やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある 作:トマト嫌い8マン
いよいよ今年度も終わり、社会人一年目も終わりかぁ……
まぁ、そんなことはさておき、今年度最後のエピソードをどうぞ。
「で?理事長」
「Marieだってば」
「……小原」
「もぅ、ノリ悪〜い」
ノリとかそういう話ではないんだよなぁ。理事長ってことは立場的に上なわけだし。
それに教師という立場上、特定の生徒だけを下の名前で呼ぶってのも、あんまりよろしくないしな。
「……で、とりあえず小原?」
「何かしら?」
「一応確認だけど、小原はこいつらを応援するってことでいいのか?」
「Of course!デビューライブのことも、しっかり考えてきてあげたんだから」
少し大げさなくらいに動きながら、テンション高めに話す小原。そのまま滑らかな動きでさっとパソコンを取り出す。そこに写っているのは、大きなドーム会場……って、何処かで見たことあるような……
「3人のために、アキバDOMEを抑えてみました♪」
「「は?」」
おっと、思わず黒澤とハモってしまった……というかお前でもそういうリアクションとるんだな?なんつーか勝手にもっと古風な奴なのかと思ってたわ。
まぁ、そんなことはさておき、だ。いきなりでかい爆弾を放り込まれた気分である。3人も驚きと戸惑いの表情を……あ、1人満面の笑みだわ。
「嘘っ!」
「流石にそれは、いきなり過ぎるんじゃ」
「奇跡だよ!」
「It's joke♪」
ウインクしながらテヘペロ、と舌を出す小原。
「ジョークのためにわざわざそんなものまで用意しないでください」
うわぁ……高海のあんな表情初めて見るわ。あいつでもあんなげんなりした顔と声ができるんだな……
「でも、ライブのステージを用意するっていうのは、jokeじゃないわ」
「えっ、じゃあ」
「ええ。ついてきて」
言うが早いか理事長室から出て行く小原。取り敢えず言われた通りにする以外に選択肢もなさそうなので、高海たち3人と黒澤姉とともに小原の後を追う。
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構内から出ることなく、小原に連れられた俺たちがついたのは、
「体育館?」
「そうデース。ここは昔から演劇や演奏会で浦の星の学生が使っていたから、照明や音響の機材もバッチリ。School Idolとしてスタートするには、ピッタリの場所でしょ?」
大きく反響する小原の声を聞きながら、改めて中をぐるりと見渡す。全校生徒100人にも満たない学校には少し大きくも感じる広さ。ステージも歌って踊るのには十分過ぎるほどのスペースがある。
何より、桜内は兎も角として、高海と渡辺にとっては、慣れ親しんだホームグラウンドとも言える。
「照明や音響の器具って、誰でも使えるわけじゃないだろ?確か正規の部活だけじゃなかったか?」
「YES。でも、このライブに限って、使うことを私が許可します」
「ほんとですか?」
「ええ。それに、もう1つあなたたちにとっていい話があるけど、聞きたい?」
人差し指を立てながら、小原が微笑む。が、その微笑みから何か不穏な感じがしたのは、気のせいではないだろう。
明らかに、彼女は話を誘導しようとしている。
問題はそれがなんだと言うことなのだが、
「聞きたいです!」
ですよね〜、わかってたよ。瞳をキラキラ輝かせながら、高海が小原を見つめる。その様子に笑みを少し深めると、
「貴方達にちょっとしたチャンスをあげるわ。もし、ライブでここを満員にできたら、無条件で部活として認定してあげる」
「部活に!?」
「そうすれば、部費も部室も使えるしね」
確かにそれは願ったり叶ったりではある。前にも考えていたことだが、これから本格的にスクールアイドルとして活動するなら、部活になることは必須である。
部員を勧誘し、生徒会長の黒澤を納得させるよりは、手っ取り早い方法かもしれない。ただ、
「チャンスってことは、何かしらのリスクもあるってことだろ?」
「……さっすがね。その通りデース!」
うわっ、今こいつ一瞬スッゲェ悪い顔しやがったぞ。絶対わざとだろうけど。
と、何やら首を傾げている高海。
「リスクって?」
「リスク。危険度や損失を被る可能性のことだ」
「って、それくらいは知ってるよ!そうじゃなくて、リスクがあるってどういうことかって思っただけで!……あ、すみません」
「あ、いや。別に……構わん」
ついついタメ口になってしまったことを謝る高海。が、そんなことは大して気にならなかった。
というよりも正直、今のやりとりの中に懐かしさを覚えていた。確か雪ノ下と由比ヶ浜も似たようなやりとりしてたよなぁ。
「えっと、鞠莉さん?その、リスクって?」
「確かにここを満員にできれば、正式な部として認めます。でも、もしそれができなかった場合は、その時は……解散してもらう以外にありませーん」
と、さして口調を変えるわけでもなく、当たり前のように、小原はそう告げる。
「解散!?」
「そんなぁ」
「嫌なら辞めてもいいのよ?」
