私のことを、語り継いでくれますか   作:猫の休日

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お ま た せ 。
言い訳はしない。難産だったことは認めるが、ゲームを楽しんでいたのは事実。
つまり何が言いたいかというとーー

ごめんなさい。許して。



if カウンセラーアヤちゃん その2 日常

私がカウンセラーとかいう職について、それなりの時間が過ぎた。はじめは戸惑いを隠せなかったこの職も、今では板についてきたのではないかと自分を褒めてあげでいる。

わたし、凄い。やればできる子!

 

というのも、今までは入院患者相手に仲良くなるだけだったのが、最近では普通に私のところにカウンセリング受けに来る人が出来たのである。

ふふん、褒めてもいいのよ。ほらそこのお医者さん、私のこと褒めて。ん? よく出来ました? やり直し。気持ちがこもってない。棒読み禁止。

 

何はともあれ、最近の私は少しばかり忙しいのです。さぁ、今日も1日やっていきましょう!

 

 

 

「先輩!」

「む、やぁやぁよく来たね誤射ひ……カノンさん。この私に何かようかね?」

「はい! 先輩が教えてくださったカスタムバレット、【流星】を使ったら、誤射がなくなりました! 今日はみなさんからすっっごく褒められたんですよ!」

「ほう、それは良かった良かった。私も相談に乗った甲斐があるというものだよ」

「はい! ありがとうございました! ……ところで、なんで今日はそんな変な話し方なんですか?」

「……気にしないでくれたまえ」

 

 

 

 

「あの〜」

「はい、なんでしょう?」

「話を聞いてもらいたいんですけど」

「ええ、構いませんよ」

「ヒバリちゃんと…「当たらず砕けろ」当たらないの!? そして砕けるの!?」

「……じゃあ諦めろ」

「諦めるの!?」

「タツミさん……」

「な、何だよ…」

「初恋はね…実らないんだよ…」

「そ、そんなことないんじゃないかな…?」

 

私は肩をそっと叩いてやる。

 

「……悲しいね」

「」

 

羽虫、駆除完了。

 

 

 

 

「おうアヤ。調子はどうだ?」

「リンドウさん…。そうですね、悪くはないと思いますよ」

「そうか、そいつは良かった」

「はい、ありがとうございます」

「………」

「………」

「………」

「あの、リンドウさん?」

「…お前って、サクヤと仲よかったよな?」

「え? …えぇ、まぁ」

「…サクヤ、俺のことなんか言ってたりしたか?」

「……はい?」

「いや、やっぱりなんでもない。忘れてくれ。それじゃ」

 

……何だったのだろうか。

 

 

 

 

「アヤ、調子はどーお?」

「サクヤさん! いやー、ようやく慣れてきて、少し板についてきたかな? って感じです」

「そう、頑張ってるのね。何か困ってることがあったら言ってね? できるだけ力になるから」

「はい! ありがとうございます!」

 

サクヤさん、やっぱりいい人だな〜。強いし、綺麗だし、憧れる。

 

「………」

「………」

 

あれ、なんかデジャブ。

 

「………」

「あの、サクヤさん?」

「アヤって、リンドウと仲良いわよね?」

「え? リンドウさんとですか? …別に普通だと思いますけど」

「仲、良いわよね?」

「ア、ハイ」

「…リンドウ、私のこと何か言ってなかった?」

「……えっと?」

「いえ、やっぱり何でもないわ。気にしないで頂戴」

 

……………ほほう? ほっほう?

これは、なんだか面白いことになっていますなぁ……。

 

この後に来たヒバリから、「ニヤニヤしてて気持ち悪いですよ」と、真顔で言われた。

……お姉さん悲しい。

でも、何があったか話したらヒバリもニヤニヤして、一緒にニヤニヤしてた。楽しかった。

 

 

 

 

 

とまぁ、こんな感じでここ最近の私は忙しいのである。えっへん!

いやー、この仕事まじで楽だわー。なんかくる人と雑談してればお金もらえるって、最高だね! 正直カウンセラーだからもっと重い悩みというか、何処にでもあるけど大切な人を亡くして精神が病んでしまった人とかの相手をするのかと思ってたけど、そういうことも殆どなく、毎日平和である。良きかな良きかな。

 

………カウンセラーって、何だっけ?

 

何だろう、私カウンセラーというよりも、相談屋さんとか言われた方がしっかりくるんだけど……あれ?

いや、だって今日来た人のうち、誤射姫は相談に乗って、アドバイスしたことへの報告だし、タクミに至ってはただの恋愛相談だし、リンドウさんとサクヤさんは様子見+αで思い人のことについて聞かれただけだし……あれ?

 

カウンセラーって、何?

