べるぜバブ:転生してきた紋章?使い   作:黒歴史

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第22話練習

 素行不良、器物破損により以下の者は退学処分とす

 ・男鹿 辰巳(1年)・古市 貴之(1年)

 ・神野 翔(1年)・邦枝 葵(2年)

 ・東条 英虎(3年)・神崎 一(3年)

 ・姫川 竜也(3年)

 

 

「もちろんウチの生徒にも非はあった。それは認めよう

 だが君達は厳重注意を受けた上での過失だ

 何か言い分はあるかね?」

 

 指導室で椅子に座って机の上で手を組んでいるいかにも偉そうな先生がそんな事を言う。言い切った後、古市がゆっくりと手を上げて口を開いた

 

「あの…僕…何もしていないんですけど…

 正直ここに呼び出された意味が分からないと言うか…」

 

 そうだ。古市はただ見ていただけ、その場にいただけなのに何故退学とされているのか…それは座っている先生の隣で立っていた体育系の先生と太った先生が叫ぶように説明した

 

「とぼけるな!!お前があれこれ入れ知恵したんだろ!?

 いわば主犯格じゃないか!!何が『知将』だ!恥を知れ!」

 

 古市は所々で『知将』や『恥将』やらで呼ばれている…らしい。今回はそれが災いしたらしく……要するに噂だけで判断したと言う事だ

 あ、古市が灰になった

 

「待ってくださいっ!!彼は本当に無関係です」

「邦枝先輩!!」

 

 邦枝が待ったをかけて古市を庇う

 灰になりかけていた古市は彼女の言葉で息を吹き返す

 

「いえ、そもそもの責任は全てみんなを止められなかった私にあります。私が退学になるのは仕方のない事です

 ですがここにいる者はせめて聖石矢魔の方々と同じ処分であるべきです」

「ほう」

 

 邦枝の言い分に先生側が興味を持った

 

「ちなみに、ウチの生徒で処罰の対象となったのは3人

 城山君に怪我を負わせた1年3組の生徒、仲代君・森君・角田君ら。それぞれ二週間の停学処分となっている

 部長連に関しては特に処罰はない」

「はぁ?」「おいおいおい」

 

 ありえないような内容に俺と姫川が不満げな表情、反応をしたのだが先生は構わず続けた

 

「残念だが彼らと君らでは全く立場が違う

 彼らには校内の秩序を守る為多少の制裁行為が認められている。今回の件もその範疇だ

 特に君達が来る事が決まってからはその権限を強く行使するようこちらからも働きかけた

 彼らに落ち度はないよ」

 

 当たり前のように六騎聖は無実と言う先生にみんなが突っかかる

 

「納得できません!!」

「話にならねーな」

「こっちは無抵抗であっちはやりたい放題ってことか?」

「ちょっと!!あんた達も何か言いなさいよ!!」

 

 邦枝がずっとだんまりを決め込んでいた男鹿と東条にそう言うと顎に手を当てて考えた後に口を開いた

 

「とりあえずあのメガネと喧嘩しに行きてーんだけど」

「もういいか?俺もあのチビぶっ飛ばさねーと」

「話聞いてたっ!!?退学よ!?退学!!わかってんの!?」

「えーだってしょうがねーじゃん」

「決まっちゃったもんはな〜」

「しょうがなくねーよ!!足掻こうよそこは!」

 

 この馬鹿2人が話を聞いているわけがない。ていうか、退学を受け入れようとしている

 

「いや、案外そいつらの言う通りだぜ…

 どうせ退学になるんだ。だったら奴らと決着つけてからってのも悪くねぇ」

 

 姫川がそう言うと全員がその意見に納得して指導室から出ようとする。完全に聖石矢魔で最後の思い出作りをする気だ

 

「待ちなさい」

 

 今度は先生側から待ったが入る

 

「やれやれ、確かにこのままではまた騒ぎを起こされかねないね

 ではこうしよう…一ヶ月後、本校で行われる学園祭

 そこで君達7人対部長連で決着の場を設けよう」

 

「ただし」と先生は付け加えて続ける

 

「喧嘩ではなくスポーツでだ。学生らしくね

 競技に関しては部長連の有利にならぬ様一考しよう

 そしてもし君達が勝った場合、今の処分も考え直す。退学はそれまで保留だ

 どうだね?破格の条件だと思うが」

「いいやまだだね」

 

