やはり女神達との道を歩むことには間違いも正解もある   作:トマト嫌い8マン

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今日はSiriusがイベント出るので見に行ってきま〜す。
と、その前に短いけど1話載せておこう。

今回はなんと……


そんな彼女との会話は、決して嫌なものではない

あの後、暗くなり始めていたから家まで送るべきなのだろうかとも思っていたが、その必要はなかった。

 

聞くとあの旅館、十千万こそが高海の家とのこと。家が旅館とかまじかよ、すげぇな。でもこれで日帰り風呂とか微妙に行きづらくなっちまったぜ、他のところも探してみよう。

 

桜内の方も、高海の家で着替え等したら帰るとのことだったので、2人と別れた俺は自転車にまたがり、暗くなり続ける道を、家に向かって進んでいた。

 

「にしても、高海がスクールアイドルを始めるきっかけになったのが、あいつらだったとはな……」

 

あの場所で彼女はA-RISEに出会い、そして同じ場所で高海は彼女達に出会った。最初に憧れ、がむしゃらに、ただひたすらに進み続けていた彼女達が、今度は誰かの憧れとなり、その道を開かせた。

 

「5年か……」

 

本当に長いようで、同時に短いようなそんな曖昧な時間。こうして社会人になってなお、あの頃のことがつい最近のことのように思い起こされる。

 

でも、感じようと感じまいと、時は着実に流れていることを、高海の話が実感させてくれた。

 

 

思考の海、というのは大げさかもしれないけれども、なんだかんだ考え事をしながら自転車を漕いでいると、気がつけば自宅に着いていた。

 

自転車のスタンドを立て、玄関の鍵を開ける。明かりをつけると、1人用には長すぎる廊下がぼんやりと見える。

 

「……広すぎだろ」

 

思わず呟きながら、靴を脱ぎ、家に上がる。ここには親父も母ちゃんも、もちろん小町もいない。全部自分でなんとかするしかないのだ。

 

パパッと着替えて、手早く夕飯の用意をする。ご飯が炊けるまでの時間を使って風呂を沸かす。

 

そんなふうに家事をやっていると、急に電話がかかってきた。大方小町とかだろうと、携帯を手に取り特に相手を確認せずに耳に当てる。

 

「もしもし?」

『あ、もしもし、八幡君?久しぶり!』

「っ、おお。お前か」

 

電話越しに聞こえてきたのは、予想していなかった声。相変わらずどこからそんなエネルギーが湧くのかわからないが、今日も今日とて彼女は彼女らしい。

 

『ちょっと、お前かって、それだけ!?久しぶりの電話なんだから、もっと喜んでくれてもいいじゃん』

「あーはいはい、あんがとさん。で?どうしたんだよ?」

『むぅ〜、なんか私の扱い雑じゃないかなぁ』

「別にそんなことないぞ。で、マジでどうしたんだよ?」

『あ、うん。そろそろ仕事始まる頃だし、八幡君の様子を確認したくて。どうだった?』

「まぁまだ始まったばかりだしな。そもそも授業も明日からだし、なんとも言えん」

『そうなんだ?学校は?いいところだった?』

「まぁあんまし人が多すぎないしな。女子校だから気をつけないといけないことも多そうだが」

『そっかぁ』

 

電話越しだというのに、表情が眼に浮かぶかのようだ。それだけ彼女は感情表現豊かで、気持ちを真っ直ぐ伝えているのだろう。その真っ直ぐさが、今尚彼女たちをつなぎとめている……まぁ、俺もか。

 

『何か面白いことなかったの?』

「……そういや、スクールアイドル部を始めるって言ってる生徒がいたぞ」

『スクールアイドルを?八幡君の学校にもできるの?』

「さぁな。始めるとしか聞いてないし。あ、始めるきっかけについても聞いたな。とあるグループライブ映像だとさ」

『とあるグループ?うーん、今結構たくさんグループあるみたいだし、どの子たちかなぁ』

「……第2回ラブライブの映像を、学校旅行で寄ったUTXのスクリーンで見たんだとさ。その時の優勝者の、な」

『へ?』

 

うんうん唸っていた声が止む。きっと彼女はキョトンとした顔をしているのだろう。想像に難くない彼女の反応を思い浮かべながら、小さく笑みが浮かぶ。

 

「名前思いっきり間違えてたけどな。ユーズ、だってよ。それに音ノ木坂の生徒って子とも会ったな」

『音ノ木坂の?私たちの後輩ってこと?』

「そうなるな。面白い偶然だな」

『そう、だね。そっか……私と、おんなじだね』

「だな」

 

2人して小さく笑う。

 

『それで、八幡君はその子を手伝うの?』

「どうだろうな。今はもう奉仕部じゃないわけだしな」

『そうだね〜。でも、きっと八幡君がその子を助ける時は来るよ』

「なんでんなことわかるんだよ?」

『なんでかな?でも、なんかそんな気がしたの』

「スピリチュアル、って奴か?」

『あはは。希ちゃんならそういうかもね。私にはよくわかんないけど、なんとなく』

「そうか」

『うん。だから、もしその子が大変そうだったら、きっと助けてあげてね。私たちを助けてくれたように』

 

思わず言葉に詰まる。助けてくれた、か。そんなことはない。何度も考え、何度も間違えそうになって、それでも足掻いただけだ。俺も、彼女も、彼女たちも。

 

「……」

『あ、そろそろ切らないと』

「ん、そうか。お前も、その、活動頑張れよ」

『うん、ありがとう。今も届けたいから。私の、私たちの歌を。じゃあおやすみ、八幡君』

「おう。またな……穂乃果」

『うん!八幡君も、ファイトだよ!』

 

そう言い、彼女——高坂穂乃果からの電話は切れた。

 




ってなわけで、今回はなんとなんと、
μ’sの高坂穂乃果に登場してもらいました!
……電話だけど。

彼女たちとの物語についてもいずれは触れていくつもりですが、
今は5年前に何があったのか、勝手に想像を膨らませながら
読んでってください(笑)
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