5時45分
スマホから何かを知らせる音がする。アラームには少し小さめの音だが、このスマホの持ち主はけたたましい音ではなく、優しい音で起きたいタイプのようだ。
しかし一回のアラームで起きる訳ではなく、スヌーズが二、三回位なったところでようやく止める。
眠い目を擦りながらベットに座った状態になっては、眠気と闘ってるようだ。肌寒い季節から多少は夏に近付き布団の魔力は落ちている気がする。
おぼつかない足取りで床に落ちている靴下やストッキングを華麗にかわし、キッチンにある某メーカーのケトルに水を入れスイッチを押す。
沸くまでの間にまたおぼつかない足取りでベランダまで行き、キャラクターものの可愛いサンダルを履いて手すりの部分に寄りかかる。
心地よい風がまだボサボサの前髪を揺らしながら、すぐ脇に置いてある煙草を手に取りライターで火を着ける。多少風もありライターを手で囲い着火した。
体に悪いと分かっていても、日頃のルーティーンはなかなか変えれるものではない。
この煙草を吸っている時間に頭を覚醒させているようだ。
吸殻をエアコンの室外機の上に置いてある灰皿に捨てて部屋に戻る。
6時00分
鼻唄を歌いながらテレビの電源をつけ、お気に入りの番組が今朝のニュースや天気などを伝えている。
それを耳で聴きながら、食器洗い機の中に乱雑に入っているお気に入りのマグカップにインスタントコーヒーを入れお湯を注ぐ。
昨日の帰宅時に買っておいたスティックパンを頬張りながら新聞に目を通す。
6時15分
マグカップを流しに置き、出勤の準備に取り掛かる。
6時52分
いつも通りの時間に部屋を出る。
鞄には朝読みかけの新聞と仕事中に食べるチョコレートが忍ばせてある。
エレベーターでエントランスまで降りると寮母さんと真っ白い大きい犬に挨拶し、出勤する。
7時00分
いつもと同じ秘書艦室に出勤し、パソコンを立ち上げる。夜間勤務のお兄様と挨拶を交わし給湯室に歩いていく。
給湯室で自分のマグカップにコーヒーメーカーのエスプレッソを流し込む。わかりもしないが無駄にエスプレッソの香りを楽しむ仕草をする。マグカップを持って自分の席戻るときに自分の席が一番汚いのが目に付いたが気にしないことにした。
エスプレッソを飲みながら朝の新聞の続きを読む。
7時20分
新聞も読み終わりパソコンでメールチェックを済ませる。
この時間になれば皆ちらほら出勤してくる。挨拶を交わし10分程で秘書艦室から出ていく。
7時30分
基本的に一日のメインイベントである。この時間には必ず提督が喫煙所にいるのでルンルンだ。悟られない様に落ち着いてる風にはみせているが、胸が苦しい。
8時00分
鎮守府内でチャイムが鳴り、秘書艦室の中の定位置に皆集まってくる。
今から朝礼で私が担当だ。
「皆さんおはようございます。では引き継ぎと朝礼を行います。まず夜間」
「異常無し。連絡事項もありません。」
「戦艦」
「特になし」
「空母」
「特になしよ」
「重、航巡」
「特になし」
「軽巡、特殊」
「特になし」
「駆逐、海防」
「ないでーす」
「教育」
「ありません」
「給領」
「ありません」
「経理」
「特にありません」
「総務」
「健康診断の事前問診票が今日までになってます。担当艦の方は取りまとめの上、提出お願いします。また別途乳がん検診と胃カメラを希望される方は来週一杯まで大丈夫ですので、この龍田まで連絡お願いします。以上」
「戦闘からは特にありません。秘書艦何か?」
「先日報告があった工廠西側トイレの水道管工事を今日やるわ。今日一杯は使えないし、危険だから近付かない様に連絡宜しく。以上」
「提督は何か?」
「お前ら最近残業し過ぎだ。本部からお達しがしてる。管理職なんだから上手く下を使えよー。今日は週末だから今日位は残業無しで帰れ。以上」
「朝礼は以上になります。今日も宜しくお願いします。」
「お願いします‼️」
皆で敬礼をしバラバラに散らばっていく。
担当部署に今の報告を二次朝礼しに行く艦娘や、自分の机に座って仕事を始める艦娘。提督はそそくさと自分の部屋に戻って行った。
以前に「何でそんなに早く部屋に帰るのか?」と質問したところ。「叢雲の圧力が凄いから」と訳の解らぬ返答が返ってきた。
8時10分
朝礼も終わり自分の机の中からブルーライトカットの眼鏡を掛ける。朝から他の鎮守府の演習報告書や今後の作戦案などの纏めをパソコンで作成していく。
9時40分
海軍省作戦本部の次長からアホみたいなメールが飛んで来て、苛ついたので煙草を吸いに出る。
10時30分
オンラインで海軍将校若手育成会議にオブザーバーとして出席する。
12時00分
チャイムが鳴りお昼休みだ。
今日は叢雲とお昼を食べに行く約束だ。叢雲が車を出してくれて、野菜天ざるを食べた。帰りの車の中で提督の事で弄られたので頬をつねっておいた。