ソードアート・オンライン ~時幻の体現者~   作:☆さくらもち♪

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完全原作ではないので、多少なりとも違うところはありますが作者クオリティということで。
というよりも原作の記憶はそこまでなくてにわか知識みたいなもので書いてます。


攻略会議

ソードアート・オンラインが正式始動してはや一ヶ月ほどが経過しようとしていた。

未だ第一層の攻略は叶わず、迷宮区の最深部であるボス部屋すら見つかっていないというのが現状。

僕はその場所を見つけているけれど迷宮区の攻略にはそんなに参加していない。

ソロ活動でずっとレベリングしているだけ。

 

「よいっしょっ!」

 

素早く剣を薙ぎ払い僕に集まってくるモンスターを一掃する。

単純なテクニックでSAO特有のソードスキルを使っていない簡単な物だけれど効果は充分といえる。

 

「こんだけ上がれば良いか」

 

第一層のレベリングスポットでひたすら上げている日々。

徹夜してでもやっているときもあったけれど活動自体に不調はないので気にはならない。

恐らく大体のプレイヤーは10~15ほどだろう。

かなり上げている者は20弱。

僕のレベルは22。

これ以上のレベリングはこの階層では見込めない。

経験値効率が悪すぎて17辺りから殆ど得れない。

足早に街へと戻り、ベンチで寛ぐ事にした。

 

「・・・ん」

 

その戻る最中。

誰かに付けられているような感じがあった。

《隠蔽》スキルを使ったのだろうが、微かに吐息や視線を感じる。

それにシステム的な気配は消えてもプレイヤー本来がだしている物理的な気配が残っていた。

 

「まぁいいか」

 

しかし問題にはならない。

SAOで自身より高いレベルの相手に喧嘩を売るような人物はそうそういない。

特に対人戦などをやるならば相手の事を調べてから挑むのは当然といえる。

このSAOには《情報屋》と呼ばれるプレイヤーがおり、金さえ払えば様々なことを教えてくれる。

金額次第では個人的な依頼を頼むことすら可能だ。

僕の事を知りたがる相手をまず作った覚えがないので気にはなれれど、街にさっさと入れば問題無し。

街に入ると《決闘》以外ではプレイヤーのHPを0には出来ないので安全圏内になっている。

モンスターも街の門にいるNPCが倒すため危険性も少ない。

 

「・・・なんかやってるな」

 

今目前に見えはじめた街《トールバーナ》では今日に第一層ボス攻略会議があったはず。

その集まりだろうか。

 

「一応入っておこう」

 

歩きながら深呼吸をつく。

自分自身の存在感は希薄になるように。

足音を消し、呼吸を押し殺す。

暗殺者が行う気配遮断方法。

SAOでも問題なく使える。

そのまま一気に付けて来ているプレイヤーを撒いて攻略会議に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

攻略会議に入ると真ん中のホールで一人の青年が大々的に攻略手順などを事細かに説明していた。

彼が手にしているのは第一層の宿屋で無料配布されているガイドブック。

僕も知人に無理矢理渡されたので持ってはいる。

 

「では、ボス攻略に向けてパーティーを組もう!」

 

「・・・マジか」

 

ソロ活動している僕にパーティーなどない。

脳裏に彼女の姿が過ぎったが今はいい。

 

「少し良いか?」

 

どうしようかと考えていたら僕に向かって声をかけてくるプレイヤー。

 

「なんですか?」

 

まあローブで髪を隠してはいるし、身長的に相手のが圧倒的に高い。

敬語で喋っておいて損はないはず。

 

「あー、そのー、パーティー組まないか?人数足りないんだ」

 

「・・・いいですよ」

 

「助かる」

 

即座にパーティー申請が来た辺りこういうのは慣れている感じか。

というよりもベータテスターか。

視線だけ左上に動かすとパーティーメンバーが表示される。

《Kyo》《Kirito》《Klain》《Asuna》《Yuuki》。

名前から女性二人男性二人か。

最後の名前は・・・多分、そうだよね。

使ってる武器によるから一概にバランスの良いパーティーとは断言も出来ない・・・か。

 

「あと何人かいるんだけど終わってから紹介するよ」

 

「分かりました。僕はキョウと言います」

 

「俺はキリト。向こうのフード被ってる人がアスナ」

 

そういいながらキリトは目線を送る。

その先を見ると確かにフードを被ったプレイヤーがいた。

体つきは細く見えるけれど顔はフードで全く見えない。

目線も俯いているのか表情も見えなかった。

 

「悪い奴じゃないんだが・・・まあよろしく頼む」

 

「はい」

 

他のプレイヤーも大体纏まったのか塊になっているところもある。

それが合図となり青年がまた客席を見る。

 

