やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある 作:トマト嫌い8マン
えー、5thから一週間、あの時の感動に色々と日常生活でぼーっとすることも多い一週間でしたが、頑張って生きるって約束したので、ぼちぼち頑張ってきましょ〜。
「ざっとこんなところか?」
「そうですね」
作業もひと段落したため、軽く息を吐きながら部室を見渡す。部室の備品の整理と他の部の備品の返却を終え、残すところは机の上に積み上げられた本の山となった。
「これ全部図書館の本?」
「随分前に借りられたものとかもあるね。ほら、これなんて2年近く前だし」
「ずっと返却されてなかったのかよ……」
まぁ生徒不足で図書委員などの委員会や部活はともかく、生徒会でさえあまり機能しているとは言えない状況にあるわけだからな。仕方がないといえば仕方がないのかもしれん。
「とりあえずこいつら、返却しに行くか」
「「はーい」」
「はい」
4人で手分けして本を抱え、図書室へと向かう。放置されていたため少しばかり埃っぽいが、それは仕方がない。
「でも、本当に人数が足りてないのに部活にしてもらえるなんてね」
「そういえば千歌ちゃん。今後部員のことはどうするの?」
「ほぇ?」
「今後増やすことを考えているかどうかってことだろ。部員の勧誘も、元々は部活動にすることを目的としていたわけだしな」
穂乃果たちの時はにこがいたアイドル研究部に入るって形で部活になったわけだが、今回は既に部活として成立している。つまりは、不要と判断した場合は、無理に部員を増やす必要がない。
後の判断は部長であり、リーダーである高海の判断ということになるが、
「えへへ。実は誘いたい子が2人いるんだぁ」
「2人?」
「うん!あの2人、絶対人気出ると思うんだ!」
既に2人を勧誘した様子を思い浮かべているのか、心底楽しそうな表情の高海。まぁ、その2人がどんな奴かは知らんが、高海がそれ程惚れ込んでいるのなら中々の逸材なのかもしれない。
「で、その2人って……っと、図書室だ」
丁度目的地である図書室に到着したため、一旦質問を飲み込む。流石にここで騒がしくするのもよろしくないしな。ガラリと扉を開け、高海を先頭に図書室に入る。
「こんにちは〜、あっ花丸ちゃん!」
「こんにちは。あ、比企谷先生、こんにちは」
「おう、国木田か」
図書委員の仕事だろうか、カウンターに座っていた国木田がペコリと頭を下げる。
「と〜、ルビィちゃん!」
「ピギィ」
ビシッと効果音がつきそうな勢いで置いてある大きなファン、正確にはその後ろの黒澤妹を指差す高海。……というかそれで隠れてたつもりなのだろうか。流石に無理がある……
「こここ、こんにちは」
「あぁ〜、やっぱり可愛い〜」
「……高海、その表情はスクールアイドルとしてはどうかと思うぞ」
なんというか、どこかの妹大好きな妹みたいになってる。流石に引かれるからやめたほうがいい。
「それで、皆さんはどうしたんですか?」
「あぁ、これなんだけど」
そう言いながらカウンターの上に桜内が抱えていた本の山を置く。続けて渡辺と俺、最後に高海が自分の山を置く。
「これ部室の方にあったんだけど、図書室の本でいいのか、念のため確認してもらおうと思って」
「あっ、多分そうだと思います」
パラパラと本をめくりながら中を見る国木田。どうやら本の返却場所はここで間違いなかったらしい。
「じゃあ、ここで受け取りますね」
「よろしくね」
「はい……わわっ」
「ピギッ」
桜内に笑顔を向けていた国木田が驚きの表情を浮かべる、と同時に黒澤妹も奇声をあげる。その原因は、
「ようこそ、スクールアイドル部へ!」
2人の手を掴みながらキラキラ、というかもはやギラギラした表情で顔を寄せる高海にある。
とりあえず小町にやる感覚で、思わず軽く高海の頭にチョップを入れてしまっていた。
「何するんですか〜?」
「お前が何してる?唐突すぎて2人とも引いてるだろ。それから、図書室ででかい声出すな」
「うっ、そ、それは〜」
流石にその点は本人も反省したようで、2人の手を放し少し体を離す。
「でも、2人に来て欲しいのは本当だよ。ちゃんとした部活にもなったし、悪いようにはしないから〜」
「千歌ちゃん……その顔だと、あまり説得力ないんだけど……」
桜内が呆れ気味に高海に告げ、渡辺が苦笑しながらポンっと肩を叩く。
「そんな急に言われても、2人とも困っちゃうかも」
「そっか。興味あったら言ってね」
「あ、オラ……じゃなくて、マルは……」
「う、ル、ルビィも、その……」
高海の言葉に対し、少し戸惑うような、悩むような表情の2人。タイミングこそずれていたため目はあっていなかったが、チラリと互いに互いの表情を伺うように見たことが、何故だか気になった。
「……まぁ、それについてはまた今度でもいいだろ。とりあえずまだ片付け終わってないから戻るぞ」
「そうですね。今日中に終わらせたいですし」
「ほら、千歌ちゃん」
「うん。2人とも、またね」
ひらひらと手を振りながら、先に出た2人に続く高海。その後に出る際、最後にもう一度国木田と黒澤の方を見ると、やはりどちらも何か言いたげな表情で、顔を合わせてはいなかった。
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side flower
図書委員の仕事を終えてオラ、じゃなくて、マルたちは帰宅することにしました。2人で並んで歩く中で、どうしても気になってしまい、
「やりたかったんじゃないの?」
と、ルビィちゃんに聞いていました。
「えっ?何?」
「好きなんでしょ、スクールアイドル。やったら良かったと思うよ?」
「それは……ルビィは、その……」
いつもキラキラした目でスクールアイドルの雑誌を読んで、動画を見て、語る彼女だけれど、いつも自分がやるという話になると、暗い表情になってしまいます。
それはきっと、ルビィちゃんが大切に思っている人、その人のことを考えてしまうから。
とても素敵な大好きって気持ち。きっとあの先輩たちに負けないくらい、キラキラしているその気持ち。でも、とても優しくて思いやりのあるマルの友達は……
「……花丸ちゃんは?やってみないの?」
「えっ、オラ?」
突然の質問につい気をつけてる癖が出てしまったのに、訂正することも忘れてしまいました。
「ないない!ほら、オラとか言っちゃうし、体力もないし……マルはそういうのはいいよ」
「……じゃあ、ルビィも平気。ね?」
そう言って彼女は、いつものような優しい微笑みを向けてくれました。
その夜、マルは自室で雑誌をめくっていました。いつもは本ばかりなのに、ついつい買ってしまった、一冊の雑誌。
「スクール、アイドル……」
そこに写っている女の子はみんなキラキラしてて、全然違う世界の人みたいで……
「オラには無理ズラ……あ」
ふと、雑誌の中の一ページに目が止まる。ウェディングドレス風の衣装を着た、ショートヘアの女の子。
髪の短さからは、どことなくボーイッシュな印象があるけれども、それ以上にその人は……
「綺麗ズラ……」
こんな風にキラキラした世界に、きっとルビィちゃんは……
そう思った時、マルの中で1つの決心が生まれました。
あ、今回はSirius紹介はお休みです。
楽しみにしてた方(いるわけねぇだろ)すみません笑
まぁ、でも単純に紹介しきれてない魅力を聞いてみたい人は、Twitterに長文での紹介が書いてあるので、それ見てくださいな。
ざっと1.5万字を超える文章になるんで笑
ではでは。