革命のエデン   作:BLACK-NINJA _ 83

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これは遠い未来の話。

人類は数多の大戦を経験した。小型核兵器の使用すら見られた
「惨劇を繰り返してはならない」と、残された人々は団結を見せ、『WPDC(世界平和宣言委員会)』を無能だった『世界政府』に引き替え樹立した

全世界を範囲とした民主主義政府に、設立当初は疑念や反対が殺到したのだが、それから6年。大きな問題もなく、WPDCは世界中の人々の信頼を得るようになっていた

"表向きの"平和は確保されていた……




① べラルス・イエランドルフ

超高層ビルが立ち並ぶとあるまち。このうちの一つであるアパートに暮らす5歳の少年、べラルス・イエランドルフは、牛肉に香辛料を振りかける若い母の華麗な手つきに見入っている

「パパの誕生日だから彼の大好きなステーキをつくるのよ~」

「僕もやりたーい!」

そう答えた少年に母は優しくレタスを差し出した

「こうやってちぎるのよ」

 

やがて家中に香ばしい香りがひろがった。自らの部屋にこもり、何かの作業をしていた、天パで青くヒゲが残るこの男、アルフレッド・イエランドルフも夕食への期待を高めていた

 

「パパー?ママがご飯だってー」案の定息子が来た

「おう、すぐ行くって言っといてくれ」アルフレッドの手元は何やら光っている。気になった息子はたずねずにはいられない年頃だ

「なにつくってるの?」

「なぁに、仕事のものだ」

「おしごとのなにつくってるの?」

「ハハ、子供にわかってたまるか」

 

それから2分ほどで、食卓に家族3人は揃った

 

「今日は僕も手伝っただよ〜」

「だから美味いのか」

ほのぼのとした空気に、母、ミカエラが切り出す

「ねぇ─」

「新しい職場はどうなの?最近どうも疲れてるみたいだけど」アルフレッドへの質問だ

「ハハハ、心配するな。俺が疲れてるのは個人的な趣味のせいだ。仕事のせいじゃあない」微笑んでいたが、その返答には若干間があったように思えた

「そう……ならいいんだけど…無理してない?」

「バカ言うな。WPDCは最高の職場だ、俺達は恵まれてるんだぞ?文句ばかり言うんじゃあない!」

「そうじゃなくて!」

「─何日も作業部屋に閉じこもって……一体なにを作っているの?」その瞬間、アルフレッドはテーブルに手をつき立ち上がった

「心配するなつってんだろ!!」そして、夕食も最後まで手をつけず、2人を残してまた作業部屋にもどる

 

(またパパとママがけんかした…)少年の胸は張り裂けそうだった

(パパがだぶりゅぴーでぃーしーにてんしょくしてからけんかばかり。それからずーっと何かつくってるし。だぶりゅぴーでぃーしーは人の心をめちゃくちゃにするちょー悪いやつだ!)

壁に投影されていたニュース番組が「WPDC」の単語をちょうど出したので、べラルスは思わず反応した

『「移住計画」についての新たな声明をWPDCのガドファ氏が発表しました』

 

また同じころ『ピンポーン、来客です』

「はーい」心当たりはなかったが、ミカエラは玄関に向かっていた

「はーい?」ドアを開けると立っていたのは全身を黒く染めた男。髪はぼさぼさで、特に前髪は口にかかるほど伸ばされていた

「WPDC特務警察TDの黒鉄(くろがね)だ。アルフレッド・イエランドルフの家宅で間違いないな?」手には何やらバッジのようなものをもち、提示している

黒鉄と名乗る男の後ろには、同じく黒ずくめの男が4人いるのが見えた




あとがき

読んでくれた方、ありがとうございました!
更新は不定期と思いますが、よろしくお願いします!
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