やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある 作:トマト嫌い8マン
いやはや、なんともまぁそんなに長いんですね~なんて思ってみたり。
私がAqoursを知ったのが2018年なので年前、それよりも倍以上長く活動していたのを知らなかったとは……
まぁ、それでも、今は知っているので笑
はいはいではでは、続きませう。
「比企谷先生、お待たせ~」
「ん、おう」
着替えも終わり、松浦が用意してくれていたウェットスーツを着終わってボケーっとしていると女子組の準備も終わったらしく、松浦が更衣室から出ながら声をかけてくる。ちらりと
松浦の表情を見て――
「ん?」
「?どうしたの?」
「……なんかあったか?」
ふとそんな問いかけをしてしまう。
自慢ではないが俺は人間観察力には自信がある。高校の頃も割とそのことは自信はあったし、なんなら自分の特技としてカウントしていたが、今はそれ以上だと言い切れる。人の心の機微、感情――あの頃はわかっているようでわからないものとしっかりと向かい合うことができたから。
まぁ、それはさておきではあるが、そんな自分がちらっと見たときに感じてしまった違和感。いつもの、と言えるほど松浦と顔を突き合わせたことがあるわけではないのだけれども、その表情に若干の曇りを感じた。感じてしまった。
「?何かって?」
「いや、まぁなんとなく、だな。悪い、気にすんな」
「そう?じゃあ、マスクとかフィンとか運ぶの手伝ってもらっていい?」
「ん、わかった」
とりあえず踏み込みすぎもよろしくないだろうし、今話すべきことではないだろうから首を
振っておく。まぁでも、一応教師だしな。いつか話を聞くことになるかもしれない。その時
はその時で、やれることをするとしますかね。
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Side diver
「なんかあったか?」
なんて、急に聞かれるとは思わなかった。そんなに私は、わかりやすかったのだろうか?
結局何でもないと踏み込まずにはいてくれたけれども、私にはそれがありがたいのか、それとも踏み込んでほしかったのかもよくわからないや。
内心の動揺をなるべく悟られないように先生に手伝ってもらいながら真姫さんたちを外に案内する。なんだか不思議な感じだけれど、千歌たちはこのことを知っているのかな?
「ねぇ先生。千歌たちは知ってるの?」
「ん?あぁ、μ’sのことか?いや、言ってない」
「どうして?きっと喜ぶし話が聞きたいと思うけど」
「ん、まぁいろいろあるんだよ」
ばつが悪いのか目をそらしながら話す比企谷先生。こっちはこっちでいろいろありそうな感じなのかな?
毎週のように一対一で顔を合わせているけれども、よく考えたら先生と踏み込んだ話なんてしたことがなかったような気がする。それは先生が意図的にそうしているのか、それともただ偶然そうだったのかはわからないけれど、それに気づいた途端急に不思議に思ってしまった。
「準備オッケーみたいだな」
「ええ。海の音を聴かせてくれるって言ってたからどうするのかと思ったけど、スキンダイビングだなんて。よく思いついたわね」
「まぁ、似たようなことがあった、とだけ言っておくわ」
「むむっ、なんだか女の子の気配を感じるにゃ~」
「八幡先生はモテますから」
「違うからね、そういうのじゃないから」
ああ、なんだろう。あの時来ていた千歌達を見たときにも少し思ったけど、この人たちを見ていると余計にまぶしく見えてしまう。
暗くなりそうな気持を振り払うように軽く頭を振る。
「じゃ、そろそろ水の中に入りましょうか」
「おう」
その先生の返事を受けて、私たちは海の中へと飛び込んだ。
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Side teacher
「ふぅ……」
「お疲れ様、先生」
「おう。サンキューな、松浦」
渡されたタオルで髪を拭きながら息を吐きだす。そんなに長い時間運動していたわけでもないはずなのに、やはり水の中で行動することは思っていたよりもずっと体力を消耗してしまう。朝からいろいろとしていたことも影響しているのか、この前よりも疲労感を感じている。
とはいえ、
「水の中綺麗だったね、かよちん!」
「うん!いろんな色のお魚もいたし。真姫ちゃんは?」
「ええ。とても有意義だったわ。それに、なんだか海の中にいたから気づけたこともあった気がする」
「おおっ、流石真姫ちゃん!」
「ちょっ、凛。急にくっつかないの」
揺れる船の上でわちゃわちゃしている三人を見ていると、こういう大変な一日を過ごすのもたまにはいいのかもしれない……たまに?あれ、なんだか最近ほぼ毎日こんな調子だった気がしてくるのは気のせいだろうか?
