偽アクアの旅路   作:詠むひと

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性癖の発露たる二次創作なれども、お気に入りが増えているのは嬉しい。

ありがとうございます。


俺達の女神様

 

 

 道中警戒しつつもあれからモンスターとの遭遇は無く、私達は無事に村の近くまでは来た。

 

 風に乗って怒号や遠吠えが聞こえて来て、私達は急ぎ村へと向かう。

 

 村を砂狼が襲っていた。

 

「光よ、(いわお)の如き、鎧を成せ。プロテクション!」

 

 マグナさんが直ぐに私達へ向け支援魔法を使い、散開して狼達を撃破するように伝えた。

 

 私とリナさんは弾かれる様に走り、狼へと襲い掛かる。

 

 まずは一。近くに居た狼の背へと手を伸ばし掴んだ、そして勢いのままに地面に投げ付け首が折れた、次っ!。投げた狼の後ろに居たのが飛び掛かって来たので裏拳で頭を殴り潰した、これで二。

 次で三、私の方を向いた狼の頭を右手で握り潰した。手に付いた血を振り飛ばし狼に目潰しをしがてら近付き、怯んでいる所を回し蹴りして蹴った足を戻しながら踵落としで頭を潰した四頭目。

 私を殺しに集まりはじめた狼達に、わたしは叫ぶのスキルを使い雄叫びを上げた。響き渡る大音声により近くの狼達は怯み、遠くの狼達は私に引き付けられた。

 

 丁度良く私に対して纏まった数が来た。毎晩の特訓の成果を冥土の土産に見せてあげる。

 

 威力を少し落とし貫通力を下げた、闘気の凝縮をやや下げ素早く形にする。そして大きく広がるイメージで撃ち出す。

 

「波動拳!」

 

 珠から皿の様な形に広がり一撃で七頭の狼を薙ぎ払い吹き飛んで行く。これで拾一。

 

 

 !、応戦している村人が引き倒され、今にも喰らいつかれそうになってる。

 

 私は疾走する(走る)、より速く。そして飛び蹴りを放つ!

 

 間一髪、間に合った。狼の前足の上辺りから上は吹き飛び、血肉が散乱した。村人さんは…ごめんなさい。血塗れになっちゃった。腰が抜けた村人を担ぎ上げ、村の柵に近付き中に投げ込んだ。少々手荒だけど許して欲しい。これで十二。

 

 まだまだ多くの狼達は村を襲っている。

 

 私は柵の前に陣取って構え直し、狼達を睨み付けながら辺りを見回した。皆は…。

 

 

 ミアさんは走りながら狙撃を繰り返し、応戦する村人を援護している。狼に近付かれたら、腰に差した金槌で狼の頭をカチ割って距離を取りながら村人の援護に徹している。

 

 リナさんはあの大鉈で狼を幹竹割りにし続けている。片っ端から斬り伏せて回ってて夥しい死体の山で私よりも明らかに多くの狼達を倒している。

 

 マグナさんは…アレ何だろう…左手を振る度に狼がバラバラになって吹き飛んでる。右手のタクトではフレイムウィップを使ってるのは分かるんだけど。

 

 心配はいらないか、むしろ皆チラチラとこっちを見てるし。そうだよね初心者の私と違って皆はベテランだもんね。よし!もうひと頑張りしよう!

 

 直ぐに村人を助けられるように柵から離れ過ぎ無い様にしつつ、私は戦う。

 

 拳で掌底で蹴りで頭突きで裏拳、体当たりと。思い付く限り身体中を使って戦い続けた。

 何度か咬み付かれ、いくら防御が高くても素肌に牙を突き立てられれば血を流す。痛みに涙目になりながらも気功で継続的に回復しながら戦った。途中で数えるのは止めた。ほんとうにうんざりする数だった。

 

 そして、目の前の狼の頭蓋を手刀で斬り落とし。辺りを見た。もう、立っている狼は居ない。村の外の狼は殆どを倒せたと思う、遠くに逃げ出す狼の姿が見えた。

 

 大きな息を吐き、私は座り込んだ。

 

「疲れた…もういい、今日は閉店です。帰ってね。」

 

 意味不明な事を呟いてしまう、ほんとうに疲れたよ…。ああ、しんど。

 

 

 座り込んで項垂れる私に誰かが勢い良く抱き付く、踏ん張りが利かなくてそのまま倒れた。あー、お空が青いや。

 

