偽アクアの旅路   作:詠むひと

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何となくYouTubeでマイムマイムの正しい踊り方の動画をみていたら、女性の青い衣装がアクアの髪みたいだなと思った所からの思いつきです。



偽アクア爆誕

全てはアクア様が尊いからとしか言えない。

 

 

 

 僕の死因とか生前の生い立ちとか正直誰も興味なんて無いだろうし。

 

 

 

 大切な事はただひとつ。

 

 

 アクア様尊い、マジ尊い。天使いや、女神様尊い。

 

 

 何が言いたいのかって?アクア様は尊いんだよ。

 

 

 あの日、僕は死んでしまった。それは悲しい事だ。親不孝者だとも思うけど、でもそれは重要じゃない。

 

 僕の人生で、いや死後か。まあいい、あんなにも美しく可憐な女性を見た事等無い。青髪など2次元かコスプレだけだし、実際に居たらキモいだろって思ってた。

 

 

 アクア様を目にするまでは。

 

 

 一目惚れ、いやそんなものじゃ無い。表現出来る語彙が無い。尊い。尊いんだ。

 

 

 

 ああ、尊い。なんて言えば良いんだ。僕は死んでるのに絶頂だったよ。

 

 

 アクア様はこう仰った。

 

 「異世界に転生するなら、何でも一つだけ持っていって良いわ。伝説の武器でも超能力でもどっかのキャラの設定でも。そのカタログから選びなさい。カタログに無くてもある程度融通は利くわ。」

 

 

 あ、これ。アレじゃん。チートで異世界転生の奴じゃんって。テンプレの奴じゃんって。

 

 アクア様のあまりの尊さに僕の頭は単純になってしまった。でも、コレはチャンスだ。ボッチ気質な僕が生まれ変わるチャンスだって。年齢イコールだし、コミュ障だし。このままで異世界行っても、きっと僕はボッチのままで死ぬんだって確信してる。

 

 

 僕はカタログを捲った、まるで何かに急かされる様に焦りながら。でも、僕の頭には他の事が浮かんでた。

 

「アクア様は行く先の世界でも女神様なのですか?」上手く言葉が纏まらない。こんな美少女女神様の前で落ち着いて居られるほどコミュ力が高く無いんだよ。

 

 

「ん?ああ、そうよ。私こそがアクシズ教団の祭神にして、水を司る女神アクアその人よ。あっちへ行っても大恩ある私を崇め、アクシズ教団に入信しなさいよ。」

 

 良かった、僕の拙い言葉でも通じて。行く先の世界で祭られてるのか。尊いし当然か。

 

 

「決めました。」

 

 カタログに載ってるのはなんかしっくり来ない。カタログ外でもある程度融通利くって言ってたし、大丈夫だよね。

 

「アクア様の姿になり、布教の旅に出たいです。」アクア様マジ尊い。尊い女神様を布教するとか当然でしょ。

 

 

 今考えると、この時の僕は頭イッテたな。

 

「は?何言ってんのあんた?」

 

 

「アクア様は尊いのです。そのお姿、お声、全てが尊いのです。僕の人生とか全部どうでも良くなる位に。ならばそのお姿で善行を積み布教の旅に出たいのです。」その時の僕の中ではなんの疑念も無く当然だと思ってた。ああ、いや。今も尊さの布教はすべきだと思ってるよ。

 

 

「あんたは、私の姿になって私の素晴らしさを布教して回りたいって事なのね…」

 

 アクア様は腕組みをして考え込んでいる。

 

「良いわ。あんた、わかってるわね。私の尊さを理解してるとはボッチのクセに見所が有るわね。」

 

 ドヤ顔するアクア様尊い。

 

「よし、じゃあ私の姿をコピーと能力は「能力は劣化コピーでお願いします。アクア様の尊さは僕にはきっと耐えられません。」じゃあ適当に劣化コピっとくわね。うんうん、たまには見所のある奴も居るもんね。」

 

 

 ああ、尊さが限界を超える。腕組みして強調される柔らかそうな胸、ドヤ顔可愛い。ああ、尊い。尊い尊い…死んで良かったわぁ。僕の人生はきっとこの尊さを見る為だったのかも知れない。

 

 

 アクア様は僕に魔法陣の上に立っているように指示をした。

 

「行ってらっしゃい○○。勇者候補として魔王を倒した暁には神々からの贈り物を授けます。あ、布教忘れないでね。他の勇者候補も居るしあんたはガンガン布教してエリスの信者を奪ってきなさい。エリスって言うのは後輩の貧乳でパッドで上げ底してる上げ底エリスよ。エリスの胸はパッド入りって覚えておきなさい。」

 

 

 貧乳美少女も悪いとは言わないけど、僕はCカップ以上しか胸と認め無い派なんだ。パッド女神エリスか、よし覚えた。

 

 この時にアクア様が言っていた、僕の名前がどうしても思い出せない。僕はなんて名前だっけ。

 

 

「あと、神々の贈り物ってのは世界を救った偉業を讃えてたとえどんな願い事でも一つだけ叶えてあげるわ。」

 

 現状すでに僕の願い事は叶ったも同然なんだよね。

 

「さあ、勇者よ。数多の勇者候補の中より、あなたが魔王を倒す事を祈っています。さあ、旅立ちなさい。」

 

 

 旅立ちの言葉を言うアクア様は美しく、清らかで僕の語彙じゃ言い表せない。女神様のイメージのままだった。魔方陣が光り輝き景色が白くなっていく中で、僕はアクア様の姿をその目に焼き付けていた。

 

 

 アクア様、僕の人生は無味乾燥で誰からも必要とされなかったんです。でも、あなたと出会えて僕は僕の人生に意味を見いだせたんです。

 

 ありがとうございます、アクア様。全身全霊を持ってあなたに報います。全ては、アクア様の尊さを布教する為に…。

 




はぁ、アクア様尊いわ。

アクア様と主人公の尊いの感情は勿論別物です。

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