どうやったら艦娘になれますか?
こういった質問は今でこそ少なくなったが、艦娘が登場したての頃は結構多かった質問だった。
その答えは艦娘には適性があるのだ。全員がなれるわけではない。今や簡単な血液検査で適性の有る無しがわかる。学校の身体検査のついでにおこなわれるのが今や当たり前の事。女性のみ。年齢は下は1桁から上は30代までが対象である。その年齢以上は何故か皆非適合になってしまう。国家での調査結果だった。また一度非適合でも一年後には適性有りに変わる可能性があるのだ。だからこの国の女性は年に一回は艦娘検査を受ける義務があるのだ。
適合してもその後のヒアリングや家族の事情などで辞退する者も少なくない、また艦娘試験で落とされる者もいるので非常に艦娘の数は少ないのである。
ここに一人の艦娘がいる。事務机が幾つか並べてある一番奥に、ちょっと高そうな机に座っている髪の毛が白とシルバーの間の色でロングヘアー。ちょっと深いグレーのタイトスカートにスーツと眼鏡を掛けている女性。
叢雲
ここは秘書艦室
叢雲の肩書きは【筆頭秘書艦】である。
普通の秘書艦とは違い、提督と共に鎮守府の運営を任されている存在だ。その前の机には各担当艦が事務をしている。
戦闘・作戦参謀艦 神通
戦艦統括艦 金剛
空母統括艦 加賀
重・航巡統括艦 高雄
軽巡統括艦 矢矧
駆逐統括艦 島風
教育担当艦 香取
給領統括艦 鳳翔
経理・監査担当艦 大淀
総務担当艦 龍田
上記のメンバーが鎮守府の運営を賄っている。その下に補佐官などが付いてるのだが、事務的な仕事はこのメンバーでおこなっている。他の鎮守府とは違う所がある。
それは服装だ。
基本的には他の鎮守府は皆指定の戦闘服で作業を行っているのだが、この鎮守府は基本自由。役職がついている者だけがスーツや海自の制服で仕事している。
秘書艦という制度もあるのだが、どちらかというと、仕事と言うよりは日直の方が近いかもしれない。提督にお茶を出したり、工廠にお使いに行ったりするくらいだ。秘書艦は日替りでローテーションしている。
プルルル
「はい、四日市鎮守府です」
「お世話になっております。叢雲ですね、少々お待ちください。」
保留ボタンを押す
「叢雲さん、この間歩行線の見積もりに来た業者さんからお電話です」
電話を手に取る叢雲
「お待たせしました叢雲です。先日はどうもありがとうございました。その件は…」
最初に電話を取ったのは大淀かと思いきや島風だ。この鎮守府の島風はちょっと他の島風と違うのだ。まず敬語しか喋らない。走るのは嫌い。仕事は超がつくほど真面目。寒がり。うさみみも着けてないので戦闘服じゃない限り誰かわかんないくらいだ。おまけに戦闘服も恥ずかしくて嫌い
元々人だから個性があるだけで全く同じにする必要がないとの事。提督の個性は伸ばす理論らしい。でも他の鎮守府の島風の集まりの中ではめちゃくちゃ浮いてるらしい。
そんな個性的な島風と仕事してる叢雲だった