降参しちまいそうな現実離れした顔も神崎同様。テロリストなんてやめて女優でもやれば人気だろうに。

 

 ネモ提督。それは敵だろうと思わず目を奪われちまいそうなくらい綺麗な少女だった。

 皮肉も忌々しい魔術師の名前が出たせいでそんなことにはならなかったけどな。

 

 

「お前が乗ってるその機体は祖国に忠誠を誓ったアメリカ軍人たちが操縦してるはずだ。これでも愛国者でね、人質の交換といくか? そのオスプレイとこのドラゴンの」

 

「やはり末裔と言ってもお前たちの質は変わらないと見える。此度の邂逅もまた、我々とお前たちは同じ方向を向けないらしい」

 

「フッ、同じ方向? 無理だな、貴様ら(ノーチラス)となど」

 

 キンジが口から吐血してる、この女。かなでを抱いて身動きの取れないキンジを撃ってやがったな。

 ウチのルームメイトは普段はそんなダサい銃に好き放題やられるヤツじゃない。

 

 神と呼ばれるにはセコイ手を使うね。

 Zセカンドは神の乗っ憑りだのなんだの言ってたがこの女は神でもなんでもない。

 超能力者で、人間で、一介のテロリストだ。

 

 

「──同志・遠山かなで。我々と共に、この惑星を変えるぞ」

 

 

 俺から完全に目を切り。

 矮小な片手を突き出し、ネモはかなでを招く。

 

 

「かなで。おまえは嫌なものをいっぱい見てきた。これからは綺麗なものだけ見ればいい。兄さんが、俺に教えてくれたんだ。家族の絆ってのは、俺が見た中で一番綺麗なものだ」

 

 まあ、無理っぽいな。

 もう小手先のセールストークではどうにもならん。

 

「お前がいま何を考えているとして俺は‥‥‥いまはただ、お前を守りたいよ。兄貴ってのはそういうものなんだ」

 

 ただ腕にある温もりの為にすべてを賭ける。

 キンジ、退学になろうとお前の本質は何も変わってないな。感動すら覚える。

 

 古今東西、命懸けで迎えに来てくれた兄の手をほどいて他人のところに行きたいなんていう子がどんだけ存在してるだろうな。

 かなでの顔を見れば分かる、あんなこと言われたらもう無理だろ。我儘を言っても大丈夫なんだって足場をご丁寧に用意されたわけだしな。

 

 

「ネモ、家族は捨てん──かなでは渡さん、一昨日来やがれぇッ!」

 

「提督。シンプルな口説き文句を並べても、やっと出会えた兄の手を離れてテロリストになりたい妹がいるわけないでしょうが‥‥‥」

 

「自ら活路を捨てるか。賢くはないぞ」

 

 

 ありったけの敵意が湾岸線上空で混ざり合う。

 ──最終局面だ。

 

 

 

 

 

 

 

 奇跡ってのは狙って起こせるものじゃない。

 マッカランを目の前に置いたメアリー母さんはいつかそう言ってた。

 

 別々に見えた事柄が都合よく重なっただけ。

 だから奇跡ってのは、狙って起こせるものじゃなくたまたま起きただけのラッキーパンチ。縋ったり、頼りにするものじゃない、って。

 

 いつどこに転がっているかも分からない、目に見えない奇跡をアテにするよりも今この瞬間視える、抱えている手札でどうにかする方法を探せ──さすがはキャンベル家、嫌なくらい現実を見てる。

 

 だが、時にはサイコロを振らなきゃどうにもならないときもある。

 たとえいつかは、その運が尽きるとしても。

 

 

 

 

「ネモは左目にレーザーを装填したまま瞬間移動ができる。かなでに取り憑いてたときとは別物だ、今は同時に使えるぞッ!」

 

 ゾッとするようなことをキンジが張り裂けんでも驚きはなかった。

 なんと言っても相手は超々能力者。それも発掘してすぐの原石どころか研磨された一級品。馬鹿げてる超能力を同時に出力できたところで驚きやしない。

 

「そのチビは動けねえ兄貴を撃ちやがった! 遠慮はいらねェ──Book'em kiri!(ぶちこめ キリ!)

