情報の整理がつかないんですけど 作:サモナ・シバ
不定期更新予定。
物語の最後まで書かれたあれはもう消しておきました。最後までこの作品が行けたら、再度投稿します
工場の勤務中の事だった。
安全靴をしっかりと履いていた筈だった。そう、筈だったんだ。いつのまにか靴紐は解けていて、機械に近づいた時に靴紐を踏んで転び、顔から機械へとダイブしていき
「というのが貴様の死に方だ。思い出したな?」
「はい。思い出す事が出来ました」
「まったく⋯⋯いつも人間は嫌な事や衝撃的な事を忘れようとするから、面倒で仕方がない」
「ご迷惑をお掛けしました」
現在おそらくですが、死んだ後の世界に来ています。
目の前には溜息を吐く一人の巨大な男性。軽く3mはあるだろう身長で筋骨隆々。更には髭が程よく生えており、とても雄々しくカッコいい。
「さて、今回は貴様に転生してもらう。異論は認めん。そして、貴様の器に見合うだけの才能を開花させよう」
「転生・・・まあ、それは良いとして、開花ですか?」
転生ものならスキルを渡されて無双か俺TUEEEE!!するのが主流となってきて、面白い小説がなくなってきた今日この頃。
だが、この神様は才能を開花?
「才能とは、誰でも持っている。もしかすると、鍛えれば筋骨隆々になれるかもしれん。もしかすると、世界一頭が良くなるかもしれん。そういった『もしかすると』を開花させてやろうという事だ」
「つまりは、可能性の開花をさせるという事ですね?
「ああ、その通りだ。アレに関しては、あの者が持つ宝物庫と鍵が特別なだけで、才能でもあるが、宝物庫と鍵を創るかどうかしなければ使う事はできん」
やはり、としか言いようがない。
そして、どう過ごすか、どう生きていこうとするかによって選ぶ才能が変わる。
「どんな世界ですか?」
「中佐ヨーロッパ辺りに近いが、魔物、現地の神々、神獣、人、人に近しいが人とは違う特徴を持つ者達の住む世界だ」
テンプレだが、だからこそ難しい。
どれだけ注意したところで、死ぬ時は必ず死ぬ。何があろうと、必ず。注意してもしたりない。
「二つほど質問いいですか?」
「なんだ? 言ってみろ」
「種族に関わるモノや運に関するモノは選ぶ事は出来ますか?」
「・・・まあ、空きがあればな」
「では、ナニカを代償に空きを増やす事は出来ますか?」
「・・・変なところを質問してくるな。ああ、出来る。が、命に関わる事や人生を大きく左右する事になる」
「お答えいただき、ありがとうございます」
一先ず、考える。
何をする? 戦うのは論外。死にたくないし戦いたくないし。するとしたら安全な事だが、そんなものが無いのは分かっている。薬草を取りに行っても殺されそうだし、ゴブリン狩りをしようにも上位種とか異変があれば死ぬだろう。つまり、何をしても死神は確実に歩み寄ってくる。
とりあえずは、運を良くしてもらおう。代償が必要だから、何か考えなければいけないけど。
運がいいなら、他には何がいいだろうか? 職業は採取する人? それとも採掘? 武器作りもいいかも? あ、武器作りは下手すりゃ殺されるしやっぱり無し。有名になって盗賊とかに襲われたら終わりだ。
・・・商人? 商人ならどうだろうか? しっかりとした護衛を雇えていれば、危ない事もないだろうし・・・もういいや(思考放棄)
じゃあ、商人ならどんな才能がいる?
しかも、中世だ。思い出せ、思い出すんだ
相手を見る力。相手が信用できるかどうか、どんな事が出来そうなのかをしっかりと見る事が出来なければいけない。
聞く力も大事だ。情報をしっかりと聞き漏らさないようにしなければいけない。聞いているか聞いていないかで大きく変わる事だってある。
情報の処理能力もだ。一つの情報を色々な情報と混ぜ合わせ、重なったり気になった事をしっかりと考えなければいけない。
信用の得易さもだな。信用無くして商売はできない。
「神様、決まりました」
「そうか、言うがいい」
「相手を見る力、聞く力、情報の処理能力、信用のされ易さ、後は運が良くなれば」
「ふむ・・・で、これでは入りきらんが? 代償を考えろ。それによっては運を入れる事が出来る」
はい、やっぱりかー。運なんて、世界への干渉に近いかそのものだからね。仕方ない。
商人に必要ないものは⋯⋯ってあれ?
「一つ質問いいですか?」
「言え」
「代償って、
「そうだ。まあ、それに気付かんアホばかりだったがな。感情を選んで、廃人になったバカ。感覚がないせいで狂ったアホ。病気ではないのだ。戻らない事を想定しないのが悪い」
神様はそう言い、嘲る。
俺は笑うことも出来ない。一歩間違えれば終わっていた。感情を持たないと言うことは、何も思わない。つまりは、痛みを感じても何もせず、本能的に何かしようとはするだろうが、能動的に動くということは確実に無くなる。
感覚となれば、それは多岐に渡る。触覚が使用できなくなるだけならまだいいのだが、五感全てとなれば、話は変わる。目は見えず、音も聞こえず、触っている感覚も、痛みも、何も感じる事が出来ない。だから、喋ろうとしても空気を吐けているのか、そもそも息をしているのかどうかすら分からない。
肝が冷えた。
「で、何を代償にする?」
そうだ、代償を考えなければ。
商人には必要の無い物。
五感や感情を差し出すなんぞ論外だ。死ににいくようなもの。容姿と言えば、化け物のような姿になるかもしれない。いや、そもそも人なのかどうかも分からない? ・・・考えても考えても良い案が出てこない。
いや、少し大きめの代償を払えば、もしかしたら人型種族になる事も可能か?
なら
「最後にもう一つだけ、質問をしてもよろしいでしょうか?」
「⋯⋯はぁ、言え」
「
「・・・可能だ。だが、代償は大きいぞ?」
「なら、代償は--------ようになる。・・・まだ、空きはありますか?」
「・・・ああ。あるにはあるが、それで良いのか?」
「はい。それで、今回はあまり生きれなかったので、長寿の人型種族にしてください。あと、まだ空きがあれば、動物に好かれるようにしてほしいです」
「・・・はぁ、まったく」
「ご迷惑をお掛けします」
頭に手をやる神様に、頭を下げる。
なかなかに面倒だろうけど、あとは神様がどうにかするだろう。
「もう、空きは埋まった。それではな。こちらも忙しくなる。さっさと行ってこい」
え、神様、他に何か教えてくれたりとかしないの!?
そんな事を言おうとするも、意識は闇に落ちていった。