(旧)【習作】ポケモン世界に来て適当に(ry   作:kuro

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挿話8 3回戦シンジVSヒカリ

 

 

『両者、3体目のポケモンを投入しました! シンジ選手はエレキブル! ヒカリ選手はベトベター! ヒカリ選手がエレキブルを破れば予選リーグ4回戦進出が決まります! シンジ選手は1回戦で無類の強さを発揮したエレキブルの奮闘に期待したいところです!』

 

ユウトさんに誘われてシンジの試合を見ていたが、1回戦で彼のエレキブルは相手のポケモンを3タテしていた。

おそらく、シンジのパーティの中で間違いなくエースアタッカーだろう。

 

そしで読み通り電気タイプで来た。

じしん、サイコキネシスは怖いけど、

 

「先手はもらった! エレキブル、10万ボルト!」

 

『先手エレキブルの10万ボルトがベトベターに炸裂したぁ!』

 

あたしのベトベターは——

 

「なんだと!? ちっ! ったく、お前とのバトルはどうしてこうも想定外のことが起こる!!」

 

『なんと、ヒカリ選手のベトベター、エレキブルの10万ボルトが全くと言っていいほど効いていない! これは驚きだァ!』

 

電気技は効かない。

 

「ベトベター、シャドーパンチ!」

「必中技のシャドーパンチか! 3回戦でユウトさんの試合を見ていてよかった、避けられないなら! エレキブル、でんげきはでシャドーパンチを撃墜しろ!」

 

あ、あれって必中技に必中技を当てて落とすっていうユウトさんの技法。

一度見ただけで、しかも、とっさにこの状況で思いつくなんて。

でも、あたしの戦略について、やることは変わらない。

 

「ベトベター、いまのうちにふういん!」

 

『エレキブル、ベトベターのシャドーパンチをでんげきはで撃墜! 必中技の特性を生かして見事に相殺(そうさい)ィ!』

 

「ようし! エレキブル、かわらわりだ!」

「エレッキブルゥ!」

 

『エレキブル、凄まじいスピードでベトベターに迫る!』

 

「エレッキブ……ル……?」

 

『ど、どうしたことでしょう! ベトベターに接近したエレキブル、かわらわりを出さない!』

 

「どうしたんだ、エレキブル! かわらわりだ!」

「エレッ、キ、ブル……」

 

エレキブルはかわらわりを繰り出す体勢のまま、ただベトベターの前に立ち尽くすのみ。

 

「ベトベター、ダストシュート!」

「ベターー!」

 

『技を出さず、立ち尽くしているのみのエレキブルに毒タイプの大技、ダストシュートが決まったぁ! しかもほぼ0距離からのそれのダメージはことのほか大きい!』

 

「くそっ! エレキブル、ほのおのパンチ!」

「エレッ、キ、ブル……」

 

『シンジ選手、エレキブルにほのおのパンチを指示するも、エレキブル技を出さない! これは本当に何が起こったんだァ!』

 

「シンジ君、なんで技が出ないのかなんだけど、それはベトベターがふういんっていう技を使ったからなの」

 

ふういんという技は、相手の技に制限を掛ける変化技。

具体的に言えば、相手はふういんを使ったポケモンが覚えているわざについては使えなくなる。

ユウトさん曰く「ポケモンたちは4つしか技が覚えられない、なんてことはないから隙があるなら狙うといい。ほとんどの技を完封できる」ということだ。

ふういん状態を解除するにはふういんを使ったポケモンを交換なり倒すなりして、フィールドから退場させる必要があるが、エレキブルとベトベターは覚えられる技がかなり似通っているため、それも厳しいことだろう。

 

「そ、そんな!? そんな技があるっていうのか!?」

「うん、あるよ」

「くそっ!」

 

これで、エレキブルの技はほぼ封じられたも同然である。

 

「エレキブル! なんでもいい、使えそうな技を出してくれ!」

「エレッキブルゥ!」

 

エレキブルは白く光ったかと思うとハイスピードで一旦、ベトベターと距離を取る。

 

「でんこうせっかね! たしかにベトベターには使えないわ。ベトベター、かえんほうしゃで追いつめなさい!」

「ちっ、エレキブル! でんこうせっかで距離を取れ! なにか、なにかないのか、エレキブルの使えそうな技は……!」

 

