ネジと魔術で魔法少女モノ   作:ヒロキ@クロス好き

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聞いてくれよ……この話できるまで……半年かかってるんだぜ……?
それでこのクオリティーだぜ……?
とりあえず言いたいことはまだあるが……それでもよければ……ご覧になって下さい……。
文句は……受け付けます。



1話 と見せかけためっちゃ時間かかった0.5話的な話

「買い物行ってくるヘボ~」

 

「お気を付けてー」

「いってらー」

 

メイド二人の声を聞きながら、主人公(青ヘボット)見参。以後、「ヘボット」と呼称する。

 

「にしても最悪の目覚めだったヘボな~、着ぐるみの変態は出るわ、シオシオの変態は出るわ。挙げ句の果てにネジ好きの変態が出る夢を見るなんて」

 

0話の出来事は夢オチとされた模様。

 

「でも腕6本の王妃とかいう人とはやり合ってみたかったヘボ。夢だけどー」

 

 □ □ □ □ □ □

 

???「……引けない……あの人が引けない……!

どーなってるのよ確率ッ!!」

 

誰か「ネタバレ防止!」

 

??「おっはー」

 

???「キターーーーー(・∀・)ーーーー!!!!」

 

誰か「ヘボットのセリフと?の文字数で考えてみてちょ」

 

??「これを、なかのひとねた……というのだな」

 

???(ヤダ舞い上がっちゃって私ったら──)カァァ…

 

 □ □ □ □ □ □

 

「きょーうのばーんめーしえーみやーめしー」

 

鼻歌交じりに、ヘボットは商店街に到着。まずは魚屋へ向かう。

 

「一番活きのいいヤツを頼むヘボ」

「はい!毎度ありです!」

 

ヘボットの注文を聞き、魚屋の奥から、帽子とマフラーをつけたジャージ姿の少女が出てきた。

 

「ン?お前新人かヘボ?」

「あっ、ハイ!アルバイトとして働かせていただいてます。ヒロインXと申します」

「ヒロイン?自分で言うんかソレ」

「む、ただヒロイン枠を獲得するために名乗っているのではありません。ある目的を達成するため、真名を隠す必要があるのです」

「顔といい名前といい、まるで隠せてねぇヘボ。頭に至ってはなんか突き出てるヘボ」

「やだなぁきっと幻覚(ファントム)です」

「幻覚て」

 

ぐだぐだ話してると、ヘボットはあることに気づく。

 

「てかいつもいる店番のにーちゃんどうしたヘボ、最近見かけないヘボな」

「それ、店長も言ってました。なかなかの商売上手だったそうで、急に居なくなって困っているそうです」

「アレは商売上手というより親しみ上手ヘボ。むしろ信頼でお客さん買ってたような人だったヘボ」

「まぁおかげで私が雇われたようなものですが」

「お前の笑顔は0円だ」

 

 □ □ □ □ □ □

 

TV<この笑顔100円♪

 

??「……」

 

???「どうなさいました?」

 

??「そなたの笑みが……いや。

私にとってはそなたの笑みは──値がつけられぬ程に尊きもの。金子で買おうなど、愚かな考えであった」

 

???「────!!?!?////」プシュー!

 

☆──ホレてまうやろ──。

 

 □ □ □ □ □ □

 

引き続き、ヘボットは愚痴をこぼしながらも買い物を続けている。

 

「まーた妙なの来たヘボ……見たことない変な魚出すし、セイバーぶっころうるっせぇし」

 

どうにも、あのような輩はよく現れる様子。

次に来たのは精肉店。

 

「鶏むね300gくれヘボ」

「はいは~い」

 

店の奥から出てきたのは、青い羽織と裾の短い着物を来た少女──

 

「……新人ですか」

「はい~、刃物の扱いならお任せという理由で採用されました。皆さんご存じ沖田さんでーす!」

「知らんヘボ。

てことは何か、ここもいつもの店番居なくなったヘボか」

「そのようです。あっ、鶏むね肉でしたね。少々お待ちをー」

「?」

 

5秒後、沖田。刀と生きたブロイラーを持って登場。

 

ブロイラー……食肉専用、大量飼育用の鶏の総称。(Google先生調べ)

 

「何してはるんですか」

「何と……見てわかるでしょう?」

「わかんねぇから聞いてるんだろーが!!」

 

ブロイラーの屠殺(とさつ)。首の動脈を切って逆さにして、血抜きをします。と畜ともいうそうな。

 

「そっから始めなくていいだろ!ここ精肉店ヘボ!」

「だから屠殺から始めてるじゃないですかー」

「売るまでが長ぇわ!」

「こんなことでもないと沖田さんの刀裁き、ひいては新選組の評判がー!!」

「チェーンジぃぃぃぃぃぃ!!

