やはり俺が転生するのは間違っている。   作:スライムじゃないよ?

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三話『初仕事』

「ここで森は終わります。この先にガゼル・ドワルゴが治める国。武装国家ドワルゴンがあります。貴方の足なら1時間程でつけるでしょう」

 

森を歩いて数分。森を抜ければあとはサヨナラらしい。いや別に良いんだよ?でもさ国の片鱗も見えないんだが?砂漠のような荒地なので遠くまで見渡せるのだがそれでも国何て見ない。遠くに木々が見えるくらいだ。

 

「...国なんて見えませんけど?」

 

「歩いたら1ヶ月ほどかかりますから。足が速いと言われている魔物の牙狼族でも急いで二週間はかかるでしょう」

 

その足が速い魔物でも二週間かかるのに俺は1時間で着くとか絶対嘘だろ。めんどくさくなっただけだろ。 

 

「というか魔物なんているんですか?」

 

「ええ、いますよ。この世界には魔物、天使、悪魔。人間で無いと言えば私もそうですね。それに先程の武装国家ドワルゴンはドワーフの国です」 

 

蕾から現れて人間とは思ってなかったけどまさか本当に人間以外が存在しているなんて...見た目からしたら殆ど人間と変わらないのに。地面が抉れるレベルの攻撃してくるけど。

 

「危なくは無いんですか?」

 

「武装国家ドワルゴンの中では殺傷や戦闘行為を禁止しています。中立国と言われています。それを可能にしているのは現在の王であるガゼル・ドワルゴの力が強大だからと言われています」

 

はあ..小町に会いたい。なんでそんな怖い人の所に行かなきゃいけないんだ。いや会う必要は無いんだけどさ。それより遠くてつかないだろうし。

 

「中に入れば安全って事ですか?」

 

「その通りです。それでは私はこれで」

 

その言葉と共に消えるトレイニーさん。森の中を移動中に無理矢理覚えさせられた。名前で呼ぶとか無理だから樹妖精さんって呼んだら怒られた。それは種の分類であり名前ではないらしい。最後の言葉の名前があるのだから名前で呼んでください。と鬼気迫る感じに言われたのが気になるけど。

 

それから走ること2時間。巨大な門の前に長蛇の列が見える。ん?走ってきたシーン?そんなものはない。風を切るようにだとか、速さに慣れなくて吐いたとかそんな理由からじゃ無い。

 

「あー?何でこんなところに魔物である子鬼族がいるんだ?」

 

「つーかまだ中じゃねーし。やっちまっても問題ないだろ?」

 

列に並ぼうとしたら二人組の格好からすると冒険者か?列に並んでいた緑色の皮膚に小さな体。子鬼族と言うらしい魔物に武器を向けていた。

 

「ヒィっ...ま、待って欲しいっす。ジュラの森からようやくたどり着いたんす!見逃してくれないっすか?」

 

「何言ってんだ、この子鬼族は。そんなの関係ないっつーの」

 

「そうそう。んじゃ皆の為にもやりますか。俺等冒険者だからな」

 

周りに並んでいる人達を見ると冒険者に対して嫌悪や迷惑そうな目を向けている。それに気になるのは、トレイニーさんより魔物ぽい子鬼族でも喋れている事だ。先程森の中で言語は翻訳されていると便利スキル『異世界からの加護』に聞いているので人間の言葉を話さなくても俺には分かる。だが周囲の人にも子鬼族の言葉は伝わっている。言語能力を有しているということか。それよりも喋る人間の子供サイズの子鬼族の死体とか見たくない。だからこれは俺の為にやる行為だ。

 

「おい、そこの二人組。うるさいぞ」

 

一言で子鬼族に向けられていた視線は此方に向けられた。武器を此方に向けてくるが、負ける気がしない。全然威圧を感じないしジュラの森から走ってきた事が少し自分の自信になっている。

 

「おい兄ちゃん。子鬼族なんか助けようとしてどういうつもりだ?」

 

今更だが魔物って国に入れるのか?でも、ドワーフの国なら問題無いのか。

 

「目腐ってるし魔物じゃねーのか?ああ?」

 

俺の目はそんなに酷いレベルなのか?そうじゃないと信じたい。

 

冒険者の一人が大剣を振り上げて降り下ろしてくる。余程自信があるのか終始ニヤケながら行う動作は足を一歩引くだけで避けられる。相手の攻撃が遅い。まるでスローで動いているみたいに感じる。暫く避けていると冒険者二人の呼吸が荒くなっていた。全然疲れを感じていないが正直どうやって倒せば良いのか分からないでいた。相手の冒険者は人間だ。下手に攻撃して殺してしまうのが怖い。それだけ自分の力を使いこなせていない、ということだが。これは、これからの課題だ。

 

「はあはあ...なんなんだこいつ!全部避けやがって!」

 

「くそっ!逃げ足の速い奴だ!」

 

「あのーそろそろ諦めてくれないっすかね?」

 

こんな攻防を繰り返していてもしょうがない。何故か諦めるつもりがないらしい冒険者二人組。どうすれば良いと思う?

 

【解。相手から20メートル以上離れて半分以下の力で空を殴れば風圧で飛んでいきます。20メートル以上近付くと威力が高過ぎて胴体に穴があきます】

 

怖っ、何その説明。50メートル離れた所から空を殴る。見えない風圧が冒険者二人を吹き飛ばしていく。100メートルは飛んだんだが...20メートルってどんだけ飛ばす気だったんだ。

 

「あ、ありがとうっす!ジュラの森から歩いてきて、やっと着いたのに目的も達成出来ずに帰る所だったっす」

 

「気にすんな。耳障りだったからやっただけだ。お前の為じゃなくて俺の為にやったんだ」

 

「か、カッコいいっす!」

 

は?目をキラキラさせながら此方を見てくる子鬼族。どういう状況だよ。中に入ると子鬼族とは別れた。ジュラの森に村があるらしく何れ来て欲しいと言われたので適当に流しておいた。出来ればジュラの森には近付きたくなかった。

 

問題が起こった。

 

それは、お金が無いことだった。

食べ物も宿もある。だがお金が無ければ何も出来なかった。

 

仕事をするにも募集をしている様子は無い。何これ詰んでない?

