インフィニット・ストラトス~没作品一覧~   作:のんびり日和

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最近思いついた物です。

中止になった理由は以下の事の為です。



・ギャグ漫画なのに、シリアスが混じったらおかしくなると思った為
・地獄の者が現世の学校に通っていいのか?と疑問が生じた為



No.1 鬼灯の冷徹part1

—ドイツ・とある倉庫—

 

落書きやゴミが散乱している部屋、その部屋の中央に一夏は拘束されていた。ロープで椅子に体ごと巻かれ動けずにいた一夏はただただ椅子に座りながらジッとしていた。

 

「……春斗の奴、大丈夫かな」

 

そう零しながら一夏は自身の弟、春斗の事を心配していた。自身の大切な弟で、たった一人の家族だと思っている一夏。春斗も一夏同様誘拐され何処かに連れていかれているのだ。だが、監禁されている此処ではなく別の場所の為か、部屋にはいなかった。

 

誘拐されどれ程時間が経っただろうか。一夏の中では2時間以上は経っている、そう考えていると突然隣の部屋から慌ただしい声が響く。

 

『クソッ‼ 向こうの拠点が襲撃にあったらしいぞ!』

 

『もうバレたのかよ! 仕方ねぇ、証拠の破棄を急げ!』

 

そう怒鳴り声が一夏のいる部屋に響き、一夏は安堵の表情を浮かべた。

 

「そうか、春斗の方には救援が間に合ったのか。……良かった」

 

そう安心した表情を浮かべていると、部屋に覆面の男が入って来た。その手には拳銃が握られており一夏は、おおよそ見当がついているのか別に慌てていなかった。

 

「アンタ達の予想は外れたみたいだな」

 

「……最初から読んでたのか? あのブリュンヒルデがもう一人の弟の方に向かうと?」

 

「あぁあ。アイツは俺より春斗を可愛がってたからな。まぁ本人(春斗)はアイツを嫌ってるがな」

 

一夏はそう言い、笑みを零す。男は拳銃のスライドを引き初弾を込める。

 

「……やるならさっさと殺せ。じきに此処にも軍が来ると思うぜ」

 

「…あぁ、そうさせてもらう」

 

そう言い男は拳銃を一夏の頭に向け構え、そして引き金が引かれた。

 

(じゃあな春斗、皆)

 

そう思ったと同時に一夏の意識は真っ暗な世界へと落ちて行った。

 

 

 

―ドイツ・とある病院―

「……うぁ、いっつつ。こ、此処は?」

 

ぼんやりする頭、そして腕や脚からくる痛みに堪えながらベッドから上体を起こす春斗。

辺りを見渡し、自身が拘束されていた部屋ではなく独特な消毒液や薬品の匂いがする場所、つまり病院だとすぐに分かった。

 

「俺、助かったのか? ッ! 兄貴。兄貴は!?」

 

春斗は自身の大切な家族であり、最も信頼できる兄はどうなったと思い部屋を見渡すも何処にも一夏の姿は無かった。春斗は慌ててベッドから降り痛む体に喝を入れつつ扉を開けようとドアノブに手を伸ばした瞬間

 

『別に軍など派遣しなくていい』

 

「……あいつの声?」

 

春斗は扉の向こうに自身の姉である千冬の声がするのが聞こえ、ドアノブに手を掛けながらも聞き耳を立てる。

 

『別にアイツが死のうが勝手だ。春斗さえ居ればそれでいい』

 

「っ!?」

 

その声に春斗の頭が真っ白になる。

 

(あの女、今なんて言った? 死のうが勝手だと? 俺だけ助けておいて、兄貴を見捨てたってのか? ……ふざけるな!)

