やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある 作:トマト嫌い8マン
うちの職場、地味に夏季休暇期間的なのあるので、夏休み気分を味わえるのはいいことですね〜。
ライダーの夏映画も見たし、サンシャインのbdも買えたし、ホクホクですなぁ……
ではでは今回のお話をどうぞ。
さて、過去回想もこのくらいにして、今目の前で部活動を始めようとしている5人の方へ改めて意識を戻そう。
円を作り、手を重ね合わせる5人。
「Aqours、」
「「「「「サンシャイン!」」」」」
号令とともに国木田と黒澤にとっての部活体験初日が始まった。
小原から渡された業務用パソコンで作業しながらも、時折顔を上げて高海たちの練習の様子をうかがう。
渡辺がカウントするのに合わせ、高海と黒澤が踊っている。この前のライブでも踊っていた曲の振り付けだが、高海はもちろんとして黒澤も間違えることなくついていっている。
最初の頃の印象からすると少し以外ではあるが、どうやら黒澤は人並み以上に運動をこなせるタイプらしい。ほぼ一曲分通しで踊っていたにもかかわらず、ここのところ体力強化を図っている高海と比べても、疲労度にはそんなに差がないように見える。
「ふぅ……やりました、高海先輩!って、あれ?」
喜びながら高海の方を見る黒澤だったが、当の高海はというとなぜか本来と全く違うポーズをとっている。
「あれ?」
「千歌ちゃん……この前復習したばっかりでしょ」
「い、いやほら、偶々だよ。猿も筆の誤り、みたいな」
「それは弘法大師空海の話ズ……じゃなくて、です」
「あれ?」
「高海、お前だけ課題増やしとくな。その間違いはさすがに看過できないわ」
「先生まで!?」
ガーンとした表情でうなだれる高海。まぁ課題を増やす云々は冗談ではあるが、現国教師という立場上、今のミスはさすがに心配になってくるぞ。
さて昔からずっと本ばかり読んでいたという、こてこての文学少女――三つ編みにしたらほんとにそれっぽくなりそうだが――であるところの国木田はというと、踊りの時はさすがに黒澤程上手くはできなかったものの、逆に歌唱力に関しては驚かされた。
決して自分の耳が肥えているとうぬぼれるわけではないが、これでも人の歌を聴くことに関しては他人よりも一日の長があると言えるだろう。あの頃はほぼ毎日のように聞いていたし、なんなら大学に行った後もそういった機会は度々あった。
そんな経験をしてきた俺ではあったが、それでも国木田の歌唱力に関しては目を見張るものがある。聖歌隊に所属していたらしく、歌うことに関しては経験があるとのことらしいが、それにしてもである。
この一年二人は磨けば間違いなく光るものを持っている。それを見越していたのかは知らないが、高海の目の付け所は案外いいのかもしれない。
笑いあう様子は自然に思えた。高海と渡辺、桜内だけではない。そこに国木田と黒澤がいて、一緒に踊って、一緒に歌って、それが正しい形のように思えた。
ただやはり、昔の思い出とつい重ねてしまっているからだろう。5人が並んでいる光景は確かに自然で、正しい形だと思う一方、まだ完成するには足りていない、そんな気がしてならない。
所変わって部室。
黒澤と国木田の本日の部活動体験も無事に終了したところで、着替え終えた5人が帰宅の準備を進めている中、何故か部室の方に来ていて欲しいと言われたため、屋上のカギを戻してから、再び俺はここへと来たのだった。
「で、何で俺呼ばれたの?顧問がいないといけないはあくまで屋上の使用時間内だけなんだけど?」
「それはですね~、こうして部活を始めたわけですけど私たち、大事なことを忘れてませんか?」
「大事なこと?」
何だ?部活の申請もして承認も受けたし、必要な練習場所の確保もできた。承認された時点で部活としては成立しているから部員集めも必須ではないし、国木田と黒澤はまだ仮入部状態だから、雪ノ下に指摘された時の由比ヶ浜のように今から入部届を書くわけでもない。
はて、何かまだ足りていないことがあっただろうかと内心首をかしげていると、自身のカバンをごそごそしていた高海が満面の笑みで何かを取り出した。