チェンジお願いしますもっと現代知識がある娘にィィ!!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

沖田オルタ「……」ジー

 

??「……」ジー

 

 

 

自動券売機『150 200 240 280 330 390 450 …』

 

 

 

沖田オルタ「これは……暗号か?」オロオロ

 

??「私は徒歩の方が早いと思うのだが……」オロオロ

 

沖田オルタ「そ、それではうんちんとやらを出してくれたマスターに悪い」

 

??「ムム……『でんしゃ』とは難解なものなり」

 

 

 

藤丸立香(頑張れ~)コソコソ

 

???「お前わざと使わせてるだろ……!」ハラハラドキドキ

 

どうぞお好きな性別でアテレコしてね。

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

アンデルセン「茶番が多いな」

 

シェイクスピア「ここまで話の進まない作品はあまりお目にかかりませんな、はっはっは」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「魚屋よりヒドかったヘボ……結局血みどろの鶏肉売りつけやがって……」

 

愚痴りつつも、ヘボットの買い出しは続く。鶏肉の入った袋は真っ赤だった。

次は八百屋へ。

 

「おう、よりどりみどりだ。買ってけ」

 

マントを羽織った厳つい男。周りには野菜ではなく所狭しと黄色いものが。

 

「たくあんしかねぇ!!?」

「あぁ?違いがわからねぇのか。こっちが江戸から続いてる作り方でできてる。コイツは工場とかで作られたヤツだ、味は控えめだが悪くねぇ。そしてこれが職人がこだわって漬けたっつう嗜好の一品だ」

「全部たくあんじゃねぇかッ!!!

つかお前一人か!?いつもたくさんいる犯沢さんどこいったヘボ!!」

「一人じゃねぇ!!俺が!!!新・選・組・だぁぁぁぁ!!!!」

「話がまるで通じねぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

乗り越しちゃったお二人。マスターに電話をかけてます。

 

沖田オルタ「……ますたーとつながらない……」ウルウル

 

??「お、落ち着け抑止の守護者よ。主導者はこんな時を想定して、この覚え書きに対処法を書き記しているはずだ」

 

沖田オルタ「うー……」メソメソ

 

 

 

藤丸立香(泣き顔キターーー!!)

 

???「お前最低だな」

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

アンデルセン「これはアレだ、『困ったら原作リスペクトすればなんとかなる』と思い始めているな」

 

シェイクスピア「先ほどから全く展開が変わっていないので、恐らく」

 

アンデルセン「最低の発想だ」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「最低の日ヘボ……厄日なんてもんじゃねぇ……たくあんこんなにどうしろっつーんだヘボ……」

 

風呂敷いっぱいのたくあんを背負って、すでにヘトヘトのヘボット。だが買うべきものはまだ揃っていない。

次は骨董屋に向かう。

 

「ごめんしてー、頼んでたネジ受け取りに──」

「──ロックじゃあああああああ!!!」

「なにごとですかー!!?」

 

入る前に爆音で吹き飛ばされるヘボット。

奥から軍帽を被ったジャケットの──

 

「ワシの生き様桶狭──」

「メガネの店番どこ行ったヘボ!!」

「行方不明!!じゃからワシが店番引き受けた!!」

「変われ!!お前だと人が近寄らねぇ!!」

 

チェンジ。

兜を被った和装風ドレスの幼子が出てくる。

 

「伯母上に変わりまして、茶々がお任せされました!」

「……複雑な家庭事情を垣間見た気がするヘボ」

 

理由。伯母上とやらが若すぎ。

 

「頼んでたネジ?ネジ?ネジってなーに?」

「おいおい!」

 

さっそくダメそうだった。

 

「控えのレシートに書いてあるコレが届いてるハズヘボ。これを持ってきてヘボ」

「はーい」

「どっちが客なのかわかんねぇヘボ……」

 

「ワシの歌を──聴けぇぇぇぇい!!」

「引っ込め!!!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

TV<この笑顔100円♪

 

??「!」

 

沖田オルタ「……」グス…

 

~きっちり三分後~

 

??「抑止の守護者よ」

 

沖田オルタ「?」

 

??「これを」サッ

 

沖田オルタ「……む。魔神さんは知っている。この笑顔100円のドーナツだな」

 

??「……そなたに値をつけてしまうような真似をして申し訳ない、だが曇ったままのその顔を放っておくのも良くないと思い……」

 

沖田オルタ「……」ハム モグモグ

 

「これは……うん。

このドーナツは100円だが、お前の気持ちは……プライスレスだ」

 

??「ぷらいすれす」

 

沖田オルタ「うん。プライスレス」

 

??「……意味は存じている。我が妻との時間は、何物にも代えがたい。

そうか……価値ではなく、大切なのは気持ちなのだな」

 

沖田オルタ「マスターとお前の奥さんにもあげよう、これもプライスレス」

 

??「うむ。ぷらいすれす」

 

 

 

???(──今回だけだぞ!)パァン!

 

藤丸立香(──あざっす!)パァン!

 

☆──和解(笑)──

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

アンデルセン「いい話だが!全く進んでないことに変わりは無いな!無意味だ!」

 

シェイクスピア「真名は伏せなくともよろしいかと思うのですが」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「ネジお待ちー!」

「コラコラ!箱から出すな!」

「だってこれ、ネジ?だってわかりにくかったんですけど!」

「あー、ったく……それでいいヘボ、早よくれ。さっさとこっから離れたいヘボ」

 

財布の口を開くヘボット。

ちなみに伯母上とやらはまーだギターを弾いていた。

 

「まいどありぃ!」

「しっかし……エネジーもないブランクのネジを頼むとは……まぁ必要なんだヘボな」

 

白い四角のボキャネジを眺めつつ、骨董屋を離れ──ようとしたが、茶々が進行方向に回り込んできた。

 

