将来の伴侶に達也を求めたら却下されたので四葉から家出します   作:僅かな希望

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独自設定の元にこの作品は成り立っていますのでご注意ください。

この話原作をある程度読んでいる人なら真夜さんに同情できる話かもしれません…。



プロローグ

 その少女は生まれつき狂っていた。

 

 少女は創った。望まれる姿を。

 少女は創った。自ら望む家族を。

 少女は創った。他人の記憶さえも。

 

 こうして少女の世界は創られた。

 こうして四葉 望夢(のぞむ)という少女は創られた。

 

 

 ある日少女は気付いた。自分には感情が足りていないと。世界に望まれる人になるために自分の顔を成長するにつれ母親に似るように創っていたが、まだ足りていなかった部分があったのだ。勿論少女は足りない感情を創ろうとした。だがそのことに気付くには遅すぎた。

 

 少女の創った世界、本来ならば少女はその世界を支配する地位だっただろう。だが少女は違った。そう言った地位を欲する感情すらも欠けていた。

 故にその世界の少女の地位は当主の愛娘、ということになっている。そして、創られた世界の住人は誰もその真実(設定)を知らない。ならばそれを自ら乱す必要もないのかもしれない。

 

 少女は自らの感情の欠如を親に告げることにした。だが返ってきた言葉に少女は少し驚いた。

 

 "その空白を使って普通の魔法を使えるようにしてしまいましょう"

 

 ただ少女は驚いただけで拒否はしなかった。嫌がるという感情も欠如しているからだ。その実験の過程で、残っていたある感情はさらに強くなってしまったが、それでも少女は感謝していた。これから起こり得るかもしれない不便なことが無くなると思ったからだ。

 

 だが実験を施した当主は少なからず後悔をしていた。自分の愛娘に対して実験を行ったのだ。それ以来、当主は少女に人一倍の愛情を注ぎ、叶えられる限りのことはしてきた。

 全てが創りものだとも知らず。

 

 

 

 *

 

 

 

 私がこの世界(家族)を創ってから数年、私は正式に四葉家の次期当主として認められた。ならばここで一つ我儘を言ってみるのも良いかもしれない。

 

 

「お母様、一つお願いがあります」

 

「何でも言って頂戴。出来る限り叶えてみせるから」

 

「ですがその前に一つだけ、前提としてのお話をさせてください。現在、私を突き動かす感情は二つしかありません。まぁお母様なら知っていて当然でしょうが」

 

「ず、随分と心が痛む話ね……。それで、それがどうしたと言うのかしら?」

 

「率直に言わせてもらうと、私は将来の伴侶に達也を求めます。これは私の二つの感情に従った結果でもあります」

 

「━━それを認めることは出来ません。これは母としてではありません、四葉家当主として認めません」

 

 

 少なからず私はお母様の雰囲気が悲しそうになったのを感じた。なぜ悲しそうなのだろうか、娘が伴侶を決めたことを親が知る際には大抵、喜びか怒りのどちらかの感情によって動くと思っていた。

 

 だがお母様は違った。

 四葉家当主として反対してきたのだ、何か事情があるのは理解できる。しかし私とて生半可な気持ちでこの言葉を告げたのではないと理解して貰わねばならない。

 

 

「これは私がお母様にする唯一の我儘かもしれません。それでも駄目でしょうか……?」

 

 

 まず第一の手段、可愛い娘が心からのお願いしていますアピールだ。勿論涙目も忘れずにしておく。

 

 

「うっ……。そ、そんな可愛い顔でお願いしても駄目なものは駄目よ望夢ちゃん!」

 

 

 まず間違いなく効果抜群だろう。ちゃん付けなんて久しぶりにされた気がする。しかし普段のお母様とは思えないほど予想外に粘る。本来の予定ではこれで陥落している筈だったのだが予想以上に事情が事情らしい。

 ならば第二の手段、こちらも限界まで粘る作戦だ。

 

 

「私は本当に達也のことを好きなのです!どうして駄目なんですか!確かに達也がこの国、いえ四葉家の貴重な戦力なのもわかっています。しかしそれでも好きになってしまったのです……!どうかお願いですお母様、お許しください……」

 

 

 ここでシクシク泣くことも忘れない。

 このタイミング思わぬ邪魔さえ入らなければ、まず間違いなくこのお願いは叶えられたであろう。だが四葉家執事序列第一位の葉山さんがお母様に何か囁いているではないか。

 

 

「葉山さん、これは当主と次期当主としてではなく数少ない家族水入らずの話しなのです。ですから邪魔をしないで頂けますか?」

 

「それは大変失礼いたしましたお嬢様」

 

 

 なので思わず笑顔で怒ってしまうのも仕方ないと思うのだ。しかしこの葉山さん、お母様の側近とだけあってメンタルも滅法強い。さらに言葉に説得力もあるときた。これは私の負けとなるのは容易にわかる。

 実際お母様は母としての顔ではなく当主としての顔となってしまっている。

 

 

「それでも認めるわけにはいきません。これは()()()()の話で収まるものではないのです。理解しなさい望夢さん」

 

「━━その程度の話?……そうですか、よくわかりました。お母様の認識がそうであるならば、私も認識を変えなくてはなりません」

 

「い、一体どうしたのかしら望夢さん?」

 

「私、四葉 望夢は本日よりお母様が認めてくださるまで家出させて頂きます……!確か来年達也たちは第一高校へ入学するのでしたね!もう四葉がどうとか知ったことではありません!私も第一高校へ入学し思う存分、達也に、アピールさせて頂きます!覚悟していてくださいね!」

 

 

 後ろからお母様が現実を上手く認識出来ていないような声が聞こえたが、全て無視し告げることだけ告げ私は退出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリ主は達也に深雪という存在がいるのを知っていますが、どこまで(兄妹愛が)深刻かは知りません。
主に二つの感情がメインであるというだけで一応他の感情もあるにはあります。つまり達也と同じ感じです。
二つの感情についてはすぐに明らかになります。というかなってしまいます。
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