やはり俺が転生するのは間違っている。   作:スライムじゃないよ?

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遅れてしまい申し訳ありませんでした。ノロウイルスにかかってしまい何も出来なかったのです。そして今回は少し急ピッチ感が半端ないです。


四話『魔王』

身体能力が75%低下した状況で洞窟までやってきた俺は内心焦りに焦っていた。スキル『魔力感知』のおかげで敵が何処にいるのか洞窟内の様子が暗くても分かる。だが身体能力75%低下した状況がどれ程のダウンなのか分からない以上はアーマーサウルスとの戦闘は避けたかった。カイジンが言うには巨大な鎧を纏った蜥蜴らしい。洞窟内にいるのは3体のアーマーサウルス。4m程の大きさの蜥蜴が歩いている。

 

「比企谷の旦那。この辺の魔鉱石は取り付くしちまったみたいだ。もう少し奥に行かないか?」

 

ガルムが聞いてくる。このまま奥に進めばアーマーサウルスの一体と鉢合わせする確実に。出来れば行きたくないがそれでは依頼は達成できないだろう。

 

どうにかならないか?

 

【解。固有スキル『潜伏者』(ステルスヒッキー)を使用すれば認知されなくなります。また発動中に触れている者も同等の効果が得られます】

 

ステルスヒッキーってスキルになってたのか...。

 

「ガルムさん。相談があります。この先にアーマーサウルスがいますが俺のスキルに姿を認知されなくなるものがあります。なので俺に捕まって貰えれば安全に採掘出来ると思いますが、それでも良いですか?」

 

「ああ、俺達は構わないよ」

 

「細工はしておかないとな」

 

「............」

 

ミルドは何も言わないが良いって事は伝わってくる。

 

「それじゃ奥に行くので俺に捕まってください」

 

【固有スキル『潜伏者』(ステルスヒッキー)を使用しますか?】

 

【YES NO】

 

YESだ。

 

正直何も変化が見られないので発動してるのか不安だが奥に進んでみるしかないだろう。

 

『魔力感知』を使用しながら奥まで来るといるのは分かっていたが実際に目の前で見るのじゃ恐怖が全然違っていた。目の前にいるのは巨大な蜥蜴。否。怪物だ。目の前を通っても此方を見ないので完全に認知されていないようだ。

 

「...どうやら姿は見えていないようですね」

 

「今のうちに魔鉱石を回収しましょう」

 

時間はかかったが魔鉱石の回収も終わり店に戻ってきていた。

 

「おお!比企谷の旦那無事でしたかい!」

 

「一応集めてきました。これだけあれば足りますか?」 

 

「ああ。問題ねえ!お前逹直ぐに取りかかるぞ!」

 

カイジンの声と共に三兄弟も仕事に取りかかる。

 

【ユニークスキル『孤高の魔王』の効果が切れました。身体能力が元に戻ります】

 

どうやらパーティーが解散されたことにより身体能力も戻ったみたいだ。

 

仕事を始めたカイジン達の邪魔にならないように外に出るが辺りは夕暮れになっていた。賑わっていた街並みも影を潜めて家に灯りが灯っている。カイジンには、あまり遅くなる前に帰ってくると伝えてあるし確かめたいこともあったので先程の洞窟まで移動する。

 

五分ほどで着いた洞窟の前で体を軽くほぐす。この体にも慣れてきたのか酔うことも無くなった。ガルム達と来たときは2時間くらいかかったが五分で着いたんだ。速さが分かる。それでも本気で走った訳じゃないんだから自分の体に驚いていた。先ずはスキル『魔力感知』を発動させた。洞窟内に感じられるアーマーサウルスの気配が3体。昼間と同じ数だ。後は。

 

『潜伏者』(ステルスヒッキー)を使用しますか?】

 

YES。

 

自分が出来ることと出来ない事の区別。そして自分の力がどの程度のものか確認しておきたかった。

 

『魔力感知』を発動させて歩くこと10分。

 

目の前には巨大な蜥蜴が一匹。先程の恐怖心は無いが、それでも少し気後れしてしまう。目の前に移動してみたり、近くで叫んでみたり、背中に乗ってみたりしたがアーマーサウルスが気付いた様子は無かった。『潜伏者』(ステルスヒッキー)の能力は大体わかった。次は、と。