「マイム!怪我してる!だいじょぶ?泣いてる?」

 

 何故かリナさんが片言みたいな口調で話し掛けて来た。うん大丈夫と返すけど、起き上がる力も出ないや。

 

 ミアさんが私からリナさんを引き剥がして、ポーションみたいなのを口に流し込んでる。何だろう、あの濃い緑のドロッとした奴。

 

 リナさんは飲み込んだけど、口を抑えて蹲ってる。なんかすごく、ほんとうにすごく青臭い匂いがするんだけど。大丈夫なのアレ。

 

「お疲れさま、マイム。」

 

 ミアさんが私を起き上がらせて、片手で抱き締めながらもう片手で後頭部をぽんぽんしてくる。

 あー、なんか落ち着く。

 

 あ、リナさんが復活した。苦マズ酸っぱうぇ、うぇ。って呟きながら口から唾を絞り出して吐いてる。ほんとに何だったんだろうアレ…。

 

「アレは気にしなくて良いわ。あとマグナはトドメを刺して回ってるからそのうち戻って来るわ。怪我、大丈夫なの?」

 

「戦いながら治療したから大丈夫。まだちょっと痛むけど、もう少しで治るから。」

 

 もう一度お疲れ様と言われ、そのまま休んで居るように言われた。ちょっと横になろう…。

 

 

 

 マグナさんが戻って来て、三人は何か話してた。そのあとミアさんが私の横に腰を下ろして、話の内容を教えてくれた。

 

 マグナさんが村との交渉とかに行ってるから、その間はミアさんは狼が逃げていった方への警戒と監視。私はしばらく休憩。村には怪我人がいっぱい居るだろうから、手当てを頼む事になるかも。ってさ。

 

 ミアさんが頭を撫でてる。気持ちい……。

 

「寝ちゃったか。まあ、しょうがないか。まだ冒険者になったばっかで、こーんな八面六臂の大活躍だもんね。」

 

 いくらステータスが高くても、ただの女の子なんだし。ちょっと寝かしてあげよっと。

 

 監視を続けながらミアは子守唄の様に鼻歌を歌いながら座り込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 身体が揺れてる?、誰かが呼んでる?

 

 声が聞こえる様ような…

 

「フッ」

 

「うひゃぁ。」

 

 耳に息を吹き込まれ、驚いて起きた。

 

「おはよう、お寝坊さん?」

 

「おはようございます。」

 

 目覚めたばかりで混乱していると。

 

「目は覚めた?まだならー、くすぐっちゃうよ?」

 

 起きます、起きます。一番早起きなミアさんがなかなか起きない私達に地獄の擽りで起こす朝の、朝の?あ、。

 

「ご、ごめんなさい。寝てしまってすみません。」

 

 即座に土下座した。仕事中に寝ちゃうとか、絶対にやっちゃいけないやつだ。

 

「いいっていいって。大活躍だったからしょうが無いよ。いや大丈夫だから、土下座とかやめて!ね?ね?」

 

 ミアさんは焦って私を起こして、抱き締めて止めた。やわらかい。

 

「もうっ。さてお仕事するよ。マグナが話を付けて来たから、私達は怪我人の手当てをするの。マイムはヒールで怪我の重い人から治療をお願いね。」

 

「わかりました。」

 

 名誉挽回だ、張り切って治療しよう!はっ、ここはアクア様の写し身の私が治療して回ればきっとアクア様の尊さの布教になるはず。アクア様に成りきって治療しなきゃ。

 「僕」の記憶にあるあの神々しい美しさと優しさを兼ね備えた、アクア様の姿を皆にも教えてあげなきゃ。

 

 

 

 

 

 

 村長は昨晩から散発的に狼に襲われていたのだと言う。一気に攻めて来る訳でも無く、村の男衆と狩人達で撃退出来ていたと言う。だが襲撃と不安で睡眠は妨害され、確実に体力を削られていたのだ。

 

 そして夜が明けても、村の周りをうろつく狼の姿。そして、本当の襲撃が始まった。

 

 村を取り囲む様に狼が集まる。だが無秩序に襲い掛からず、何かを待っているようで不気味な静けさが漂う。

 

 そして村人達は見た。太陽に照らされた金色の毛並みを。他の狼達よりも二回りは大きな巨体を。

 

 そして、狼達が襲い掛かって来た。

 

