べるぜバブ:転生してきた紋章?使い   作:黒歴史

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第16話弁当

「フンッ!」ガスッ

「ぐっ…ああ!!」ドゴッ

 

 男鹿との対戦は血を血で洗う戦いだった。東条と戦った俺にはほとんど体力は残っていなかったが、『火事場の馬鹿力』と言う物が出たのだろう。ボロボロの状態からなんとか男鹿を同じくらいにボロボロにできた

 

「勝つのは……」

 

 次の瞬間、男鹿の拳に魔力が集まり出した

 それを察した俺は即座にゼブルスペルを出し、殴られる箇所を魔力で固める

 

「俺だぁ!!!」

「ッ……」

 

 強烈すぎる一撃が俺の腹に直撃する

 男鹿の手の甲を見ればベル坊の蠅王紋(ゼブルスペル)が現れていた。その後、原作通りこちらに向けられた花火を男鹿が片手で防ぎ、男鹿がベル坊に叱ると蠅王紋が消えていった

 

「悪りぃな。待たせちまった」

「アホか、こっちは少しは回復できてラッキーだったよ」

 

 もちろんお互い紋章を消して再度構える

 

「「勝つのは俺だあああ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 朝まで続いた殴り合いの末に勝利したのは

 

「ーーーーーッハァ〜…負けたかぁ」

「ハァ…お前、やっぱアホみたいにしぶといな」

「その代わりにお前の拳はアホみたいに痛いわボケ」

 

 男鹿だった

 東条にリベンジしたはいいんだが、その次の喧嘩で負けるとはなあ…世の中何が起こるかわからないもんだ

 

(この場で寝てしまいたいけど、原作通りならこの後に一大イベントが起こるから避難しねえと……あ、やべっ体動かん)

 

 そんな感じで悪戦苦闘していると東条の肩のゼブルスペルの話を男鹿と古市が聞き終えてしまう

 

「男鹿、お前が石矢魔最強だ

 もうこの学校はお前のもんだよ」

 

 ………

 

「……うん。それはいいんだけどね

 さっきから腕がもげそうなんですけど…」

 

 男鹿の右腕の筋肉が膨張し、雑巾を絞る時みたいに捻れていた

 

「ちょ…うわっ、何それお前……キモっ近寄んな!」

「おい古市!俺動けねーんだけど!?ちょ、近寄んな男鹿!!

 た、助けてぇぇぇぇえ!!!」

「ダーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

 三人でわちゃわちゃしていると外野のヒルダから声が投げかけられた

 

「!!いかんっ坊っちゃまが興奮しておられる!!今まで溜まりに溜まった魔力が全てあの右腕に注ぎ込まれているのだ!!

 おいっ早く発散させるんだ!!破裂するぞ!!」

「あぁ!?発散ったって」

「なんでもいいから殴るのよ!!」

 

 

「くっ、おおおおおおおおおおおおっっ!!」

 

 

 

 

『えー私、ただいま信じられない光景の前におります

 ここは地元でも有名な不良高「石矢魔高校」、もうすぐ二学期という学生さんも多い事でしょう

 ところがご覧ください!なんでしょうかこれは!!校舎がないっ!!

 あるのは瓦礫の山・山・山!!

 一体昨夜一晩にして何があったのでしょうか!?

 近所の話では』ピッ…

 

 はい、石矢魔高校は壊滅しました。原作を知ってるからあんま驚かないけど、実際目の前で殴った瞬間には恐怖を覚えたね!

 ……アニメの方だとちょっと違ったけど。いや、大分違ったな

 

「石矢魔、なくなっちゃったね……」

「いや千秋さんや。『終電…なくなったね』みたいに言われても困るから…つーか何それ?新しいラブコメ?」

 

 自宅のベットで眠っている俺の隣で千秋が当たり前のように座っていた。流石にこの状態で『ゲーム…しよ?』とか言わないのはせめてもの救いだ

 

「まあ、本当に石矢魔なくなったが…俺達マジでどうすんだろうな?」

「さあ……はい」

 

 千秋が適当な返事を返して来ながら何かを取り出して俺の横に置いた

 

「……弁当?」

「うん」

「誰の?」

「翔の」

「コンビニ?」

「……手作り」

 

 …………

 なんだろうか、驚きと喜びで吐きそうなんだが……蟹と柿を同時に食ったような感じだ

 

「あ、ああ…ありがとう」

「食べて?今すぐ、感想聞きたい」

 