「先生の連絡先、教えてください!」
突き出されていたのは、高海のスマホだった。
「連絡先?」
「ほら、部活動ときたら朝練とかもありますし、PVの撮影やリハーサルもあるじゃないですか。その時にいつも学校にいるとは限りませんし、いざという時に連絡が取れた方がいいじゃないですか」
「そうだね。それに何か相談しなきゃいけないことがあった時も、電話で連絡が取れた方が直ぐに対応できますし」
「……まぁそれもそうか」
別段交換すること自体に抵抗はない。よく考えたら奉仕部にいた時には顧問の平塚先生ともしていたわけだしな。とりあえずいつものようにスマホを取り出し高海に渡そうとしてふと思いとどまる。
別段やましいことがあるわけではないが、現在俺のスマホには彼女たちの連絡先が入っている。小原は既に全部知っていたらしいが、高海たちは俺と奉仕部、そしてμ’sとの関係については全く知らないのだ。
別段秘密にしておかなければならないことではない……ないが、何故だかそのことについて話す気が起きない。勿論、いずれは話すことになるんじゃないかという気はしているが、それは今じゃないと思った。
いや。結局のところはただの言い訳でしかないのかもしれない。
俺はまだ、高海たちを自分の壁の内側に受け入れる用意が、できていないだけなのだろう。
そんなことを思考しながらも、一先ず携帯のアプリ――流石にもうメールよりはこちらの方が便利になっている。連絡を取る相手も増えたしな――を開いてQRコードを先に表示させる。
「ほれ。これでいいだろ」
「ありがとうございます!」
「あ、じゃあ私も」
高海、渡辺、桜内と交換してから国木田と黒澤の方を見る。あくまで体験期間であるわけだから、そもそも交換の必要があるかどうかもわからないが、念のために確認だけはしておこうと思っていた、だけなのだが……
「国木田?」
何故だかわからないが、国木田が瞳をキラキラさせながら俺の手の中にあるスマホを見つめていた。えっなに?どしたの、この子?俺のスマホに何か興味を持たれるようなものあった?
と少しいぶかしげな視線を向けてしまっていたにもかかわらず、国木田はそんなこと気にするそぶりもなく、スマホに目が釘付けのまま近づいてきて、
「こ、これが噂に聞く、スマートフォン!」
「「「「え?」」」」
「み、み……」
「「「「み?」」」」
「未来ズラ~!」
「落ち着いたか?」
「はい、すみません」
「いや、別に謝られるようなことじゃないからいいんだけど」
国木田から返されたスマホを受け取りながら応える。
大きな声を上げたのち、国木田は恐る恐る手を差し出しながら、俺の顔を覗き込んだ。触ってもいいですか?という無言の問いに対し、スマホを彼女の手の上に載せることで答えてみたら、それをあちこちの方向から眺め、触り、その度に喜ぶ姿を、しばらくの間俺たちは眺めることになったのだった。
「オラ、今度やっと携帯を買ってもらえることになったけど、スマートフォンをちゃんと見るのはこれが初めてズラ」
「初めて?」
「花丸ちゃんの家、古いお寺なんですけど全然電化製品とかなくて」
「へ~。お寺に住んでるんだ?」
「ズラ!あっ、じゃなくて、はい。そうです」
満面の笑顔だった国木田が急にハッとしたかと思うと、先ほどの元気はどこへ行ったと思うほど声の尻の方が聞き取りにくくなるような話し方になった。
「?花丸ちゃん?」
「どうかしたの?」
「あ、いえ。なんでもないです」
なんでもない。そうは言ったものの、彼女の表情に先ほどはなかった陰りが見えたのは、恐らく気のせいではなかっただろう。そして――
『凛には、似合わないよ……』
性格的には全然違いそうな、とある少女の横顔と重なって見えたことも。
つい先日、Siriusの新作が上がりましたよ〜!
昨年は8人だったDaydream Warriorが、9人揃った完全版となりました!
詳しくはYoutubeか、ニコ動で「Sirius ラブライブ」と検索してくださいな!
では、本日私みんなのアイドル、みーたんとデート予定なので(笑)