りっく☆じあ~す×艦隊これくしょん×ソラヒメ×ドールズフロントライン 戦場を駆ける乙女達 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
太平洋上空、海上自衛隊のP-1対潜哨戒機が飛んでいた。
「11時の方向、ヴィジュアルコンタクト」
「あれですね」
「ビデオ、回ってる?」
「回ってます」
ミラーレス一眼カメラを構えたクルーの視線の先には、6隻の船が並んでいた。
「ルーシド72、報告のあった国籍不明船団を目視で発見した。これより全景撮影に入る」
その時、P-1対潜哨戒機の受動警戒レーダーが信号をキャッチした。
「対空索敵レーダー波、えー、レーダーアンテナ回転中」
「見るからに軍艦だな。情報あったっけ?」
「いや、米軍や豪軍からは無いですね」
「中国やマレーシアは?」
「あー、からも無し」
「無しね」
「無し」
「まもなくアビーム(真横通過)する。アビームスタンバイ、マークアビーム」
「連装砲を背負い式……そんな軍艦あったか?」
「現役のだと、確かアメリカのアイオワ級だけじゃないですか?」
「砲の指向は?」
「はー……無いですね。――あー、ちょっと待ってください、艦尾連装砲、旋回を確認」
「一旦避ける?」
「避けた方がいいですね」
「了解、ルーシド72、一旦隔離する。目標船団、軍艦である事を確認。軍艦旗及び国旗は確認できなかった。えー、現在主砲が旋回しつつあり、一旦離脱中。座標――――、方位340、20ノット。6隻を確認。VHFは?」
「モニター中です」
「呼び掛けておいて」
「了解。Unknown ship, this is Japan Navy(国籍不明船、こちらは日本国海上自衛隊である). This is Japan Navy. We observed that your gun turned to us(我々は、貴艦の砲が我々の方へ旋回するのを確認した). What is your purpose of your act(行動理由は何か)? Over.」
ヨーロッパ、東欧戦線。
亡命ロシア軍及びヨーロッパ連合軍の対マグマ軍防衛線は、もう2ヶ月も膠着状態になっていた。1日に数発の銃弾や砲弾を撃ち合うだけで、全く進展は無かった。
そんな中、突如空襲警報が発令された。
人類側は直ちに隠蔽へと移行し、空襲に備える。しかし、何故かマグマ軍の陣地が爆発した。
「どうなってやがる、誤爆か?」
「味方の空軍は何をしてるんだ?」
直後、スロバキア軍の陣地も爆発した。
数ヶ月後、東京都新宿区、陸上自衛隊 市ヶ谷駐屯地 防衛省庁舎――
「異動のお知らせだ」
1人の制服を着た男性自衛官の言葉に、同じ制服姿の男性自衛官とその隣の女性自衛官は同時に溜息をついた。
「……今度は何処です? せっかく18旅団長になって2年目だというのに」
「その前に、今の我が国がどうなっているか、だ」
「どうも何も、国内からマグマ軍――地底特殊害獣群――の脅威は消え去り、国は安泰、第二時高度経済成長真っ盛りですよね?」
「だが、世界は全く安泰ではない。今もマグマ軍はロシア一帯に居座っているし、しかも新たな脅威が現れた」
「海洋特殊害獣群、飛行特殊害獣群、指定暴走機械群、でしたっけ?」
「ああ。今日本の脅威となっているのは海洋特殊害獣群だけだが、中国に現れた指定暴走機械群とそれに伴う民衆の暴動で共産党が崩壊、台湾と香港の連合政府から成る『中華連邦』が発足した。まぁこれは日本にとっても仮想敵国がいなくなったから万々歳だが、ヨーロッパ方面はマグマ軍に海洋特殊害獣群、飛行特殊害獣群の四つ巴だ。そして、これら脅威が日本に飛び火しないとも限らない。よって、新しい緊急展開部隊――つまりは日本国海兵隊を設立することとなった」
「水陸機動団は?」
「固定翼機を保有していないから、対応できるのは揚陸戦だけだ。新しく発足する緊急展開部隊は、陸海空自衛隊から選抜した隊員で編成、地上兵力のみならず、充分な航空戦力や海上戦力を有する。そこの指揮官をやれっつーことだ」
「……今度は海さんと空さんも指揮下にしろ、ですか」
「ああ。陸の方は、第18旅団 即応機械化中隊を解体して連隊を作る。海と空の方は、完全に一から作り上げる。正式な辞令は追っていくだろう。今の内に引越し準備に取り掛かった方がいいだろう、今度は船で生活を送る事になるからな」