ある日、千雪は篠ノ之家に呼び出されており束の部屋の椅子に座っていた。そして、ロボットのような物が置いてあって束は笑顔を浮かべている。
「ねえ、これさ、どう思う?」
「どうって言われても…。凄く、大きいです…的な…?」
あまりに笑顔の束にドン引きしながらも、探るように千雪はそう答えた。
「そっか。…キミってさ、ほんと語彙力ないよね」
「あがっ…!?ぎっ、ああぁ…ッ…!」
束は千雪の感想を聞くと、その瞬間に表情が顔から消え去り、千雪の頭を掴んで立ち上がると近くにあった机の角に力を入れて擦り付けた。激痛に千雪は悶絶し、痛みに声をあげた。
「うるさいよ。別にキミ、その程度じゃ怪我しないでしょ?ほら、他に感想無いの?」
「あぐ…強そうとか?」
激痛に耐えながら、束が機嫌を損ねないような自分が他に感じた事を必死に考えて目をぎゅっと閉じ答えた。
「でしょ。これはね、宇宙に行く為のパワードスーツでどんな平気よりも強い…インフィニット・ストラトスっていうんだ。スゴいでしょ?」
「そう言われると確かに強いような…でも、デザインが何かダサい」
千雪の感想に納得したのか束は表情が笑顔に戻り、自慢するかのように言った。
「は?」
「デカすぎて、ダサい…」
千雪のもう一つの感想に再び、笑顔が消え顔をしかめる。
「なんだァ?てめェ……」
「てか、単にあたしには合わないってだけの話だから。兄貴辺りに聞けばカッコいいって言ってくれるだろ。んじゃ」
キレかけている束に背を向け手を振りながら、部屋を後にした。部屋から出てからの行動は速かった。廊下を全速力で、必死に駆けた。
立ち止まれば命は無い。とりあえず、柳韻か箒の元に逃げる事…ただそれだけが助かる道だった。
「はぁ…はぁ…っ…!うおっ!?」
ゴンッッ!!!と凄まじい轟音が先程、出た部屋から響き、それと同時に床が大きく揺れた。
「ぐ…ッ…!ひえっ…」
床が揺れた事でバランスがとれず転んでしまった。そして、背後から全身が凍り付くような殺気を感じて立ち上がろうとしても足が震えて立つ事が出来なかった。
「キミを殺すよ?ここで、今」
「あ…あ…」
全身を恐怖という名の冷気で包み込まれ、ただ震える事しか、今の千雪には出来なかった。下腹部に湿った熱の感触がするがそんな事を気にしている余裕はない。
「束」
「あ?」
低い男性の声に呼ばれると、束は殺気を抑えないままそちらを見た。そして、相手が誰か分かると顔を青ざめさせた。
「お、お父さん…。こ、これは違くてさ…い、イジメテナンカナイヨ?」
「なら、何故焦る?問答無用だ」
「ちょ、落ち着いてって!ちょ待てよ!ちょ、待てよォッ!」
声の主は、箒と束の父親である・柳韻だった。その為、束は焦り言い訳をしているが通じるハズもなく襟首を掴まれて連行された。
「ぎぃやあああああああああああぁぁぁぁっ!!!」
連行された束と柳韻が部屋に入ると同時に束の断末魔が響いた。
(…てか、あれ宇宙に行くって本当だったのかな?まぁ、良いけど。帰るか…って、下着が濡れてて気持ち悪いっ!?後で洗濯しよう)
千雪は用は済んだのと下着が湿っていた事に気付き洗濯する為にその場を後にした。
変更点
・鎌の勇者の方で、第三者視点が定着したので第三者視点に統一。
束さんの扱いの良さ順
身内(千冬、一夏や家族)>>千雪>>>>>>>>>その他
束さんの千雪の呼び方:キミ