VRゲームで進撃の巨人~飛び立つ翼達~   作:蒼海空河

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やっとヒロインを登場させられる。

男性キャラばかり登場しましたが、そろそろ女性も登場せんと。
バランス的に。


空の下で違いは1つ、近くか遠くか

 現在残っているミッションは2つ。

 

・アニと話す事

・アニに『アニの父の手記』を渡す事

 

 以上の2つだ。

 問題なのがなんといってもアニを発見することだ。

 なにせ物語が動き始めるのは845年のウォールマリア陥落以降。

 メインの話は850年からだ。

 それ以前の話は回想で少しずつ回収していくから、不透明な部分がかなり出てしまっている。

 この時期のアニの動きはまったく掴めない。

 だからミッション部分に手を触れアニを捜索しようとしたのだが――

 

「まただ……表示されない。アニは特殊だから駄目なのか?」

 

 ミッションの文字に触れれば対象に向かって矢印が表示される。

 じーさんの時はそれで何とかなったのだが、アニの場合は矢印が表示される場合とされない場合がある。

 しかも矢印が指し示す方向は滅茶苦茶。ある日は北、ある日は南、ある日は東という風に。

 だからまったく使えない状況だった。

 調子の増減があるのか判断が付かない。

 

 結論としてはアニを自力で探せという無理ゲーに挑まなくてはならない。

 トロスト区だけでも何万人いるか判らないのだから。

 区内の住宅は所せましと建てられているし、避難民用に建てられた家々がトロスト区の北側に溢れもう1つの街を形成している。

 高層ビルなんてあるわけないから、人々の住む場所は縦に伸ばせない。

 横へ横へと際限なく広がっていく。

 シガンシナ区もそうだが、巨大な迷路と化しているトロスト区。

 運に任せて地道に歩くしかない。

 

 ただ幸いなのはトロスト区内にはいるだろうと当たりを付けられることだ。

 仮説として日によって指し示す方向が違う矢印が有力なヒントになっている。

 

 たまに現れる矢印が正しいという前提だが、アニがトロスト区に滞在(潜伏?)しているととれる。

 近くにいるからこそ、コロコロ矢印があっちこっちに移動するのだ。

 というかそうじゃないと困る。

 東のストヘス区とか違う区に行かれたら堪ったもんじゃない。

 100km以上の距離がある。

 乗馬もかなり体力が必要となるし、馬自体も当然、疲労する。

 

 今思うと現代の自動車は移動手段として画期的な代物だったと痛感する。

 何せ日ごろの整備と無茶な運転さえしなければ、100kmくらい悠々走り抜けられるのだから。

 ジープとかないものですかね……あるわけないですね、はい。

 そもそもガソリンとか無いし動かせません。

 

「アホなこと考えてないで探しますかね。ただ、喉が渇いたし、立体機動でかなり疲れたしな……足が軽く震えてる。少し休憩してから始めよっかな」

 

 着替えた後は鞄に手記とサンドイッチ&リンゴを放り込んでそのまま来てしまった。

 ノンストップで来たせいで足が重たくなっている気がした。

 巨人との世にも楽しくない鬼ごっこのお陰で神経も体力もすり減っている。

 うん、休憩せんと無理。

 

 そう決めてきょろきょろと周囲を見回すと一軒の喫茶店を見つける。

 喫茶店といってもガラス張りの店舗内部にテーブルが……などという代物ではない。

 お店から料理や飲み物を買い、目の前の通りに並べてあるテーブルと椅子で飲み食いを行うスタイルだ。

 オープンカフェというものだろうか?

 

「まあどんなスタイルかはいいのでとっとと飲み物でも買おう」

 

 俺は席を取る次いでに鞄から手記を取りだして置いて置く。

 そうしないと誰かが座ってしまうからだ。

 席取りは重要でほっとくと勝手に座られてしまう。

 物を置くと盗られる心配があるだろうがこれに関してはあり得ない。

 席は売り子の目の前なので置き引きにもそうそう遭わないだろうし、『アニの父の手記』は革張りで通常より頑丈とはいえ、ぶっちゃけ……ボロい。

 

 触ってみると大丈夫と判るが見た目が茶色く変色し汚い。

 泥とかは拭っても風雨にさらされた影響で少なくとも価値のある代物とはいえなかった。

 それでも盗む奴がいたら本当によっぽどのモノ好きだ。

 

「おねえさーんこんちわっす。ミックスリンゴウォーターお願いします」

 

 リンゴジュースではない。 

 リンゴ丸々1個使うジュースは食糧難ではとてもじゃないが商売に使えない。

 そのためこの店では、早朝の冷えた井戸水にカットしたリンゴや他の甘い果実を付け込んだものを提供している。

 糖分がなくなった果実は別の料理で出しているらしい。

 さっぱりしているし、地下で作っているのでキンキンに冷えている。

 疲れた体で飲むと仄かな果実の甘味がとてもおいしく感じられるこのお店の人気商品だ。

 他の果実も付け込んでいるのだが、リンゴの味が一番強く感じられるとかでミックスリンゴと相成った。

 この店もシガンシナ区からの知り合いが経営しているので気軽に訪れている。

 ただ問題もあるが……。

 

