叢雲はまだ蟹すきを食べている。
「いらっしゃいませー!何名様ですか?」
店内に活気のある声が響く。
「二人ですけど空いてますか?」
「今座敷の方を片付けるから少し待っててね」
それを聞いた黒髪の女性は辺りを見渡しているとカウンターに見慣れた人達を発見する。近づいていき挨拶する。
「ちぃーす提督。デート中?」
「おお北上か飲みに来たのか?」
「妹がこっちに来てるから一緒に飲もうとおもってね」
黒髪の女性は北上。四日市鎮守府でも古参の艦で大規模作戦でも全線で活躍するエース艦だ。その隣には北上にちょっと似た妹が立っていた。
「こんばんは。姉がいつもお世話になってます。」
頭を下げる妹に提督も
「お姉さんにはこっちがいつもお世話になってます。素晴らしいお姉さんですよ。」
身内を誉められ上機嫌の妹が隣の女性に気付く。蟹すきをひたすら食べ続ける艦娘
叢雲
「あのー。もしかして叢雲さんですか?」
妹が恐る恐るたずねる
「ふぁいそうれすよ」
蟹を食べながら返す叢雲
「あの英雄叢雲さんに会えるなんて夢みたい!良かったらご一緒しても良いですか?」
ちらっと横の提督を見ると首を縦に振っている
「良いですよ一緒に飲みましょう。北上の昔の恥ずかしい話も聴きたいし。」
そうニヤニヤしながら北上の方をみる
「勘弁してよ叢雲さーん。」
「あ、席用意出来たみたいですよ」
そう言いながら話をはぐらかす北上だった
「今日はいくらでも飲んで食べなさい、このパパが全部奢ってくれるから」
やったー!とはしゃぐ北上姉妹
「パパじゃねーし!まあ出すけどさ」
なんだかんだ自分の艦娘には弱い提督だった
もう一度ビールで乾杯をして話を切り出す妹
「私艦娘になりたいんですが、適性検査がいつも駄目なんですよねー」
愚痴混じりに話す妹に提督が返す
「適性検査はどんなシステムか俺はあんまり詳しくないけど、1年で変化する場合もあるし来年適性出るように願ってるよ。それに姉妹で艦娘例も多いから望みは薄くないと思うよ。」
「へー、そうなんですか」
「うん。妖精さんが言ってたよ。でも何で艦娘になりたいの?夜勤もあるし命の危険だってある危険な仕事だよ?」
「姉が艦娘やってるのもあるんですけど、一番は叢雲さんに憧れてるんですよ!だからこうして一緒に飲めるなんて夢みたいなんです!」
「あー。確かにこいつは外面は100点だからなっ」
提督が喋り終わるかどうかの瞬間に隣からパンチが飛んでくる。
「痛ってー!」
「自業自得よ。妹ちゃん蟹食べる?すいませーん蟹四人前追加で!」
自分の頬を撫でながら提督が
「昔を思い出したから今から昔話でもしてやろうか?」
妹ちゃんが目をキラキラさせつつ
「是非きかせてください!」
そう言うと提督が腕を組ながら話し出した