 最初の襲撃以降柵以外の場所はバリケードで塞ぎ、たまたま村に来ていた行商と冒険者達は村人に指示を出しながら防衛せんとした。

 

 弄ぶ様に少しずつしか狼は襲って来なかったが時間と共に狼は増えていった。柵に張り付き手製の槍で狼を突き立てる村人達も疲労で手が震え、空振るばかり。バリケード前で戦っていた冒険者達も負傷し中へ引っ込み、狼の侵入を防ぐのでやっとだった。時折、高く跳んだ狼が侵入し村の中でも戦い始めいよいよ死を覚悟しなくてはならなくなってきた。

 

 

 そんな時にあなた方が来たんだ、と。涙ながらにマグナの手を取り村長は語った。

 

 聞きながらマグナは思う。もう本当にギリギリだったんだなと。あと10分いや5分程遅れていれば手遅れだっただろう…。内心冷や汗をかきながらも表情には出さない。

 

 

 

「それで、そのぅ。厚かましいとは思うのですが、ポーションを分けて頂けないでしょうか?見ての通り負傷者が多数でして、村の蓄えや行商人の方の持っていた分も尽きてしまいまして…」

 

 

 言わんとする事は分かるが、この人数ではとても足りないだろう…。だが。

 

「申し訳ないのですが、ポーションではとても足りないでしょう。」

 

 聞いた村長は項垂れる。

 

「ですが、仲間がヒールを使えます。重傷者優先でしたらお力添え出来るでしょう。」

 

「ありがとうございます!っで、では早速…。」

 

「村の外で待機して居ますので呼んで来ます。」

 

 村長の言葉に被せ気味で言う。魔力が尽きたらポーションも分けるか…と思いつつも悩むマグナ。

 

 

 

 

 リナさんと一緒に村へ入った私は息を呑んだ。

 

 そこかしこに大人も子供も冒険者も村人も皆が怪我をしていた。軽症が多数とは言え無傷な者は少ないだろう。そして身体中から血を流している冒険者の姿が有り私は駆け寄った。

 

 

「はは…幻かなぁ…。こんな所に別嬪さんが見えらぁ…。」

 

 その少年は剣士だった。傍らには長剣(ロングソード)が転がっている。彼の仲間が上半身を胸に抱え泣いていた。彼は息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。

 

「最期に見るのが…狼や兄貴の面じゃなくて、こんな別嬪さんなら…幻でもいい、かぁ…。幻でも、ああ…。別嬪がふ…たりか。悪くねぇ…最期、だ…。」

 

 

 私は彼に近付き横にしゃがみ込み、力無く投げ出されたその手を取り胸に抱いた。

 

「幻じゃありません。必ず、助けます。」

 

 微笑み優しく語り掛け、詠唱をする。

 

「清浄なる光よ、傷付き倒れ伏す者達に、再び立ち上がる力を授けよ!」

 

「ヒール!」

 

 私は自身を中心に拡がって行く様に、かなり魔力を多めにして発動させた。

 

 目の前の満身創痍の少年の傷は塞がっていく。彼を抱く仲間も、その横で見守っていた少女も、呻き腹を押さえていた中年女性も周囲の幾人もの村人達も。皆、一様に傷が癒え驚愕と喜びを口にしていく。

 

 

「幻の別嬪さんじゃなくて、女神様だったか…。」

 

 そんなうわ言を口にすると、剣士の少年は気を失った。

 

「良かった、良かった…。助かった。ライル…。」

 

 彼の仲間の少年は安心して呟く。

 

「ありがとうございます!俺達を、皆を助けてくれてありがとうございます!」

 

「誰かを助けるのに、理由なんて必要無いですから。お大事にね。」

 

 私は微笑み手を離し、次の場所へ向かう。まだまだ沢山の人が助けを求めているんだから。

 

「(掴みは完璧!この調子で女神様ムーブしよう!とりあえず気功使いながらにしよう、思ったより魔力持ってかれたし。)」

 

 心の声はちょっと残念だったが…。

 

 

 もうダメだと泣きながら繰り返す青年の手を取り、励ます。

 

「上手く行かないのはあなたのせいじゃありません。このどうしようも無い世間が悪いんです。この怪我も私が治しますから、どうかもう一度頑張ってみませんか?今度はきっと上手くいきますよ。」

 

 足が!足が!とのたうつ少女を抱き締め落ち着かせる。

 