 

「言われるまでもない!」

 

 虚空に足場をくれているドラゴンに足で合図、殺傷圏内に踏み込むつもりでネモの視界に踏み込む。

 超々能力者にとって、目に見える範囲はすべて如意棒によって殺傷圏内に化ける。攻撃したきゃ死地に足を突っ込むしかない、安全策はなし。

 

「フフッ、お手並み拝見といこうか」

 

 開いたハッチの奥で佇んでいる軍帽の下に隠された目が例のごとく、そのまんま銃口だ。余裕を含んだ笑いに見えてあの女は既に銃を抜いてるようなもの。

 今はガブもルシファーも()()入れてない以上、指を鳴らしてあっさりと回避とはいかない。

 

 だから俺は必死に頭を回す。

 いつものように、メアリー母さんの教えを引っ張り出し、手元に残されたカードを脳裏に広げる。

 手札の数だけ、可能性があると信じてな。

 

「待て、切っ! ネモには『次次元水晶』──撃たれた弾を撃ったヤツに当てる技があるッ。シャーロックはそれにやられた、撃つと自分を撃つ事になるんだ…‥飛び道具はマズイぞ!」

 

 

 ワンコンマ、キンジが静止をかけてくる。

 殺傷能力のある武器を向ければ、自分に殺意がそのまんま跳ね返ってくるわけか。

 ふざけたカウンター技だ。

 

「さすが超々能力者、なんでも無理が通る」

 

「ナイフ投げが得意のようだがクルドのナイフやアルテミスの刃でさえ、私の首には遠いぞ?」

 

 殺意を向ければ跳ね返る、因果応報のカウンター技をどうすり抜ける?

 殺意が跳ね返るとしたらだ。跳ね返っても問題のない殺意を向ければどうだ。

 

 それまで微動だにしなかったネモの深海の瞳が俺が掌ギリギリの瓶を投げる動作に入った途端、跳ねるように見開かれた。

 これで、多少は計算がズレたか?

 

 

「Ego voco impetu delere vos‥‥‥」

 

「‥‥‥鶏の足、魔女殺しの呪文か。それで知恵を絞ったつもりか?」

 

「備えあれば嬉しいな。さあ、どうする」

 

 

 ‥‥‥冷凍はやっぱグロい。

 瓶詰めにするとやっぱりホラーだな。弾に加工したサムは賢かった、見た目も利便性も断然上だ。

 

 ──魔術殺しの呪文、まじない。それは冷凍した鶏の足を使った魔女にとっては猛毒極まりない魔術。

 冷凍してなきゃ不発になって終わる、一度ミスって死にかけたからな。もう間違えない。

 

 コイツはたとえ800年の研鑽を積んだ魔女にすら致命傷を与える、だが対象はあくまで魔女。

 ただの人間に対しては何の効果もない。跳ね返ってきたところで俺には何ら問題ないってことよ。

 

(来やがった‥‥‥!)

 

 仕組みは分からねえ。

 だが、瓶からオスプレイに向けて解き放たれる閃光はなぜかこちらに、俺の目を焼くような勢いで返ってくる。

 

 反射、いや──ロキやガブリエルのトリックに似てる。事象そのものが裏返らせる、撃った弾は自分を撃つことになり、火炎瓶をネモに投げることは自分に向けて投げたことに書き換えられるわけだ。

 

 1枚じゃどうにもならない。

 枚数で勝負といくか、2枚目──

 

 

「撃てぇぇえええー!」

 

 魔女退治の閃光が晴れた刹那、間髪入れずにドラゴンが自分の体内で着火させた炎をオスプレイに向けて吹き付けた。

 

 “黒炎弾“──理子が一緒に乗ってたらきっと高らかに叫んでただろうな。

 輻射熱だけでも頭がおかしくなりそうな火炎は開いたハッチからキャビン側までを覆うような広範囲に渡る殺人ブレス。

 

「噂には聞いていたよ。お前たち兄弟は石橋を自分ごと叩き壊すタイプだと」

 

 銃弾とは違った広範囲、そして一息つかせずに連続で仕掛けた。如意棒のようにあのトリックにタイムラグがあれば、オスプレイは炎上してくれる。

 

