東方煙焔記   作:Amaryllis___

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見知らぬ天井

目が覚めると見知らぬ天井。(このフレーズすき)

気がついたらオレはフカフカの赤いベッドで寝ていた。

暖かく寝心地の良いベッドにもう少し潜っていたかったが、ここがどこなのかをハッキリさせないと安心できない。

仕方なく起き上がり、部屋の中を見渡す。

 

白が基調の清潔感ある洋部屋だ。

ベッドの横にはアンティーク調の机と椅子が置いてあり、壁にはオレが着てた革ジャンがハンガーにかけてある。

机の上には俺の煙草が二箱とジッポライター、財布、ティアドロップのサングラスが置いてあった。

 

「…ここはあの赤いラ○ホかァ?まさか無理矢理事を起こして俺から金を搾り取る気か…ッ!?」

 

こうしてはいられない、早くここから脱出して瑠美と合流しなければ。

そう思って動こうとした時、部屋の扉が静かな音を立てて開いた。

扉の方を見ると、あの青いメイド服の少女がティープレートを持って立っていた。

 

「やめろォ!俺は瑠美しか抱かねェ!」

 

?「何を言ってるの貴方は…具合はどうなの?」

 

「あ…?あぁ…まぁ大丈夫だ…」

 

焦って大声で叫んでしまったが、どうやらオレが想像していたものとは違ったようだ。

会って間もない奴に妙な暴露しちまったよクソが。

 

「ちなみにこれはどういう状況なんだ?お嬢ちゃんが手品を披露してくれてる途中で、急に具合が悪くなった事までは覚えてんだがよ…」

 

そう、オレはこの少女がナイフで手品を見せてくれてる時に突然酷い頭痛と吐き気に襲われたのだ。

 

?「私は十六夜咲夜(いざよい さくや)よ、咲夜でいいわ。貴方は急に苦しみ出したと思ったらそのまま倒れたのよ。それに、そもそもあれは手品でもなんでもないのだけど…」

 

そうか、オレはあのまま気絶しちまったのか。

それならこれも納得だが…

 

「手品じゃないだァ?じゃあお嬢s…あー…咲夜は本気でオレを殺そうとしてた事になるぜ?」

 

咲夜「そうよ。あのナイフは全て貴方を殺すために向けてたわ。」

 

現在地を聞くためにラ○ホに入ったら殺されそうになるとか怖すぎか。

本当にあった怖い話に投稿してやろうかな。

 

「どいつもこいつも物騒だな…それでェ?なぜオレを殺さなかったんだよ。」

 

咲夜「あら…怒らないのね?」

 

「自分の命が狙われるのは慣れてンだよ。んでなんで殺さなかったんだァ?」

 

咲夜「お嬢様…この紅魔館の主であられる方が貴方に興味を持って『丁重にもてなせ』って言ったのよ。」

 

「ンン…?紅魔館ってこのラ○ホの名前か?」

 

咲夜「ハァ…?ラ○ホ…?よく分からないけど、ここは紅魔館、人間が恐れる吸血鬼の館よ。」

 

なんと…どうやらここはラ○ホじゃなかったらしい。

確かによく考えればインターホンも受付もいなかったしな…

 

「…って、あ?吸血鬼ィ?」

 

咲夜「そう、吸血鬼。知らないの?」

 

「いや知ってるけどよ…あれは架空の生物じゃねェのか…」

 

吸血鬼。

架空の生物だと思っていたが実在したのか…

でも確かにこの舘、まさに秘境って感じの所にあるしひっそりと存在していたのかもしれねェな。

 

新たな発見をしたところで咲夜が持ってきた紅茶を飲み干し、煙草を吸ってもいいか聞くと「窓を開ければ大丈夫。」とのこと。窓も開けて、どこからともなく取り出した灰皿を渡してくれた。

 

寛大な御心に感謝。煙草を取り出し、ジッポライターで手際よく火をつける。

煙を大きく吸い込むと肺中に冷たい煙が入っていくのを感じた。

やはり寝覚めの煙草は美味い。煙を外に向けて吐き出した。

 

「ところで、そのお嬢様はなんでまたオレに興味を持ったンだ?珍しい来客だからか?」

 

咲夜「それもあるけど、私のナイフが効かない貴方を面白そうだと思ったらしいわよ。お嬢様の気まぐれにも困ったものだわ…」

 

「そういえば玩具じゃなかったんなら、ナイフで切られたのになんでオレに切り傷一つ無いんだろうな。」

 

「ナイフが効かない」と聞いて咲夜のナイフがオレの腕に触れて砕けた事を思い出した。

本物のナイフであればオレの腕を切り裂かずに砕けるなんて可笑しい。

劣化していた可能性もあるが、あのナイフはどう見ても丁寧に手入れされていた。

そんなマメな人間が劣化した物を使うのは考えにくい。

煙草を吸い終わって吸い殻を潰した後、咲夜から革ジャンを渡された。

 

咲夜「貴方の準備が整い次第、お嬢様の所に行くわよ。大丈夫?」

 

「おう、あんがとな。大丈夫だ、行こうぜ。」

 

咲夜から革ジャンを受け取り、暑いので羽織るだけにしてから煙草やら荷物をポケットに突っ込むんで扉に向かう。

咲夜は窓を閉めてからオレの所に歩いてきた。

 

咲夜「じゃあ、お嬢様の所に案内するわよ。」

 

「おうよ、頼むぜ。」

 

ここの主であるお嬢様と会うことにオレが乗り気なのは、色々とこの辺りに関しての情報や何かしらの手助けをしてくれる思ったからだ。

産まれて初めて吸血鬼を見れるから。というのもあるが…

 

案内してもらいながら、道中で咲夜が色々なことを教えてくれた。

その内容があまりにも衝撃的で、オレは理解するのに時間がかかったが簡単にまとめると

 

この紅魔館は吸血鬼『レミリア・スカーレット』が主であること。

その他に、地下にある大図書館を『パチュリー・ノーレッジ』という魔法使いが『小悪魔』を使役して一緒に管理しているということ。

オレが入った時は居なかったが、本来この紅魔館には『紅美鈴(ホン メイリン)』という中国拳法を武器とする門番が居るということ。

その他、咲夜が率いる妖精メイド達が色々な仕事を任されているということ。

 

紅魔館には『能力』を持つ者がほとんどだということ。

咲夜は『時間を操る程度の能力』を持っているらしい。

ナイフがいきなり目の前に現れたのは、その能力を使ったからだそうな。

 

 

そして最後に…

 

 

───ここは『幻想郷(げんそうきょう)』という世界で、オレが生きてきた世界とは違うということ。

 

 

咲夜と話しているうちにこの館の主、レミリア・スカーレットが居るという部屋の前に辿り着いた。

 

咲夜「失礼します。お嬢様、あの男を連れて参りました。」

 

レミリア「えぇ、どうぞ。」

 

「違う世界。」

それを聞いてかなりの衝撃を受け頭が真っ白になったが、まだ手はあると自分に言い聞かせてオレは咲夜が扉に手をかけるのを見ていた。

金の装飾が施された立派なアンティーク調の扉は重い音を立てて開き、広く豪華な広間を展開した。

 

 

レミリア「初めまして、葛城龍二。歓迎するわ、ようこそ紅魔館へ。」

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