ソードアート・オンライン ~時幻の体現者~   作:☆さくらもち♪

13 / 15
終わる世界と終わらない毎日

けだるさがありつつ、僕は目を覚ました。

時刻を見ると午後を回っていた。

寝たのが早朝らへんだからというのもあるだろう。

しばらくはのんびりとしていたい。

 

「ん・・・も、ちょい」

 

もう一度ベッドに潜り直して隣で眠るユウキを抱きしめる。

女の子の身体ってすっごく柔らかい。

ずっと触っていたくなるけれど、やり過ぎると辛くなる。

 

「んぅ・・・?」

 

ユウキの身体を触っていると起きたのか、目を覚ました。

だけど甘えたような瞳で僕を見つめていた。

 

「おふぁよ・・・」

 

「ん、おはよう」

 

お互いに身体を抱きしめること数分。

堪能しているとユウキの手が僕の下半身へと伸びていく。

 

「んっ・・・」

 

「えへへ・・・元気だね」

 

「むぅ・・・」

 

僕よりユウキの方が変態だ。

そういう知識というか技術は無いのに積極性がある。

今も僕のを触ってて嬉しそうにしてる。

ぎこちなさはあるけどやり方を教えてあげたらすぐに上達していったからか、すぐに僕が果てちゃう。

 

「したいの?ユウキ」

 

「・・・ダメ?」

 

「あんなにしたのに・・・」

 

「だって・・・」

 

僕だってしたくない訳じゃない。

だけど相性が良すぎてセーブが効きにくい。

男の僕が抑えないといけないのに全然抑えれなくなる。

途中から僕の理性がどんどん蕩けてくる。

少し迷っているとユウキは我慢できないのか、僕のを自分のに入れていた。

あまり我慢しない方が良いのか、僕も分からない。

だけど我慢のしすぎは良くないって聞く。

程々って訳でないけど存分に解放してもいいのかもしれない。

 

「んっ・・・あぅ・・・」

 

「また勝手に・・・」

 

「したいんだもん・・・」

 

「あまり、出来ないけど・・・身体、疲れてる」

 

「うん・・・」

 

そのままお互い果てるまでずっとベッドで暖まった。

終わったら終わったで疲れて寝てしまったけれど、

途中で僕は目が覚めた。

隣にはまだ眠っているユウキが僕に抱き着いて寝ている。

 

「すぅ~・・・すぅ~・・・」

 

「惚れた、欲目・・・か」

 

こういう爛れた感じも嫌じゃない。

一応というかお互い想い合っているし、義務感じゃないから良いのだけれど。

 

「もうすぐ、終わりか」

 

そろそろこのゲームも終わらせる頃合いだろう。

お遊びもおしまいになる。

裏切りにはなってしまうけれどこれ以上の遊戯はつまらなくなってしまうだろうから。

 

「僕の愛しい子。そのまま幸せな夢に浸っていて」

 

無防備な唇に僕のを軽く重ねると、ベッドから抜け出す。

必要な物資は元々僕自身のストレージには入っている。

これは結婚してから共有されるストレージとは別物。

このストレージに仕事に使うものや、緊急時の物など色々入れてある。

 

「しばらく、お別れ」

 

ユウキを置いていくのも寂しく感じる。

このまま一緒に連れていくべきだったのではと。

だけれど彼女じゃ僕に劣る。

どうしても粗が出て動きにくくなる。

仕方ない、と言い聞かす。

 

「転移」

 

しばらくは僕の姿を隠す必要があるだろう。

捜索の日数、攻略日程・・・。

下調べもいる。

後は僕の腕で充分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱い。

熱い。

身体の中から焼かれるような灼熱。

地獄の灼火は仮想から顕現する。

 

「もうすぐ」

 

第七十五層のボスが倒されると同時に、アインクラッドは崩壊の駒を大きく進める。

自身が瓦解する可能性があると分かっていても。

 

「さあ」

 

大扉を押しのける。

金属の重々しい音が響きながら開かれていく。

戦闘が終わったばかりなのだろう。

中にいるプレイヤーは疲労がある。

そんな中、一人の男は立ち続ける。

 

「君は」

 

()()

 

ただ無情に告げる。

感情なんて無意味だ。

僕の言葉で察したのか、それ以上は何も言わなかった。

だが、一人の少女は驚いたような、悲しむような。

色々混ざった表情を浮かべる。

 

「そうか・・・」

 

一歩。

また一歩と。

僕は歩みつづける。

 

「君はもう最期にすると言うのか」

 

「つまらないゲームに、存在意義はない」

 

「なるほど」

 

交わされる言葉が分からないのだろう。

首を傾げる者ばかり。

 

「仕事で、来てる」

 

「ふむ。内容は?」

 

「貴方を、殺しに」

 

そう、殺しに。

血盟騎士団といえばSAO最大級のギルド。

攻略ギルドでもトップであり、その名は大きい。

そんなギルドのトップを殺すのだ。

 

