やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある   作:トマト嫌い8マン

4 / 54
公開初日に舞台挨拶のライブビューイング付きで、ラブライブ!サンシャイン‼︎の映画観てきました。

ちゃんとAqoursを知ったのは今回が初めてでしたが、凄くいい映画だったと思います、はい。

なので短いけど続きをば……


新生活の始まりは期待と不安がつきものである

「こんなもんか……」

 

新しい引越し先での荷解きもひと段落したところで休憩に入る。

 

それなりに広い部屋をざっと見渡す……いや、というよりも、だ。

 

「これ、普通に一戸建てじゃねぇかよ」

 

住む場所の手配はすでに済ませてくれているとのことで、指定された住所まで来たのはいい。一人暮らしってことで、てっきりアパートのワンルーム的なものを想像していたが、まさかの一戸建て。

 

「どう考えても部屋の数多すぎなんだよなぁ……しかし家賃は安いと」

 

自分用の部屋以外にも、四、五部屋ある。おまけに外には倉庫までついてるし。こんだけ広いならいくらかかるんだよ、なんて身構えもしたが、書類を見てみると月額5万ときた。都会じゃ絶対あり得ない……

 

「学校へはチャリ使えばそんなにかからないな……まぁ、坂道が殺しに来てる感あるが……」

 

今回は場所の確認のためにバスと徒歩で向かった浦の星女学院だったが、その立地としては海沿いの道路からそこそこ登ったところにある。

 

空は開けてるわ、緑いっぱいに囲まれてるわ、遠目に富士山も見えるはと、中々絶景ポイントでもあるが、とにかく坂道を登るのがきつい。

 

「こりゃ、通勤するのも一苦労かもしれないな……」

 

荷解きももう十分出来たと思ったため、自分の生活圏内についていろいろと調べ始めるとしよう。

 

そう思い、持ってきたノートパソコンを開き、ネット世界にダイブするのだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「……海だな」

 

一通り検索を終えた後、なんとなく家の中にいる気持ちにならなかった俺は、気づけば自転車にまたがり、海沿いの道を走っていた。

 

千葉にいるときも、別に海を全く見なかったわけではなかったが、こうして改めて自分の生活の一部になると思いながら見つめると、なんだか今まで感じたことのない不思議な感覚を覚える。

 

それにしても自分が高校の教師、それも女子校の教師になることになるなんて、思ってもいなかった。

 

「っつか、結局俺のことを呼んだらしい理事長とも会えなかったし……」

 

なんでも現在海外にいて、数日後に帰国予定なんだという話だったが、そんなにグローバルに活動してる人なのか?

 

俺に希望を見出した、ということで呼ばれたらしいが、それにしても果たして俺のどこを見て、何を知って、希望を持ったのかが全くわからない。

 

「統廃合疑惑のある学校……それに、俺個人を特定した希望……ね」

 

なんだろう……何故か妙な予感がする。自分で言うのもなんだが、わざわざ誰かの目に留まる程優秀というわけでもなく、何か輝かしい経歴持ちというわけでもない。何か特別変わっていることがあるとしたら、それは高校時代の部活ぐらいだろう。

 

奉仕部。

 

名前を聞いただけでは、活動内容の予想なんてすぐにはできないだろうし、例え内容を聞いたとしても訳がわからないであろう、あの部活。

 

「女子校ってあたりがまたなぁ……なんとも言えない縁的なものを感じずにはいられないよなぁ」

 

今は大人気のとある女子校を思い出す。一年にも満たない短い間だったが、あいつらと一緒に放課後や土日を惜しんで、その学校まで行っていたことは、不思議と今でも鮮明に思い出せる。

 

「まさかまたあの依頼的なことをやる……なんてことはないよな?」

 

ありえないと思いながら、ついそんなことを呟いてしまう。そもそも幾ら何でも、社会人一年目の新人教師に、そんなことが求められるとは思えない。考えすぎだろう。

 

小さく苦笑し、頭を振る。そんなことを考えるくらいなら、さっさと初日に向けて準備をしなければ。最後に海をじっと見つめてから、自転車にまたがり、新しい家への帰路へついた……

 

ーーーーーーーーーー

 

海辺の道、そこを二人の女子高生が歩く。

 

「もうすぐ新年度……今から楽しみだなぁ」

「千歌ちゃん、なんだか気合入ってるね?」

「うん!絶対スクールアイドル部を作って、輝くんだ!」

「そっか。勧誘のお手伝いくらいならできるから、頑張ろうね」

「うん!……あれ?」

「どうしたの?」

 

ふと一人が立ち止まる。その視線の先、一人の男が自転車で漕ぎ出している。

 

この辺りでは見かけたことのない男。

 

やや猫背気味で、頭のてっぺんからはぴょこんとアホ毛が立っている。

 

「あの人……学校で会った気がする……」

「学校で?見たことない人だけど……」

「うーん……気の所為だったのかなぁ?」

 

首をかしげる少女二人。男の姿を見送るも、特にピンと来ることもなく、二人はそれぞれの帰路に着いた。

 

 

その時点で既に、奇妙な縁が仕組まれていたことを、彼ら、彼女らは知らない。

 

想像もせず、予想だにせず、構想もぜずにいた。

 

ただ一人、彼を呼んだ者だけが、その縁に思いをはせるのだった……

 




1話あたりは短めになるかもですが、適当にお付き合いください。

因みに八幡の家についてですが、これ実際にある物件をもとにしてます。沼津の家賃どんなだろってなんとなしに調べたら見つかったので、そこをお借りしました(笑)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。