「自分で逃げ場を塞ぐのは勝手なのだし、文句はつけないがお前は自分の前にいる者の二つ名くらい記憶しておくべきだぞ? お前は誰の首に刃を立てようと思っている?」

 

 が、またしてもドラゴンが吹き付けたはずの炎は吐き出した濃緑の喉元へ巻き戻しでもされるように跳ね返ってくる。

 どうにも如意棒のレーザーみたいに連発できないってわけじゃないらしい。防御性だけで見ればパトラのアメンホテプの盾やかなめのP・ファイバーより酷いってんだからふざけた話だ。

 

 可能を不可能にする女──事実ならキンジ並にアンフェアだ。あいつもあいつで、いつもとんでもない女ばっか招いてくる。

 いつものごとく、モデルも女優も顔負けのビジュアルだしよ‥‥‥!

 

 

「ああ。俺のことを礼儀知らずと言った女だ」

 

「──ッ!」

 

 ネモの深海の瞳が丸くなる。

 炎がオスプレイに向けて吐かれる一歩手前、俺の体は既にドラゴンの背から湾岸線の夜空へ飛び出していた。

 

 平賀さん製の空嚢弾をXDで撃ち込み、コンマゼロゼロ数秒のアナログタイマー制御で起動したエアバッグを足場にして、開いたオスプレイの後部ハッチ、ネモの首元へ突っ込んでいる。

 カッターナイフで胸に刻んでおいた血文字の図形をシャツを開いて晒したうえでな。

 

 3枚目──竜の炎が夜を照らしている最中、赤い血で描いた胸の図形に掌を押し当て、いつものように傷口から光を解き放つ。

 

 

「‥‥‥!」

 

 ネモの瞳がここで、さらに開くのが見えた。

 きっと混乱したんだろう。

 

 超能力においては間違いなく第一級、どう考えても俺が太刀打ちできる相手じゃない。

 だが、少し考えてほしい。

 

 ある日、不意に、ぶつけられた魔術が。

 猛毒同然の閃光と骨身を焼き尽くす炎のあとに連続してぶつけられるのが。

 

 自分たちが住んでいるのとは別の、本物の天国で伝わっている未知の魔術だったとしたら?

 

 虚空ではなく、機体のしっかりとした足場を靴が蹴る。

 完全な別レギュレーションからの攻撃、こればかりは防ぐも何もあったもんじゃない。

 

 四枚目──やっと喉に食らいついた。

 

 

「jogar noite(楽しもう 夜を)」

 

「‥‥‥ッ!?」

 

 

 虚空から転がり込み、ほぼオスプレイの床と水平にしゃがみ込んだ体勢のまま俺の右足がネモの小さな体を下から跳ね上げた。

 

 かなでに取り憑いた分、キンジを的にした分、そして俺を礼儀知らずと言った分、まとめてお返しだ。

 

「安心したぜ、ちゃんと実体があって!」

 

 呻きをあげ、操縦席側に背中から倒れ込んでいったネモをしゃがんだ姿勢を起こしながら見やる。

 

 血の図形は図形でも、今回のは退路を失ったメタトロンがアマラにも使った最終手段。れっきとした攻撃用の魔術だ。

 あの物知りなメタトロンが決戦の場でセレクトしただけはある。超々能力者のインチキ防御に抜け道を作ったんだからな。

 

「今のうちだッ、なんでもいいからオスプレイを振り切れ!」

 

 デカい口のように開きっぱなしのハッチから外に向けて叫ぶ。

 俺たち全員。まだ死地にいる。

 とりあえずこの邪魔でしかないオスプレイをなんとかしてから────

 

 

「‥‥‥T-1000かよ! このクソ忙しい時に!」

 

 ネモに一発当てて、コンマ数秒足らず。足首に銀の紐が絡みついた。

 言うまでもなく操縦席にいる水銀女の横槍。そんなところから伸ばせんよかよ‥‥‥ちくしょうめ、こいつの膂力じゃ踏ん張りがどうとか関係なくなるッ‥‥‥!

