やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある   作:トマト嫌い8マン

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いやぁ、もう8月ですね~。

8月といえば、高海千歌さんの誕生日と、高坂穂乃果さんの誕生日。
更に言えばもう二人……っと、これについてはまたいずれ笑

んじゃ、新しい月になったんで1話載せま~す。


そんなわけで、彼は一年生組と関わり続ける

「はぁ~、楽しかったにゃ~!!」

「ほら凛ちゃん、お茶。真姫ちゃんと八幡先輩もどうぞ」

「ありがとう」

「サンキュ」

 

松浦のところを離れた俺たちは再び俺の家に戻り、夕飯を食べた後、こうしてくつろいでいるのだった。いやほんと、くつろげるの最高だわ。

 

「それにしてもずいぶんと早く時間が過ぎた気がするわ。明日の昼にはこっちを出ているわけだし」

「ほんとだにゃ~。もっともっとヒッキー先輩と遊びたかったにゃ~」

「まぁまぁ凛ちゃん。他のみんなは来られてないんだから、私たちはラッキーなほうだと思って」

「そうね。それに、別にまた来ちゃいけないわけじゃないでしょ。ね、八幡」

 

綺麗な姿勢でお茶を一口飲み、湯飲みを手にしたまま真姫が視線をこちらに向ける。それにつられるようにか、花陽と凛が――なんだかいたずらが成功したかのような笑顔で、こちらを見る。

 

「はぁ……別にダメというわけじゃない。事前に連絡入れてくれたら、まぁ、スケジュールの調整くらいには応じる。幸いというか、用意してもらったこの家も広いしな。部屋には困らないし、なんなら一人で使うには広すぎるまであるしな」

 

そう返すことしか、思いつかなかった。これで言質をとられてしまったわけなのだから今後度々こいつらが来ることになってしまう可能性は大いにあるが、まぁ、偶にならこういうのも悪くないと思える。

 

「じゃあじゃあ、次はいつ来る?」

「真姫ちゃんがお休み取れる時がいいよね。一番忙しいみたいだし」

「そうね。少し先の方で予定を調整できれば一番なのだけれど」

「ちょっと。気が早くありません、君たち?」

 

前言撤回。

偶にじゃなくなる気しかしないんですけどこれじゃ。

 

そうこうしているうちに夜も更けていく。

思い出に浸る時間は、どうやら終了ということらしい。

 

お茶を飲み終えた俺たちは、そのままそれぞれの寝室へと向かい、眠りにつくのだった。

 

 

 

翌日。

 

車を停める場所を探すことが面倒くさいということもあり、俺は三人とともにバスで沼津駅に来ていたのだった。まぁ、幸い荷物が異常に多いということもなく、時間帯的にはそこまで人が乗っていないこともあり、ここまでの移動自体は割かしスムーズだった。

 

「んじゃ、またな」

「あっさり!?もう少し名残惜しむとかないのかな~?」

「まぁまぁ凛ちゃん。これはこれで八幡先輩らしいし」

「いや、そんなところフォローする必要ないでしょ、花陽」

「いやほら、名残惜しむって言ったがお前らどうせまたすぐ来る気だろ?なんというか、惜しむほどのことか?」

 

思わず首をかしげるが、それに対して三人からいただいたのは少しあきれたような、やれやれとでも言いたいような、そんな表情だった。

 

「これだからヒッキー先輩は」

「そうね。これだから八幡は」

「そうだね」

「おいまて。なんだその『しょ~がないわね~』みたいな、小町が良く見せてた空気。小町に会いたくなっちゃうだろうが」

「いや、それは知らないわよ」

 

ちょっと真姫さん、そんなジト目で見ながらバッサリと切るのやめてくれません?あなた三人の中じゃ一番眼力あるから小心者の僕としては、そんな目で見られると委縮しちゃうしなんだかついでに何かに目覚めそうになるから。

 

「まったく。本当に全然変わらないんだから。でも、安心したわ。私の知らないところで他の誰かのものになっているわけじゃなかったみたいだし」

「さすがにそんなことはしねぇよ。ちゃんと向き合って、答えを出すって言ったしな」

「ならいいわ。それと、今回私と花陽は会えなかったけど、また今度あなたの担当しているスクールアイドルの子たちにちゃんと会わせてよね」

「私もぜひ会ってみたいです!」

「私も、今度はちゃんと星空凛だって名乗って会いたいな」

「まぁ……そのうちな」

 

そのうち、というのがいつのことになるかはわからないけれども。

 

少なくともまだしばらくは、明かさずにいるしかないのかもしれないけれども。

 

ただ、いつかはちゃんと会わせてやりたい、そう思っている。いつか――あいつらが自分の道を、自分たちで進めるようになったら、その時は――

 

「そん時は、まぁ会っていろいろ話してやってくれ」

「その時を楽しみにしてますね」

「そうだね」

「ええ」

 

