やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある 作:トマト嫌い8マン
いやぁ、しかしスクスタももうすぐですし楽しみですね~。
まぁどんなふうになるのかは楽しみですが、ちゃんとしっかりと自分がやれるかどうかという疑問点も(笑)
まぁ、それはさておき続きをどうぞ~
時間が流れるのは早いもので、既に黒澤と国木田が体験入部に来てから早くも1週間が過ぎようとしている。
屋上での朝練から始まり、夕方は神社の階段に挑戦するというルーティンが出来上がる中、この短期間の間でも、高海たちの成長には驚かされる。高海、渡辺、桜内の三人はもうあと少しいければ問題なく駆け足であの階段を上りきることができるかもしれない。黒澤も三人ほど速いペースというわけではないが、着実に慣れてきている。
で、国木田だが……彼女については考えるべきことがあるのかもしれない――
学校の委員会の仕事は時折昼休みに駆り出されることもあるため、どこかに所属しているものは――最もこの学校では所属してない人の方が珍しいが――お昼休みを短めに切り上げなければならなくなる。
当然、それは図書委員にも同じことがいえるわけで、それはつまり本学図書委員の一人でもある国木田は本日当番のため、昼休みを図書室に拘束されることとなった。
勿論本人はそれを何ら苦とは思わないだろう。そもそもスクールアイドルの体験に来る前は、いつでも昼休みは図書室で過ごしていたとのことらしいのだから、本人としてはいつも通りの時間を過ごしているのとそう変わらんだろう。
ちなみに教員の休み時間は生徒よりも早い時間に設定されているが、次の時限に自分の担当する授業がなかったこと、調べ物をしようと思っていたことから、俺はその日、図書室に足を運んだのだった。
「うっす……ん?」
普段帰ってくる返事がなかったため首をかしげながら扉を閉める。図書委員のカウンターの方を見てみると、
「すぅ……すぅ……」
安らかな寝息を立てている天使がいた。
あ、いや、間違えた。国木田だ。
読書の途中だったのだろうか、机の上に開きっぱなしの本――いや、国木田にしては珍しく雑誌のようだ――に両手は添えられ、椅子の背もたれに体を預けるようにしながら、無防備な寝顔を彼女は見せている。
「ん~、まだのっぽぱん食べ終わってないズラ~……すぅ」
起きたかと思ったら寝言だったでござる。にしてもなんとも幸せそうな表情で、またなんともベタな感じの寝言を言っているのやら。一応図書委員としての仕事があるわけなので、先生としては起こすべきなのかもしれないが、あたりを見渡してみても特に生徒がいるわけでもない。ここのところハードな練習を知っている身としては、今の休息の時間を邪魔するのも気が引ける。
「まぁ、図書室に籠るって言ってきたしな」
ざっと図書室を見渡し、探していた本が見つかったので数冊本棚から抜き取り、カウンターへと向かう。カウンターの内側に回り、国木田から少し離れたところで静かに椅子を引き、腰を下ろす。
ぺらり、ぺらりと本のページをめくる音と、規則的な呼吸音だけが図書室に響いた。
どこか不思議と懐かしいような気持ちを覚えながらも、黙々と本を読み、資料を集めることに集中していた。
――昼休み終了を告げるチャイムが鳴るまであと5分といったところ。
流石にそろそろ戻る必要があるだろう。ちゃんと書類等の記入、作成は終わっているからサボっていたわけではないことは証明できるだろうけど、あまり席をあけすぎるのもよくない。
それに、隣で未だに目覚める気配のない生徒が次の授業に遅刻しないように起こす必要もあるしな。
「おい、そろそろ昼休み終わるぞ。お~い?」
少し遠慮がちになってしまったがトントンと肩を叩いてみる、が起きる気配がない。
もう少し強めに叩いてみる。しかし起きる気配がない。
流石にまずいので肩を揺らす。
「国木田~?起きろ~」
「んぅ……ズラ?」
ゆっくりと国木田の瞼が開き、ぱちぱちと瞬きする。まだ完全には意識が覚醒していないようで、少しぼーっとしている。
「……なんで先生が、オラの家に?」
「いや、ここ学校の図書室な」
「?……はっ」
何回か瞬きを繰り返していた国木田の意識がようやく覚醒したのか、一瞬驚きの表情を浮かべたかと思うと、椅子を後ろに倒しそうな勢いで立ち上がる。
「ごごごごごめんなさい、オラ図書委員の仕事中だったのに」
「いや、まぁ、結局誰も来てなかったから。」
「そ、そうですか」
「それより、早く行った方がいいぞ。もうすぐ授業が始まる時間だ」
「ズラッ!?もうこんな時間!?」
慌てて自分の持ち物を集め、図書委員用の道具をしまう国木田。まぁ別に一緒に行くわけでもないので、とりあえず俺も自分の持ち物を手に取り立ち上がる。
「んじゃ、俺は先行くわ。まぁその、なんだ。あんまし無茶はするなよ」
「え?」
「体験入部したからって、人間得手不得手はあるものだしな。無理にあいつらと同じにしようとしなくてもいいと思うぞ。国木田は国木田だし、国木田らしくやるしかないだろ」
最後にそんなことを言って、俺は図書室の扉を閉めた。
少しおせっかいだっただろうか?だがどうにも年下を相手にしていると、なんとなく何かしてやろうという気がしてしまうのだ。これも妹がいるからか、はたまた……そういや、あいつももう高校生だったな。そりゃ道理で重なるわけだ。
未だに俺のことを下の名前で呼び捨てにしてくる、どこか大人びた少女を思い出す。最初に会ったころから6年、今の彼女は驚くほど当時の雪ノ下に似ている。違いがあるとすれば、より優しげであったり言葉遣いがそこまで硬くなかったりとあるけどな。
そんな彼女の悩みを、問題を、葛藤を何とかしてやるために何度か力を貸すことがあったからか、もはや体に染みついている性分のようになっている。
「そういや、留美は何部に入ったんだろうな?」
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side flower
『国木田は国木田だし、国木田らしくやるしかないだろ』
「マルは、マル」
思わず呟いていました。
先生の言う通り、国木田花丸は国木田花丸でしかないです。
運動できないし、明るいほうじゃないし、オラとかズラとか言ってしまう。高海先輩やルビィちゃん、それに他のスクールアイドルみたいにキラキラした世界は、どうしても似合わないんです。
練習も一人だけすぐに疲れてしまいますし、心配もかけてばかりで……
きっともうルビィちゃんは大丈夫だから、もうマルは……
そこまで考えて、寂しく思ってしまったのは、何故でしょう。
理由がわからず、マルは教室に戻ったあとも、何故か気が付けばカバンの中にしまっている雑誌が気になって気になって仕方がありませんでした。
そういえば最近はSirius紹介コーナーやってないな~なんて思いましたが、今はその時ではないので復活はまたいずれ。
読者の中に、Sirius見たよ~とかよかったよ~とか言ってくれる人がいるとうれしい限りです(笑)
なんならこの小説書き始めたきっかけでもあるので……
ま、そんな素敵な彼女たちのことも、この小説のことも今後ともよろしくです。