「内浦の海、楽しんでもらえたみたいでよかった」
「みたいだな。ありがとな」
「いえいえ。なんてったって先生の紹介なんだから、そりゃしっかりやらないと」
「まぁ、それでもな。割と急な話ではあったわけだし」
「ふふ。どういたしまして」
くすくすと笑う松浦から視線をそらし三人のほうを見る。姦しいというかどこか百合百合しいというか、とにかくあの三人がわちゃわちゃしているのはあの頃を強く思い出させてくれる。と、松浦のほうから何か聞きたげな視線を感じる。いや、正確には何を聞きたがっているのかは予想がつくのだが……
「はぁ。あいつらからどこまで聞いた?」
「先生がμ’sに入るきっかけを作ってくれたって話くらいかな?あとは、先生が部活動の一環でお手伝いをしていたってこと?」
「まぁ大体そういう感じだな。あの三人が入る前、穂乃果、ことり、海未の三人が初めて人前でパフォーマンスすることとなったくらいから、俺は部活動としてあいつらの活動に関わることになった。で、そこからあいつらが解散するまでの間手伝ってたってわけだ」
「手伝ってた、ね~。ライブの準備とか?」
「まぁいろいろだな。ライブの宣伝もそうだがPVの撮影とか。あとは部活仲間は練習メニューの管理とかいろいろとやってたな」
「なるほどね。だから千歌たちに協力してあげようと思ったわけだ。昔を思い出して」
「……ま、それもあるな」
「ふ~ん。で?千歌たちにはずっと内緒にしてるつもり?」
「どうだろうな。別にどうしても知られたくないわけじゃない。ただーー」
「ただ?」
言葉を区切った俺の様子に首をかしげるように松浦がのぞき込む。
「今の高海はμ’sに憧れすぎている気がしてな。別に憧れることが悪いわけじゃないが、μ'sになりたいだとか、まったく同じにとか思っているようなら問題だ。俺がμ’sの手伝いをしていたと分かれば、あいつはーーいや、ほかのメンバーもだ、俺に判断を仰ぎ、下手すると依存しだすかもしれない」
そんなものは、そいつ自身の成果とはとても言えない。それにそれは奉仕部のーー俺の主義に反する行いだ。そんなことをしていたら、俺はあのクリスマスイベントから何も変わっていないことになってしまうし、それがどんな結果をもたらすかを忘れてしまったことになる。それは、だめだ。
「もし本当にスクールアイドルをやりたいと思うなら、あいつら自身が道を決めていかなければ、意味がないからな」
「ふ~ん。先生なりにちゃんと考えた上でってことなのか。単に色々聞かれるのを面倒くさがっただけなのかと思ってた」
「まぁぶっちゃけそれもあるな」
「あっちゃうんだ」
少しばかりあきれ混じりに松浦が笑う。とりあえずの疑問はどうやら解消して、ついでにいうなら俺の大雑把な説明でも納得はしてくれたらしい。こういうところは大人びている、というより一線を引いた立ち位置を自ら持つようにしているように思える。
必要以上に踏み込まない。それは俺があくまで先生という目上の人だからか、あるいは客だからか、それとも……
「そういや、復学はいつごろになりそうなんだ?もうそろそろだろ?」
「うん。来週かその次くらいには」
「そうか」
まぁ、そんなこんなで。松浦との話も終え無事にダイビングショップまで戻った俺たちは、しっかりと本日の目標を達成することができたのだった。
この作品の比企谷八幡はμ'sと関りがあるのに何故Aqoursに伝えないのか、それについてを今回は書かせていただきました。
飢えた人に魚を与えるのではなく、魚の獲り方を教える。
ただ何でもかんでも教えてあげるのではなく、あくまでそのヒントを与えるというポジションでいるためにも、秘密にしておくことが大事かと思ったわけです。
まぁ、もちろん最終的には知られることにはなるわけですが(-_-;)
今はまだその時ではないということで!
では、また書きます!……た、多分……が、頑張ります、はい。