私のことを、語り継いでくれますか   作:猫の休日

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感想にてアラガミ化ルートの話が少し出てきたので、興味もあって書いてみました!
皆さま、ブクマ、評価、誤字報告、感想ありがとうございます!


今回の独自解釈〜

適合率低いと、神器が、というより体内の偏食因子が暴走しやすい。つまり…後は分かるね?

それでは、どぞ。



if アラガミ化ルート

穴に隠れて、一体どれくらいの時間が過ぎただろう。あまりにもする事がないので、1人で脳内しりとりをしていたのだが、流石にそれも飽きてきた。

…っていうか、しりとりってまるで私に友達がいないみたいじゃないか。いるし。友達いるし。

サクヤさんにカノンさん、ジーナさんに、それと友達って言ったら調子に乗るなって言われそうだけど、教官も友達だと思ってる。そして、何よりヒバリがいるからね。もう友達通り越して親友ですよ。親友。

 

あー…、ヒバリに会いたいなぁ。声聞きたいなぁ。でも、今無線繋げて見つかったら元も子もないし…、仕方ないかぁ。

 

しっかし、お腹減ったなぁ…。何か食べれる物持ってたっけ?

あ、ガムあった。これ食べとこ。

 

 

…そう言えば、私の活動時間、あとどれくらいだろう。隠れてから時間の流れがわからないから、よく分かんないや。

活動時間過ぎたら、どうなるんだっけ? 取り敢えず、神器はもう持てなくなるでしょ? それから…身体能力も落ちちゃうのかな? あれ? ってことは、寒さ結構ヤバくね? 大丈夫だよね、私。

 

…うん、怖いから考えるのやめよう。だいしょーぶ。活動時間過ぎても、所詮私にゃ座ることしかできないからね。わたしゃ死ぬまでここにいる!

あっ、ガムそろそろ出そう。味しない。

 

 

 

 

 

 

お腹すいたなぁ…。

 

 

 

 

 

 

クギュルルルルル。

お腹鳴った…。恥ずい。

 

 

 

 

 

 

お腹、減ったなぁ…。

神器、重いなぁ…。

寒いなぁ…。

 

 

 

 

 

 

お腹減ったなぁ…。

…減ったなぁ。

 

 

 

 

 

 

お腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったお腹減ったー!!

 

はぁ。

 

ーーータベタイ。

 

 

 

 

 

 

タベタイ。

 

 

 

 

 

 

タベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイ

 

 

ドシドシドシ、グルルルルル…。

 

 

アッ、ゴハンダァ。

 

 

 

 

 

◇sideリンドウ

 

 

 

んー、確かこの辺のはずなんだが…。

 

「ヒバリ。本当にこの辺りなのか?」

「はい、そのあたりにいるはずです! まだアヤさんの生体反応はありますので、急いでください!」

「おー、了解」

 

そう言って、無線を切る。

そして、目の前のいくつかのアラガミの死体を見る。

 

「……しっかし、どうして奴さんたちは死んでるのかねぇ。報告にあった新種でも暴れたのか?」

 

確か…氷を扱うヴァジュラ種、だったか? の割には、氷は何処にもないが…。見た様子、そんなに時間は経ってないよな?

 

ガチュ、グチュ…

 

「! 捕食音。ほっとくわけには、いかないわな。しゃーない。一仕事しますか」

 

ガシャっと神器を構えて、音の発生地点に歩を進める。

音はどうやら、ある程度状態のいい建物の中から聞こえてくるようだった。

壁にもたれかかり、中を確認ーーー

 

 

思わず、声を失った。

 

 

「ヒバリ…」

「リンドウさん! アヤさんは、アヤさんは見つかりましたか!?」

「ヒバリ、一度だけ言う。アヤのことは、もう諦めろ」

「…え? それって、どう言う……、生体反応もーー」

 

ヒバリが話してる途中だったが、構わず無線を切る。できれば、彼女には知って欲しくないが、無理、だろうな。

 

「くそっ…」

 

悪態を吐く。

気づいたらタバコを吸っていた。どうやら無意識に吸っていたようだ。ハハッ、クソッタレめ。

 

