やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある 作:トマト嫌い8マン
あのですね、1stライブを見てからどっぷりと虹ヶ咲にはまっておりまして(笑)
まぁその勢いでなんとこんなものを書いてしまう始末。
早く本編書けって話ですね、はいすみません。
あくまで番外ですし思い付きなのでこれを書いていくかどうかは未定です。
そもそもμ's過去パートも書いてないのに何やってんの?ってことですが、ゆるしてください。本当に虹ヶ咲のライブがそれだけ素晴らしかったってことなんです。
ではまぁ、いつか書くかもしれない物語の導入部をどうぞ~。
いつか起こるかもしれない、未来の話
社会人2年目というのは多くにとっては1年目よりもリラックスできるものではないだろうか。
一年目として新しい仕事を覚えることに必死で、正直あっという間に時間が過ぎ去っていき、「あぁ、学生生活はよかった」なんて思いをはせながらなんとか仕事をこなし終え、ようやくめぐってくる新季節。仕事にもある程度慣れ、まだ2年目のため大きな責任が伴う立場にいるわけではなく、心の余裕ができる頃。
だがしかし勿論何事にも例外があるわけで、そういった場合は上記の法則が当てはまらないわけで、つまり何が言いたいかというと、だ……
「では今年からここで働いていただく新任教師をご紹介します、比企谷先生です。では自己紹介をお願いします」
「比企谷です、現国を担当させていただきます。よろしくお願いいたします」
こんなやりとりをするのは既に2回目なのだ。
無事に教師として働き始めることになったはずだった俺だが、色々あってまた別の学校で働くことになっている。沼津の片田舎から一転、今度の職場はというと……
「それでは、虹ヶ咲学園の中を案内しましょう」
「はい」
知る人ぞ知るお台場、そこにある割と新しめで割と大き目な学校、私立虹ヶ咲学園。高校のみならず付属の中学校もあるひときわ目立つ建物にある学校だ。廃校寸前、なんてことは当たり前ながらなく、常に学生でにぎわっており、きれいな校舎と新しい施設、普通科のほかに国際交流学科、ライフデザイン学科と色々な専攻もあることから今の学生に大人気……らしい。
らしい、というのもそもそもここに来たのは俺自身の希望ではなく、あくまで知識として聞いたことがあっただけだからである。俺がここで働き始めることになったのも、
『Don’t Worry!Marieがハチマンにいい学校紹介してあげる!』
とウィンク交じりにピースサインを向けてきた、元理事長の紹介があってこそである。頭が上がらないとはこのことではあるが、前回が前回なだけにまた今回も何か考えがあるのではないかと思ってしまう。まぁ、今のあいつは理事長ではなくただの大学生――進学先はイタリアの一流大学だし大金持ちのお嬢様ではあるけれども――なのでそういう権限はないはずなんだけどね。
折角1年かけて馴染んだ環境からまた移動することとなり、鞠莉のつてで見つけた新しい家に無事に引っ越しを済ませた俺は、社会人2年目にして、新しい職場の案内をしてもらうというある意味貴重な経験をしているのだった……
―――――――――――――――――――――――
本日はほぼほぼ案内がメインということもあり、なかなか広い校内を歩き回り説明を受けることだけで時間の大半を使ってしまった。休みの時間になった今、俺はベストプレイスにできそうな場所を探していたのであった。
しかしまぁ流石は人気高校。未だ春休み期間であるにもかかわらず生徒の多いこと多いこと。どうやら部活動等に積極的な学生が多いらしく、施設もかなり充実している。これまでに一応5箇所は高校を見て回ったことがあるが、ここまでの規模のものは初めてだ。
「ん?」
中庭を通過しているとふと足を止めてしまう。ほんの一瞬だったが、何かが聞こえたような気がしたのだ。
「気のせいか?……いや」
「~♪」
「歌?」
そこまではっきりと聞こえたわけではなかったが、間違いなく誰かが歌っている声だ。
「しかもこの曲……」
とぎれとぎれでしか歌詞が聞こえなかったものの、その曲を間違えられるはずがなかった。つい数ヶ月前、あの決勝の舞台で、千歌たちが披露したあの曲なのだから。会場にいた俺たちは見ていなかったが、雪穂によるとその様子は秋葉原UTXの巨大スクリーンはもちろん、ネットでも配信されていたらしい。
あいつらのファンだろうか?ずっと追う側で、挑戦する側だった彼女たちを追いかける人が出てきたのか?そんな風に考えていたら、無意識のうちに、実に自然な流れで、足がその歌が聞こえてくる方向へ向かってしまっていた。
単純に嬉しかったということもあるし、この歌声がどんな人から来ているのか気になったというのもある。
しかしながらそういう思考の中での行動が、気まぐれのように偶々そうしてしまったことが、またまた運命的なものに支配されていた、希のいうところの「スピリチュアル」な、鞠莉の言うところの「シャイニー」な導きがあったのかもしれない。
結論から言ってしまおう。
その日、俺はまさに運命的な出会いをすることとなるのだった。
歩みを進めることしばし、声の出所に近づくにつれてよりはっきりと歌声が認識できる。