 凄い真剣な目で俺を見てくる。そんな目を見て断る事は出来ず、弁当を開け……開け……

 やばい、動いたら激痛走る

 

「すまん。体が痛いから無理だわ……後日感想言うから」

「………」

「なあ千秋?なんでお前が弁当開けてるの?見せびらかしたいの?」

「………はい」

 

 千秋が弁当を開けて箸を取るとおかずの一つをつまみ、俺の口元に近づけて来た……古市が見てたら血の涙を流していただろう

 

「……食べないの?」

「いやぁハッハッハ…い、今は腹が減ってなくてね…」

 

 これをしたら恥ずかしさで死ぬ。つーか今も恥ずかしい

 そう言う意味で断ったのだが、千秋も引く気は無いらしく言葉を出した

 

「嘘、今食べようとしてた」

「一口なら行けると思ってたんだけど、さっき言った通り動かせなくてな」

「だったら、この一口は行ける」

 

 やばいよこの子。絶対食べさせる気だわ…さっきから箸がジワジワ近づいて来てるもん

 そんな事を考えていると懐からキラリと何かを取り出した

 

「……何それ」

「猫じゃらし。これを…足の裏に」

「あ、お前ズルいぞ!!?いや、ちょ…やめ…ヤメロォー!!

 ……ハッハッハッハッハッハ!!!」

 

 いだだだだだ!?笑うたびに体に激痛が走る!?

 

「せい」

「ムグッ!?」

 

 笑う事で開いた口に無理矢理ねじ込んできた

 美味いけど、体痛い。なんだこれ

 

「美味しい?」

「うん。美味い美味い」

「適当に言ってるよね?」

「適当ではない。本心から言ってる」

 

 激痛に耐えながらちゃんと味を噛み締めて本音で答えたのに適当とは酷いな

 

「ところでなんで次のおかずが俺の口元に運ばれているのかな?」

「………あ、あ〜ん」

「いや、そう言う意味じゃなくてですね…あ〜もう、わかったよ食べるよ食べますよ食べればいいんでしょ!?だからそんな顔真っ赤の涙目で頬膨らませんな!」

 

 可愛い……悶絶死しそうになりながらもそのまま一口、二口、三口と食べていき、そのまま……

 

「ごちそうさん」

「お粗末様♪」

 

 若干機嫌が良くなった千秋が弁当をしまうと立ち上がってその場を後にする

 

「…あ、ちゃんと安静にしててよ?」

「さあな〜また喧嘩するかm…冗談です反省したんでエアガンこっちに向けないで」

 

 

 

 

 〜一気に飛んで三日後〜

 

 流石ギャグ漫画でもある『べるぜバブ』の世界……だった三日であれだけの傷が治るとは……

 

 プルルルルップルルルルッ

 

 携帯電話が鳴る。とりあえず携帯を手に取りそれに応じる

 

「もしもし男鹿か?」

「おう、翔はそろそろ動けんだろ?ちょーっとラミア達に帰る前にって頼まれたから河原に来といて欲しいんだが…」

 

 ああ、ベル坊直す医者が魔界に帰る時か……

 とりあえずちゃんとした対応を取らねば

 

「は?やだよ、つーかラミア達って誰だよ?新手の詐欺かコラ」

「へ?お前会ったことなかったか?ホラ、俺と喧嘩した時にいただろうが?」

「……すまん、心当たりがまるでない」

「……まあとりあえず河原来い!な!?」ガチャッ

 

 最後はほぼ強制的に来るように仕向けられた感じだ

 これで来なかったらシバかれる気がしたから行くけど、なんで俺が呼ばれるわけ?

 

 

 

 

 

 

『フハハハハ!!!見てるか翔!?これが本当の神に対する態度なのだよ!!今までの比例を詫びるなら許してやらない事もないぞ!!』

『本物の神様に召されてろ』

 

 はい、ラミア達もいつぞやの時のようにアンリに祈りを捧げていた。それを受けて物理的に鼻を高くして威張り散らすアンリ

 嗚呼、今祈りを捧げてる奴らにコイツがどんなやつなのか見せてやりたい…口で教えたら

 

『神に対するその不敬、万死に値する』

 

 とか、ヒルダさんに剣を突きつけられそうだ。そのまま焼き土下座させられる勢いで

 

「なぁ、アイツ等何してんの?」

 

 アンリが見えていない男鹿が俺に聞いてくる

 

「俺の契約悪魔は神様なんだとよ。だからアイツ等は祈りを捧げてるんだと」

「魔界にも宗教的なのってあるんだな」

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