 姫川が指を突きつけて更に要求した

 

「あいつらにリスクがねぇ。俺達が勝ったら六騎聖の権限とやらを取り下げてもらうぜ」

 

 これを断れば学園祭に入る意味はない。断ればさっき言った様に喧嘩しに行くだけ。故に

 

「いいだろう。ただし勝敗がどうあれ、その後は一切揉め事を起こさないと違ってもらうぞ」

「当然❤︎」

 

 

 〜教室〜

 

 

「それにしても、スポーツって一体何をさせるつもりかしら」

「サッカーとか野球ッスかね?」

「やった事ねーぞそんなもん」

「大丈夫大丈夫。要は何しても勝てばいいんだから」

「下剤とか毒とか盛ってみる?」

「翔ちゃんって真面目なイメージあるけどたまにヤバイ事言うよね〜」

 

 話が終わりペチャクチャ話し合っていると空気だった佐渡原が前で口を開いた

 

「はい、えーと…静かにしてください。突然ですが、今日は転入生を紹介します。君入って」

 

 そこまで言うと教室のドアがガラッと開き、人が入ってくる

 

『おー、魔王の侍女悪魔じゃねーか。驚いてないとこを見るに、ゲンサクチシキでわかってたのか?』

『うん。まあな』

 

 頭の中でアンリと話していると佐渡原が説明を始めた

 

「聖石矢魔への転入生なのだが、本人の強い意向があってこのクラスに来る事になりました。えー名前は……ヒ…ヒル…?」

「ヒルデガルダです。ヒルダとお呼びください」

「これ本名?」

 

 おー男鹿達驚いてる驚いてるw

 そう内心笑っているとヒルダが口をは開き、佐渡原に質問した

 

「先生。私はどこに座ればよいのでしょうか?」

「ん?好きな所に座りなさい。いっぱい空いてるでしょ」

 

 そう聞くとヒルダはフッと笑い。男鹿の前の席に座っている男に近づき佐渡原の言う通りの行動を移した

 

「なるほど、おい貴様。どけ

 

(((えええええええええええええ……)))

(晩御飯何かな〜…)

 

 ヒルダのいきなりな反応に俺以外の全員が同じ事を考える

 だが表ではヒルダはベル坊の母さんとなっている。子育ての為に男鹿の近くの席に着くのは当然であるため最終的にヒルダが男鹿の前の席に着く事になった

 

「みんなっ!学園祭の競技が決まったわよっ!!」

 

 烈怒帝瑠の一年2人(花澤と飛鳥)が教室のドアを開けて大声で言う

 

「「バレーボールです!!」」

 

 ……チーム戦の競技、それも協力しないと上手く出来ないスポーツ。うん無理だわ、協力なんて言葉が呼び出し退学メンバーにあるとは全く思えんし

 

 

 〜放課後〜

 

 ピーーーッ

 

「全員集合!!」

「ダーッ」

「うっす」

「眠い…」

 

 邦枝が笛を吹いて返事したのはベル坊、古市、俺

 男鹿は寝て…あ、花澤に叩き起こされた

 

「これだけ?」

「やだな〜邦枝さん。残りの人らがこんな練習に集まるわけないじゃないですか〜」

 

 HAHAHA…と皮肉に笑う

 

「あいつら…退学になってもいいのかしら」

「姐さんっこーなったら色仕掛けっスよ色仕掛け!!」

 

 邦枝が今の状況に頭を抱えていると花澤が右乳を持ち上げながら提案を切り出した

 

「い…色仕掛け?」

「そーっすよ!!ちゃんと練習に来て試合に勝ったらおっぱい見せるとか言うんすよっ!!奴らこれでオニやる気出しますよ!!」

 

 もちろん花澤の提案は却下され、大森に締め上げられた

 一連の流れを見ているとトントンと肩を叩かれたためそちらを見ると何故か顔が赤い千秋がいた

 

「ん?あー千秋か。どした?」

「見せたら…やる気だす?」

「あー、大丈夫。大丈夫だから、アイツの事は鵜呑みにしなくていいから。やる気は出してるから」

「そう……」

 

 なんで若干残念そうなんだよ……

 

「翔くん!!せっかくなんだし、断るのであれば代わりに俺が…」

「「死ね。変態」」

 

 俺の拳と千秋のエアガンが古市を襲った


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