中々うまい、というのが正直な感想だった。歌唱力でいえば最初の頃の花陽や花丸とも遜色はない。それでいてある種の力強さはどちらかというと千歌や穂乃果に通じるものがあるように思える。
「っと、この後ろか」
中庭に沿って歩くことしばし、曲がり角に差し掛かるとその裏側から歌声が聞こえてくるのがわかる。ここで引き返すことだってもちろんできたはずだったが、何故だかそうする気にならなかったのは、やはり気になってしまったからだろう。かつてA-RISEが穂乃果たちにしたように、穂乃果たちが千歌たちにしたように、スクールアイドルが繋がり、続いていく様子が。
小さく息を吐いて曲がり角の方へ踏み出し、そこにいる人物に視線を向けた。
薄いクリーム色のジャケットと白いブラウスに手袋、赤いスカートを身に着けた少女。踊るたびに長いストレートの黒髪がふわりと舞い、黒い瞳は楽しいという気持ちに満ちているのか、日の光を受けてキラキラと輝いて見えた。やや小柄ではありながらも、その踊りに一瞬見とれてしまった。
俺は、彼女のことを知っている。
ダイヤ、ルビィ、にこに花陽というスクールアイドルオタ組から彼女の話を聞いたことがあるのだ。ソロで活動している注目の新人スクールアイドル。
「優木……せつ菜」
――――――――――――――――――――
Side Scarlet
「ふぅ……」
曲が終わり大きく息を吐きだします。やっぱりこの曲はいいですね。あの時の決勝でのパフォーマンスは、とても素晴らしい物でした。9人の歌、衣装、踊り、演出。そのどれもがまるで奇跡のようにうまく合わさり、幻想的で、キラキラしたステージでした。自分と同じように結成して1年ほどしか活動していないはずなのに、そのグループがとても大きな存在のように見えました。
元々スクールアイドルのことが好きだった私は、高校に上がって「優木せつ菜」としてスクールアイドルの活動を始めました。正式な部活としてではなく、あくまで同好会という形ではありますが、それでも大好きな活動を応援してくれる方もできて、とても充実しています。春からはスクールアイドル活動に関心がある編入生や、附属から上がってくる後輩も来るので、これまでよりも素敵なステージが――それこそラブライブに出場しているグループのようなこともできるかもしれないそう思うとわくわくが止まりません!
―――パチパチパチ
「えっ?」
「あ」
と、急に聞こえてきた音に思わず驚いてしまいました。音のした方向を見ると、一人の男性が立っていました。両の手が合わさっていることから、恐らく先ほどの音は彼が拍手をした音だと思いますが、本人は無意識だったのか驚いた様子で両の手とこちらの間を視線が行ったり来たりしています。
見たことのない若い男性――それもどこか独特な目でやや猫背気味。学校という関係者以外の立ち入りが許されないはずの場所ということからも本来ならばもっと警戒すべきだったのかもしれません。でも私は、何故かその人は危ない人じゃないと、そんな確信を持っていました。
「あの、ありがとうございます」
「えっ、何が?」
こちらから話しかけると思っていなかったのか、男性は一瞬驚いたようにビクッと肩をはねさせます。その様子に悪いかと思いながらも、つい小さく笑ってしまいました。
「拍手、ありがとうございます」
「お、おぅ。いや悪い、なんか邪魔しちまったみたいで」
「いえ、ちょうど一息ついたところですから。それにどんな形であれ自分のパフォーマンスに拍手をもらえることは、うれしいことですから」
「そうか」
ほっとしたように息を吐く男性。少し険しかった表情が緩むと、どこか優し気な印象を覚えました。同時に、どこかで見たことがあるような……ないような……
特徴的な目、ちょっと癖っ毛の黒髪、そのてっぺんからぴょこんとはねているアホ毛……その特徴が、以前一度見かけたことのあるとある男性のそれと一致しました。
学校が変わり、メンバーが卒業する中、新しくスタートを切るためにあのグループが行った沼津駅でのライブ。ちょっと遠出にはなりましたが、一人で見に行ったあのステージのことは、とてもよく覚えてます。
その時、リーダーから名前を大声で呼ばれて、今さっきみたいな反応をしていた人がいました。そのあと一緒に来ていたらしい女性に労われながら、優しい笑顔をステージに向けていたその人。
「あの……」
「ん?なんだ?」
「もしかして……比企谷、八幡さんですか?」
「はっ?何で名前知ってるんだ?」
目の前にいる男性は、なんと今や全スクールアイドルの憧れとなった音ノ木坂学院スクールアイドルμ’sの元マネージャーにして、昨年度のラブライブで優勝した元浦の星女学院スクールアイドルAqoursの顧問を務めたという、知る人ぞ知るスクールアイドル界の有名人でした。
「それはもちろん知ってますよ!スクールアイドルたるものの常識です!」
「えっ、何その常識。怖っ」
あれ?えへんと胸を張って答えたのに対してなぜかドン引きされているような気がします。この前出たばかりのスクールアイドル御用達の雑誌にもちゃんと載っていたんだけどなぁ。さっき上がった2つのグループ以外にもA-RISEやSaint Snowのような実力のある方々からのコメントもあって、一種の伝説っぽい感じなのに……もしかして本人は知らないんでしょうか?
