やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある   作:トマト嫌い8マン

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もう明日からコミケですね〜

いやぁ、今回は3日間参加予定ですが、まぁなかなか楽しみですね〜。

ま、それはさておき、年内最後の更新(多分)ですが、適当に読んでってください。


大切な気持ち

Side flower

 

「そっかそっか~、スクールアイドル部かぁ~」

 

とても上機嫌そうにしているお姉さんは口を「ω」形にして微笑みました。気が付くともう神社に向かうための階段近くまで来ていました。

 

「練習やっぱり大変だよね?」

「あ、はい。でも、」

「でもでも、やってるときは大変だにゃ~って思うこともあるけど、すっごく楽しいよね!」

「そうです、ね。あ、でも、」

「ねぇねぇどんなグループなの?何人組?」

「あ、あの!」

 

興奮気味に話すお姉さんを遮るように声を出しました。こんなに楽しそうに話しているのに申し訳ない気持ちもあるけれども、その話はマルにはできません。だって、

 

「その、マルはスクールアイドル部には入らない、です」

「?どうして?」

 

首をかしげるお姉さん。不思議そうにするその視線をどうしてか正面から見ることができず、つい目をそらしてしまいます。

 

「マルには、似合わないですから。運動苦手だし、今は気を付けていますけどオラとかズラとか言っちゃいますし……あんなキラキラした場所は……」

「あなたはどうしたいの?」

「……え?」

 

「そっか」とか「そんなことない」とか同意の反応か慰めてくれる反応が返ってくると、マルは思っていたので、予想外の返事に顔を上げます。

 

マルをを見つめるお姉さんは、優し気な微笑みで繰り返しました。

 

「あなたはどうしたいの?」

「どうしたい、ですか?」

「私がスクールアイドルやってたって話したよね?」

「はい」

「実はね、始める前はずっと思っていたんだ。こんな可愛いこと、絶対に自分には似合わないって」

「えっ」

 

お姉さんの言葉にさらに驚きが大きくなりました。だってそれはまるでマルが思っていたことと同じだったから。

 

でも、こんなに可愛い人が?

 

「どうしてですか?」

「その頃の私はもっと髪も短かったし、服装ももっとボーイッシュだったんだ。こんなスカートとか全然履いてなかった。ずっと前にね、可愛い服が似合わないっていわれたから。だからずっと思ってたの。私には女の子らしい服も、可愛らしい物も似合わないんだって」

 

「そんな時、スクールアイドルに出会った。なんだかすごいなぁって、その時思ったんだ。それでね、小さい頃からずっと一緒だった幼馴染の子がスクールアイドルを始めたがってて、だから私はその子の背中を押そうと思ったの」

 

「その時その子に一緒にやらない?って言われたんだけど、断ったの。似合わないって思ってたから。でもね、私も本当はやりたいと思ってたんだ。あんな風にキラキラした世界を見てみたいって。でも、やっぱり自信がなかったし、怖かった。また似合わないって周りに言われることが」

 

「でもね、ある日言われたんだ」

 

 

『やりたいならやればいいと思うぞ』

『無理だよ、あんなキラキラしてる場所……似合わないにゃ』

『これは俺の知り合いの言葉なんだが、美的感覚なんてものは主観に過ぎないんだとさ』

『?』

『つまり、だ。可愛いだとか似合ってるだとか、そういうことはあくまで個人個人が勝手に思うことであって、結局のところは多数決みたいなもんだ。大勢がかっこいいと思ったら、そいつは世間でかっこいいと認定されるってわけだ。で、だ。お前のことを小泉は可愛いって言ってるよな?』

『うん。でもそれはかよちんが優しいだけで』

『俺も小泉の意見に賛成だな』

『え?』

『お前は間違いなく美少女の部類に入る。正直後輩でいうならうちの一色ともいい勝負ができるレベルだ。なんなら雪ノ下と由比ヶ浜もお前のことを可愛いって言っていた。この時点で5対1でお前を可愛いと思っている側が多数になるわけだ』

『そんな理屈めちゃくちゃにゃ。もっと多くの人に聞いたら』

『かもな。でも、最初はここからでいいんじゃねぇの?』

『?』

『今はまだグループとして駆け出したばかりだ。だからまだ大衆の目に触れるわけじゃない。けど、目に触れる範囲にいるやつがお前の背中を押してくれてて、そしてお前にそれをやりたいって気持ちがあるんなら、やったらいい。そしてむしろあの頃お前に似合わないって言ってた奴らに見せつけてやりゃいい。こんな美少女を見落としてて残念だったなって』

『なんだかヒッキー先輩、穂乃果先輩たちと一緒にいるときと違ってて変な感じがする』

『知らないのか?俺は年下には優しいんだよ』

『ロリコン?』

『ばっかお前、妹の影響だっての』

『シスコンにゃ』

 

 

「今思い出してもすっごく変な話。でも、どうしてかな。その言葉を聞いて、幼馴染ともう一人同じクラスの子と話して、気づいたら三人で一緒に入部してたんだ」

 

目を細めながら懐かしそうに話してくれた内容は、とても親近感が湧きました。まるでマルたちのことを話しているようにも聞こえて――とても羨ましいと思いました。

 

「あなたにもそんな子いない?あなたのことを肯定してくれる人」

「ま、マルには……」

「もしそんな子がいるなら、一歩踏み出してみたらいいよ。きっと素敵なことが待ってるから!」

 

神社に続く階段の入り口前にたどり着くと、お姉さんが立ち止まりました。

 

「上らないんですか?」

「うん。ここが待ち合わせ場所。だからここで待ってるの」

「そう、ですか。あの、お話ありがとうございます」

「こっちこそ、連れてきてくれてありがとにゃー」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side teacher

 

少し考え事をしたいから先に行っててくれ、そう黒澤姉に言われたもんだから俺たちは改めて階段を下り、入り口の方へと向かっていた。姉に思いを伝えられてすっきりしたのか笑顔の黒澤妹、一緒に並んで喜んでいる高海、そしてそれを見守るようにしている渡辺と桜内。

 

ここにもう一人いた方が良かった、なんて思ってしまうのは個人的な願望でしかない。ただそれでも、彼女、国木田花丸がいなくてはならない、そんな風に思えてしまって仕方がないのだった。

 

まぁ、こういうことは結局本人が決めることではある、それはわかっている。教師として本人の意思を尊重するのもまた仕事であることも。ただそれがもし、彼女の本心を隠したうえでの行動なのだとしたら……

 

「あれ?誰か入り口にいる?」

「ほんとだ」

 

高海たちの声で考え事の沼にはまりかけていた意識が戻される。ぱっと前を見ると、階段の入り口付近に二人の女性が立っているのが見える。より正確に言うならば、俺にとっては見覚えのある女性たちが、である。

 

「あ、花丸ちゃん!」

「ルビィちゃん!?皆さんも」

 

そのうち1人に気づいた黒澤妹が駆け寄るように階段を下りる。それに続くように高海たちも下りていく。と、もう一人の女性がこちらに気づく。いやまぁ確かに手伝ってほしいことがあるからと呼んだのは俺だ――ちゃんと交通費は前払いしたぞ、流石に――しかしながらタイミングがいいのやらなんというか、である。

 

「あ、ヒッキー先輩!」

「……まさか一緒にいるとは思わなかったわ」

 

久しぶりに会う彼女の髪がだいぶん伸びていたことに、不覚にもドキッとしてしまったのは内緒だ。




最近のお気に入りは1stのセトリで虹の曲を聴くことになってきてますね〜

アニメ化楽しみや〜
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