GANTZ~another world line~ 作:Kurato
それでいて今回はちょっとした日常回なのでストーリー的には全く進んでいません。
それでも良ければ是非見てください。
「グッ!……来んな…来んな……来んなっ!!」
バサッ!!
チュンチュン
「はァ……はァ……はァ…だから夢出るって思ったんだよ」
翔平は汗まみれになったシャツを洗濯に出しながら朝食の準備をする。
適当に済ませた食事を食べ制服に着替えて登校しようとすると
「あ、学ラン岸本さんに渡したまんまだった。まぁ今度会う時があったら返してもらおう。」
「………まぁ話しかける事が出来るかが問題だけど…」
翔平は昨日の岸本が自分を見る目が畏怖に変わっているのを知っているので話しかけにくかった。
「結局、昨日だって殆ど話してたの勝だしなー………どうでもいいや」
昨日直ぐに寝てしまった為適当に投げ捨ててしまった制服を着て家を出る。
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電車を待ちながら昨日の出来事の発端を思い出す。
「(俺……ここで死んだんだよな…なのに今またここに居る……)」
「翔ちゃん」
「勝か…」
「昨日は全く寝れなかったよ……寝ようとしたら思い出して無理だった」
「………俺も寝た後すぐ夢に出てきた」
「良かった。俺だけだと思ってたから」
「(むしろ俺からしたらお前が居てくれたおかげで夢くらいで済んでんだけどな)」
翔平は本音を心の中に隠して加藤と話す。
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「(いつもと変わらねぇ登校風景…変わらねぇ授業……これだと昨日の夜だけが夢みてぇだな?)」
下校の時間となり今日1日を振り返る。
勿論部屋にはあのスーツがあるので夢でもなんでもないのだが。
「勝、帰ろーぜ」
「うん」
「……地下鉄の事喋ってるやつ居たけど俺らとは分かってねぇみてぇだな」
休み時間等に昨日の電車事故の話が上がっていたのを聞いた翔平は耳を済ませたが杞憂に済んだようだ。
「ホントか!?…あいつ俺らが喋ったりしたら死ぬって言ってたけど聞かれた返事とかもしちゃダメなのかな?」
「かもな…とりあえず無視決め込むのが1番だな」
「何が1番なんですか?」
「「!?」」
後ろから急に声を掛けられ翔平と加藤は固まる。
今の自分達はあの部屋を知られたら死んでしまうのだから
「………」
「あ、あの?翔平さん?勝さん?」
沈黙が起き、先程声を掛けた女子生徒がまた呼び掛ける。
「あ!あぁ!どうかした?柚花ちゃん?」
「い、いや先輩達2人がそこで止まって話してたのでどうしたのかなって?」
「な、何でもないんだ!柚花ちゃんの方こそこれから部活?」
「はい、先輩達ホントに大丈夫ですか?顔色悪そうですけど…」
「きょ、今日は朝から調子悪くてね。な!翔ちゃん!」
「…………」
翔平は加藤に話し掛けられても柚花ちゃんという少女を見つめたまま何も喋らない。
その光景を見た加藤は顔に手を当て、[やってしまった]という表情をしている。
「と、とりあえず!俺らもう行くから!!そっちは頑張ってね!!」
逃げる様に翔平を連れて学校から出ていく。
「翔……、……ちゃん!翔ちゃん!!」
「っうお!ま、勝か……」
学校からそれなりに離れた所で呼びかけられ漸く翔平は意識を戻す。
「まったく……彼女見たら固まる癖そろそろ治した方が良いよ」
「うっ……うっせ…俺だって治したいとは思ってるけどよ…」
「これじゃあ、バレててもおかしくないから」
「……そうだよなぁ…」
「とりあえず帰ろうか。俺、今日バイト入ってるし」
「今日だっけか。じゃあ行くか」
「(とりあえずさっきの事は考えんの止めとこ)」
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「じゃあ、また明日」
「おう、明日な」