「あ、そうだ私は「優木せつ菜、だろ?」知っててくれてるんですか?」
「知り合いにそういうのやたらと詳しいのがいてな。今注目のソロで活動するスクールアイドルって言ってたのを覚えてただけだ」
スクールアイドルに詳しいというと、小泉花陽さんでしょうか?矢澤にこさんでしょうか?あ、それとも黒澤姉妹のどちらかかもしれません!そんな方々に見てもらえていたのかもしれないと思うと、なんだか嬉しい気持ちになりますね。
「ところで、比企谷さんはどうしてこちらに?」
「次年度からここで教えることになってるんだよ」
「え?うちの教師になるんですか?」
「そういうことだな」
新しい先生が来ることは知っていましたが、まさかそれがあの比企谷先生だったなんて……まるでラノベやアニメのような展開ですね!そうだ!
「比企谷先生!」
「なんだ?」
「私と一緒に、スクールアイドル活動、やりませんか?」
――――――――――――――――――――
Side ???
「すごかったね、ラブライブって!」
「うん。私も思わず叫んじゃったもん」
秋葉原UTXの大スクリーンに映し出されていた映像に、私はただただ興奮しっぱなしだった。
スクールアイドルという未知の世界と、ラブライブというキラキラした舞台。初代から昨年優勝者までの映像が特集として流れていたけれども、そのどれもが本当に自分と同じ学生がやっていたのか疑ってしまうほどに素敵だった。
「あなたはどのグループが一番好きだった?」
「う~ん……やっぱりμ’s、いやでもAqoursもすごかったし……」
「ふふ。私もその二つが特に好きだったかな。μ’sは衣装が可愛かったし」
にこにこと笑っている幼馴染に同意するように何度もうなずく。なんだかわからないけど、じっとしていられない気持ちがいっぱいになっていた。
「ねぇ、歩夢ちゃん」
「どうしたの?」
「うちの学校にもスクールアイドルっているのかな?」
「いるかもね。でもどうして?」
思わず首をかしげる幼馴染の手を取る。それほどまでにこの気持ちを抑えられそうもなかった。
「私、スクールアイドルの活動を手伝ってみたい!」
「……自分がなりたいってわけじゃないんだね。ふふっ。でも、あなたらしいかも」
「そうと決まれば、春休みが明けたらスクールアイドルがいるかどうか探さなきゃ!」
二度あることは三度ある、そんな言葉が世にはある。
一度目偶然、二度奇跡。三度目必然……そして四運命。
『私たちと一緒に、スクールアイドルの活動、やってください!』
そう言って差し出された手を彼がつかむのは、もう少し先のお話。
始まりは女神の歌。別々の学校にいながらも、確かに繋がり、そして奇跡の虹を渡った物語。
第2章は海の調べ。少女たちの日常に確かにあった輝きで虹を超えた先を見つけた物語。
そして第3章は……どうなるかは彼ら/彼女ら次第。
虹がかかるための出発点は、もうすぐそこまで来ているのだった……
と、いうわけでもし仮に万が一この物語がちゃんと完結(過去編も)して、その後に書く気力があれば、ここから始めていこうかと思います。
あ、もしかしたら察している方もいるかもしれませんが、虹ヶ咲での押しは優木せつ菜です、はい(笑)歌が最高に良かったですし、言葉にも心動かされました。とても最年少(年齢がわかっている方の中では)、しかも現時点では未成年には思えない……
まぁそういった経緯と「あなた」の存在も取り入れることから、最初の出会いを歩夢ではなく彼女にさせていただいています。
いやぁ、これはこれでありだな……
……はい、本編ちゃんと書きま~す。ではでは。