 

春斗は千冬の発言に頭の何かが切れ、扉を勢いよく開け放った。

 

「っ! は、春斗だいじょ「てめぇ、どう言う事だ?」 な、何がだ?」

 

千冬は春斗が目が覚めた事に喜び、声を掛けようとするも春斗の怒気を含んだ問いに戸惑う。

 

「何で…。何で兄貴を助けに行かねぇんだよ! こんなところで油売ってねぇさっさと兄貴を助けに行けよ!」

 

春斗は怒声を上げながら千冬に言う。だが

 

「別にアイツが居なくてもいい。お前さえ無事であればそれでいい」

 

淡々と言った感じに千冬がそう言うと、春斗は握りしめていた拳を更に握りしめ殴り掛かろうとした瞬間、その腕を突然捕まれた。

 

「っ! 邪魔す「ダメ、はっくん」た、束さん?」

 

「た、束!? な、何故此処に居る!」

 

春斗の背後に居たのは機械のうさ耳を頭に付け、奇抜な格好をした篠ノ之束が其処にいた。

 

「はっくん、私と一緒に来て」

 

「な、何でですか?」

 

「……いっくんにお願いされたからだよ」

 

「「っ!?」」

 

束の口からいっくん、つまり一夏に頼まれたと言われ春斗と千冬は驚く。

 

「あ、兄貴は生きてるんですね! よ、よか「うんん。違うんだ」えっ? じゃ、じゃあどう言う事なんですか?」

 

春斗の問いに束は顔を俯かせる。時折顔からポタポタと水が落ちていくのが見えた。

 

「いっくんは死んだ」

 

「えっ? う、嘘…ですよね?」

 

春斗は信じられない表情を浮かべ嘘だと、質の悪い冗談だと思っていた。だが、束が首を横に振る。

 

「あ、ああぁぁああ。兄貴、あにきぃいいぃ!!!」

 

膝から崩れ落ち涙を零しながら嗚呼と叫ぶ春斗。

 

「死んで何も問題は無いだろ、あんな奴」

 

そう声が春斗の後ろから聞こえた。千冬だった。

 

「アイツは春斗なんかより劣っている。あんな愚者何て居なくなって良いんだ」

 

そう言うと春斗は再度拳に力を入れ脚に力を入れた。

 

「……てめぇの方が愚者だ」

 

「は、春斗?」

 

「兄貴は……。兄貴はてめぇなんかより優秀だ!」

 

そう叫ぶと再度拳を振り上げ千冬の頬を殴った。殴られた千冬の口から血が若干流れていた。

 

「あ、アイツが優秀なんてあり得る訳が「能ある鷹は爪を隠す。いっくんはまさにその言葉通りの人間なんだよ」ど、どう言う事だ?」

 

束の言葉に千冬は疑問符を浮かべながら問う。

 

「いっくんがテストの点数は憶えてる?」

 

「はぁ? そんなもの一々「俺は憶えてる」」

 

「じゃあ言ってみて、はっくん」

 

「小4の頃は国語60点、算数60点、社会60点、理科60点だ。小5も同じ全教科60点だ」

 

「っ!?」

 

春斗が淡々と一夏の小4の頃のテスト結果を言い、その後のテストを言っていく。どの教科も全て60点。千冬は驚きの余り目を見開いていた。

 

「そうだよ、いっくんは()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

束はそう言いスッと降ろしていた手にメスを何処からか取り出し、千冬に見えないよう隠し持つ。

 

「いっくんは小学校の頃からずっと続けていた。その理由知ってる?」

 

「そ、そんなの知るわけが無いだろ!」

 

「いっくんはね、はっくんがお前に暴力が振るわれないようにする為にやったんだよ」

 

「な、なに?」

 

「いっくんはね、大切なはっくんを守る為に勉強のやり方、上手な暗記方法をはっくんに教えていたんだ。けど、自分より低い点数を取った場合、暴力を振るわれる。そう思っていっくんはわざとはっくんより点数が低くくなるよう計算してやったんだ。…そんな事にも気付かず、いっくんを遇者と決めつけるお前の方がよっぽど愚者なんだよ!」

 

そう怒鳴ると同時に束は持っていたメスを千冬の右肩目掛け深々と刺す。

 

「がぁあぁぁぁぁ!?!!?!? た、束。な、何を!? ぎゃっぁああああ!??!!」

 

千冬の問いに返さず束は刺したメスをグリッと撹拌するよう抉る。溢れ出る血にも気にせず束はメスで刺した所を撹拌後、勢いよくメスを抜き取る。

 

