fateのようなナニカ   作:マキ☆キリ

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あー独自設定マシマシになります。
情報を全然開示しない公式が悪いんじゃ!俺は悪くねぇ!
はい。あれ?公式で出てたよって時は優しく教えてね!型月警察怖いお
直すのめんど、大変な時は独自設定でゴリ押します。


プロローグのようなナニカ

現代人は人の死を重く受け止め過ぎている、なんて言っていたのは誰だったか。

 

テレビやラジオ、新聞ネットニュースなど、あらゆる媒体は人の死を扱う時、ありったけの悲劇と感傷、そして尊厳のスパイスを振りかけ、お茶の間にお届けしている。

友人、知人、あるいは家族。自身の周辺で死に触れたとき、人々はまるで、それが義務であるように涙を流して沈黙の仮面を被る。故人を追悼し、その命が尊いものであったと内外へ言い聞かせる。

 

命には価値があり、命は色彩であふれ、全ての命は希望と祝福に満ちている。

 

本当に?

 

俺が死んでも、君が死んでも、人の世界はきっと変わらずに転がり続けるだろう。

 

大多数の命を消費し、未来の可能性を食い潰し、あらゆる負債を積み重ねて、愚かな人々は進む。

世界の叫び、悲鳴と溜息に耳を塞ぎ、人の腐臭に香水を振りまく。腐敗と劣化は見なかったことにして鍍金で覆い隠す。

いつの日か人々は気がつくだろう。自分達の致命的な間違いに。

全てが手遅れになって、全てが失われ、行き止まりの人々は言う。

 

こんなはずではなかった、と。

 

 

 

 

この物語は英雄の物語ではない。願いも誓いも存在しない。

奇跡など、とうに無く、魔法は遠く彼方。

 

 

タイトルは、そう…… 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  

 

 

 

 

 

 

 

 

転生。生まれ変わること。生命体が死を迎え、再び新たな肉体に生を受けること。

科学が発達した21世紀の日本においても魂の存在を観測した公式な記録は存在せず、少なくとも輪廻転生などと言う、摩訶不思議現象はオカルトや宗教、魔法の領域だった。

ましてや、実在した物語や小説、フィクション中に転生するなど馬鹿げた妄想、精神の異常、一般社会では狂気扱いだ。

某青い猫だか狸だか分からない子守ロボットが、自宅の引き出しから出てくることを夢見るような、ふざけた子供の妄想。下手な慰め。

 

 

「ああ、自分で自分を全否定するのは僕の悪い癖だ。」

 

 

だが妄想にも自由がある。人の思考を止めることは出来ない。

善悪はともかくとして、こうであってほしい、こうだったらよかったのに。

願望や祈りは万人の自由なのだ。

 

 

 

その上で、言いたい。型月だけは嫌だ。

いや、ほんとに。型月魔術師とか難易度高すぎて。

 

まずな、魔術を使うのに必要不可欠な魔術回路。これが曲者。

魔術師の身体にある疑似神経であり、内臓のような管。

魔術に必要なエネルギー、魔力を生成するエネルギー炉であり

魔術基盤に接続する為のパイプライン、経路でもある。

 

魔術回路の量と質が、魔術師としての才能と同一視される、極めて重要な先天的要素。

親から子へと遺伝もするらしく、世の魔術師達は後継者の魔術回路をどうにか増やし、質を高めようとしている。

 

 

 

あのね、魔術回路って物質界に無いんすよ。正確には半分無いんです。

 

星幽界、もしくは魔術基盤、エーテル体といったオカルト神秘な、アチラ側。

物質界、もしくは肉体、神経、内臓がある現実世界、コチラ側。

 

 

この中間地点、狭間、間を通っている神秘の道、いや神秘への路か。

これを魔術世界では、魔術回路と呼んでるんですね。

 

想像してください。半分はアチラ側にある異質な神経、それが自分の身体の中にあるところ。

奇妙な違和感を感じませんか?

 

感じるのは違和感だけではありません。魔術回路を起動状態にすると痛みも伴うんです。

なにせ、身体にとっては半分異物な訳ですしね。

これが痛い、とにかく痛い。遠坂某は平気な顔で戦闘とかしてましたけど、無理です。

身体の内側で針金がモゾモゾと脈うって動いているような、不快感と違和感、痛みのコラボレーション。

 

先輩ならいいですさん(匿名希望)にいたっては、虫ですよ。体内に刻印虫。

大抵の人は痛みと不快感で、どうにかなりますよ、ええ。

 

基礎の基礎の段階でこれ、もう魔術師嫌になりますよマジ。

 

ところで皆さん、嫌なものでも付き合っていかなきゃいけないこと、ってありますよね。はい。

コンプレックスだったり黒歴史だったり、病気や怪我、トラブルに不幸。

嫌でも付き合って、繋がって、折り合いをつけていかなきゃいけない。

 

 

 

 

 

 

古びた洋館か、貴族の屋敷じみた部屋。広くはあるが、窓が無く、また壁全体に隙間無く取り付けられた満杯の本棚が圧迫感を出している。

部屋の中央に置かれた焦げ茶色の大きなテーブルには、フラスコや実験用のラット、液体の入った瓶や不可思議な鉱石。

どこか場違いで、統一感の無い物品が無造作に置かれている。

 

テーブルの前には幼い少年が立っている。歳は7つか8つか。

濃すぎる紅茶のような赤銅色の髪、深紅に黒を一滴垂らしたような傷んだ赤い瞳。

顔の造形は程々に整っているが、疲れきった表情がそれを中和している。

 

 

やがて少年は眼を閉じ、呼吸のリズムを一定に調整する。

 

 

イメージするは最強の自分……ではなく広がっていく蜘蛛の糸のビジョン。

魔術回路を起動する為の、少年のイメージ。

活性化した回路から魔力を生成。並行して回路を星幽界、物質界の両方に繋ぐ。

魔力を流しつつ、詠唱によって意味と方向性を与えていく。

 

 

「 connect on 」

 

 

韻の踏み方、精神の高揚具合。ok。星幽界、物質界への接続状況、ok。

少年の魔術は、問題無く発動した。

 

 

「ふぅ。はぁ、ふぅ。くぅ。」

 

 

おそらく、型月世界一の不遇魔術。置換魔術以上の使えない魔術。

逆に置換されてしまう、代用されてしまう。多くのマスター達の不要品。

強化魔術以上の自由度。ゆえに極めるのは至難の業。

 

 

「接続魔術」

 

 

 

魔力で経路を構築し、設定したポイントとポイントを接続する。「ナニカ」と「ナニカ」を経路で繋ぐ魔術。

使い魔への魔力供給や、大人数の術者の協力、協調が必要な儀式魔術の補助などで用いられる魔術。

 

これこそが少年こと池野 唯が、重ねて六代、極東の島国で細々と魔術研究を行っている池野家が極めることを選んだ魔術だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、そうだった。この物語を読むのなら始めに言わなきゃいけないね。

僕はね、型月魔術師なんだ。

 

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