 

誰かぁー! カウンセラーっぽい仕事って何か教えてくださーい! もしくは、カウンセラーっぽいことができる仕事下さーい! 何かお悩みなことありませんかぁー? ってこれじゃあ相談屋だ! ちくせう。

 

 

 

 

……なんて、思っていた時期が私にもありました。

 

空気が重い。ダレカタスケテ。

 

「……………」

「……………」

 

目の前にいるのは、ソーマさん。突然来て、突然椅子に座って、それから無言。挨拶したけど無視。

一言も話すことなく、ずーっと、無言。チラっと周囲のお医者さんや看護師に目を向けるも、速攻で目を逸らされた。

肝心のソーマさんはフードを深くかぶって下を向いてるため、顔を伺うことすらできない。

もしかして、寝てるの? お眠なの? グースカピーなの?

 

「あのー……ソーマ、さん?」

「……………」

「……………」

「……………」

 

もうやだ、何しに来たのこの人。誰か助けて、この人何とかして下さい何でもしますから。

 

「俺は……」

「………はぇ?」

 

突然の声に、間抜けな声が出た。

いやだって、これまでずーっと無言だった人が突然話し出したら、びっくりしない?

 

「俺は……」

「……俺は?」

「…俺は…」

「…….俺は?」

「………」

「………」

 

俺は何だよ。

 

「……俺は、化け物だと思うか?」

「………はい?」

 

何言ってんだコイツ……と、思ったけど、ソーマさんの噂については知ってる。曰く、ソーマさんは死神で、人間よりもアラガミに近い化け物らしい。

どうでもいいと殆ど聞き流してたから、あんまり詳しいことは知らないけど、それについてなのだろうか。

 

「うーん……」

 

私は、少し考えて。

 

「……うん、ソーマさんって、人を食べるんですか?」

「……なに?」

 

おっと、ソーマさんの睨め付ける。こわやこわや。でも、その中にちょっと困惑が見え隠れしてて可愛いぞ!

 

「いえ、ソーマさんは人を食べるんですか? モグモグしちゃうんですか?」

「……するわけないだろ」

 

……ソーマさんや、目は口ほどに物を言うって言葉を知ってますか? 今あなた、私のことバカにしてるでしょ。バカかコイツって目をしてる。

 

「そうですか、ならソーマさんは、化け物じゃないですね」

「……?」

 

おや? 私の言ってる意味が分かっていない様子。

 

「いやだから、ソーマさんは化け物じゃないですよ」

「……何故だ?」

 

うーん、そうだなぁ……。

 

「ソーマさんにとって、化け物とはどういったものですか?」

「………」

 

考えてる考えてる。

 

「私にとっての化け物は、人を食べるか食べないかなんですよ」

「……人を食べるか、食べないか」

「そうです。だから私にとって、人を食べるアラガミは化け物ですし、榊博士から聞いた、その昔いた人を食べるサメやクマとかいう動物も、化け物だと思ってます。もちろん、人を食べる人がいたら、その人も等しく化け物なんですよ」

「………」

「で、私はソーマさんに質問しました。『あなたは、人を食べるのか』と。答えはNO。なら、あなたは私にとって化け物ではありませんよ。ソーマさんは、ソーマさん。それ以上でも、それ以下でもありません」

「………」

「………」

「………」

「……えっと?」

「………」

「……….」

「………そうか」

「はい、そうです」

「……そうか」

「はい」

「……………」

「……………」

「……また、来る」

「…はい。お待ちしてますね」

 

それだけ言い残すと、ソーマさんはクールに去っていった……。

 

…。

……。

………。

 

……だはー! き、緊張した!緊張したよぉ〜! あとでヒバリに癒してもらわないと! オアシスを、私にオアシスを!

 

はぁ〜。それにしても、ソーマさんってあんなふうに笑えるんだなぁ……。

 

 

 

 

 

その日、何やらご機嫌なソーマが至る所で見かけられた。

男性陣には、「ついに人を殺ったのか!?」という声や、純粋な驚きなどが多く、女性陣からは普段からは絶対に見れない、ソーマの暖かく優しい微笑み姿に悶えた職員が多く現れた。

次の日にはもう元どおりになっていたことから、あの日の真相がなんだったのか憶測が舞う。ただの幻覚だったという説が最有力候補として挙げられているが、その中で唯一真相を知る者が1人。

 

その1人は、自分が何をしたのかよく分かっていない片足の親友の、可愛らしく首をかしげる仕草を見て、どうせ無自覚なんだろうな、とため息を吐いた。

 




お疲れ様でした。

今回の独自解釈? は、リンドウとサクヤがまだ付き合ってない、です。
あと、最後の真相を知る者は、まぁ解説要らないと思いますけどヒバリです。
ソーマが帰ったあと暫くして来てみたらアヤからその話をされて、色々と察しました。
因みに、ヒバリが女友達に話したことによって、女性陣の間ではわりかし早く真相が広まります。
まぁ、だからどうだというわけではありませんが。


あと、そろそろ話が思いつかなくなって来たので、この話か、次ぐらいで最終話になるかもです。
話が思いついたら更新しますね。
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