爪の勇者の生き残り   作:赤山大和

17 / 17
16話

バイオプラントを求めてきたメルロマルクでの盾の勇者との会談。

村を覆う蔓を倒しながらのものではあるが。

 

「それで、あいつらが役立たずになるってのはわかったが何で俺に話す?」

 

「そりゃ、ナオフミは四聖の勇者で唯一まともな勇者だし。今後の事を考えるとね。三勇教に対する警戒もしてもらう必要があるし」

 

 

本当にナオフミしかまともないよな勇者がいないよな。

終わってんじゃないかなこの世界。

 

 

「………三勇教?そう言やさっきも言ってだか何なんだそれは」

 

 

…………………。

知らないのは知ってるけどさ。

周りにいる俺の仲間も呆れてるよ。

 

 

「……………この国で信仰されている宗教だよ。俺からすると邪教徒の集まりだけどね。簡単に言えば四聖の内の剣と槍と弓を信仰して盾を悪魔として貶める宗教。実際にナオフミは貶められたでしょ。参考程度に言えば三勇教の事を知ってる他国でナオフミが仲間を強姦したと信じる人はほぼいないと思っていいよ」

 

 

少なくとも内の国やシルトヴェルトでは不当に盾の勇者を貶める為に仕組まれた冤罪だと考えている。

 

 

「………………盾が宗教的な敵だと」

 

 

驚いているね。やはり知らないのかとやっぱ情報は大切だよな。ゲーム知識以前に普通に街や国を調べれば分かる事の筈なのだけど。

 

「そうだよ。ナオフミはゲーム知識がどうこうよりも一般的なこの世界の常識とかを教えた方がいいのかな?ラフタリアさんって言ったっけ」

 

 

「えっはい。」

 

 

「三勇教とか勇者の事、後は各国の情勢とかナオフミに教えておいてあげて。知らない事で思わぬ失敗をするって事はよくあるから」

 

 

「わかりました。教えられる事は私の知っている範囲になりますが」

 

 

少し難しそうな顔をしているが…………あぁ、ラフタリアの年齢って見た目通りじゃないのだったか。

ナオフミならば何とかするだろう。

 

 

「カズマ様、村の中心の大木に着きます」

 

 

ん、あれが本体か。

 

「ごしゅじんさまーフィーロいくねー!」

 

ナオフミの従魔であるフィロリアルのフィーロが突撃。

 

「フィロリアル等に遅れるか!セシリア参る!」

 

それに釣られるように突撃するドラゴンのセシリア。

フィロリアルに対抗意識があるのだよな。

 

 

二人を迎撃するためか巨大な蔓が襲いかかる。

 

 

「えい!」

 

ゲシッと強靭な足で蔓を蹴り飛ばすフィーロと対してセシリアは剣を構えて蔓を切断しながら道を開く。

 

「ソニックブレイド!」

 

剣から飛び出した光が蔓を切り裂きその先の本体を消し飛ばす。

 

経験値も入ったし撃破できたな。

 

「ふん!所詮はフィロリアル。役に立たんな」

 

 

「むー!」

 

挑発的なセシリアのセリフに睨み付けるフィーロ。

種族的なものだから仕方ないか。

 

 

「俺達、なにもしてないな」

 

「まぁ、バイオプラントの種が手に入ったのだから過程は気にしない方針で」

 

合間合間に吸収させた蔓等でマンドラゴラクローとかバイオプラントクロー等が解放されたし、植物改造や植物解析のスキルも手に入れられる。

よい結果だな。

 

 

「バイオプラントの種ってこの騒ぎの原因だろ?そんな物が欲しいのか?」

 

 

「この先で起こる食糧問題の解決法が手に入ったんだから嬉しいよ。ナオフミはまだ周りの植物を盾に吸収させてないから出てないのだろうけど植物改造や植物解析のスキルが手に入れたこの種の価値は極めて高くなるんだよ」

 

 

バイオプラントの有用性はそれだけではないけどな。

原作では家を創ったり城を創ったりと出来てたし。

 

 

「……………お前、本当に色々と知ってるな。それがゲーム知識って奴か」

 

ナオフミが苦々しげな表情を浮かべる。

ゲーム知識の有無でアドバンテージを取られているからか。

 

 

「んーゲーム知識は3割くらい。この世界で得た知識が5割。残りの2割は秘密だね。ただ、バイオプラントの知識はゲーム知識ではないよ。それだったら槍の勇者がこんな騒ぎを起こさなかっただろうし」

 

 

「……それは、そうだな」

 

 

「そもそも、勇者達の語るゲーム知識ってどこまで本当なのかね。ベータ版の知識を信じたプレイヤーが始まったゲームとの情報の齟齬で苦しむ可能性ってあるよ」

 

 

空にある城を攻略する某デスゲームで死んだプレイヤーの皆さんのように。

 

 

「そもそも、ゲームはゲームでもこの世界はデスゲームだという認識をちゃんとしてるのかね彼らは?」

 

 

「デスゲームか。いいえて妙だな」

 

死んで終わりというのは変わらないからな。

 

 

「更に言えば、三人の勇者さん達がやってたゲームの知識が三人とも全く同じって事があると思う?勇者の一人の知識では適正なレベルが50で倒すはずのボスがいたとして他の勇者の知識ではそのボスを倒すための適正なレベルが80だったりしたらどうなるかな?」

 

 

「そりゃあ………。」

 

少し顔色が変わったか。

ゲーム知識の危うさを三人に警告くらいはするのかな?

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。