「大丈夫です。私が今助けます…。さあこれで傷は癒えました。涙を拭いて、一緒に立ち上がりましょう。大丈夫ですよ?ほらね。もう大丈夫よ。」

 

転んで血を流している幼女を撫でながら抱き締め。

 

「恐かったよね。もう大丈夫よ、怖い狼さん達はお姉さん達がやっつけたから。痛いの痛いの飛んでけー(ヒール)。ほらね、もう痛く無いでしょう?」

 

男を女を子供も大人も重傷も軽症も目に付く限りを癒して回る。それも安心させる様な微笑みと共に。

 

 心を奪われる男は多く、女性も見惚れる笑みを撒き散らし救い歩く。やがて、あちこちから、天使や女神と言った囁きが聞こえだした。

 

「(完璧!私のイメージのアクア様出来てる。劣化コピーの私じゃこれが限界だけど、頑張ってアクア様の尊い姿を布教していくんだ!)」

 

 脳裏には、あの時見たアクア様。死んだ者を迎える慈しみに溢れた女神様。優しく微笑み掛け親身になってくれた姿。安心するような朗らかな笑みと共に送り出してくれた姿。

 

 私の心を支えるのはアクア様への恩返しが大きな部分を占めている。この世界の人達は、あのお方のお姿を見る事は出来ない。だからこそ私がそれを伝えなきゃいけない。

 

 女神様は人間を愛し、慈しみに満ちていると。

 

 (マイムにとって女神エリスは、パッド神という刷り込みが強くて存在にすら思い至らない。)

 

 

 そして、最期の一人を治療する。

 

「光よ、傷付くも力強い戦士に、癒しを与えよ!」

 

「ヒール!」

 

 最後の一人はリナさん。あの後、口を濯いでから黙々と狼のトドメを刺して回り最後に村に入って来た。

 

「ありがとう、マイム。」

 

 微笑み、礼を口にするリナ。

 

「しっかし、すごいね。まさか全員治療出来ちゃうとかさ。手持ちのポーションを村人に分ける必要も無くなったね。」

 

 ポーションを手に持って振りながら言うリナさん。

 

「ええ、そうですね。重傷者が少なくて何とかなりましたから、それも大きいですね。」

 

 気功を使いながらでも、重傷者の治療には多めの魔力を持って行かれてたから。もっと重傷者が多かったら力尽きてただろう。

 

「しかも、アクシズ教のシンボルを首から下げとくとかアピールバッチリじゃん。」

 

 笑いながら胸元を指差してくる。

 

「あー、とりあえず。マグナ待ちだね。」

 

「そうですね、ちょっと聞きたい事が有るんですけど、良いですか?」

 

「何?いいよ。」

 

「さっきの緑色のすごい奴、アレ何ですか?」

 

「アレはねー、気付け薬だよ。ベルセルクのスキルの解除に使ってるんだ。無しでも時間が経てば解けるけど、アレを飲むとすぐなんだ。すごい味だけどね…。で、ベルセルクのスキルって言うのはね。筋力、生命力、俊敏性が大きく上昇する代わりに知力が激減するスキルなんだ。だからああいう殲滅戦以外だとなかなか使えないんだ。」

 

 味を思い出したのか顔を歪めながら言う。

 

「アレはね、瀕死でも余りの不味さに飛び起きるって言われてるんだ…。」

 

 絶対に、飲みたくない。

 

「錯乱やバーサクしたら飲まされると思うよ?」

 

 錯乱やバーサクしないように気を付けよう。絶対に。

 

「マグナが来たね。」

 

「疲れてる所悪いが、もう一仕事だ。明るい内に柵とバリケードの補修を手伝う事になった。終わったら村で一泊して、明日は山に入って残党とボス狩りの開始だ。」

 

 ボス狩り。なんとなく心躍るフレーズ。

 

 

 

 柵は木の棒を狭い間隔で立てて、間を動物等が通れない様になっている物で柵の前には深くは無いけど空堀もある。

 

 倒れたり、折れた棒を取り替えて補強を施して行った。村の男衆総出と私達とあの負傷していた冒険者達でやっている。頭数が揃っていたので2時間程で終わった。日が傾いて来ている、たぶん4時くらいかなぁ。

 

 マグナさんとミアさんと村の狩人達は、柵の外に獣用の罠や魔法の罠とかを仕掛けている。ここからじゃ地面で何かしているくらいにしか分からないかな。

 

