ソードアート・オンライン ~時幻の体現者~   作:☆さくらもち♪

11 / 15
ユウキSideです。
気が向いたら出す予定ですが基本はキョウ視点になります。


寂しがりな紫紺色

いつからこんな感情を抱くようになったんだろう。

たった少ししか関わったことのない相手で。

それでも大切な相手だと理解するのは早かった。

 

「ん、なに?」

 

「んーん。なんでもないよ」

 

無邪気にボクに問う目の前の男の子。

見た目は、それはもう女の子で。

ボクも女の子だけれど嫉妬とかよりも綺麗とか可愛いが先に思っちゃう。

 

「ふにゃ」

 

雪みたいに真っ白な髪。

光の反射加減で白銀に輝くそれがボクは好きだった。

それでいてボクをじっと見つめて来る深い緑色の眼。

その瞳にボクが映されてるんだなって思うと嬉しい。

興味がない事にはとことん関心を示さない彼。

ボクには盲目的というか、溺愛みたいに映してくれる。

普段は大人びてる所もあるけれど、二人きりの時は見た目通りの幼さになって甘えて来るのがすっごく可愛い。

 

「えへへ・・・」

 

「んぅ・・・」

 

こうやって頭を撫でてあげると、目が僅かに左右に動く。

人目を気にするんだよね。

無いことが分かると、ボクが止めるまでずっとされるがまま撫でられてる。

触れると肌はすべすべで、柔らかい。

髪も良い匂いして手櫛で通るぐらい。

こういうのって現実世界の情報をSAOにそのまんま伝えてるらしいから、現実世界もこんな感じの感触なんだろうか。

 

「キョウ~」

 

「んぁ・・・どした」

 

「寒いから抱きしめても良い?」

 

「好きに、したらいい・・・」

 

好きにしたら、っていうのはキョウの照れ隠し。

顔も少し頬が色付いてるのが分かる。

こういうのも二人きりの時だけに見せてくれる。

キョウは普段表情を表さないから冷たいように感じるけど、本当は表情豊か。

ボクだけが見れる特別なキョウの姿。

そう思うとすごく嬉しい。

 

「ふへへ・・・暖かい」

 

「ん、あったか」

 

実は他の人に見せたくないって分かった時に、自己嫌悪があって少し泣いちゃった。

キョウに隠そう、って思ってもすぐにばれちゃって。

その時は怖かったんだろうね。

嫌われちゃうんじゃないかって。

好きな人に嫌われるのってすごく辛くて。

ボクが話すまで、ずっとキョウは待っててくれた。

こんな自分でも受け入れてくれた時なんて号泣しちゃってキョウが焦ってた。

 

「ふぁぁ・・・んう・・・」

 

抱きしめてたらキョウが小さく欠伸をした。

眠たそうな表情をしてて、可愛いと思っていると小さな重みがボクにかかる。

現実世界ならボクの心音が破裂しちゃうんじゃないかな、って思うぐらいドキドキしていて。

それと同時に無防備な寝顔を見せてくれるほど信用してくれてる。

最初会ったときなんて、威嚇してる猫みたいだったのに。

今となってはSAOで夫婦なんだもん。

キョウがいるおかげでボクは寂しくない。

だけど・・・。

居なくなっちゃったらどうなるんだろう。

アスナやキリトもいるけれど・・・。

このSAOがクリアされたら()()()()()()()になるのかな。

嫌だよ、もう・・・。

こんな温もり知っちゃったら戻れない。

 

「ぅぁ・・・?」

 

そう思ってたら涙が出てきちゃって。

止めようって思っても止まらない。

 

「ゆーき・・・?どしたぁ・・・?」

 

滲んだ視界でキョウが心配そうにボクを見て。

泣いてる事が分かるとぎゅっと抱きしめてくれた。

 

「いっぱい、泣いていいよ」

 

ずっと我慢してた感情。

抑圧してた分が爆発して、キョウに泣き縋る。

ずっとずっと寂しくて、誰にも言えなかった。

ボクだけが間に合って。

お母さんもお父さんも姉ちゃんも。

ボクを置いて逝っちゃった。

なんで生き残っちゃったんだろうって。

 

「キョウ・・・お願いだから」

 

ボクを置いて逝かないで。

そのためならなんだってするから。

ボクの全てあげるから。

もう独りぼっちにしないで。

 

ユウキ(木綿季)の隣が、僕の場所」

 

「うん・・・」

 

「ずっと、ね。居場所、作ってて?」

 

「うんっ・・・!」

 

その日はずっとキョウを離したくなかった。

自分でも不思議なぐらいに、()()()綿()()

安定しなくて。

独りぼっちだと怖かった。

それがキョウにも伝わったのか、ボクの隣に居てくれた。

 

「ユウキ」

 

「なに・・・?」

 

真夜中。

キョウの存在を感じていると声をかけられた。

その頃にはボクも落ち着いていて。

ただ二人きりの時間を味わっていた状態。

 

「今日、アスナと居て」

 

「ぇ・・・?」

 

「少し・・・お仕事が入った、から」

 

「な、ならボクも」

 

この時は少し焦ってたんだと思う。

キョウがどっか遠いところに行きそうで。

昨日の状態が落ち着いたと思ってても不安はだった。

 

「僕一人のご指名。だから待ってて」

 

「・・・でも」

 

「帰ってきたとき、困る」

 

そう小さく呟かれた時。

キョウの力が弱くなっていた。

ボクに頭を押し付けて自分の存在を主張していたから。

それだけボクの存在がキョウにとって大切なんだって分かった。

 

「分かった・・・」

 

「んっ・・・」

 

「でもっ、でもっ!絶対、絶対・・・帰ってきてね?」

 

「ちゃんと、帰る」

 

キョウと約束をした。

絶対に破れない約束。

お互いに破らないって分かってるから。

 

「ねえ・・・キョウ」

 

「んう?」

 

「まだ、一緒がいい・・・」

 

「ん、分かった」

 

もう少し、もう少しだけ。

一緒の時間にしたい。

戻ってくるって分かってても寂しいから。

生きて帰るって信じてるから、待ってるから。

ボクの我が儘、聞いてください。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。