 

「それにしてもまいったな」

 

「ああ。あのくそ大臣のベスターの奴、また無理難題を言って来やがって!全然たりやしねえ!」

 

何かトラブルか?少し不躾だが扉が開いていたのでお邪魔すると髭を生やしたドワーフのおじさんが一人騒いでいる。

 

「ん?お前さんは誰だ?今忙しくてな悪いが依頼なら今度にしてくれるか?」

 

どうやら店のようで客だと思われたようだ。

 

「何か困り事ですか?」

 

トラブルを避けてきた俺がトラブルに自ら行こうとしている。ほんと、藁にもすがるとはこういうことか。

 

「ん?ああ。鉱山に魔鉱石を取ってきて貰う予定なんだがな。この国の自由組合に相談して冒険者を雇うべきなんだがな。鉱山にアーマーサウルスが出たって情報が入ったんだ。アーマーサウルスはランクB-だ。そんな魔物を倒せる冒険者を雇えばうちの店は廃業だ」

 

これは...チャンスじゃないのか?アーマーサウルスがどの程度の相手か知らないが出ない可能性もあるし。

 

「その護衛。俺にやらせてくれませんか?」

 

「...お前さん。冒険者なのかい?」

 

まあそうなるよな。俺だっていきなり現れた相手にこんなこと言われて信用できるか?と聞かれればNOだ。なんなら諦めるまである。

だが信用は得られないが力の信頼なら得られることは出来る。それだけの力はあるし自信もある。

 

「冒険者じゃないですけど。自信はあります」

 

「そうかい...。それじゃ見せてくれるかい?折角の好意に悪いんだがな、護衛対象が俺の大切な兄弟たちなんだ。半端な奴には任せられねーんだ」

 

俺だって小町の護衛に付かせるならわけわからない奴より一流の冒険者を付かせる。それでも俺の力を見せて欲しいと言ったのは、それだけ追い込まれているということだろう。

 

「そうですね。それじゃ」

 

その言葉と共に一瞬でドワーフの後ろに回り込む。床が少し陥没しているが許してもらいたい。まだ力の制御は上手く出来ないんだ。

 

「.....文句なしだ。旦那。あんたを頼らせてくれ、それと疑ってしまってすまなかった」

 

律儀に謝罪をするドワーフに慌てて気にしてないと言葉をかける。失敗する気はなかったが尚更失敗出来ないと握手を交わしながら心に誓う。

 

「俺の名前はカイジンっていう。よろしくな旦那」

 

「旦那は止めてください...俺の名前は比企谷八幡です。こちらこそよろしくお願いします」

 

それから護衛対象の紹介が始まった。

右から長男のガルム。腕の良い防具職人。次男のドルド。細工の腕はドワーフ随一と有名な男だ。三男のミルド。寡黙な男だが、器用に何でもこなす。建築や芸術にも精通している。

 

この人達それぞれが店を出せるほどの職人らしい。色々あってカイジンの元でこのように魔鉱石を集めていたり物資を入荷したりしているが詮索はやめておこう。カイジンもあまりこの話をしているときは辛そうな顔をしていた。聞かなくても良いことなら聞かない方がいい。

 

「それで比企谷の旦那。依頼料はどうすればいいんだ?恥ずかしながらあんまり払えないぞ?」

 

「通常の雇う人の半分の賃金と出来れば衣食の確保をお願いしたいです」

 

「それだけで良いんですかい?」

 

冒険者にはランクがあるらしい。そのランクが最低ランクの冒険者に支払われる賃金の半分と衣食の確保はそこまで値段がかからないようだ。

 

「はい。今は無一文で死活問題なんです」

 

「そんな事なら御安い御用だ。住む場所ならうちに住んでくれ。部屋はまだ空いてるんだ。食事も用意しよう」

 

こうして比企谷八幡は仕事を見付けて衣食の心配はなくなった。後は働くだけである。

 

「はあ....」

 

「どうしたんですかい?」

 

長男のガルムが聞いてくる。

 

「いやすっかり俺も社畜になったなって」

 

「うん?社畜って何ですか?」

 

「...........」

 

社畜という言葉を知らなかったのか次男のドルドが聞いてくる。三男のミルドは先程から首を動かすだけで喋らない。それでも何となく言いたいことが伝わってくるのが不思議だ。

 

こんな状況も悪くない。おかしくもそんなことを思っていた。

 

【『孤高の魔王』の効果により身体能力が75%低下します】  

 

「.....は?」

 




スキル能力紹介。

ユニークスキル『異世界からの加護』
⚪リムルの持っている大賢者のスキルと身体能力を3.15倍上昇。


ユニークスキル『孤高の魔王』

⚪自分の持っているスキルを10倍に跳ね上げるチートスキル。
⚪仲間が増える毎に身体能力が25%低下する。0%以下にはならない。0%は体に力が入らず動けない状態。
⚪妖気は変わらない。
⚪仲間の認識。▶八幡が大切だと、護ると思った特別な存在。なので名付けをしたとしても特別な存在じゃなければ身体能力は低下しない。一緒に行動をしない場合は低下しない。


※ノロウイルスにかかってしまった為に更新が遅れています。待っているかた本当に申し訳ございません。もう少しで回復しますのでお待ちください。
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