「よし、みんな組めたみたいだ!明日攻略するボスに向けて今日はかいさ・・・」

 

「ちょっとまちやああああ!!」

 

そう言い終えようとした青年を大声で止める声が聞こえた。

最段上から一気に飛び降りて青年の前へと踊り出るプレイヤー。

 

「ちょいと待ちんや、ディアベルはん」

 

「キバオウさん?どうかしましたか?」

 

どうやら待ったをかけたのはキバオウというらしい。

僕も人の事は言えないけれど背が低いように思う。

 

「ディアベルはん、今日集まったプレイヤーの中におるはずや!」

 

「おるはず・・・?」

 

「そうや!こん中に意地汚いベータテスターがな!」

 

「ちょ、ちょっとキバオウさん。それはどういうことだい?」

 

「あんのゲームマスターが宣言したあの日!おったはずやで。何をすれば良いのかわからなくなったビギナーらを置いて、我先にと違う街へ出たベータ上がりが!」

 

確かにいた。

僕もまあその一員だし。

ユウキを慰めて街を出た時にも何人か見た。

全員が全員ベータテスターではないだろうが、大パニックになり混乱するビギナーを置いていった事は事実だろう。

慰めるだけ慰めて立ち去った僕もまた同罪だ。

だが、無性に気に食わない。

 

「うざっ」

 

「・・・誰や。誰や!今、確かに聞こえたで!」

 

アイテムからストレージ内に入っている使っていない片手剣を出すと勢いよくキバオウの目の前に投げた。

地面に突き刺さらなかったが、その衝撃はエフェクトとなり大きな音を出すには充分。

 

「ベータ上がりだから何?」

 

「キョウ?何を」

 

何が起こっているのか分からないプレイヤー共はどうでもいい。

ただ、キバオウが言った一言は気に食わなかった。

 

「何や!ガキは大人しくしとけや!」

 

そうやって自分より優位に立てると思っている思考。

それこそが気に食わなかった。

 

「ベータテスターは当たるのが奇跡な当選に当たった。それは正当な報酬でもあり、文句を言われる筋合いはないよ」

 

「親しい仲でもないのに他人を救う人がこの世界に限らず現実世界でどれだけいるか考えてみれば良いよ」

 

平和的な考えをするようにはなったとは思っていた。

どうやらまだまだ僕は子供だったらしい。

肉体に精神が引っ張られているのだろうか。

子供らしい思考も幾つかあったと思う。

 

「・・・ふんっ!」

 

どうやら何を言っても言い負けると思ったのか静かになり席に座った。

不機嫌そうな表情だが。

 

「・・・少しトラブルはあったものの、みんなパーティーは組めたと思う。今日はこれで解散にして明日に備えよう」

 

乱入者による全体意識の乱れを纏める辺り、リーダーの素質はあるんだろう。

だがそれは永続せず、一時的なもの。

短期で統率することに特化している。

会議も終わったし、宿で適当に過ごそうと場を離れようとする。

 

「待ってくれ!」

 

「・・・なんでしょうか」

 

そんな僕を止めたのは先の司会者。

確かディアベルだったか。

 

「キバオウさんのあれはすまない。俺からも言っておく。だがあの場を修めてくれた事は感謝したい」

 

「・・・そうですか」

 

「ああ。ありがとう。そしてまた明日の攻略で」

 

そういいながらあの時投げた剣を律儀に返してくれた。

存外にもいい人らしい。

 

「・・・お風呂入る、か」

 

久々にお風呂に入りたくなった。

お風呂付きの宿屋は表通りにはなく、隠れるように存在する知る人は知る宿に大体ある。

 

「キョウ。さっきの・・・」

 

「気に食わなかっただけなので。気にしないでください」

 

「・・・そうか」

 

「ええ。僕は今から宿屋に行きますが・・・そちらは?」

 

「俺らもそうするよ。メンバー全員の自己紹介も終わっていない事だしな」

 

「じゃあ今から言う宿屋に僕は泊まるので。行ける人はそこに」

 

「分かった。ありがとう」

 

キリトと別れると件の宿屋に到着する。

他の宿屋より少し金額は高いものの、この宿屋は良いところだ。

宿泊室の事を聞くのを忘れていたのでチェックインは取れないけどここが埋まることはそうそうない。

知っている人が少ないのと、宿代が高くなってまでお風呂に入りたいプレイヤーが少ない。

女性プレイヤーはそのかぎりではないが。

 

「まだ来る感じはしなさそうだし、休憩しとこう」

 

《索敵》スキルの設定で一定距離内に何かが入ると警報音が鳴るようにすると、僕は少しだけ意識を落とした。

 

 

 

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