だが、お陰か少し落ち着けた。

 

「隊長の、仕事だもんなぁ…。それに、今こいつを救ってやれるのは、俺だけ…か」

 

タバコを捨てて、足で踏み潰して火を消す。

 

建物に入る。

一度強く目をつむり、開く。

 

その先にはーー

 

 

ーー涙を流しながらオウガテイルを捕食する、三日月アヤがいた。

 

 

「…アヤ」

「ウィ?」

「遅くなって、悪かったな」

「ダベ…ル、タベルタベルタベルタベルタベルタベルタベル」

「よく、頑張ったな…」

「グ、ガァアアアアアアア!」

「今、救ってやる」

 

神器を、構えた。

 

 

 

◇sideヒバリ

 

 

 

 

生体反応は変わらずあった。

リンドウさんが動いてくれた。

だから、大丈夫だと、そう思っていた。

 

「ヒバリ、一度だけ言う」

 

リンドウさんの声が、やけに重たく、冷たい。

 

「アヤのことは、もう諦めろ」

 

……? リンドウさんは、何を言ってるのだろう。

 

「…え? それって、どういう……、生体反応もーー」

 

通信が、切られた。

そして、モニターでは2人の反応が激しくぶつかり合っていた。

 

「どういう…こと?」

 

嫌な予感がする。

この動きは、明らかに戦闘行為をしている時の動き。

おかしい。どうして、どうしてどうして!

アヤさんとリンドウさんが、戦ってるの!

 

答えは、その後すぐに分かった。

 

リンドウさんが神器で斬りつけたのか、アヤさんの反応が吹き飛ばされたかのように離れ、そして、生体反応が消えた。

そして次の瞬間、モニターに現れた反応はーー

 

 

ーーアラガミの、反応。

 

 

「嘘」

 

嫌だ。

でも、頭の冷静な部分ではーー…。

 

嫌だ。アヤさん、嫌だ。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!

 

「アヤ、さん…」

 

もう、言葉は出なかった。

ヒバリはただ、ただ呆然と、モニターを眺め続けた。

 

そのアラガミの反応が、消えるまで。

 

 

 

◇sideリンドウ

 

 

 

アナグラに帰投した。

ヒバリに、どんな顔して会えばいいんだ…っ。

 

「リンドウ、さん」

「ヒバリ…」

「アヤ、さんは…」

「…会ってこい。ちゃんと、連れて帰ってきたから」

 

ヒバリは無言で俺の脇を走り去る。そして、少しして、彼女の言葉にならないほどの、痛いほどの絶叫が木霊した。

ギリッと奥歯を噛みしめる。頭がグワングワンとして、立ってるのも辛い。だが、ヒバリの方が、辛いはずだ。

 

「リンドウ君」

「榊博士…どうして、アヤを連れて帰るように指示を?」

「…こんな言い方はしたくないが、アラガミ化、という珍しい現象を調べたかったからさ」

「あんた!」

「原因を究明して、二度と、こんなことが起こらないように!」

 

今にも掴みかかりそうになった俺に、榊博士は吐き捨てるように言った。

 

「彼女の体に、何が起こったのか、調べる必要があるんだ」

「…ちくしょう」

 

榊博士の言いたいことは分かる。だが……納得は、仕切れない。

 

「……今からアヤ君に会いに行くけど、君も来てくれるかい?」

「ああ。あいつを殺したのは、俺だからな」

「リンドウ君、それはーー」

「分かってる。でもな、俺にはどうしても、救ってやったんだって、思えねぇんだ」

「そうかい…」

「ああ…。それと博士、今は行かない方がいい。ヒバリがいるから」

「…そのようだね」

 

博士は無意識か、胸を抑える。

 

「…博士、原因は、何だったんだ?」

 

俺の問いに、博士は少し考えるそぶりを見せた後「恐らくだが…」と話を聞かせてくらた。

 

「原因は、彼女の適合率の低さにあったんじゃないかと、僕は見ている」

「適合率の低さ?」

「そう、適合率の低さこそが、今回アヤ君がアラガミ化に至った原因だと考えてる」

「…」

「彼女と神器の適合率を、知ってるかい?リンドウ君」

「確か、33%…だったか?」

「そう、33%。ゴッドイーターの中では極めて低い数値と言ってもいい。むしろ、適合試験の時、よく神器に捕食されず、肉塊にならずに済んだとすら、思える数字だね」

 