「ところで茶々は、ネジについて知りたいんですけど」

「は?なんで?」

「だって()()()()()で知らないこと多いし!だからまずはネジから教えて?」

「別にいいけど、なんでネジヘボ?」

「だって小銭もネジの形のじゃん!それによく見ると、店の中もネジいっぱい!ネジそんなにすごいものなの?茶々の興味はネジでいっぱい!」

 

キラキラした目で見てくる茶々。目がシイタケだ。

 

「そんなわけで、ついてっていーい?」

「店番はいいんかヘボ?」

「伯母上と交代します!」

「やめとけやめとけ、ブレーキ役いないとろくに会話できそうにないヘボ。お急ぎでない客に……」

 

「はー、飽きた。次なにするかの」

 

いつの間にか軍服に着替えてた伯母上さん登場。

 

「…………こまんぞ……」

 

「お、客が来とったのか。いやースマンのぅ、バーサーカーになると演奏に夢中になるもんで──」

 

「つっこまんぞーーーー!!!!」

 

「ええ?なにごと?」

 

知らん。

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

茶々 が ついてきた ! ▽

 

「オレ様買い物の途中ヘボ……」

「茶々もおこづかいもらったからなんか買うー!」

「ネジについて教えてほしかったんじゃなかったんかヘボ?」

「それは二の次でいいのです」

 

次の目的地まで歩いていると、人だかりが見えた。交番の前だ。

 

「ヘボ?あれに見えるは」

 

その中に、ヘボットの知る顔がいくつかあった。

馬もいた。

 

「お前らなにしてるヘボ?」

 

「! これは、ヘボット殿」

「む──」

「……」ポロロン

「……ハァ」

「お?よう、ヘボ公」

 

見るからにごつそうな巨漢、父っぽい男、寝てるのかわからんやつ、見ただけで苦労人とわかるような人、反抗期真っ盛りそうな少女。そして──

 

「久方ぶりですね、ヘボット」

 

馬に跨がって見下ろしてくる──女王様。

 

「出たな、プレゼント泥棒」

 

季節はずれな格好をした──女王様。と同じ顔をしたサンタ。黒い。

 

「総出するとか珍しいヘボな」

「我ら円卓の、これまでにない一大事が起きたのです」

「ガウェイン。部外者にそう易々と話すことでは……」

「カテーこというなヘボあっくん、オレ様たちの仲だろ?」

「貴様にだけはあっくん(その名)で呼ばれたくはないわ!!」

 

あっくんは教えてくれなかった。

 

「説明分にもあっくん呼びされたではないか!!」

「せ、せつめいぶん……??」

「ほっといてやりなはれ」

 

首をひねる父っぽいやつ。あっくんは勢い余ってこっちを認識したようだ。

 

 □ □ □ □ □ □

 

作者「……どんな話にするつもりだったかわかんなくなってきた」

 

ヘボット「オイオイ!?」

 

作者「仕方ねぇ、ヘヴンズフィール観に行って気分転換しよう」

 

 ~鑑賞後~

 

作者「くそぅ……さくらちゃん……しあわせにしてぇ……だれだこんなシナリオ思いついたの……日常系アンソロかけやぁぁぁ……」シクシクシク…

 

ヘボット「浸るのはいいけどちゃんと進めろヘボ」

 

作者「誰かクロスで救済ルート書いてくれないかな……」

 

ヘボット「Zeroしか知らないヘボ」

 

作者「できればギャグ作品とクロスしたやつを……」

 

ネコアルク「呼びましたー?」

 

ヘボット「引っ込め!!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「実は……()()()の私が居なくなったのです」

 

『は?』

 

いまいちよくわかってないヘボットと茶々。

 

「厳密に言えば過去の私、いや私はサンタだが、その私にとっては過去の、というのが正しい」

「ややこしいわ!お前が説明すんな!」

「なんの前触れもなく、こつぜんと姿を消したっきり、見つからないのです。

2週間近くも、好物を玄関の前に置いて待っていたというのに……!」

「居なくなったの大分前じゃねーか!探したれや待たずに!」

 

※用意していた料理は、毎晩取り替えてました。

 

「──で、ポリドロに捜索依頼してたわけヘボな」

「これは失踪事件だワン!ケーサツワンの名にかけて、必ず探し出してみせるワン!」

 

張り切っているこのおまわりさんは、エトボキャボット『犬のおまわりさん』こと、『ポリドロケン』。

 

「このイヌコロ、ホントにあてにして大丈夫かよ?」

「まぁ鼻はきくヘボ、んで場所がわかって、誘拐とかだったら即突入できるだろお前ら」

「騎士王程の方が簡単に攫われるとは思えんが……」

「とにかく、お願いします。ポリドロケン殿」

「任せるワン! くんかくんか……」

 

ポリドロケンを先頭に、円卓の人たちは交番から去って行った。

 

「行方不明多いヘボな、物騒ヘボ」

「ねー!かいものー!」

「あーハイハイ、お前はのんきで羨ましいヘボ」

「ところでさ、人が話してる途中で騒ぐのよくないよ?」

「ツッコミ下手で悪かったな」

 

そんなこんなで、次の目的地へ。

 

「……(セリフが無くて)私は悲しい……」ポロロン

 

 □ □ □ □ □ □

 

ゴリラ「」ドラミングダラララララ

 

 □ □ □ □ □ □

 

「……ここかよ……」

「なーにここ?」

 

一軒だけ妙~にファンタジーな建物。道具店なんだそう。

 

