一人の艦娘が廊下を歩いている。
白とシルバーの中間色で長い髪の毛の艦娘。
叢雲
前から一人の男性が歩いてくる
「あら、煙草でも吸った帰り?」
「ああ」
「そうだ叢雲、今日のアフター空いてるか?」
瞬時に叢雲は考えた。
確かに今日は仕事がそんなに詰まっておらず、定時には家に帰ろうとしていたが、急に誘われるとなると話は別だ。仕事の話なら今からするだろうし、どうしても仕事後ではならないこととは何だろうか。必死に考えた叢雲だったがあまり間を持たせ過ぎると悪いので即座に返答する。
「今日は定時で帰ろうと思っていたから17時からは暇よ」
「そうか良かった!一緒にあそこ行こうぜ」
「はぁ…」
そう叢雲はため息をつきながらゴルフクラブを振り続けるのであった
ここは鎮守府近くの個人経営の居酒屋。味もよく値段も手頃なので、近所の住民や鎮守府関係者がよく訪れる繁盛店だ。
カウンターに提督と座っているゴルフでは常に80そこそこでまわる艦娘
叢雲
「すいませーん。この蟹すきの一番高いやつ下さい。あと日本酒」
「おい!俺が金払うからってここぞとばかりに高いもんばっかり頼むなよ!」
「あんたがゴルフのニアピンで勝負しようって言ったんじゃないの。ここの代金を掛けて」
先程の練習場で提督が飯代を掛けてニアピン勝負を仕掛けてきたのだ。提督もゴルフの腕は叢雲と同じくらいでピン側20に着けるナイスショットだったが、叢雲の打ったボールが提督のボールを弾き跳ばすミラクルで叢雲の勝利になった。
「俺は認めてないからな!あんなまぐれ!」
飲んでいた焼酎のグラスをカウンターに叩きつけながら吠える提督
「小さい男ねー。素直に敗けを認めなさいよ。」
だし巻き玉子を食べながら提督へ返す叢雲
「日本酒お待たせしましたー」
いつもとは違う声に振り向く叢雲
そこには小学校低学年であろうか位の女の子が日本酒を持って立っていた。
「あらありがとー。お手伝い?偉いわね」
にっこり笑いながら頭を撫でる叢雲
すると大将が
「今娘が帰って来ててね。学校の同窓会に行ってるんだよ、帰ってくるまで面倒見てくれって。いつもは店もこの時間なら落ち着いてるんだが、今日はちょっと客の入りが良くて忙しくなっちゃって。そしたら孫が手伝うって聞かなくてな(笑)」
話を聞くと叢雲は自分の鞄から飴玉を取り出し女の子に渡す。
「これはお駄賃ね」
「お姉ちゃんありがと!!」
嬉しそうに笑いながら飴玉を握る女の子を見てると自分も嬉しくなる叢雲だった
「大将!蟹追加で!」
「おい!」