りっく☆じあ~す×艦隊これくしょん×ソラヒメ×ドールズフロントライン 戦場を駆ける乙女達 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
「無人だと?」
〈ねむろ〉FIC(統合作戦司令部)で、土居内陸将補はそう口を開いた。
「はい、見事にもぬけの殻です」
RMB-93手動散弾銃の肩に載せたルンビ(戦術人形RMB-93)がコータムⅡ通信機に向かって言った。
「無人か……」
「外部からの停止コマンドを受け付けなかったから、技本の連中は誰かが乗っている可能性が高いと言ってましたね」
FICでは、指揮官達が大型ディスプレイを見ながら話し合っていた。するとそこへ、緊急連絡が入った。
【スラッガー16からアルカディア。エマージェンシーコール。エリアYG-1628に深海棲艦らしき反応、数6。レーダーコンタクトのみ、目視での確認は行っていない】
「アルカディア了解。御剣空将補、44空にスクランブル、対水上戦闘用意発令」
「了解、スクランブル!」
「総員、対水上戦闘よぉーい!」
〈ねむろ〉の飛行甲板が慌ただしくなる。F-35BX艦載戦闘機へとパイロットと整備員が駆け寄り、パイロットは機体から伸びる梯子を駆け上がる。整備員が周囲の安全と機体を目視で確認、翼下に2発ずつ提げられたAAM-5視程距離内空対空ミサイルとAAM-6視程距離外空対空ミサイルとJSM空対艦ミサイル、兵器倉内の2発のGCS-2滑空爆弾の安全ピンを外す。機体後方のジェットブラストディフレクターが立ち上がり、パイロットは目視で確認、「エンジン始動」という意味のハンドサインを出して補助動力装置を作動、P&W/IHI F135-PW-600ターボファンエンジンに火を入れた。そして、サイドスティックを操作し、各動翼を点検、リフトファンハッチを開いてリフトファンを始動する。
〔グラウコス03、クリアードフォーテイクオフ〕
「グラウコス03、テイクオフ!」
車輪止めが倒れ、F-35BX艦載戦闘機が走り出す。そして、艦首のスキージャンプ台で飛び上がった。
「深海棲艦がこっちに向かってる……!?」
統合混成連隊長の須江原3等陸佐が、無線からの声に目を見開いた。
〔今F-35とその他をスクランブルさせているが、深海棲艦も艦載機を上げた。恐らく間に合わない、何とか耐えてくれ〕
「……了解」
須江原3等陸佐はコータムⅠ通信機の多機能ディスプレイを起動させ、位置関係を把握する。東馬島の北西240kmに第7護衛隊群、東馬島の北東90kmに深海棲艦の艦隊。
「全員聞いてくれ。今こちらに深海棲艦が近付いている。〈ねむろ〉から増援が緊急発進したが、深海棲艦の航空機が先に到達するだろう。これより我が統合混成連隊は対空戦闘用意を行う。総員掛かれ!」
〔連隊長、敵艦隊はどうするんだ?〕(長門)
「現状どうも出来ない。艤装も地対艦ミサイルも〈ねむろ〉に置いて来ているからな。とにかく、塹壕掘りだ。……こんな事になるんだったら、施設隊も連れてくるんだったな」
4機のF-35BX艦載戦闘機はアフターバーナーを焚き、超音速飛行を行う。
深海棲艦の艦隊を光学複合センサーで捕捉、兵器倉を開く。そして、GCS-2滑空爆弾を投下した。その時、上空のE-767J改早期警戒管制機が警報を発した。
〔ビッグアイからグラウコス隊、エリアZE-1362に新たな反応。数――無数。速度マッハ0.8、高度35000、方位220〕
〔深海棲艦機か?〕
〔だとしたらマッハ0.8は速すぎる。原罪か〕
〔原罪は太平洋まで進出していないはずなのに〕
【次回予告】
「突如として全滅する深海棲艦艦隊。そして、F-35BXは未知とコンタクトする。一方の東馬島では、防空戦が始まろうとしていた――次回、『人が造りしものPhase5』。次回もサービスだよ同志」(響がお送りしました)