「品揃えはいいっちゃいいけど、売ってるヤツがなぁー……」

「たーのもーう!」

「コラコラコラ!ノックしてから入れ!急に入ると──」

 

「あ、いらっしゃいませぇ~♪」

 

お出迎えしてくれたのは、褐色で露出の高い格好の、ムッチムチケモ耳美女でした。

 

「……なにしてんだテメー」

「なに、と。見ての通りですよぅ」

 

あきれ顔をするヘボット。ケモ耳さんとは面識がある様子。

 

「ここに仕入れをしている身としてはお店が開いていないと困りますのでぇ、店主の同居人に許可を取りましてぇ、こうして運営をさせていただいておりますぅ」

「はぁ……」

 

 □ □ □ □ □ □

 

同居人「キュケオーンをお食べ!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「まぁそれはいいとしてぇ、お二人でおつかいですかぁ?」

「まぁそんなとこヘボ。えーと……フライ返しを買いに来たヘボ」

「でしたらこちらをオススメしますよぉ~」

 

営業スマイルでカウンターに移動するケモ耳美女。するとカウンターの下から棚がせり上がってきた。

 

「つっこまんぞ」

「むー、茶々のセリフ少なくな~い?」

「他んとこ見てていいヘボよ」

「やたー!」

「あんま品物にベタベタさわるなヘボー?」

 

店の奥に走って行く茶々。お店の中では静かにネ☆

 

「で、これ普通と何が違うヘボ?」

 

 

 

 

 

────その言葉以降、ケモ耳美女、自称ドルセント・ポンドの機関銃セールストークを前に、ヘボットは最後に「普通ので結構です!!」とシャウトするまで一言も言葉を発せなかったという。

 

 

 

 

 

ちなみに茶々は純金の茶釜を買った。

 

「ケバいな!?てかどんなもん売ってんだ!!」

「キュケオーンをお食べ──」

「引っ込め!」

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

というわけで買い物終了。おつかれしたー

 

「ぐだぐだだったヘボ……最後だけ、なんか違う気がするけどぐだぐだだったヘボ……」

 

ヘボットは今、大量の荷物を抱えていた。買い物で買ったものだけではない、置物とかお菓子とか、ヘボットの倍くらいの大荷物を担いでい──

 

「てか買いすぎだこのバカチンがァ!!どんだけ買う気だヘボ!!ちったぁ自分で持てやぁ!!」

「茶々にハシより重い物を持たせようとするとかあり得ないんですけど!」

「自分以上の大きさの荷物を抱えさせる方もあり得ないんですけど!!?」

 

クタクタのヘボットを余所に、茶々ははしゃいでいた。周りにある物を初めて見るかのように、あっちこっちへ駆け回るので、追いかけるヘボットを余計に疲れさせていた。

そういえば『来たばっか』と言っていたが……。

 

「そもそも、ネジを知りたいっつって、ついて来てなかったかヘボ?」

「──あー!そうだった!ネジ!まだ買ってなかった!」

「荷物増やすんじゃねえ!!」

 

怒鳴るヘボットに茶々はニヤニヤと返す。

 

「てかヘボットだっけ?全然恐くないんですけどー?」

「は?」

「さっきから怒ってるつもりだろうけど、ただキレて叫んでるだけなんですけど!」

「何をぅ!?」

「ツッコミっていうのにすらなってないんですけど!」

「何だとぅ!!」

 

残念ながら、そういうところである。

 

「っせーわゴラァ!!そもそもオレ様ツッコミ役じゃねえんだよ!!イリヤの役目ヘボ!!てかまだ始まってねぇのか本編!!苦手な癖してオリジナル回書いてんじゃねぇよ作者の野郎!!」

 

怒りの矛先が作者にまで向いてきた。

 

 □ □ □ □ □ □

 

ヘボスターリング「後半からプリヤ1話に繋げるつもりが、予想外に伸びたと?」

 

作者「すんません、悪い癖です……」

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

アンデルセン「そんなわけで元々のサブタイトル『ヘボ、参上!』を『0.5話的な話』に書き換えただと?最早呆れるのを通り越して褒めるしかないな!死に体の怪我人に治療と偽り塩をかけるが如き発想だ!」

 

シェイクスピア「ちなみに今までの我々のセリフは後に書き加えられたものですな(約二ヶ月後)。書き手は擬似的なレイシフト気分を味わえますぞ!」

 

フラン「……ゥウ(そんなレイシフトなんてお断りだ)」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「も──もう知らんヘボ!!好き勝手しやがって!!どうするか見てろ!!」

「どうするの?」

「……!!

に、荷物預かってやるから一人で行ってきなさい!!」

 

微妙に優しかった。

 

で、都合良くベンチがあったので休憩中。

 

「はーーー……思ったより時間かかったヘボ、もうイリヤと士郎の帰る時間になったヘボ」

 

「──こんにちは、先輩。お出かけですか?」

「?」

 

目の前に、ナスビの後輩……いや、薄紫色の髪の女子高生が、かがんでヘボットの顔を覗き込んでいた。ちなみにメガネ着用だ。

 

「お前かよ……先輩じゃねえし」

「? いえ、先輩は先輩ですよ」

「そんな不思議に思われても──」

「……?」

「澄んだ目で見んな!」

 

さっき言った士郎と同じ学校に通うこの少女は、何故かヘボットのことを「先輩」と呼ぶ。理由は……不明ってことで。

でもって、同じく「先輩」呼びしてくるのはこの娘だけではなく──

 

