やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある   作:トマト嫌い8マン

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お久しぶりです~。

最近あちこちのコスプレイベントに通りすがっては写真を撮るのが趣味になってます、トマト嫌い8マンです。

なんだかんだ言って、カメラ好きなんですよね~。
フィルムカメラは特に一眼とかにはない味がありますし……まぁどっちも使うんですけど。

そんな話はさておき、続きです。


階段への挑戦

明くる朝、折角の週末。

 

既に俺は高海と連絡先の交換をしたことを後悔し始めていた。

 

仕事のおかげで体が既に早起きする習慣に慣れつつある中、本日お休みにつきいつもよりもゆっくりしようと思っていたはずの朝。そんな思惑は昨晩かかってきた一本の電話で阻止されることとなったのだ。

 

 

 

「もしもし?」

『比企谷先生、こんばんは!』

「っと、高海か。なんだこんな時間に?」

『はい!帰ってからみんなと相談したことなんですけど、実は明日、スクールアイドル部初の朝練をします!』

「ほ~ん。というかそれだけならいちいち報告しなくてもいいんだけど?」

『?報告だけじゃないですよ。先生も一緒にやりましょう!』

「は?」

『集合場所は淡島に行くための船着き場、7時半集合です!それじゃあ、また明日お願いします!』

「あ、おいちょ『プツッ』……マジか」

 

断る暇も応える暇もなく、かかってきた時と同じくらい唐突に、高海からの電話が切れたのだった。朝練ねぇ~。どうやら体験入部にお目当てだったあの二人が来てくれたことが相当嬉しいらしい。その気分を落とさせたくはないし、何より顧問になってしまったわけだしな。

 

やれやれと小さくため息をつきながら、愛用の目覚まし時計をこれまでよりも少し早めの時間にセットし、翌日に備えて眠ることにしたのだった。

 

 

 

で、現在。

 

思っていたよりもずっと重い瞼を何とかあげながら自転車をこぎ、集合場所へとついた俺は、既に集まっていた高海たちに出迎えられ、そのまま船に乗り込み、淡島に上陸したわけだったが……

 

「え?これ上るの?」

「はい!μ’sも階段を上って体力づくりしてたので!一気に上を目指します!」

 

何故かドヤ顔しながら胸を張る高海。いや、どこにもお前が誇らしげにする要素はないと思うんだけど。

 

改めて階段を見てみる。山の中の神社というのは大抵ぼろぼろの階段や階段もどきがあるだけだが、ここの階段はそれなりに手入れされているらしい。ちゃんとした階段になっているから怪我はしないかもしれないが……

 

ちらりと説明文らしき立て看板を見る。徒歩で往復50分程度とか書いてあるんですけど、これはあれですね。はっきり言うと、あいつらと同じ感覚でやろうとしたら間違いなく痛い目を見る。

 

「なぁ、高海?流石にいきなりこれは「じゃあ先生、上で待っててください!」え?」

 

こともなさげにとんでもないことを言われた気がするんだけど、気のせいかな?

 

「すまん高海、どういうこと?」

「ゴールで私たちが到着するのを待っててほしいんです」

 

うん、これあれですね。完全に俺も上る流れが彼女の中で出来上がっちゃってるパターンですね。なんでこうスクールアイドルのリーダーを務める子はサポート側にも運動能力を求めてくるのだろうか、何なの?それも必須スキルなの?というか、

 

「ここかなり距離あるだろ?しかも看板読んだか?『無理せず休憩しながら上ってください』って書いてあるんだけど?」

「大丈夫です!」

「うん、何が?」

「スクールアイドルとしてライブをするなら、これを上りきるだけの体力は必要ですから!」

 

うんうんと頷いている渡辺はともかく、他三名は「えぇ~」って顔をしているんですけどそれは大丈夫なんですかね?

 

まぁ高海の言わんとしていることはわからんでもない。この前のライブを行ったからわかることなのかもしれないが、スクールアイドルはかなり体力が必要になる。前回のものは初ということでパフォーマンス自体はほんの30分程度ではあったが、それでも体力に自信があった渡辺以外の二人は相当疲れ果てていた。というか渡辺でさえ翌日に十千万で行った振り返りでは、

 

『さ、さすがに疲れてるであります……』

『ライブって思ったより体力使うよね……練習の時とは全然違う』

 

と言いながら他の二人と仲良く伸びていたくらいだしな。だからこそ体力強化を図ろうというその志はわからないでもないし、なんなら部活動としての意気込みを見せるには間違った手段ではないとは思う。思うのだが、一言言わせて欲しい。

 

「それ俺が上る必要なくね?」

 

――――――――――――――――――

 

「……何故だ?」

 