『エレキブル、どうやら技を封じられてしまっていたようだ! ベトベターのかえんほうしゃで追いつめられてエレキブル大ピンチ! それにしてもそんな技があるなんてすごい!』

 

「エレキブル、こうなったらお前が自分の意志で技を出せ! お前が出せそうな技で戦うんだ! オレはその間に対策を考える!」

「ッキブルゥ!」

 

一段と距離を取ったかと思うと、エレキブルはパワーを溜め始め——

 

「エレッッキブルrrrrrrr!!」

 

『おおっと、エレキブル、どうやらギガインパクトの体勢に入ったようだ!』

 

「ベトベター、まもる!」

「ベター!」

 

『ベトベター、まもるの体勢に入りました! しかし、それに構わず、エレキブル、激しい勢いでベトベターに突っ込んでいきます! エレキブルのギガインパクトだァ!』

 

「エレッキブルrrrr!」

「ベーターーー!」

 

エレキブルのおそらく渾身といっていいぐらいのギガインパクトに対してベトベターは半円形状のまもるを展開。

 

「エレッッキブルrrrrrrr!」

「ベーーターーーーー!」

 

『すごい! すごいぞ、2体とも! ベトベターとエレキブルの激しいぶつかり合い! 勝つのはどっちだ!?』

 

「負けるな、エレキブル!」

「がんばって、ベトベター!」

 

両方拮抗しているように見えるが、

 

ピシ、ピシ

 

ベトベターのまもるにヒビが入ってきている。

 

「ベトベター!!」

「ベーーーターーーーーーー!!」

 

そのとき、ベトベターの全身が眩しいくらいに白く光り出した。

 

『ベトベターの身体が白く発光しています! これは、まさかまさかァ!!』

 

ベトベターの身体は発光しながら大きくなっていく。

そして——

 

 

「ベェトォォベェェトォォォォン!!」

 

 

『な、なぁぁんと! ベトベターが進化してベトベトンになりましたァァァ!!』

 

「なんだって!? クソ、次から次へと!」

「ベトベトン!」

「ベェトォン!」

 

シンジの焦りと裏腹にベトベトンは元気に答えてくれた。

 

「ようし、ベトベトン! まもるを解除! エレキブルに抱きつきなさい!」

「ベェトォン!」

「ッキブル!?」

 

まもるを解除したベトベトンがエレキブルに抱きつくと同時にエレキブルのギガインパクトが決まる。

 

「ベェェトォォン!」

 

だが、エレキブルに密着し、かつ、その軟らかい体の影響もあり、ダメージをやや少なくすることができた。

 

「ちゃんとエレキブルを捕まえたわね! ベトベトン、のしかかり!」

「ベェトォベェェトォォン!」

「エレッキブル!?」

 

ベトベトンがエレキブルにのしかかり、マウントポジションをとる。

 

「そのままきあいパンチを振りぬきなさい!」

「ベェトォベェ、トォォン!!」

 

きあいパンチがエレキブルのアゴに決まる。

 

「エレ……キ……ブル……」

 

エレキブルは目を回し、起き上がる気配を見せない。

 

「エレキブル! 戦闘不能! ベトベトンの勝ち! シンジ選手が3体全てのポケモンを失ったため、この勝負、ヒカリ選手の勝ち!!」

 

『決まったァァァ! 予選リーグ3回戦とは思えない白熱した試合を制したのはフタバタウン出身、ヒカリ選手だァァ! ヒカリ選手4回戦進出決定ィィ!』

 

 

 

 

 

 

「くそっ! オレは、オレは……!」

 

スタジアムの暗い廊下で待っていると、聞こえてきた声。

 

「シンジ君」

「……ユウトさん……ですか……」

 

正直今声かけるのはあまり得策じゃないと思うんだけどこの際仕方ない。

 

「笑いたければどうぞ、笑ってください」

「いや、笑わないさ」

「笑ってくださいよ、あなたにあんな啖呵を切っておいて、それでこの3回戦で誰とも知らないトレーナーに負けて! 笑ってくださいよ、みじめで哀れな奴だってね!!」

 

本格的に失敗したかもしれない。

ああもう、やぶれかぶれだ。

 