「いっくんが受けた痛み。もっと受けさせてやるつもりでいたけど、これで十分だ」

 

倒れ込み、溢れ出る血を抑えようと左手で患部を抑える千冬に見下すように言う束。

 

「お前の利き腕に抉って骨や神経に傷をつけたんだから、もう刀は握れないだろうな」

 

そう言った後、春斗の方に体を向ける。

 

「さぁ、行こうはっくん」

 

「はい」

 

春斗はそう言い踵を返して歩き出す束と共に去ろうとする。

 

「い、行くんじゃない、春斗!!」

 

血で濡れた手を春斗へと向ける千冬。春斗はその姿に冷ややかな目で見下す。

 

「……くたばれ、糞野郎」

 

そう言い束と共にその場を去って行った。背後から聞こえる叫び声を無視して。

 

 

人気のない森へとやって来た春斗と束。目の前には人参型ロケットが停まっていた。

 

「さぁ乗ってはっくん」

 

そう言い手を差し出す束。春斗はずっと疑問に思っていた事を口にした。

 

「束さん、何で兄貴は俺を連れ出すよう言ったんですか?」

 

「……いっくんははっくんをただの『織斑春斗』として生きて欲しい、そう願っていたの。けどあいつの傍に居る限りそれは無い。だから将来自立できるようになったらはっくんの戸籍を消し、別の戸籍にして普通の生活を送れるようにして欲しい。そう頼まれていたの。勿論いっくんもするつもりでいた。私がいっくんにそう言った時、いっくんは―――」

 

『じゃあもし俺の身に何かあった時は、すぐにアイツを連れて行って下さい。あの女の手の届かない、何処か遠くに』

 

「いっくんとそう約束していたの。だから、いっくんの思いを無駄にしないであげて」

 

束はまた溢れ出ようとする涙を必死にこらえながらそう言うと、春斗はそうですか。と返す。目にあふれる涙を零しながら。そしてロケットに乗り込み、春斗と束は何処かに飛び立っていった。

 

 

 

 

一夏は目の前が真っ黒な世界を彷徨っていた。

 

―――何処からか声がする

 

「―――――ろ」

 

―――俺はもう死んだはずだ。なのに、何で声が?

 

「――――きろ!」

 

―――黄泉の世界にでもやって来たからなのか?

 

「おい、起きろって!」

 

―――そうハッキリと声が聞こえ、目に力を入れる。

目の前に頭に角の生えた男の子が其処に居た。

 

「……うぉおっ!?」

 

「び、びっくりしたぁ!? 大丈夫かよ、お前?」

 

そう言われ一夏はえっ?と零しながら辺りを見渡す。辺りは岩や石ころが散乱しており、明るいが何処か暗い雰囲気を漂う場所だった。

 

「えっと、あれ? 俺死んだはずなのに…」

 

「死んだ? どう言う事だよ?」

 

目の前にいた少年はそう言うと、一夏は訳を話す前に疑問が色々と頭に浮かぶ。

 

「てか、此処は一体?」

 

「此処か? 此処は()()だぞ」

 

「は?」

 

突然少年が此処は地獄と言うと一夏は目を点にしながら首を傾げる。

 

「え? 地獄? 別府にあるあれ?」

 

「いや、別府って言われても分からないんだが」

 

「その頭にある角も、着けてるの?」

 

「はぁ? いや、これは生えてるもんだぞ。てか、アンタの額にも生えてるからな」

 

そう言われ一夏はえっ?と手を額に付ける。其処には鋭い一本の角が生えていた。

 

「え? 嘘だろ? 何の冗談なんだ?」

 

そう思い角を引っ張る。だが角を引っ張ると頭も一緒に持って行かれそうになり本当に生えていると分かった。

 

「こ、これじゃあまるで鬼じゃん」

 

「いや、俺達鬼だから」

 

「……マジで?」

 

少年からの言葉に一夏は問い返すと。少年はうん。と頷き返す。

 

「ま、マジかぁあぁああぁぁぁあ!!!??!!!」

 

その日、一夏は鬼となった。




因みにこれpart3まであります。大体入学したころまでは考えていました。
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