「(勝は弟と2人きりで生活している。半年前まで位は母親の姉らしい人の家に泊まらせてもらってたらしいが如何せんそいつが酷かったらしく、早く家を借りたいと思っていた所を俺に相談してきて俺も勝のバイトを手伝いあいつが家を借りられる程の金額が貯まったのを確認して俺はバイトを辞めた。)」
「(どう考えても親替わりとは言え、居ない生活がどれだけ辛いかは分かっているが、あいつの真剣な面を見たらそうも言えなかった。それでもあいつはそれで良いらしい)」
部屋へと向かいながら加藤の事を考えていた翔平は部屋へと着くと目を開いた
「あ?」
「Zzz… Zzz...」
そこには体育座りをしながら翔平の部屋の前で寝ている岸本だった。
暫く固まっていた翔平だが、このままでは良くないとおもい起こす。
「あ、あの?岸本さん?」
「う…ぅん……? キャッ!!」
翔平の姿を確認すると直ぐに逃げようとする。
「ちょっ!ま、待って!!」
「(流石に自分の部屋の前で叫ばられたらたまったもんじゃねぇよ!)」
「あ…か、海藤さん…」
岸本は翔平に気付くと少し安堵したような表情を見せる。
「…………」
「えっと……どうかしたの?それと良く分かったねw俺ん家」
「…………」
直ぐに黙ってしまったのでなんとか会話を作ろうとするが全く会話にならなかった。
「(っクソ……何しに来たんだよ?せめて用件くらい言ってくれなきゃ分かんねぇし)」
「あ、あの……これ…ありがとうございました……」
岸本は小さい声で感謝を述べながら学ランを翔平に渡す。
「あっ……これね。こちらこそ持ってきてくれて有難う」
「な、中に…生徒手帳入っていたので……それで住所は分かりました」
「うん」
「そ、それじゃ!」
お礼を言うと逃げる様に帰って行った。
「別に次回呼ばれた時にでも良かったのに」
そう呟くと部屋に入る。
ピンポーン
「はァ……今度は何だよ?」
「な、何度もすみません……」
イラつきながらドアを開け、先程帰ったはずの岸本が立っていて驚く。
「!?ど、どうしたの?」
「こ、このマンションってペットOKですか?」
「どうだったかなぁ?連れ込んでいる人も居たような気もするけど居なかった気もするし」
「ほ、本当ですか……」
それを聞くと表情が暗くなる。
「………………家入る?」
「(話した以上、事情くらい聞いてやるか)」
「……良いですか?」
「うん。色々と長くなりそうだし」
「え?」
「こっちの話。気にしないで、それなりの広さしか無いけどそこはとりあえず我慢して」
岸本を家に上げ、リビングで落ち着かせる。
「それで、どうしたの?ただ学ラン返しに来ただけじゃ無いでしょ?」
お茶を出し、自分も座って話を聞き出す。
「………」
俯いたまま黙り込む。
「はァ……そっちが何か言ってくれないと、こっちもどうしていいか分かんないんだけど」
「そう…ですよね……2人居るんです…」
「2人?」
「昨日…家に帰ったら、直ぐに電話掛かってきて……取ってみたらお母さんから【私】が目を覚ましたって言ってて……。」
「最初何を言ってるのか分からなかったんですけど……妹が帰って来て、それで怖くなって…家を出てきたんです。」
「全然意味が分からなくて、それで着てた海藤さんの学ランの中の手帳を見つけて」
「なるほどね」
話を聞いて状況を理解する。
「なんでかは分かんないけど死んだと認定されたらあの部屋に持ってこられるって訳らしい。」
「で、岸本さんはリスカしたからあの部屋に連れてこられた。でも本当の岸本さんは生きていた」
「だから……今の【私】と、昨日死のうとした【私】がいるって事ですか…?」
「そうなるね」
身体を震わせながら翔平の話を聞く。
「どうすれば……良いと思いますか…?」
「それを決めるのは岸本さん自身だ。俺じゃない」
「私自身……」
「もし、決めるのが辛いってなら言って。少しの選択肢なら教えられるから。少し外に出てくるから」
立ち上がり外に出る。
「(ふぅ……まさか完全に死んだ奴だけじゃなくてあそこに死んだと認識されたら連れてかれるなんてな……それって植物人間とかも認識されんのかな?)」
自論を考えながらメールを送る。
