NARUTO日向ネジ短篇集   作:風亜

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 ゲームのナルティメットストーム4はやってないんですが、動画でネジの死んでしまうシーンを見た時、こう言ってはなんですがアニメより綺麗に、微笑んだまま死んでいったように感じました。流血の描写や、挿し木に貫かれてないように見えたからでしょうけど。
この話のネジが亡くなったシーンは私的に、ゲームの方のイメージが強いのでご了承下さい。

震える手をナルトの肩に置き、それからずり落ちていった手が、全てをナルトに託したようでした。ネジにとっては、ヒナタとナルトを守れた事で満足だったのかもしれませんが、やはり亡くなってほしくなかったです。


※追記(初期の頃に書いた話なので拙いです)


向日葵畑に還る

「ナルト君、今ちょうど見頃だから、向日葵畑に行ってみない?」

 

 晴れて恋人同士となったヒナタから、ナルトは誘われた。

 

 

──── 一面に、見事な向日葵畑が広がっていた。

 

 

「ヒマワリの漢字ってたしか、日向入ってたよな。…あれ、逆だっけ? どっちにしてもヒナタにぴったりの花だな!」

 

「ふふ、ありがとう。……でも私にとっては、ネジ兄さんのイメージが強いの」

 

「へ? ネジの……?? オレにはあんまイメージわかねぇってばよ」

 

「ナルト君は、知らなかったでしょうけど……ネジ兄さん、向日葵の花が好きだったんだよ」

 

「そうだったのか…! どうりで夏は、ネジの墓によく向日葵の花をヒナタが供えてたわけだってばよ。単に、季節の花だからだと思ってた」

 

「ほんとはね、口止めされてたの。自分のイメージには合わないだろうからって……。でも、今さらにはなっちゃうけど、ナルト君には知っておいてほしいと思って」

 

「そっか…、教えてくれてありがとなヒナタ。オレもネジに向日葵の花、供えてやらないとな! …ヒナタにだけは、前から打ち明けてたんだな、その事」

 

「うん……兄さんが上忍になって、長期任務も多くなって、一緒にいられる時間も減った中で、珍しくネジ兄さんから誘ってくれた事があったの。『───今、ちょうど見頃ですから、向日葵畑を見に行きませんか』って……」

 

 あの日もこんな風に、一面すごく綺麗に咲き誇ってた。向日葵畑を眺めるネジ兄さん、とても穏やかな表情をしていて、私は思わず見とれてしまった。

 

……私の視線に気づいてネジ兄さんは、微笑みながら打ち明けてくれたの。

 

『父様…父上と、一度だけ向日葵畑を見に訪れた事があったんです。幼心にも、とても綺麗だと感じました。───何より、父上が向日葵畑に連れて来てくれた事が、嬉しかったんです。その時から…、俺は向日葵の花が好きなんですよ』

 

 今まで見た事ないくらいの優しい表情で、ネジ兄さんはにっこりした。……それがまるで、私には向日葵の花がほころぶように見えたの。

 

『今までの、自分のイメージには合わないでしょう』って苦笑もしてたけど、ちっともそんな事なかった。

 

ネジ兄さん、普段はそう見えないようにしているだけで、向日葵のように明るく笑う事が出来るんだもの。

 

 

『───向日葵のイメージは、ナルトの方が近いですよね。笑顔が眩しくて、いつだって周りを明るく照らす……。そんなあいつが、羨ましくもありますよ。ナルトのお陰で、俺は闇の中から光を見出だせた。

 

───運命がどうとか、変われないとか、そんなつまらない事をメソメソ言ってんじゃねぇよ。と…、俺を引っ張り上げてくれたんです。うずまきナルトには……本当に感謝していますよ。本人の前ではどうも、素直に礼を言えませんけどね。

 

…あ、ヒナタ様。この事はどうか、ナルトには言わないでおいて下さいね。あいつはすぐ、調子に乗りますから。何よりあいつ自身、忘れているかもしれませんしね』

 

 

「───忘れるわけ、ねぇってばよ。あの時のお前の、胸がつぶれるような怒りと悲しみを向けてきたその瞳の中に、小さな子供が独りぼっちで泣いてる姿が見えたんだ。……ほっとけなかった。オレもずっと、独りだったから」

 

 だから無理矢理、約束したんだ。オレが火影になって、日向を変えてやるって。

 

なのに……約束果たす前に、ヒナタとオレを守って、オレの腕の中で、死んじまいやがった。最期、微かに笑ってた。満足そうな、穏やかな顔して────ふざけんなよ、オレはまだ、火影にもなってねぇのに。

 

どうして、オレの為にそこまで…って聞いた時、『お前に……天才だと、言われたからだ』って、言ってたけど……それってオレがネジに、"天才だ"と言ったから、死んじまったみたいじゃねぇか。

 

 

 …あのね、ナルト君。ネジ兄さんは、こんな事も言ってた。

 

 

『俺は───日向としては才があったかもしれない。けれどそれ以外、とるに足らない凡小に過ぎないんです。それでも……あいつは無邪気に、俺を"天才だ"と言ってくれる。俺より天才的な存在など、幾らでも居るというのに。

 

だからせめて俺は、ナルトが認めてくれた"天才"でいようと思うんです。その力が、いつの時も、大切な存在を守れるように』

 

 

 

 愛おしげに一輪の向日葵に触れながら、ネジ兄さんはそう言っていた。───だからこそ、命をなげうってまでナルト君を守ったんだよ。

 

 

 ……違う。ネジは本当はオレじゃなくて、先にオレを守ろうとした、ヒナタを守りたかったんだ。

 

 

 ナルト君と私は、ネジ兄さんに大切に想われていた。その事実は、変わらないよ。

 

いつだってネジ兄さんは、私達の中に居てくれる。そんな兄さんを心配させるより、安心させてあげよう。ネジ兄さんが私達を繋げてくれた、これからの未来のために。

 

 

 そう…だよな。オレはこの向日葵畑に……ネジに誓う。ぜってぇお前の分も、オレ達は幸せになるからな。見ててくれよ、ネジ。

 

 

 

《終》

 

 

 

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