「セ・ン・パ~イ?」

「帰れ」

「せ、先輩……さすがに失礼では……」

 

早速登場してきたサクラ顔の後輩……じゃなくて黒マントを着けた、紫色の長髪少女。先輩呼び女子二号である。

 

「えぇ~?せっかくお疲れ気味なセンパイを癒やそうと思ってたのに~」

「いらんっつってるヘボ帰れ」

「私特製のお注射で、疲れも意識もぶっ飛び間違いなしですよ~?」

「カエレッ!」

 

二号、もとい後輩二号をあしらおうとするヘボット。

 

「そうやって強がっても、BBちゃんにはわかるのです。センパイは今、足と腰を非常に痛めているようですね」

「んぐ……そ、そんなわけねぇヘボ」

 

そうは言ったが、重ってぇ荷物のせいでヘボットは、腰はガチガチ、足はガタガタになっていた。

おのれ茶々。

 

「そんな時は、仰向けになって休むのが一番です♪」

「あっそ、じゃあそーさせてもら──」

 

うヘボ。と言いながら寝転がろうとした時に、サッとベンチに座る後輩二号。

そのまま寝ていれば膝枕が出来たであろうが、そんなもんに引っかからないのがヘボット(コイツ)なのである。

 

「……一応聞くけど何してるヘボ?」

「膝枕ですよ、センパイ♪」

「いらん」

 

反対を向いて寝ようとして……後輩一号がしれっとスタンバイしているのがわかった。

 

「……」

「あっ……その」

 

「もーいいヘボ。とりあえず寝かせろ」

「センパァァァァイ?」

 

抵抗なく一号の膝に頭を乗せたヘボットに納得がいかない二号ちゃんなのでした。

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

「──ふむふむ、君たち風に言えば……だいぶ『ユルんでいる』とでも言うべきか。

特異点であれば珍しい光景ではないけれど……これはちょっと異常かな?」

「……正確には、シまりにシまって、我々の世界と融合しかけています。ネジはシめれば万物を引き寄せ、収束させてしまう」

「なるほど、引き寄せる。そういう見方もあるんだね。いやー何せ自ら足を運ぶことはあっても、あれだけ大量に召喚されることなんか無いからさ」

「召喚……?あなた達は虚構の存在ではないのですか?」

虚構(フィクション)だよ。ただし──望まれたからこそ、僕達は存在することができる。虚構であって虚構でない、それが英霊ってやつさ」

「ではあなた達は、何を望まれているのです?」

「んーーー……まぁ……色々だね」

 

 □ □ □ □ □ □

 

グチリーマン「色々あって新世界に降り立てたグチ!」

 

ゴロリーマン「全財産はたいて車を改造した甲斐はあったゴロ」

 

ゲロリーマン「超時空マシンにしたゲロ。てか酔ったゲロ」オェェェ

 

グチリーマン「……まーそれはそれとして

ここどこグチ?」

 

ゴロリーマン「……なんか辺り一面黒いゴロ」

 

ゲロリーマン「……泥のような、水のようなものがあふれてるゲロ」

 

ゴロリーマン「なんかイヤーな予感するゴロ」

 

 

 

……ズズズズズズズズズズズズズズズ……!!!

 

 

 

ボキャリーマンズ『ほえ?』

 

 

 

ザッパーーーーーーーン!!!

 

 

 

 

 

 

ティアマト『Aa----------?(だぁれ~~~?)』

 

ボキャリーマンズ『ギャー!?食べないでーーー!!』

 

☆──七章アニメ化しますね(今更)──。

 

 □ □ □ □ □ □

 

「先輩のおつかいについてきたんですね、茶々さん」

「来たばっかって言ってたから引っ越してきたんやろな」

「でも珍しいですね……ネジの知識が一切無い方なんて」

「おかげで振り回される羽目になったヘボ」

 

ため息をつくヘボット。んで、チラッと荷物を見てみた。

 

「……つか戻るの遅いなあいつ」

「センパイ、茶々さんと別れてからまだ5分も経ってませんよ?」

「いつから見てたし!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

茶々「じー」

 

車<プップー

 

茶々「じーー」

 

電柱<やぁ

 

茶々「じーーー」

 

イミの無い踊りをする人「ハイ右から来てるよ右から来てからの左にフェードアウト~特にイミはないよ~色々探っちゃダメ~」クネクネクネ

 

茶々「……あれは違うけど、ネジがいっぱい。

でも思ってたより目立ってないし、そのへんにも転がってるし……ネジって何がすごいんだろ」

 

「──あれ?

そういえば、なんで茶々、ネジ知らないの?なんだかめっちゃ詳しかった気がするし、金のネジとか飾ってた気もする……」…ザザ…

 

屋台のおっちゃん「ネジ焼き~、ネジ焼きだよ~ん」

 

茶々「ネジ焼き!?ネジってホントになんなの!?」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「! 戻って来ましたよ」

 

後輩一号の視線の先に、紙袋を持って走ってくる茶々が見えた。転ぶなよ?

