ソードアート・オンライン ~時幻の体現者~   作:☆さくらもち♪

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絡ませ合う恋情

暖かい感覚が僕を包みながらも目を開けようと瞼を動かす。

ずっとこのまま居たい。

安心出来て心身ともにすごくリラックスしている。

 

「はぁ・・・」

 

「んむ・・・」

 

だけどこのままいると色々と、まずい。

あのまま力尽きて寝ちゃったけれどはっきりと覚えてる。

ぼやーっとしながらも一緒に寝ちゃった女の子。

最後に意識が落ちる前に呟かれた言葉は聞こえてしまっていたから。

 

「・・・好き、かあ・・・」

 

何となく、そうなんじゃないかなって思ってた。

絶対的な確信は無かった。

指摘して自意識過剰と思われるのも嫌だった。

そういう風に感情を持ってくれるよう誘導したわけでもない。

関わりなんて第一層の時だけだ。

それだけでこれほどまで好意を持ってくれるのは、生きてきた中で初めて。

ならばそれには応えよう。

僕なりに精一杯。

 

「ん、頑張る」

 

とりあえず動こうとしたけれどユウキの抱き枕状態になっていて起こしちゃうかもしれない。

気持ち良さそうに寝てるから起こすのも・・・。

 

「ん~・・・ぎゅ~・・・」

 

為されるがまま居たらユウキがさらに抱き着いて来る。

ハラスメント警告も昨日切ったままだからユウキには一切合切通告がいかない。

つまるどころ、ユウキの柔らかい部分が思いっきり当たってて。

 

「う・・・」

 

「にゅ~・・・えへへ~・・・」

 

「早く、起きないかな」

 

枯れたと思った欲とかはやっぱりあったようで。

我慢するのが大変です。

お願いなので早く起きてほしいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局あのままユウキが起きたのはあれから1時間ぐらいしてから。

それまで寝ようにも柔らかい物で寝れなくて。

 

「ごめんよ・・・キョウ」

 

責めるにもユウキは泣きそうになりながら謝ってきたから気にしないことにした。

役得ではあったし、ユウキに少し抱き着いたりしてたから。

 

「別に・・・」

 

「ボクって寝るとき抱き癖あるみたいで・・・ホントにごめんよ・・・」

 

「気にしてない。そんなしょんぼりしなくても、いい」

 

どんよりしたユウキの姿なんてあまり見てられない。

ユウキのが背は高いけどベッドの上だから立って頭を撫でてあげる。

SAOと現実世界の感触はこういうのもリアルに近づけてる。

だからかユウキの髪はすごくふわふわしてて触ってて柔らかい。

 

「よしよし」

 

「あうう・・・」

 

元々ユウキには好ましい印象があったからか、好かれてると分かると彼女に対する感情が出る。

 

「キョウ、どうかしたの?・・・」

 

「ん・・・?」

 

「なんか・・・優しいね」

 

あまり言われたことというか、人とあまり喋らないからか久々にそんなことを言われる。

ふにゃっと笑ってるユウキの顔がもっと見たくて頭をずっと撫でたい。

 

「ユウキ」

 

「ん~・・・?」

 

「姿、見たい?」

 

何気なく聞いてみた。

そういえば僕の容姿を見たことのある人はSAOじゃいないんじゃないかな。

あの科学者は除いて。

 

「いいの?ずっと着てたのに」

 

頷きながら装備を変更する。

見た目専用装備があって、このローブはその中に入る。

《隠蔽》スキルにも僅かばかり恩恵を与えるから容姿を隠せて便利だった。

そんなローブを外す。

ずっと秘されてた僕の容姿がユウキの目の前でさらけだされる。

背中にも届く長い白髪。

そして深い緑色の瞳。

呆けたユウキに少し不安になった。

あまりこの容姿に僕は自信がない。

時間操作なんていう所業の代償に、生まれた時から白髪だった。

それでよく馬鹿にされたり、化け物呼ばわりされたな。

 

「ゅ、うきぃ・・・」

 

伸ばされた手は僕の白髪に触れる。

恐る恐るで、すごく優しく。

それがすっごくくすぐったく感じる。

 

「ぁ・・・ごめんよ。その・・・すごく綺麗」

 

もっと触っていい?と聞かれて頷く。

ユウキの表情はすごくうっとりした感じで、髪をずっと弄ってる。

それが心地好い。

 

「ねえ、キョウ」

 

「ん・・・」

 

「言いたかった事、言っても良いかな・・・」

 

もちろん頷く。

とはいってもユウキは何度も深呼吸していて、身体も少し強張っていた。

何を言うのか何となく予想はつくし、その返答も決まってる。

 

「ボクね。キョウの事好き。このゲームがデスゲームだって言われたあの日から、ずっと」

 

「ユウキ」

 

「な、なに・・・?」

 

ユウキが髪を触るために背を向けていた僕は正面へと向き直る。

僕が何を言おうとしているのか予想ついたのか、泣きそうな表情になっていた。

無意識なんだろうか、自分の服を力強く掴んでて。

こんなにも僕を好いてるんだなと分かると少し嬉しい。

そのままユウキの唇と僕の唇を重ねた。

目を見開くユウキだけどそのまま目を閉じてお互いにぎゅうっと抱きしめあう。

 

「ん・・・」

 

「んぅ・・・あむ・・・」

 

僕よりもユウキが嬉しそうに口づけを何度もしている。

少しだけでも長く感じたそれを終えると物足りなさそうにユウキが目を潤ませていた。

 

「好きだよ。ユウキ」

 

「うんっ・・・!」

 

ちゃんと言葉に表すのも大事だし、それを行動に移せるのも大事。

ろくに恋愛どころか、そういうのを避けてたからか偉そうな事も言えない。

だけどユウキの事は大切にしたいな。

 

「えへへ・・・」

 

嬉しそうにはにかみながら、ユウキの頭を撫でる。

小さい子供の頭も撫でるのは好きだった。

ああいう純粋な子が一番関わる中で気楽ではあったから。

 

「キョウ」

 

「ん。なに?」

 

「これからずっと一緒に居ようね」

 

「・・・それは、向こうでも?」

 

「ダメ・・・かな」

 

向こうの僕がユウキと関われるか分からない。

僕の事情もあるし、やることは多い。

もちろん一緒にいることが出来るなら越したこともないし・・・。

 

「・・・分かった」

 

「ホントに・・・?」

 

「僕は『()() ()』だよ」

 

現実世界でも関わるために僕の本当の名前を教える。

SAOではリアルの事は詮索禁止で、とてもプライベートだ。

だからお互いにそれを教えるというのは帰還後も関わりましょうという意思。

 

「『()() ()綿()()』・・・です。ふ、不束者ですが、よろしくお願いします・・・」

 

それだと嫁入りする言葉になっちゃうのに。

でも・・・良いかな。

木綿季なら側に居てほしい。

もう独りで過ごすのは無理そう。

こんな暖かさ知っちゃったら。

好きな人がいて、一緒にいることが出来るってこんなに良いんだ。

 

「ふふっ・・・」

 

「キョウ?」

 

「んーん。なんでもない」

 

 

 

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