先程外に出てくると言った以上、周りをブラつく事にする翔平。
「(でも植物人間をあそこに送った所で、あそこは完全に星人を殺す為に送ってきてる訳だから意味ねぇだろうしな。)」
「(そういえば岸本さんは血は腕に付いてたけど傷跡は無かった。死亡の原因となる傷は無くなるのか?だとすると植物人間でも普通に星人とも戦えるが……)」
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考えながら30分程歩いていた翔平は先程メールを送った人物から返信が届き、急いで帰路に着き家に帰って来た。
「あ、おかえりなさい。大分遠くまで行ってたんですね」
家を出る前より明るくなっているようで岸本の声は心なしか弾んでいるように思える。
「うん。ちょっと用事でね」
「それで…さっきのどうするかなんですけど……」
「俺もそれを言おうと思ってたんだ」
「え?」
岸本の疑問の声には答えず翔平は電話を掛け始める。
スピーカーにして岸本にも聞こえるようにする。
「悪ぃな。まだバイト中だったか?」
『いや、今日は早めに終わらせたんだ。昨日の事もあったからね』
「そりゃ良かった」
翔平の電話を掛けた相手は加藤だった。
『それで?翔ちゃんからのお願いって?』
「昨日一緒にタクシーで帰った岸本さんって居るだろ?」
『あぁ。彼女か?彼女がどうかした?』
「お前の家に泊めてあげて欲しいんだ」
「『え!?』」
これにはさっきまで黙っていた岸本も驚きの声をあげる。
「ちょっ!ちょっと海藤さん!?な、何言ってるんですか!!」
『その声…岸本さんは翔ちゃんの部屋に居るのかい?』
「あぁ。ちょっと訳ありでな」
岸本の声には返事をせず加藤のみに返事をする。
『どんな訳だ?』
「いちいち説明すると長くなるぜ」
『大丈夫だ』
さっき岸本に言われた事、自論全て加藤に説明する。
「って訳だ」
『なるほど……』
「岸本さん家事とかも出来るって言ってるし、丁度良いんじゃないか?」
「あ、あの!!私、そんな事言ってないんですけど!?」
「……出来ないの?」
「す、少しなら……」
「じゃあOK。てゆう訳だ」
『そうだな…歩にも聞いてみないとだけど………』
岸本はその発言でほっとしたような落ち込んでいるような表情を見せる。
「歩君の面倒も見てもらったら?」
『歩の?』
「おう、歩君どうせ今も1人で待ってんだろ?だったら岸本さんに勝がバイト行ってる間に面倒見てもらうとかも丁度良いんじゃねぇか?」
『そうか……それは良いかもしれない。あ、岸本さん自身は?俺の家で大丈夫?』
「は、はい!大丈夫です!」
『じゃあ今から迎え行った方が良いね』
「悪ぃな。面倒掛けちまって」
『大丈夫さ。じゃあ切るよ』
ツーツーツー
通話が切れると翔平は携帯を置き、岸本に話し掛ける。
「良かったね」
「な、何がですか?」
声が上擦っている。
「勝の事好きでしょ?」
「へ!?そ、そんな事無いですよ!!」
すぐさま否定したが、顔を赤らめているのと声の震え方からして確定に近い。
「まぁ良いんじゃん?あいつ鈍感だしこんくらいの接近する機会とか無かったら多分意識しないだろうし」
「ほ、ホントですか?」
先程の否定は何処に行ったのか。直ぐに食い付いた岸本に笑いそうになってしまう翔平。
「だからさ、チャンスだと思ってアピールしてきなよ。弟にも好かれたらそれはもう勝ち確みたいなもんだし」
「は、はい」
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じきに加藤に来て翔平は加藤に岸本を託した。
「どうすっかな?元々今日はコイツらの性能とか確かめようと思ったんだけど……?」
翔平の目の前にはスーツと円形の銃と長物の銃の3種類が広がっていた。
あの部屋から出る前に持ってきたものだ。これにY字型の銃もあるのだがそれは持ってきてなかった。
「よし、今日はスーツの能力だけ確認しよう」
そう言ってスーツを着て色々試行錯誤しながらスーツに対しての知識を深めていった。