東方煙焔記   作:Amaryllis___

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前回から随分と間が空いてしまいました。
申し訳ないと思っていますが反省はしていません、すみませんね…


異界編
目に悪い舘


不可解な化け物をぶっ飛ばした後、タバコに火を付け歩き出した。

しかし、どうにも視界が悪くて本当に出口に向かっているのかも分からない。

真っ直ぐに歩いてるつもりだが、実はフラフラ変な方向に歩いてるんじゃないかとさえ思えてきた。

 

「…なんかイライラしてきたなァ。」

 

そう呟いて新しい煙草に手を伸ばしかけた時、前方に微かな光が見えた。

暗く視界の悪い森の中に浮かぶ微かな光、幽霊でもない限り出口だろう。

 

「っしゃオラァ!しめた!出口だァ!」

 

チンピラのように大声を出し、煙草に火を付けてから光の方へ向かう。

興奮からか煙草がいつもより美味い。

本当にいつも吸ってる煙草なのか怪しいほどだが、独特なメンソールは健在なのでいつものブラスト(ブリザードブラスト)だろう。

 

 

不可解で薄ッ気味悪い森を抜けて眼前に広がったのは霧のかかった広い湖だった。

空気が冷たく、あまりにも美味しい。

 

「こんな所があったのか…」

 

一種の感動を覚え、湖に近づいて水をすくってみる。

とても透き通った綺麗な水だ。アルプスの少女バイジは毎日こんな感じの水を見ているのだろうか。

大自然ってすげぇな…としみじみ思っていたがハッとした。

 

「ってちッげーよ!!ここはどこなんだよ!?」

 

本来の目的を思い出し、改めて辺りを見渡す。

霧がかってよく見えないが、目を凝らしてみると近くに大きな建物があるのが見えた。

人が居るかもしれない。そう思い、オレはその建物に近づいてみた。

 

「…なんだァ…?このクッソ目に悪い程に赤い舘は…」

 

近づいてみて漸く気づいた。

それは外壁の全てが真紅色の極めて目に悪い舘だった。

ここの主は相当赤が好きなんだろう。これじゃまるで血塗れだ、趣味わりぃ…

いつの間にかフィルターギリギリまで燃えた煙草を投げ捨てて環境破壊、新しい煙草に火を付けた。

 

「あ…この特徴的な色合いはラ○ホか?それなら多少は納得かもしれんなァ。」

 

訳の分からない解釈をし、館の門に近づいてみる。

だが受け付けの人間もいなければインターホンもない。

遅れてるとは思ったが、そういう趣向なのだろう。

きっと敷地内にはピンク色の銅像やら看板やらがあるに違いないな。

そう思い、少し躊躇ったがオレは木製の大扉を力強く開いた。

ギィィ…と重い扉の音が響く。

 

「なんだ、庭は普通にオシャレじゃねえか。期待して損したぜ。」

 

完全にこの館をラ○ホだと思っているオレは少しガッカリして玄関の扉を開けた。

それにしても静かだ。誰もいないのだろうか。

扉を開けると大きな広間に出た。

壁は相変わらず紅いが、別段変でもない小綺麗な空間だ。

広間を見渡してると突然目の前に無数の何かが現れた。

 

「うおッ!?なんだァ!?」

 

流石に驚いて声を上げてしまったが、目の前に現れた無数の何かは軽い金属音を立てて床に落下した。

落下したその何かは銀色の刃に青い筒が付いた物だった。

 

「ってこれナイフじゃねえか…おっかねぇな。」

 

驚いたが、そのナイフを拾い上げてじっくり見ていると前方から突然声がした。

 

?「…やっぱり門番の休憩時間は無しにしようかしら。」

 

その声の主は青いメイド服を着た銀髪の少女だった。

このラ○ホの従業員か?管理人ではないだろう、赤い館でこんな青い奴が主なわけがない、しらんけど。

 

「あ?いつの間にそこにいた?」

 

?「あら、下賎な狩人には認識できなかったかしら?」

 

「下賎な狩人だァ…?まぁ、そんな事はどうでもいい。ここがどこなのか教えてくれねぇか?それか電話を借りたいんだが。」

 

癇に障る事を言われ一瞬イラっとしたが、きっとそういう趣向なのだろう(意味不明)

てかラ○ホなら従業員はそんな設定つけなくていいのでは…

 

?「そんなことも調べないでここに来たの?デカい体の割には頭が悪いのね。」

 

「一言二言がいちいち余計だなお前は。どういう趣向なのか知らんが教えてk…って危ねェ!?」

 

イラッとしながらも冷静に改めて質問しようとしたら再び大量のナイフが目の前に現れた。

しかし先程と同じように大量のナイフは金属音を立てて床に落下した。

 

?「…!さっきは私のミスだと思ったけどまたナイフを弾くなんて…何者なの?」

 

「弾いたって…お前が手品か何かで落としてンだろうよ?」

 

?「惚けても無駄よ、投げて駄目なら直接切り裂くだけ…!」

 

「おいおい…随分物騒な事を言うヤツだな…」

 

ナイフを持った少女が「切り裂く」なんて恐ろしい事を言うとは世も末である。最近、若者に流行っているメンヘラというやつだろうか。

こういう設定もなかなか今の若者にはウケるのか…?

そんなことを考えていると突然目の前にメイド服の少女が現れ、ナイフを振り下ろしてきた。

 

「いやホントに切り裂く奴がいるかよゴラァ!」

 

反射的に腕で顔を守ったが、腕に痛みはない。

少女の刃はパリンと音を立てて砕け散った。

どうやら刃のない玩具だったようだ。これは安心設計だな。

 

「なんだ玩具かよ、吃驚したぜ。」

 

?「……腕でナイフを砕くなんて…これは玩具なんかじゃないのに…!」

 

本物だったら俺の腕からはこの館のように真っ赤な血が滴っているだろう。こいつは何を言っているんだ。

それよりもとにかくここがどこなのかを聞かなければだ。

しかし、再び質問をしようとしたら突然酷い頭痛と吐き気に襲われた。

 

「うッ…ガァ…!なん…だよ、急、に…」

 

頭をガンガンと打ち付けるような酷い頭痛。

そして全ての臓器が喉に上がってきたような吐き気に耐えきれず、オレはその場に倒れ伏した

 

?「…?なにをしているの?立ちなさい。」

 

しかしオレは何も言えない。あまりの頭痛と吐き気にただ嗚咽を響かせるだけだった。

 

 

 

そしてオレの意識は暗黒に旅立った…

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