 

 必死にその場で踏ん張り足掻くが‥‥‥嫌な浮遊感をかんじたときには視界は真っ暗闇の中だった。

 

 

(‥‥‥また紐無しバンジーだと? 勘弁してくれ‥‥‥)

 

 ボーイングのときの再来、パラシュートも命綱もなしに夜の空の上。あのターミネーター、捕らえた俺の足を体ごとオスプレイの外に放り投げやがった‥‥‥

 

 目の前に機体が見えていたのも一瞬、真っ逆さまに落下する俺の視界からオスプレイが遠ざかっていく。

 

 なんて冷静に考えてる場合じゃない‥‥‥

 この高さじゃ水面に投げ出されてもやばいってのにコンクリートだのアスファルトにぶつかったら完全におしまいだからな‥‥‥! 

 

 ジーサードがなんか言ってる。えっとえっと、おい、やべぇぞ兄貴‥‥‥?

 確かにやべえがやばいのはそっちも一緒。結局厄介なオスプレイを何ともできなかったし‥‥‥ああ、しくったな。

 

 

「キンジ、キンゾー! シスの親玉に一発は入れてやったぞ! そっちはそっちでなんとかしろ! かなでと一緒にちゃんと帰ってこいよーッ!」

 

 とか叫んでいる最中も体は虚しく落下。湾岸線の大地に引き寄せられていく。

 去年、理子にボーイングから落とされたときはストックしてた悪魔の血を飲んでなんとか着水して生き延びたけど今回は色々と状況が違う。

 

 空嚢弾は一発、XDにコンバットリロードしといたがエアバッグ一つでどうにかするには‥‥‥かなり器用にやらねえとな。

 母さんの教えも、今回ばかりは都合のいい奇跡やらを期待したくなったよ。

 

 

「‥‥‥‥は、はっ」

 

 ま、神頼みの奇跡は駄目でも頼れる超能力者がまた一つ、幸運を運んでくれたらしい。

 一つの不幸と一つの幸運を同時に運ぶ魔術、ロカがまたやってくれたのかな。

 

 真実は闇の中だが一応感謝しとくよ、お嬢様。おかげで、なんとなりそうだ。

 しかし、敵ながら勲章をやりたい気分だよ。

 ふざけた速度で落下する俺をさらに追い抜き、ほぼ真下。俺の眼下に降下してきたドラゴンが濃緑の両翼を広げ、背を見せる。

 

 空嚢弾を撃ち込んでワンクッション、エアバッグでできる限り殺した勢いのまま‥‥‥これでも硬いコンクリートよりは遥かにマシなドラゴンの背へ乱暴に体を打ちつけながらも手綱をなんとか掴み取った‥‥‥

 

 ‥‥‥て、転落ギリギリで踏みとどまったな。

 平賀さん、本当に助かったよ。次に会ったときは絶対にお礼言おうっと。

 

「き、切さん‥‥‥!」

 

「‥‥‥なんてこったジーサード、どう見ても正義のスーパーマンじゃねえか」

 

「ケッ、兄貴といい葬式とは無縁の男だぜ。かなでを頼む」

 

「了解」

 

 声に見上げると、さっきの飛行ユニットを破棄した代わりにマントをモモンガのように広げて夜空を飛んでいるジーサードとかなでが見えた。

 

 そのマント‥‥‥本当に空飛べたんだ、さすがジーサード。やることの予想がつかない。

 ドラゴンに合図を出し、一人抱えて飛ぶには姿勢制御も苦しそうなジーサードの腕から今度こそかなでをセーブ。

 片手で手綱を握ったまま抱き止める。

 

「お帰り、かなで」

 

「切さん、お、お兄ちゃんさまが‥‥‥──」

 

「分かってる、キンジはまだ上か。サード!」

 

「こっちはなんとかする! 行け!」

 

「アシは‥‥‥あそこだな。よし、行くぞかなで!」

 

「はい!」

 

 金一さん、かなめが乗ってるマセラティを目視。下降していく。

 ジーサードもさっきの飛行ユニットに比べて、かなりキツそうな飛行だがあのジーサードが言うんだ大丈夫だろ。

 

 まだ上に‥‥‥ってことはキンジもオスプレイに乗り込んだか。刃物だらけの道しか相変わらず用意されてないやつだな、あいつも。

 

 妹の為に命を賭ける、勲章者だよキンジ。もう何度目か分からないけど、お見事だ。

 

 

 

 

 

 

 





GWブーストで更新。ネモようやく登場。
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