やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある   作:トマト嫌い8マン

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いろんなイベント中止になってますなぁ……
残念。

早く終わるといいですね、こういうの。

まぁそんなわけで、暇つぶし代わりにこちらをどうぞ~。


休日の過ごし方

「…お…て」

「んんぅ~」

 

目を開いていないため視界的には真っ暗であるが、意識は深いまどろみから徐々に覚醒してきているのは自覚できた。なんだか体が揺らされている気がするが、そもそも一人暮らしだしそんなことは――

 

――いや待て、そういや昨日客が来ていたんだっけ。

 

ゆっくりと目を開く。

 

「あ、起きた。おはよう」

「……おう。はよ、凛」

 

布団の中でまどろむ俺の顔を覗き込んでいるのは凛だった。ちらりと時計を見ると7時ちょっと前。お休みの日の朝にしては早すぎやしませんかね。そう思ったものの、凛の方はというと既にばっちり目が覚めているらしく、にこにこ笑顔である。

 

「どした?」

「真姫ちゃんとかよちんがもうすぐご飯だから起こしてきてって」

「あ?」

 

思わずガラの悪そうな返事をしてしまったがそこは寝起きだ、大目に見てほしい。というよりもあの二人も早いな、しかも朝食の用意もできてるとかどういうこと?

 

「ヒッキー先輩?」

「ん、や。わかった起きる。起きるから部屋を出てくれないか?着替えたい」

「は~い」

 

二度寝するという選択肢は、残念ながらすでにない。そもそも本来客人である3人より後に目を覚ますのはどうなんだ?まぁ、あいつらが早すぎるってのもあるが……

 

パパッと着替えてリビングに向かう。ちなみにうちのリビング、キッチンとの敷居は壁や襖ではなく、カーテンのようなものでのみされているため、そこを開いておくとリビングからでもキッチンの様子がよく見える。何故そんな説明をわざわざしたのかというと、

 

「改めて、おはようにゃ~」

「あ、八幡先輩。おはようございます」

「おはよ、八幡」

 

リビングに入ると、机に食器等を並べる凛と、キッチンにエプロン姿で立つ真姫と花陽が出迎えてくれたのだから。

 

え、何この幸せ空間。そういや合宿の時は基本的に奉仕部がそっち側だったし、こうして家庭的な彼女たちの姿を見るのは、何気に初なんじゃないか。というかまだ夢見てるんじゃないだろうか。

 

全国のμ‘sファンの諸君――あ、勿論高海たちも含むが、――なんというか、すまん。この瞬間を独り占めしてしまって。

 

「おはよう。つーか、何でこんな朝早いんだ?」

「折角こっちに来たんだもの。少しくらいは観光して帰りたいじゃない?」

「あぁ、なるほどな。まぁ楽しんで」

「って八幡先輩なら言うと思いました」

「当然ヒッキー先輩も一緒に行くにゃ!」

「え~」

 

なんて言ってはみたものの、よく考えたら彼女たちがどこかに行くのであれば、必然俺も駆り出されることになるのは明白である。だって車持ってるの俺だけだし。

 

それにまぁ、偶には家族サービスってわけではないが、こいつらのためにも時間を使うのも悪くはないだろう。実際凛の方は交通費俺が出してたとはいえ、わざわざ俺が呼びつけてここに来ているわけだしな。

 

「わかったわかった。まぁ、車の運転くらいはするわ」

「じゃあじゃあ、凛はあの神社上ってみたい!」

「おいしいごはんが食べたいです!」

「私は、そうね。海の音を聴いてみたいかしら」

「ぷっ」

「?何よ?」

「いや、悪い。同じようなことを言ってた奴がいたから、つい」

 

音楽関係のことをしている奴同士、似ているのだろうか?まさか桜内と同じことを言ってくるとは思わなかった。が、海の音か……あれから一度も海に入っていなかったし、いい機会かもしれない。だんだん暖かくなってきているから、あの時よりかはましだろうし、その近くには花陽が好きそうな海鮮丼のお店もあるしな。凛が魚苦手だが、カレーやラーメンとかもあったし問題ないだろう。と、その前に、

 

「三人は水着とか持ってきてるのか?」

「何よ急に?まぁ一応持ってきてはいるけど」

「海の近くだと聞いていたので」

「バッチリにゃ!」

 

と三人に確認してみたところ問題なく、というかまるでそれが当たり前であるかのように、三人ともちゃんと水着を持ってきているようだ。夏でもないのによく持ってこようと思ったなと感心してしまう。

 

「急にそんなこと聞いてどうしたの?別に見たいなら素直にそう頼めば、」

「いや、違うからから。そういう欲からきた発言じゃないから。海の音聴きたいって言ったろ?ならいい考えがある」

 