「だが、それは遂行出来るのかな。周りがそれを許しはしないだろう」

 

「なら、周りも殺ればいい」

 

甘さなんてものはない。

周りのプレイヤーが邪魔をするというのなら、それごと始末する。

 

「本気なのだろう。今までの君はそうだった」

 

ヒースクリフ(茅場晶彦)はウィンドウを操作すると周りにいたプレイヤーが一気に麻痺状態になる。

 

「団長・・・貴方は」

 

「勘づいている者も居たようだ」

 

「ヒースクリフ・・・いや、茅場晶彦だろう。あんたは」

 

キリトは恐らくなんかしらで辿り着いたのだろう。

ヒースクリフの正体などそう易々と気付けはしない。

僕の場合は協力者でもあったからこそ事前に知っていたにすぎない。

 

「さて、どうする?ここで私を殺すかね」

 

「それは、当然」

 

彼は分かっているのだろう。

自分では僕を確実に殺すことは出来ないと。

茅場晶彦という男は天才だ。

だがそれは、()()()()()というカテゴリーに入るだけ。

戦闘においてはこの場では僕よりも圧倒的に弱者だ。

年齢で、身体的優位で、ゲームマスターで。

それらを駆使し、大きなアドバンテージを持っていたとしても僕に勝つ事は不可能だと。

 

「ならば、私が持つ最大限を持って迎え撃とうではないか」

 

そういいながら十字盾と片手剣を構える。

元より話し合いで解決するつもりはなかった。

 

「では。私が勝てば、この場から去りアインクラッド最上階にて君達を待とう」

 

「僕が勝ったら、終わり」

 

「もちろん。それは約束しよう」

 

ストレージからずっと燻らせていた愛刀と愛剣を取り出す。

刀はずっと使っていたけれど剣はまだだ。

使うことの無い武器だと思っていたから。

 

「君のスキルは実に興味深かった。それをこの場で見せてくれるのだろう?」

 

「冥土の土産で、持っていったら良い」

 

元々僕は左右片手で得物を扱う。

だからこうやって西洋と東洋の武器を振るえる。

 

「さぁ。死ね」

 

一気に加速を付ける。

勝負は長く続ける意味はない。

むしろお互い長く続ける分疲労が出てしまうだろう。

響き合う金属音。

一歩読み間違えれば死ぬ。

だが、それがなんだ。

 

「あっははっ!」

 

こんなにも愉しい。

退屈で仕方がなかった今までの人生。

一番心が躍る。

 

「全く、君の威力は馬鹿げている!」

 

動きが単調にならないよう、逐一動きを再演算。

ヒースクリフの動きの癖を読め。

次に打ってくる最善の一手を。

盾で防がれようとも、こっちは二刀。

もう一本の刃が振るわれる。

そして、求めていた時はあっけなく来た。

 

「終わり」

 

「・・・ああ。そう、らしい」

 

お互いに分かってしまった最期の時間。

最大級の過ちだと確信するのに思考はいらない。

次の一手でなにをするのか分かってしまった。

 

「秘剣」

 

かつて棺桶の頭領に向けて放った神の如き一撃。

時間操作があるからこそ成し遂げれた。

 

「燕返し」

 

二刀、あるのなら。

その分の剣撃を放てば良い。

頭上を、股下を断ち。

それらを回避するための逃げ道を断つ。

そして左右への離脱を不可能へと変える払い。

頭への過負荷だろうか。

視界がぶれる。

だが、その時に見えた表情は。

どこか晴れやかに見える。

悔いはないと。

 

「おわ、りか」

 

ならば僕の役目も終わりだろう。

元よりこのSAOで終える命。

両手に持つ武器を僕は思い切り自分自身の胸に突き刺した。

 

「響っ!!」

 

どこか微かに見えた紺色。

そういえば、と思い出す。

この世界へ飛ぶ前。

好きだった女の子がいたと。

思えばこの世界とあの世界は同じものだったのだろう。

だが歩んだ世界線が違った。

結局好きになった相手は同じだったんだ。

それが少し嬉しかった。

 

『ゲームは、クリアされました。ゲームは、クリアされました。ゲームは、クリアされました。』

 

無機質なアナウンスメントが流れる。

ヒースクリフがSAOのラスボスなのだから。

舞台から退場していった以上はゲームクリアとなる。

 

「もう、終わり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい気を失っていたのだろうか。

目を覚ますと、どこか見たことのある風景。

蛍光灯の明かりが網膜を焼いていた。

久方振りの光が眩しく感じる。

 

「ぁ・・・ぅ・・・」

 

確実に死んだと思っていた。

自分のHPが一瞬で0になるところも。

だけれどこうして生きている。

 

「な・・・ん、で」

 

なんで死ねなかったのだろう。

これ以上生きていても何も無い。

時間操作なんてなければよかったと。

また。

独りぼっち。

木綿季。

ごめんね。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。