要注意
・ガチチートです
・残酷な描写があります 苦手な方は目を瞑って読んでください
・エロ要素あります 別にそういったシーンがあるわけでは無いですがモンスターに襲われる過程での描写は書きます 苦手な方はガン見してください
・作者ロリコンで男嫌いです 女の子しか基本出てこないと思ってください
「ぁ...あぁ...」
目の前が薄暗くなる。頭はくらくらとしてきて体は焼き切れるような熱さが襲ってくる。耳鳴りの音に混じって誰か名前を呼ぶ声が聞こえるような気がするがそんなことに構っている余裕は無い。死にたくない、死にたくない死にたくない死にたくないシニタクナイシニタクナイシニタクナイ......。たった二十数年生きただけなのに、女の子を助けようとしただけなのに、まだやり残したことだってあるのにこんな所で...。だが非情にも現実は私を、死の道へと追いやった。
《ここは...どこだろう、何も感じないけど...あぁ、私確か車に轢かれたんだっけ?あーあ、私まだ彼氏もいなかったのに、せめてもう数年あればなぁ》
(汝、力が欲しいか?)
《んぇ?何?今の声》
(汝、力が欲しいか?どんな世界をも救える、力が欲しいか?)
《力?うーん、手に入れられるなら欲しい...かな?》
(了解した。汝、魔の世界でその力を振るうがよい)
《え?魔の世界って言った?...ねえ!》
声はそれ以上何も言うことは無かった。私の意識は渦の中へと吸い込まれるように消えていき、私の第二の人生が始まりを告げた。
「あぅ...ん...んん〜っ!」
ごつごつとした感触と変な肌寒さで私は目を覚ました。一瞬の眩しさから見えた景色は見知らぬ洞窟。眩しかったのは湖の水の反射だった。
「どこ?ここ...洞窟?え?」
自分が何をしていたのか、何者なのか、そもそもここはどこなのか、何も思い出せない。手は、ちゃんと五本指がある。
「あ...水...」
水辺へと行き、自分の姿を確認する。そこに映し出された私の姿は、頼りなさそうな幼げの残る女の子。髪は、深い青で少し長いくらい、目は紫色、着ている衣服はみすぼらしいもので持っているものは何も無い。
「どうしよう...こんな所で、1人なんて」
周りを見渡すが見えるのはごつごつした岩肌だけ...、
「あれ?花?」
自分から見てちょうど対岸側、ほんの小さな花畑のような場所が見えた。私はなんとか対岸に行ける場所がないか見る。
「あ、あった」
左手に道が見えた。私はそこから花の集まっている場所へ。
「この花、綺麗だなあ」
黄色の花弁を付けた花がいくつも集まっていた。その花を両手で優しくひとつ手に取る。
「え...これは...麻痺花草?」
手に取った瞬間、この花がどんな種類か、効果や性質等の全てが頭の中に流れ込んできた。
「食べることは...できない、はぁ...そういえばお腹空いたなぁ」
思い出したように空腹感を覚えた。湖でとりあえず水を飲んで空腹感を紛らわす。そこでもこの水の事が頭に情報が収納されるように流れ込んだ。
「っ!?何!?」
パラッと石が弾けたような音に私は警戒をした。何か変な気配を感じる。私なんかが襲われたら何も出来ずに殺されかねない。足音をたてないように岩陰へと隠れる為に大きめの岩へにじり寄る。岩までは大体15mくらい、少しずつ少しずつ私は緊張で破裂しそうな胸を抑え、歩みを進める。
(もう少し、もう少し!)
あと10m、8m、6m、そして、
(よし、着いた!)
そう思った瞬間、パシッ!という石が破裂する音。あっ、と思った時にはガサガサっという音がこちらへ物凄いスピードで近づいてきた。
「あう...あっ...」
その音の正体は自分より遥かに大きな体躯のワニのようなモンスター。
「グゥルルル...」
青みがかった灰色の鱗は硬さを表したように光を反射している。モンスターは威嚇しているかのように唸り声を上げて警戒しているかのように私の様子を伺う。私はというと、腰が抜けてただ地べたにへたりこんで怯えていた。
「グルルァァァァ!!」
モンスターが吠えた。大気が震え、ビリビリとした振動を私は頬に感じとる。声が出ない。気づかないうちに失禁をして私は逃げることも出来ずただ泣きながら死を待つだけのものと化していた。
(もうダメだ...死ぬ!死んじゃう!)
モンスターの大口が近づいてくる。私は目を閉じてただ祈った。
「弱き者、命が惜しいか?」
声が聞こえた。私が喋った訳では無い、声はすぐ近くから聞こえた。
「無視をするでない、俺に喰らわれたくなければ答えろ」
声はモンスターから発せられていた。私はモンスターを見て恐る恐る答える。
「は...は、はい...まだ、死にたくないです」
「ならば弱き者よ生きるにはただ一つ、この俺、水神竜ポセイドンに忠誠を誓え、さすればお前に水神の加護を授けよう」
「忠誠、ですか?」
「そうだ、断るなら今すぐにお前を喰らって次の獲物を待つ、忠誠を誓うなら我はそなたに力を授けよう。さあ、どうするか答えよ!」
そう言ってポセイドンはまた吠えた。どうするかなんて私に合ってないような選択肢だ。
「その...誓います。死ぬのは、嫌ですから」
「良いだろう。弱き者よ、名を何と申す」
「名前は...わかりません...思い出せなくて」
「ふむ、ならば俺が付けてやろう。弱き者、神から名を与えられるというのは加護ではなく契約になる。神との契約は力を全てその身に宿すという事だ、それでも良いか?」
聞いた感じでは悪くない話にしか聞こえない。そもそも私には首を縦に振る以外の選択肢なんて無いのだ。
「は、はい...大丈夫です」
「よかろう、汝の名は今よりマナ!ポセイドン=マナだ!そして神の名を冠したことにより我をその身に宿し、この力存分に振るうがよい!」
ポセイドンが高らかにそう告げるとその体躯が淡い光に包まれる。その光は私の胸まで来ると私も同じように光に包まれた。
(あ、熱い...!)
濁流のように何かが私の胸に流れ込んでくる。頭の中には津波の渦のようなイメージが目まぐるしく形を変えて頭の中で渦をまく。そしてそれは1つの形となって私の目の前に-、
「っ!?はぁ...はぁ...はぁ...」
すぐに現実に引き戻された。目の前にいた巨大な神はいなくなっていて体を見てみるも特に変化はない。
(何も変わってないよね?)
私は試しに手のひらを水辺へと向ける。まあこれで何か起こるわけなんてない、もし水なんかが出てくるならば-、
「...え?」
力を入れて水が出てくるイメージを浮かべ、実行した。すると手のひらから巨大な水柱が湖へと突き刺さった。
「何...?今の...」
自分でも何が起こったのか分からなかった。手からドバーッと水が出てそれが湖に流れたのだけは認識できた。
その後も色々と試したが小魔法からかなり強そうな魔法まで使えるようになっていた。ただ基本は水魔法で後は黄色い粉を振りかける魔法くらいしか使えなかった。
どうすればいいかはわかりませんが、私はこうして神と契約を交わし洞窟の中で迷える魔法使い(?)に異世界転生してしまったのです。