博士の言葉は、ある意味真実だった。

 

「適合率33%。つまり、彼女と彼女の体内にある偏食因子は、たったの33%しか適合していないことになる。それ故に、彼女にとって神器は重く、身体能力もゴッドイーターにしてはそんなに高くない」

「…何が言いたい?」

「分からないかい? つまり、彼女の身に起こったことは、ゴッドイーターの活動時間を過ぎたことによって起こった、適合率の低さによる偏食因子の暴走…ではないか、ということさ」

「なっ……」

 

本来、アラガミ化というのはゴッドイーターに投与される偏食因子の過剰摂取により、偏食因子がオラクル細胞に変化することや投与不足、腕輪のエラー、破壊などが主な理由である。

活動限界を過ぎてもなる可能際はあるが、その時はすぐに変化が現れるわけではなく、かなりの時間をかけてなるものであるため、偏食因子の投与ができるし、アラガミ化の初期段階であれば、治療は可能なため、アラガミ化自体非常に稀なことである。

そんな稀なことが、まさか適合率が低いだけで起こるなんて…。

 

「私もまさかと思ったよ。でも、これ以外には正直思いつかないね。腕輪も壊れてなかったんだろう?」

「ああ」

「生体反応を確認できていたってことは、腕輪にエラーは出ていなかっただろうし…この可能性が、今のところ1番高いと、僕は思うよ」

 

 

 

◇sideヒバリ

 

 

 

リンドウさんが、帰ってきた。

 

「リンドウ、さん」

「ヒバリ…」

「アヤ、さんは…」

「…会ってこい。ちゃんと、連れて帰ってきたから」

 

私は返事をする余裕もなく、走り出す。

 

嘘だ。そんなはずはない。

どうせいつものようにどこか諦めたような目をしながら微笑むアヤさんが、きっとそこにいる。

 

ーー嫌だ。

 

いつものように、私の名前を、呼んでくれる。

 

 

 

「ーーヒバリ」

 

 

 

ーーっ!

 

「アヤさん!」

 

声が聞こえた! こえが、聞こえ…。

 

部屋に入ると目の前には、テーブルの上に横たわるアヤ、さん。

綺麗な黒髪は、金色に近い色に変色し、無くしたはずの左足は、オウガテイルのような足が、生えていた。

牙があり、爪は伸び、皮膚も赤く浸食されている。

 

「あや、さんーー……?」

 

声が、聞こえたーー?

 

 

 

そう、認識した、次の瞬間。

私は、言葉にできないほどの絶叫を上げていた。

 

 




お疲れ様でした。

解説しなくてもいいと思いますが、最後にヒバリが名前を呼ばれたように感じたのは、ただの幻聴です。幻聴…、なのです(泣

ということで、アラガミ化ルートでした。
正直公式でもあんまり詳しく書かれてないので、アラガミ化は色々と謎です。なので、勝手に解釈しやした。許して。

確かゴッドイーター2の、マルドゥーク戦で(弔い合戦の時ね)、戦い終わった後、活動時間過ぎて座り込んでたような気がして…、勘違いだったらあれだけど、そのこともあって活動時間過ぎても適合率が高いと、そんなすぐにアラガミ化の影響はない、としました。
つまり、適合率が低いと…後は、分かるね?(2回目

正直難産で、パッと思いついたのをまとめて、ちょっとアラガミ化について調べたのを独自解釈を交え書いたので、できとしては正直微妙。
あとで加筆修正とかするかもです。

今回書いてて泣きそうにはなったけど泣かなかったですし…(半泣き

いつもみたいにアヤさん視点であまり書けなかったのが悔やまれる。もう少しアヤちゃん視点書ければ良かったんだけど、難しかったや…。
ところで、これを書くにあたってアニメのゴッドイーターをようつべであさってて、久しぶりに、見ちまったぜ。
いろはさんのシーンをな! ちくせう、今からオウガテイル狩ってくる。

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