まるで挑発するかのように、その金眼を細めながら小原を笑みを浮かべる。じっと値踏みするかのように、彼女は高海達を見つめる。
「どうする?」
「ここって結構な広さよね?」
「でもでも!やるしかないよ!他に方法があるわけでもないんだし」
そう力強く宣言する高海。確かに現状では他に何かいい方法があるかと聞かれると、すぐに結果を伴うものはない。ただ彼女は——いや高海だけでなく渡辺と桜内も——先ほどの提案にある最大の課題に気づいていないようだ。
「ちょっと「OK!それじゃあ、やるってことでいいのね」は?」
口を挟もうとしたところを小原に遮られる。彼女の方を見ると目が合う。意味ありげな笑みを浮かべた小原は、わずかに瞳を細めると、踵を返して、体育館から出て行く。
「あ、おい!」
思わずその後を追う。別段早足というわけではないため、割とすぐに小原に追いつく。
特に驚くでもなく、ついてくることをわかっていたのか、小原がこちらを向く。
「なんデースか?」
「さっきの条件について、話がある」
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side mandarin
窓の外を流れる景色を見つめる。
バスの心地よい揺れを感じても、どこかモヤモヤが晴れない。
「満員、かぁ……」
あの後、比企谷先生が鞠莉さんに続くように体育館を出て行ってから、改めて体育館を見渡してみた。
普段使ってる時はそんなに感じていなかったけど、やっぱり体育館というだけあって広い。
ここをお客さんでいっぱいにすれば部活に、できなかったら解散。思わずやるって言っちゃったけど……
「!待って、この学校って全校生徒何人?」
「えっ?え〜と……あっ!」
「何何?どうしたの?」
急に何かに気づいたように大きな声を上げる曜ちゃんと梨子ちゃん。深刻そうな顔で、2人が私を見る。
「千歌ちゃん……ここ、全校生徒が来ても……いっぱいにならないの」
「えっ」
言われて思い出す。
確かに全校集会の時でも、ここを狭いと感じたことなんて、一回もなかった。むしろとても広くて、広々としてて……
「もしかして鞠莉さん、そのこと知ってたんじゃ……」
体育館でずっと立ち尽くすわけにも行かなかったから、3人とも帰りの用意をしてバスに乗り込んだ。
そういえば、比企谷先生はあの後どうしたんだろ?
「でも、鞠莉さんの言うこともわかる。あそこをいっぱいにできるくらいじゃないと、この先もやっていけないってことだと思うもの」
「この先、もっといっぱいの人に見てもらうこともあるかもしれないしね」
「う〜、でも満員って!いきなりハードル高いよ〜!」
わかってる。
これくらいでくじけてちゃいけないってわかってる。
わざわざライブの場所も機材も用意してもらえるんだから、そのチャンスをものにしたい。
でも……
「どうする、千歌ちゃん?やめる?」
む。
「やめない!」
やめるわけないじゃん!やっと憧れのμ'sと同じ、スクールアイドルになれる第一歩なんだから。
考えろ〜考えろ〜
何かいい考えを、思いつかなきゃ!
「どうしてそんな言い方するの?」
「こっちの方が、千歌ちゃん燃えるから」
2人が何か話してた気もするけど、今は集中しないと。
お客さん、どうやっていっぱいにしようかな〜。
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side teacher
「さっきの条件、本気か?」
「でなきゃ言い出さないわ」
「っ」
一瞬、言葉に詰まった。
その時の小原が決してカタコトではなく、綺麗な日本語だったのもあるが、それ以上に見せられた笑みが、雪ノ下陽乃にどことなく通じるほどに、何かを見透かしたような笑みだったのだから。
「あなたもわかってるでしょ?それくらいの覚悟が必要なんだって。いいえ、他ならぬあなただからこそ、わかるでしょ?」
「……知ってるのか?」
「Of course。小原家の情報網、甘く見ないで頂戴。だからこそあなたを呼んだの」
「……」
「Don't worry。心配しないで。別に言いふらすつもりはないの。ただ、何故あなたを呼んだのか、あなたに来てもらったのか、少しだけお話ししようと思って。それじゃあ、私は理事長の仕事がありマースので、Ciao〜」
そう言い、小原は先ほどと違い自然な笑顔になると、ウィンクをしながら小さく手を振る。
そのまま歩き出した小原の後ろ姿を見送りながら、俺は思考していた。
どうやら、本当にまたとんでもないことに関わることになってしまったらしい、と。
今回のSirius紹介は、黒澤ダイヤ担当のまりんさん!
メンバーの中で一番背が高く、すらりとした手足は踊りで大きく動く時にとても華やか。
口元にほくろがあるのもまたキャラっぽい。
G線上のシンデレラの時に見せたドレス姿は必見!
華やかさと存在感、Aqoursにとってのダイヤさんのように、彼女もSiriusに華を添えてますね〜。
彼女のトリコビトになってみません?(笑)
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