 

「ネジ焼きっていうの買ってみたんですけどー!食べる?」

「なんで?お前食わないヘボ?」

「焼いたネジなんて食べられないし!でもなんか面白そーだから食べて!」

「……あ~、なら遠慮なく頂くヘボ」

 

何かに気付いてニヤけるヘボット。それを見た後輩一号が気まずそうな顔をした。

 

「あの、茶々さん。ネジ焼きというのは……」

「む、誰なのこのなすび」

「なすびじゃなくて、マシュです……」

 

「いっただっきまーす」

 

ヘボットが受け取った紙袋から出てきたのは、大きくて茶色いネジ。

かぶりつきます。その断面にはたっぷりのあんこが。

 

「ン~ネジ焼きウメぇヘボ」

「エ?」

 

鳩が豆鉄砲食らったような顔をする茶々。

 

「いや~ネジ焼きを買ってきてくれるとは、親切はするもんヘボな~」

「えっ?何?ネジ焼きって……お饅頭だったの!?」

 

ネジ焼き──今川焼きにネジのぐるぐるを付けた見た目の饅頭。ぐるぐるが付いた分あんこが増量されている。

ネジを焼いたもんではない。

 

「──な、なんだってーーーーーー!?!!」

「アホやなぁ~、焼きネジ売るヤツなんているわけねぇヘボ」

「知ってるなら教えてよ!ていうかそれ茶々のだし!」

「何だよお前食えっつったヘボ」

「買ってきたの茶ーーー々ーーー!!」

 

カートゥーンみたいな怒り方になる茶々さん。

 

「先輩!意地が悪いですよ!」

「流石に私もどうかと思います。もぐもぐ」

お前(BB)は食ってから言うな」

 

ヘボットはしゃーねーな、と、どこからともなくスナック菓子を出した。

 

「じゃあイモちんと交換してやっから」

「イモちん~?」

 

 □ □ □ □ □ □

 

美遊「プリンと交換です。毎度ありがとうございます」

 

サファイア『手慣れてらっしゃいますね、美遊様』

 

ヘボット「誰だお前ら」

 

BB「コラボイベントも頑張って下さいね~」

 

ヘボット「それはもう遅いだろ」

 

※どちらももう遅いです。

 

 □ □ □ □ □ □

 

「かっる!これ中身入ってる?」

「いいから開けて食えヘボ」

「紙風船とかだったら怒るからね!」

 

開けようとする茶々に──猫が突撃!

 

「借りてくZE☆」ニャーン

 

「あっ!取られたっ!」

「東の警察に怒られそうな猫ですね!?」

「言ったら余計怒られる気がします!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

ムラキ「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました……あなたのイモちんです」

 

ジャック「こころじゃないの?」ポタポタ…

 

ムラキ「さすがに脈絡なさ過ぎでしょっていうか、そんなスプラッタ求めてないから!!」

 

ナーサリー「ハッピーエンドの物語には、多少なりとも不幸な展開が必要なのよ」

 

ムラキ「血みどろなハートキャッチなんて展開、子供に読ませられないでしょ!」

 

ふーやーちゃん「ならいっそのこと成人向けにしてしまおうか!臓物書き放題じゃぞ!」

 

ムラキ「ムキーーーー!」←ツッコミきれなくなった

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

コーラ屋のオヤジ「ヘイ!外人のねーちゃん、わしゃ知らねーよ!盗られたのはアンタの財布だァ!いるんなら追いかけなよ!」

 

武蔵ちゃん「……」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「待て待てーーー!」

 

逆ト○とジェ○ー状態の茶々さん。ヘボ先輩と後輩一号、二号も追いかけてます。

 

「なぜ猫はイモちんを盗んだんしょうか!」

「海苔塩味だったのがいけなかったか……」

 

そんなこんなで猫は軽トラックの荷台に飛び乗ってしまった。茶々もよじ登って追いかけた。

で、猫を捕まえたかと思ったら──

 

ブロロロロ……

 

「え?」

 

「トラックが走りだしました!」

「おわ!?」

 

急いで追うが、軽トラックは段々加速していき、距離が広がっていく。

 

「ま……待て!!茶々!!」

「茶々さーん!」

「おっと──」

 

このまま走ってても追いつかない。後輩二人は辺りを見渡して、

 

「! すみませーん!」

「そこの速そうな英……素敵なお方ー!」

 

速さに覚えのある人たちに声をかける。

 

「先輩!この方たちが一緒に──先輩?」

 

 □ □ □ □ □ □

 

ボキャリーマンズin軽トラ

 

ゴロリーマン「さっきはエライ目にあったゴロ」

 

グチリーマン「あんなのがサブキャラとか、この世界じゃわたすらどう見てもキャラが弱いグチ」

 

ゲロリーマン「負ける気しかしねぇゲロ」

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

ダディボア「やっぱりダディボア!百人乗っても大丈……」

 

物置<ゴシャア!!