 

アーマーサウルスの背中に乗って拳を握る。人を殴った事も無い俺がどう殴ればいいのかなんて分からない。ただ、真っ直ぐに握った拳を思いっきりアーマーサウルスの背中に向けて振り落とした。

 

瞬間。

 

地響きが鳴り響きアーマーサウルスは影も形も無くなっている。あるのは大きく陥没した地面。巨大な隕石でも落ちたのか?そういう疑問が残る地面だけ。

 

「は?....は?」

 

二度も疑問符を口にするのは初めてだ。だがそれでも現状を作り出した自分に納得が出来なかった。

 

【スキル『地轟獄破』を獲得しました】

 

いやただ殴っただけなんだが。

 

そんな時だった。この状況に焦り、妖気も特に抑えずに殴っていた俺は気付かなかったんだ。空から滑空してくる、魔王の影に。

 

ドォオオオオオン。という轟くような轟音を撒き散らし洞窟の天井をぶち破って何者かが目の前に降りてきた。いや、落ちてきた。夕暮れだった景色も月明かりに照らされている。思ったより時間は過ぎていたようだった。

 

「今のは何なんのだ!!強い気配を感じたぞ!だから魔王である、このワタシ!ミリム・ナーヴァが会いに来てやったぞ!」

 

いきなり現れたツインテールの少女が何か言ってるんだが...というか魔王って?洞窟の天井をぶち破ってきた時点で嫌な予感しかしない。カイジンも待ってるだろうし。

 

「おい!お前どこに行くんだ!?移動するならワタシも連れていけ!!」

 

「いや何でだよ。てか帰るんだよ、もう暗いだろ?」

 

星空を指差しながら言う。何か考えてるけど、本能が告げている。逃げろと。

 

「それじゃワタシもついていくのだ!」

 

「...親いるだろ?まだ子供なんだから早く帰らないと」

 

「ああ?お前今なんて言った?ぶち殺されたいのか?」

 

その言葉と共にミリムという少女の肢体がブレる。本能的なのか全力で後ろに下がると今まで自分が立っていた部分に深々と足がめり込まれていた。

 

「あれ?お前中々速いな。絶対に骨を砕いたと思ったのだが」

 

そう言いながら怪しく瞳を揺らす目の前の少女。怖い。

 

「ちょ、ちょっと待てって。何でそんなに怒ってるんだよ」

 

「...子供だと言った」

 

「それだけ?」

 

その瞬間。またもや少女の肢体がブレる。そして突如少女の背中が紫色に光だした。それはまるで流星群のごとき光を放ち一瞬で俺に向けて降り注いだ。

 

「『竜星拡散爆』」

 

その言葉と共に残ったのは俺だけだった。洞窟は姿を消していた。俺自身よく自分が生きていると思うが必死に避けていたとだけ言っておこう。

 

「な!?どうしてまだ生きてるのだ!」

 

運が悪かったら死んでただろうな。というか見えてなければ死んでた。確実に。

 

「結構本気だったのだぞ!やるな!お前!」

 

なんか上機嫌なんだが...なんなんだこいつは。

 

「えーと...もう帰っても良いか?」

 

「うう、もう帰ってしまうのか?」

 

見る見る目に涙が溜まっていく。だがそれ以上に、拳に闘気オーラが溜まっていく。これ以上は不味い。そう思った俺は提案を出すことにした。

 

「今日はもう遅いからな。その代わりまた明日来るから。それじゃ駄目か?」

 

「本当か?」

 

「ああ」

 

溜まっていた涙は消え、一緒に拳の闘気も消えていた。

 

「分かったのだ!約束だぞ!...あ、そうなのだ!名前はなんて言うのだ?」

 

「比企谷八幡だ」

 

「八幡か!待ってるからな!」

 

呼び捨てかよ..。そう思いながらカイジンの家に戻っていた。

 




おまけ。

カイジンの家に戻っていた俺は現在ご飯を食べていた。

「旦那今日は本当にありがとうございました!おかげで、なんとか間に合うぜ」

「明日も頼みましたよ!」

「比企谷の旦那がいれば安心だ」

「......」

この状況で洞窟が無くなった。とはいいずらいな....。
俺は静かにカイジン達に心の中で手を合わせるのだった。
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