なんだかおかしくなって4人そろってついつい笑ってしまう。

 

「じゃあ、そろそろ行きましょう」

「うん。八幡先輩、また、です」

「お仕事、元気に頑張ってね」

「またね、八幡」

「おう。お前らも、気をつけてな」

 

流石に改札内まで入ることはせず、俺は三人が改札をくぐるところを少し離れた場所から眺めていた。最後に三人が振り返り、手を振ってきたので小さく返す。そうして見送る中、三人は階段のほうへと進み――

 

「またな」

 

――そうして、その姿は見えなくなった。

 

―――――――――――

 

さて、と。

 

まきりんぱなの三人を無事に見送ったはいいものの、この後直帰するのもなんだかなぁ、である。ちらりと携帯を見て時間を確認すると、まだまだお昼を少し過ぎたころ。明日からまたしっかりと仕事があるとはいえ、時間に余裕はある。普段はあまり来ない沼津まで折角来たのだから、せめて書店の方に寄っていくことくらいはしたい。

 

「そうときまれば、っと」

「わっ」

 

携帯をポケットにしまいながら一歩踏み出した時、近くまで来ていたことに気づけなかった少女とぶつかってしまった。

 

体格の差もあり俺はよろけるだけで済んだが、少女の方はしりもちをついてしまったらしく、地面に手をつき、俯いてしまっていて、買ったばかりなのだろうか、彼女が持っていた袋から本が飛び出している。

 

「すまん、大丈夫か?って……ん?」

「あったた……はうっ」

 

とりあえず差し出した手を見つめる少女……いや、たぶん見つめている、のだと思う。

 

そんなあいまいな表現になってしまうのは許してほしい。何せ彼女の表情が全く読めないのだ。いや、比喩的な意味ではなく、物理的な意味で。少し大きめな真っ黒なサングラスに、これまた大きめなマスク。これによって、彼女の顔のほとんどが物理的に隠されてしまっているのだ。

 

……なんというか、どこかで見たことのあるスタイルだなぁ、なんてしみじみ思うことしばし、ふと少女の髪――より正確に言うのならば、少女右側頭部にお団子状にまとめられたつややかな黒髪が目に留まった。

 

どことなく見覚えのあるそのお団子――いや、勿論由比ヶ浜のことではないが――思考することしばし、ふと思い出した。入学式の時のことを。

 

「お前、津島か?」

「うぐっ――な、なんのことかしら?私はただの通りすがりの……通りすがりの、え~と」

「いや、何も思いつかないなら変にごまかそうとしなくていいだろ。それともあれか?堕天使ヨハネって呼んだ方が良かったか?」

「うぅっ!?ち、違うわよ!私はそういうの、卒業したんだから!」

「ほぉ、卒業、ねぇ~」

 

そう呟きながら視線を彼女の落とした本に向ける。

 

「んじゃ、その黒魔術の本は」

「ギクッ!?だ、だから違うのよ。これはそう、その……」

 

あたふたとしながら視線をあちこちさまよわせる津島。なんともまぁ、別にいじめようと思っているわけではないが、これではなんだか悪いことをしているみたいだ。まぁしかし、ここでこいつと会ったのも、悪いことばかりではないか。俺がこいつ(とそのクラスメイト)のために使っている時間の間、一人で家に籠っている理由が気になっていなかったわけではない。ついでに言うなら、何かと国木田も気にしているようだったしな。

 

「とりあえず落ち着け。というか、丁度いいわ。お前の話を聞くいい機会だ」

「話?何のこと?」

「まぁ、うちの学校は生徒数が少ないからな。その分、いない奴は余計に目立つわけだ。で、現在うちに在籍していながら通っていない生徒は二人。一人は正規の休学届が受理されているし、まぁ俺もちょくちょく様子を見に行ってるから事情は把握している。で、だ。そのもう一人って言うのは……まぁ、言わなくてもわかるよな」

「うっ」

「まっ、そんなわけだ。別に担任でも副担任でもないが、俺の授業を受けてない奴がいるのも気になるからな。せめてわけでも聞いておかないと、割に合わないんだよ」

「うぅ……わかったわよ。話せばいいんでしょ、話せば」

「そうしてくれると助かる。まぁ、コーヒーくらいならおごってやるから、とりあえず話を聞かせろ」

 

そんなわけで。

 

どうやら今日の休みもすんなりとお休みというわけにはならないらしい。

 

――まぁ、今回に関しては自業自得、というのか???

 




前書きで触れなかったところについては、まぁ、ちゃんと触れますから。

そのうち、ね笑


いや、真面目な話をしますと番外編という形式で書いてるやつがあるんですね、これが。色々設定が異なってしまうため、ここに載せるかで悩みましたが、まぁ、そこは心を広く持って読んで欲しい、ということでお願いします。

では皆さん、来週をお待ち下され~ サレ~>

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