 

バニヤン「うわわ~!」

 

キングプロテア「あっ……乗りたかったのにぃ……」

 

ダディボア「リプ公!テメー!アイツ百人オーバーしてんじゃねえか!」

 

パッションリップ「あ、あんなに大きくなれるなんて知らなかったんですぅー!」

 

 

 

メルトリリス「……なによこれ」

 

パールヴァティー「人手が足りなかったらしくて、代わりになりそうなものを探していたんだそうです」

 

☆──勝てるわけが、無い

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

ゴロリーマン「それよりバイト探さないと、無一文な上に食うものも無いゴロ」

 

グチリーマン「これじゃネジが島とぜんぜん変わらんグチ」

 

ゲロリーマン「おや? 荷台に誰か乗ってるゲロ」

 

ゴロリーマン「子供っぽいゴロな」

 

グチリーマン「ちょーどいいグチ。迷子お届けしてたんまりお礼貰うグチ」

 

  「茶ァァァァァーーーーーーーーーー々ァァァァァーーーーーーーーーー!!!!」

 

ボキャリーマンズ『は?』

 

 □ □ □ □ □ □

 

「────」

 

荷台の奥で伏せている茶々が見えた。この調子なら追いつける。

こんな無茶苦茶なことをするのは、いつぶりだろう。最近はケンカもしていない──いやそもそも禁止令が出されているのだが──格上に挑む時の無理ゲー感を味わうことが快感になっていた。だからこそ──負けようとしない。

とにかくストレスも溜まってたのか、視野が狭くなって他の考えが浮かばなかったのか──

考えるより先に、身体が動いていたのか。

今、ヘボットは、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「──茶ァァァァァーーーーーーーーーー々ァァァァァーーーーーーーーーー!!!!」

 

「!? えっ──えぇ!?」

 

茶々が顔を上げてこちらを見た、見た感じなんともなさそうだ。なんか驚いてるっぽいがまぁいい。

 

「ちょっと車止めてやっから待ってろ!!!」

「ぁ、え、ぅ、うん……!?」

 

運転席まで加速しようとした瞬間、軽トラがさらにスピードを出しやがった。

 

「こんの……ッ」

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

「やっぱりいました!」

「は──はっや!?アイツ何キロで走ってるのよ!?」

 

後輩一号に頼まれて、巨大亀に乗り軽トラを追いかけるドラゴン聖女さん。

その横を並走するにんじん……もとい、アキレス腱さんと後輩二号。

 

「何メートルかは不明ですが、1分弱で追いついていますね」

「オイオイ……俺らといい勝負できんぞ」

 

アキレス腱さんが呆れ気味につぶやく。しかし後輩二号は見逃さなかった。あの猛ダッシュ、かなり無茶をしているのだ。

 

(全く……役割(ロール)を失ってなお、いつまでも元気な方ですねぇ)

 

 □ □ □ □ □ □

 

グチリーマン「ゴロ!もっと飛ばすグチ!追っ手が増えてるグチー!」

 

ゴロリーマン「青ヘボットが全力疾走してきたと思ったら、これどーなっとるゴロ!?」

 

ゲロリーマン「あの女の子が呼び寄せてるゲロ!?」

 

ゴロリーマン「てか止まった方が身のためな気がするゴロ」

 

グチリーマン「なぁに言ってるグチ!あれはきっとテロリストグチ!このおなご守り抜いてたんまり報酬を──」

 

 

 

 

──バン!!!

 

ボキャリーマン『!!?』

 

 

 

ヘボット「────うちの子を返せ!!!!!」ズズズズズ

 

ボキャリーマン『ホギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!』

 

 

☆──\(^o^)/

 

 □ □ □ □ □ □

 

「先輩!茶々さん!ご無事ですかっ!?」

「茶々は大丈夫だけど……」

 

茶々が横を見る。そこには、尻口とカエルと臼(全員目が死んでる)に足を揉ませているヘボットがいた。

靴裏はすり減って平らになり、足は切れ目が入ってそこから千切れたコードが飛び出たりしている。

 

「アーダダダダ……もうぶっちぶちヘボな」

「先輩……!」

「ん~、この足で出せる出力の限界値を上回ったせいですね」

 

ナース服の後輩二号が、ヘボットの足に聴診器を当てる。

 

「完全にズタズタのボロボロ。むしろ一般流通の脚部パーツで、よくあんなことができたものです」

「へへ、それほどでも」

「褒めてないっつーの!」

「ったく、あんま無茶すんなよな」

 

笑うヘボットに、呆れる聖女さんとアキレス腱さん。と、あと一人が、

 

「このっ──うつけッ!!」

 

「!?」

 

茶々さんが声を荒げた。

 

「こんなケガして!!何考えてんの!?この大うつけ!!」

「あァ?お前、誰のせいで──」

 

そこでヘボットは言葉を止めた。

 

「死んじゃったりしたらどーすんの!!あんたの家族とか友だちとか、どんだけ悲しむと思ってるの!?こんな──こんな見ず知らずの人のために……!!」

 

本気で怒っていた。

ちょっと目に涙を溜めて、茶々は本気で怒っていた。

 

「お前……泣いてんのか?」

「泣いてないし、冷や汗かいて目に入っただけだし!」

「ヘボット、からかわないの」

 

へいへい、と返したヘボットは、尻口とカエル(目が逝ってる)の頭を掴んで、体を支えながら立ち、茶々に向き直る。

 

「あのな茶々。見ず知らずだからとか家族とかじゃなくて……っと、俺が助けたいから助けたんだよ。余計なお世話かもしれんけど、……それじゃダメか?」

「……っ!」

 

ぶんぶんと首を横にふる茶々。

まーだ怒ってるみたい。

 

「じゃ、どーしたら許してくれる?」

「……」

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

ヘボット帰宅。

 

「ヘボットさん?」

「なんだよ、今言ったとおりだよ」

「正直に言えばいいものじゃありません!」

 

帰ったらメイドさん──セラさんに怒られた。

何故かというと、買い物から帰ってきたヘボットの足が、キラッキラの新品になっていたからである。

 