 遠くからマグナさん達を眺めて居ると、冒険者の男の子二人に声を掛けられた。さっきの子達だ。

 

「さっきはありがとう。お陰で死なずに済んだ。ほんとうにありがとう、君は俺の命の恩人だ。」

 

 言ったのはライル君、さっき重傷だった少年剣士の子でたぶん12歳くらい。150無いくらい140前半かな、ちっちゃくて可愛い。茶色の髪に緑の瞳が綺麗な男の子。仲間内だとさっきみたいにもっと砕けた口調何だろうけど、今は緊張してるのか大人しい。

 

「あなたは僕達全員の命の恩人です。ほんとうにありがとうございます。僕はライルの兄でニールです。」

 

 ニールさんは17歳くらいで170ちょいくらいで細身。プリーストっぽい格好をしてる大人しそうな青年。

 

「私は私に出来る事をしただけだよ。間に合って良かった。」

 

 これは本心。布教も大事だけど、目の前で困っている人が居て私に出来る事が有るならそうしたい。

 

「あ、えと。お姉さんの名前を教えてください!命の恩人の名前も知らないなんてダメだと思うから。」

 

 真っ赤になってライル君が聞いてくる。ちょっとイタズラ心が湧くけど我慢我慢。

 

「私はマイム。冒険者チーム灼熱の風のモンクよ。」

 

 普通はパーティーって言うのかも知れないけど、私達はチームだから。

 

「モンク…上級職だっけ。すごい!」

 

 目をキラキラさせて反応する。貰い物の力だからちょっと後ろめたい…。

 

 

「上級職の方でしたか、なるほど。獅子奮迅と言うのが相応しい程で大活躍されていたのも納得です。他の方達もそうなんですか?」

 

 冒険者の職業には詳しく無いから、リナさんの方を向いてみた。

 

「上級と中級の混成って所かな。私はウォリアーで後はハイウィザードとハンターだよ。ただ上級中級はたぶんあんまり関係ないよ。うちのリーダーは魔法戦士からの転向で近接も魔法もどっちも強いし。レベルとステータスの結果さ。」

 

 そして何故か私の方を向いて言う。

 

「レベルを上げて物理で殴れって昔から言われてるでしょ?私達はただ高ステータスでゴリ押しただけだよ。」

 

 それは暗に私に脳筋って言ってるのかな?事実だけど。それとも、もっとレベルを上げて物理で殴れって?

 

「あ、はい。」

 

 なんか言葉に圧力が有るんだけど、どうしたんだろう。ニールさんは押し黙った。

 

「全員強いとかすっげー!」

 

 ライル君は可愛いなー、撫でたら怒るかな。無性に撫でたい。

 

 というか撫でた。

 

「子供扱いすんなよ。俺だって冒険者なんだからさー。」

 

 でも、嫌がらない。可愛い。

 

「えらいえらい。」

 

 口を尖らせてスネちゃったか、ごめんねー。

 

「では、僕達はこれで失礼します。」

 

 逃げる様にニールさんは去っていく。

 

「ありがとうマイムお姉さん。お姉さんは俺達の女神様だよ!」

 

 顔を真っ赤にして、女神様と言い走ってニールさんを追いかけて行った。

 

「女神様、か。」

 

「充分に女神だったよ。村人全員と冒険者、行商人を笑顔を絶さず励ましながら治療して回ったんだから。ほーら、誇って良いんだよ。マイムのお陰で何人も死なずに済んだんだから。この村では充分に女神様さ。」

 

 私の肩を抱きながらリナさんは言った。だとしたら嬉しい。アクア様の布教、それだけじゃなくて達成感がある。

 

 

 私達は先に村長宅へ向かうことにした。

 

 

 

 




ミアさんは狩人なので弓だけでなく、接近戦も結構強いのです。金槌を持ってるのは鈍器なら磨がなくて良いから楽が出来、メイスとかじゃなくて金槌なのは軽くて携行しやすく、素早く振り抜ける為です。

マグナさんが使ってた謎魔法はゆんゆんが使ってた中級魔法でブレード・オブ・ウインドです。手を振る度に風の刃を飛ばす奴でバラバラ死体を量産してました。

マイムは渾身の女神様ムーブです。

リナさんの言葉に圧力があるのは、職業の高低で判断する奴の空気を感じ取ってイラッとしたからです。
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