「正直言うとね、オレはシンジ君のスタンスは別にキライってわけじゃない」

「……は?」

「いや、実際オレも昔はシンジ君みたいに考えていた時代もあったんだよ」

「へ? あ、いや、しかし?」

「バトルに勝つには強いポケモン。たしかにそうだ。強いポケモンでなかったらバトルに勝つのは難しい。シンジ君、ちょっとオレに付き合ってくれるかな? オレとちょっと特別講習をしよう」

 

そう言ってオレはシンジ君を有無を言わさず、スタジアムから連れ出した。

 

 

 

 

スズラン島に存在する森の一角。

そこでオレは臨時の“ポケモン講座”を開いていた。

 

「種族値、個体値、性格、努力値……」

「そう、それがポケモンの基本的な能力を決める。シンジ君は『強いポケモン』ってヤツを探してるんだろ? オレが思うに君の手持ちのポケモンたちはこの中で言う個体値がどうやら高い傾向にあるようだ。君のポケモンたちって君自身が『コイツを捕まえよう』って思って捕まえたんだろ?」

「は、はい!」

「うん、つまり君は個体値を見抜くっていう、トレーナーとして素晴らしい才能を持っているんだよ」

「ありがとうございます!」

 

……あの、途中からものすごく気になってたんだけど、一つ聞いていいかな。

いや、実際は聞かないんだけどさ、

 

“キミ、だれ? Who are you?”

 

なんだか、第一印象と全然違いすぎて別人なんじゃないかと思えるんだけど。

 

「ポケモンの性格も大事。それを知ることによって伸びやすい能力もあれば、伸びにくい能力もあるんだ。性格を知るにはポケモンと仲良くならなければならない。仲良くなれば愛着も湧く。ポケモンの方もトレーナーを信じて100%、あるいはそれ以上のものも引き出せる。“好きなポケモンで勝てるよう頑張る”っていうオレの言いたいことは理解してくれたかな?」

「はい、先生!」

 

先生だって……。

お前ホント誰だよ。

それから先生とかマジでチョーはずかしいからヤメレ。

 

「それからポケモンだけが強くたってしょうがない。バトルはトレーナーの戦略、知識、読み、駆け引き、これも大事なんだ。さっきのヒカリちゃんね、実はまだトレーナーになって1年も経ってない」

「ええ!? そ、そうだったんですか……。オレってそんなトレーナーに負けてしまったんですね」

「まあ、鍛え上げたのはオレなんだけどね」

「え、えええええええ!?」

 

シンジ君声めっさデカイよ!

おかげで、何かその辺の木にいたらしいポッポたちが大勢で空に飛んでいっちゃったよ。

 

「わかるかい? 正直、ヒカリちゃんの采配ミスとかも多々あったけど、今言ったそれら全てが君はヒカリちゃんに足りていなかった。だから、トレーナー歴が浅くとも彼女に負けてしまったんだ。だが、言い換えると、それさえ克服できれば、たとえそういうトレーナーだって勝つことは出来る。君はトレーナーになってから結構経つだろう。君ならもっと強くなれるさ」

「はい! あの! この大会が終わるまででもいいんでオレに、教授してください、先生!」

 

だから、先生っていうのはやめてほしいんだけどなぁ。

 

「じゃあ、ユウト先輩! これでいいですか!?」

 

……まあいいや。

 

「と、とりあえずオレの3回戦の試合は終わっちゃってるから、しょうがないにしても、オレ、それからヒカリちゃん。オレたちの試合は必ず見るようにしてくれな」

「はい! 勉強させていただきます!」

「あ、そうそう。次の4回戦だけど、テッカニンを使っていくからシンジ君がテッカニンを使う際の参考にするといいよ」

 

テッカニンの基本的運用方法その1というところかな。

そしてあの催眠厨にして伝説厨が次の4回戦相手だが、あの程度ならたとえ伝説だろうとなんとかなる。

オレたちを侮ったことを覚悟してろよ!

 

 

 




ようやくヒカリVSシンジが終わった。
ちなみにこの世界は別に技が4つしか覚えられないなんてことはないので、ふういんはかなりチートです。ゲームでもちょうはつはかなり必要ですが、ここでは覚えられるのならば全てのポケモンに覚えさせておきたいぐらいの必須な技です。でないとこんな状況に陥りますからね。

次からはユウトVS伝説厨です。
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