「気前のいい人から買ってもらったって……一体なにがあったんです?」

「ケガしたら「そのまま帰るな」って言われて。

あとはガーってなってパッとなってサッと……」

「──ケガ、ほう……ケガですか」

 

瞬間、セラさんの圧が強くなる。いくらヘボットでも視線だけで潰されてしまいそうだ。

 

「ち、違ぇヘボ!言葉の綾ヘボ!その、なんだ、筋肉痛!今日めっさ走ったから!」

「へぇ……ロボットが筋肉痛になるんですか」

「そりゃなるヘボ~!あくまで消耗するものヘボよ!?あんまり無理したからぶちぶちになったヘボ!」

「それは何かを追いかけ回したと言うことですか」

「え?あぁうん、まぁ、見失いそうだったから思わず」

「それは大変でしたね、捕まえられましたか?」

「もちろん、全力で引き止めたヘボ~」

「それから引きずり出してとっちめたと」

「そーそー、途中でスピード上げて逃げようとするから軽く──

オイ!!カメラ止めろ!!!」

 

 □ □ □ □ □ □

 

~大変恐れ入りますが、今しばらくお待ちください~

 

セラ「リーゼリット!!逃がしてはなりません!!殺してでも取り押さえるのです!!!」

 

リーゼリット「あいよー」

 

ヘボット「おま──なにその斧みたいな──ギャアァァァアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

後輩一号「ネジを知らない……?」ガサガサ

 

茶々「うん、()()()()に大体知識とかが入ってくるハズなんだけど全くわかんなくて」

 

後輩二号「ネジ関連の品が多いのはそのせいですかー!?ちょっとBBちゃんには重いかなーと!」ガサガサ

 

茶々「でもものすごく詳しかった気がするんだよね。形もなんとなく見覚えあったような感じするし」

 

後輩一号「そうなんですか……」

 

後輩二号「ねぇ聞いてー!」

 

茶々「着いたよ、叔父上ー!」タッタッタッ

 

 

 

わっかい叔父上「あ!茶々ちゃん!どこ行ってたのさ!」

 

茶々「買い物ー!面白い子が来たから着いてってたの!」

 

わっかい叔父上「ちょ、そんな危ないよ!?」

 

茶々「んーん、危ないところを助けて貰ったの。めちゃくちゃだけど優しい子だよ」

 

わっかい叔父上「へ、へぇ……?」

 

後輩一号「お、叔父上、さん?ずいぶんお若いですね……?」

 

後輩二号(茶々……だとしたら、叔父にあたるのは……)ゼーゼー…

 

茶々「運んでくれてありがとうねー!」

 

後輩一号「いえ、っと……わ!」

 

 

ビュウウウウ──ッ

 

カラ……カラカラカラ──

 

 

茶々「ん……?こんなとこに風車──」

 

「……風車……」ザ─

 

「回る……回ってる……」ザザザザザザザ…!!

 

「回────」

 

 □ □ □ □ □ □

 

「…………」

 

イリヤが帰ってくるなり目に入ったのは、ボッコボコにされて吊されたヘボットとその首にかけられた看板。

 

『この者、禁を犯した者につき鉄槌を下す』

 

「あ、おかえりイリヤ」

「割りと平気そうだね!?」

「ああ、受け身したからな」

「受け身で抑えられるダメージ越えてると思うけど!」

 

そして本編はまだ始まらない。

 

 

とぅどぅく

 □ □ □ □ □ □

 

 

 

茶々「…………」

 

わっかい叔父上「茶々ちゃーん、ネジの間の組み立て終わったよ」

 

茶々「──うん!ありがと叔父上!」

 

「ふっふっふー、茶々の集めてきたもの程じゃないけど、割りといいネジ出回ってるじゃん!やっほー!」

 

「また買い占めちゃうもんねー!」

 

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

白い魔術師「やはり、消せなかったようだね」

 

フィーネ「ダメだった、ネジの情報をデリートし続けてきたが、すぐに元通りになってしまう。耐性があるのも原因だが、そもそも英霊たちは、ネジを異物と認識していないで終幕」

 

ヴィーテ姫「しかし……存在そのものをデリートしてしまっては意味が無い。この世界と次元ネジを切り離すには、その英霊たちの力は必要不可欠です。大量に呼ばれたのは、それが理由のはず」

 

白い魔術師「……その次元ネジの力は凄まじいね。英霊の記憶にすら干渉するなんて」

 

ヴィーテ姫「いえ、私は次元ネジに、そのような力があるなんて全く存じていませんでした。もちろんフィーネも」

 

フィーネ「度重なる襲撃によって得たものか、または全く違う異世界に触れたことでの変化か。それとも──()()()()()が、次元ネジに何か施したか」

 

白い魔術師「いずれにせよ、今の我々では手の打ちようがないわけだ。なんとか彼らに干渉して、誘導するしかないようだね」

 

 

 

ヴィーテ姫「ところで……あの青いヘボットは……」

 

フィーネ「……わからない。周回で誕生したものと考えるのが妥当だが、あれは恐らく……」

 

白い魔術師「次元ネジの歪みを直す存在の片方か。だったら彼を頼れば……」

 

 

ヴィーテ姫「いえ、彼は、あのヘボットは──

()()()()()()()()()()()()()なのです」

 




※今回のお話しには、やりたい放題要素が詰まっていました。

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