思わず独り言ちる。というかそんなつぶやきを漏らさないとやっていられないまである。

 

現在上り始めて15分程、ようやく中間地点といったところだろうか。あっ、看板見えた。どうやら現時点で2/3上りきったらしい。

 

これ、はっきり言って神田明神の階段よりきついです、ほんとにやばい。まぁ背中にしょっている全員分の水筒が重いってのもあるかもしれないが。

 

あいつらのトレーニングに付き合わされてたこととか、海未にしごかれてきたこともあって、基礎体力はそこそこついていたつもりだった。けれども、それでも常時同じペースで上まで走りきることはできず、少し歩く形になっていることを考えると、いきなりこれに挑戦しようと考えている高海たちは割と無謀なんじゃないだろうか。

 

俺が上に行くまでの間に、高海たちはストレッチと軽い準備運動をしておくとのことらしい。「てっぺんに着いたら連絡してください」、とか言っていたが、あいつらけがしないといいんだけど。

 

 

 

「っと、ゴールか」

 

しばらく歩き続けたのち、一番角度がきつくなったところでふと視線を上げると、坂の入り口にあったものとは違う鳥居が目に入る。あそこをくぐればもうこれ以上階段を上る必要はないらしい。思わず安堵の息を吐きながら、一歩一歩踏み占めるように上る。確かにきつかったが、その分達成感も感じられ、案外悪くないかもしれないと思いながら鳥居をくぐる。

 

ふぅ、と一息ついてから携帯を取り出し、高海たちに到着した旨をメッセージで送る。「すぐ行きます!」という返信を確認し、アプリのストップウォッチを起動させ、一休みでもしようかと振り向くと――

 

――見慣れたポニーテールの後ろ姿が、賽銭箱の前に立っているのが見えた。

 

それなりに距離がある上に、特に物音を立てるようなことをしたわけでもなかったが、何かに気づいた様子でその人物が振り返る。

 

「あれ、比企谷先生じゃん」

「松浦か」

 

 

 

side Mandarin

 

「はっ、はっ、はっ」

「ち、千歌ちゃん、これっ、きついわね」

「梨子ちゃんっ、あんまりっ、しゃべらない方がっ、いいと思う」

「はぁっ、はぁっ、スクールアイドルって、やっぱり、大変なんですね。花丸ちゃん大丈夫?」

「も、もう無理ズラぁ」

「はっ、はっ、っはぁ~。きゅ、休憩~」

 

ペタリと思わず階段の折り返し地点にある小さな踊り場に座り込んでしまった。周りを見ると梨子ちゃん、ルビィちゃん、花丸ちゃんも座り込んでしまっている。あの曜ちゃんでさえ両手を膝に当て、かがみこむようにしながら肩で息をしている。

 

走り始めてからまだそんなに進めていないのに、こんなに疲れるなんて。

 

「それにしても、比企谷先生もよくここ上りきったね」

「そうね。通勤も確か自転車なのよね?」

「あの坂道を自転車で上ってるず、じゃなくて、上ってるんですか?」

 

あれ?もしかして先生って結構運動できるのかな?あんまりアウトドアな印象はなかったけど、そういえばこの前一緒に潜った時も初めてだったのに終わった後も梨子ちゃんは疲れてたのに意外と平気そうだったし。

 

「こんなの、毎日上ってたら、っはぁ~。体がもたないわ」

「でも、μ’sも階段上って鍛えてたんですよね。こんなに、大変だった、なんて」

「す、スクールアイドルって、やっぱり大変だぁ~」

 

いけないいけない!このままじゃここでずっと座り込んだままになっちゃう。先生にも待っていてもらってるんだから、せめてちゃんと上りきらないと。

 

「そろそろ行こっか。全部全力で走るのは厳しいから、ちょっとペース落そう」

「了解であります」

「ふぅ。二人とも、大丈夫?」

「は、はい」

「が、頑張ります!」

 

みんなちゃんと立ち上がったのを確認してから改めて階段を上り始める。さっきよりも大分ペースは落ちているけど、一歩一歩しっかりと踏みしめながら歩くこの長い道のりは、なんだかスクールアイドルとしての道のりそのものを表しているような、そんな変な感じがした。

 

だから、思ったんだ。

 

絶対、いつか上りきってみせる!って。

 




あ、そうだ。

この話に全く関係ないですけどカメラ用のアカウント作ったんですよね、良ければそっちもフォローしてください(笑)
 @bbfdecade2009

あと、初めて車で沼津行ってきたんですけど、意外と疲れますねあれ。
日帰りだとほんときつい。せめて一泊したい(笑)
今度また行くかもしれないので、練習のつもりでしたけど行っておいてよかったです。

ではまた次回お会いしませう~
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