少し食い気味に真姫の発言を遮りながら携帯を取り出す。いや、別に見たくないとかそういうのではないが単純にそういうことをストレートに言われるのは流石に照れる。というか本当にぐいぐい来るようになったな、真姫は。そんなことを考えながら、とある番号に電話をかけた。

 

『はい。ダイビングスクール & ショップ松浦です』

「松浦か?比企谷だけど」

『あれ、比企谷先生?電話なんて珍しいね。どうしたの?』

「ちょっと聞きたいんだけど、今日空いてるか?」

『今日?まぁ、午後は空いてるけど。もしかして潜りに来るの?』

「そんなところだ。海の音を聴かせたい奴がいる」

『この前の、桜内さんだっけ?』

「いや、別の奴だ。頼めるか?」

『ふ~ん。まぁいいよ。お客としてきてくれるのは大歓迎。今日は天気もいいし、比較的あったかいから、この前よりも楽しめるかもね』

「そりゃ助かる。時間は13時頃でも大丈夫か?」

『オッケー。じゃあ、お待ちしてます』

 

最後だけちゃんと接客みたいな感じを出しながら、松浦との電話が切れる。三人の方を見ると、不思議そうな表情をしていた。

 

―――――――――――――

 

「八幡、今の電話は?」

「ん、まぁちょっと知り合いにな。とりあえず今言ったやつ全部しに行くとするか」

「えっ?」

「どういうこと?」

「後で説明するわ。取りあえず折角作ってもらったわけだし、冷めないうちに朝食食べていいか?」

「あ、そうですね。ほら凛ちゃん、真姫ちゃん、食べよ!」

 

花陽に促され真姫と凛も自分の席に着く。今日の朝食は和食らしい。普段は忙しさからシンプルになりがちのため、こうしてご飯とみそ汁に加えおかずが充実した朝食というのは仕事を始めてからは初かもしれない。早速一口味わってみる。

 

「うめぇ」

 

思わず言葉がこぼれる。いや、マジで美味い。鮭の塩加減も焼き加減も最高だし、ふっくら炊けてるご飯とめちゃくちゃ合う。味噌汁の濃さも俺好みだし、文句なしだ……一点を除けば。

 

「なぜサラダにトマトがある……」

「冷蔵庫に入っていたんだから、使うにきまってるでしょ?というか何で八幡がトマトを買っていたのか不思議だったのだけど?」

「あぁ、まぁ、貰ったんだよ」

 

引っ越したばかりの頃の買い物帰りに近所の住人から。いい感じの優しげなおばあさんだった。本当に何の脈絡もなく渡されたから戸惑うところもあるにはあったが、折角くれたものを無駄にするわけにもいかないから、基本的にはトマトソースにしてパスタで食べるなどしていたのだが……

 

「あきれた。まだトマトが食べられないの?」

「食べられないんじゃない。進んで食べないだけだ」

「このやりとりも相変わらずにゃ~」

「八幡先輩、好き嫌いはよくないですよ!」

 

折角用意してもらった手前残すのは流石に気が引ける。だがしかし、やはり苦手なものは苦手なわけで……

 

「あぁもう、しょうがないわね。ほら」

 

ずいっと目の前にトマトが差し出される。真姫が自分の箸で俺のトマトをつまみ、口元まで運んできたのだった。いや、だからね。

 

「さっさと食べなさい。体にもいいんだから」

「いや、むしろ余計に食べにくくなったんだけど」

「こうでもしないとずっとぐちぐち言うんでしょ?美少女にあーんしてもらってるんだから、むしろ喜んで食べるところよ」

「だからそういうことを自分で、むぐっ」

 

ついツッコミ気味になり口が大きく開いた瞬間、まるで狙っていたかのように真姫が箸ごとトマトを口の中に差し入れる。驚きこそしたものの、絶妙な力加減でやったのかのどに詰まらせる心配はなかった。仕方がないので取り合えず口の中にあるトマトを噛んでから飲み込む。

 

「…甘い」

「そうね。このトマト、とても甘くておいしいわよね」

 

べちょっとした食感は確かにあったものの、口の中に広がった味は果実のそれに近い。

 

「またここのいいところ、一つ見つけちゃったみたいね」

「……降参だ。おとなしく食べるわ」

「ええ。そうしなさい」

 

クスリといたずらっぽい微笑みを向けてから、真姫も自分の食事を続けるのだった。

 

全く、朝から大変過ぎやしないだろうか。そう一人心の中でため息をつきながらもう一つトマトを、今度は自分から口の中に放り込む。

 

やっぱり、甘いわ。

 




なんだろう……なんか、八幡と真姫の絡みがすっごい書きやすい。

なんだこれ?
何故かはわからないけれども凄くスラスラ書けちゃう。

なんでだろ?
まぁ、今はありがたいんですけどね笑
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