「ん? あらあらまあまあ! 英雄ちゃんの御来店とはありがたいことだねぇ~」

「ちょ、お姉さん勘弁してくださいよ! ただがむしゃらに暴れた結果なんだからさ……」

「それでもウチの旦那は命の恩人だって大喜びだしねぇ~。まあ諦めんなさいな」

「いやいや普通に名前とかで呼んでくださいって」

 

 おっとりとそう言う喫茶店『トレボル・マンナーサ』のお姉さん。

 ちなみに御歳21歳のタレ目がキュートな若奥様だ。

 のらりくらりとこっちの主張を躱しつつ給仕から飲み物を受け取る。

 

「アラ、そう言っている間に出来ましたっと。お代は小鋼貨1枚ね」

「はい小鋼貨1枚です……それで呼び名なんですが――」

「オマケに新作のフレッシュコッペパン足しちゃう♪」

「あ、ありがとうございます。それで呼び名なんですけど――」

「ごめんなさい、次のお客さん待ってるからまた今度ね♪」

「……はいっす……」

 

 無邪気な笑顔でそう返され抗弁する余地がまったくなかった。

 何故そこまでして英雄と呼びたくなるのかよくわからない。

 感謝してくれるのは嬉しいけど出来れば英雄とは言われたくない。

 背中がゾクゾクして痒いことこの上ないのだが……。

 

 幸いなのは俺がシガンシナ区で大暴れしたことを知る人はそこまで多くないという事か。

 噂として広がりし始めているが、テレビがない時代。

 金色の瞳以外特徴的な要素がないからな。

 何度も任務関係で門の付近にいるか今度は判らないけど。

 

 お姉さんはクスリと笑いながら次の客の相手をし始める。

 

「オマケ貰えたし、まいっか!」

 

 俺もほとほと単純だと思う。気にしても負けだと悟っている……うんそういうことにしてください。

 

 こくこくと買ったばかりの飲み物を飲み爽やかな甘さを堪能する。

 机の上にあるのは掠れてはいるが『レオンハート』と隅に書かれた本。

 鍵が付いている為、中身は分からない。

 こじ開けることは可能だろうが、アニに渡す上であまり壊すのは愚策だ。彼女は父を煙たがっているようで、1人の娘として好いていると思われる。父から教わった格闘術を大切にしていることからそれは察せられる。だからこれは彼女に渡すのがいいと思う。ただ――

 

「アニが見つからないからどの道渡せないんだよな」

 

 どう悩んでもこれに落ち着く。

 なにかいい案はないものかと考えていると、

 

 ガタンッ!

 

「ん?」

「あいたたた……」

 

 近くの椅子に座っていたおばあさんが立ち上がろうとして転んだようだ。

 周囲の人は助ける気配はない。

 俺は一度見てそのままにするのもどうかと思いお婆さんを助け起こすことにした。

 

「大丈夫ですか?」

「あぁ、すまないねぇ……」

 

 尻もちをついた格好のお婆さんに肩を貸し、ゆっくり身体を起こした。

 手を引っ張って起こすやり方はNGだ。

 身体を傷めやすい。

 俺はできるだけ負担にならないようにしながら立ち上がらせる。

 何度か「お礼を」「いえいいですよ」というやりとりをしたあと、なんとかお婆さんを説得し席に戻ろうと振り向くと、

 

「あれ?」

 

 本が……無い?

 

 ちょーっと待てや。

 なんで本がないんだおい。

 

 周囲の人に聞くと小汚いローブの人がさりげなく机に近寄り本を持ち去ったのだという。

 なら教えてくれよという話なんだが……。

 裏路地に入ったという情報は入手したので急いで走る。

 

「くっそ! まさかあの本を盗む野郎がいるなんて思わなかったぞ!? 小汚いローブって浮浪者かなにかかっ。鞄ごと置かなくて正解だったが勘弁してくれよ!」

 

 迂闊だった。

 お婆さんに気を取られていたらこのザマだ!

 マップ機能を表示させるが一面青表示。

 

 何せ路地裏は大人1人……無理すれば2人がかろうじて通れるサイズだ。

 子供の俺ならすんなり通れるが、所々にゴミやらが捨てられ、道幅も広かったり狭まかったりしている。

 マップ機能を駆使しなきゃとてもじゃないが追跡は不可能だ。

 逆に言えばこれを使えば、まだ追跡は可能とも言える。

 

 巨人や肉食獣とかじゃないと赤点にならないが青点でも追跡は可能。

 ここから離れる奴にアタリを付ければまだ可能性はあるはずだ!

 路地裏でいくつか離れる反応が見えた。

 

 しかし、目の前には左右と前に道がある。

 反応はどの方向にもあった。

 拙い……。

 

「右は……すぐ近くなのに歩いて……いや止まってる。盗んですぐ走るの辞めるわけないし違うか? 正面はあっちこっちに移動しているな……。左が……1つ、いや合計で3つ動いている。……そういや窃盗団とかっていくつかのチームで動いたりするよな。実行班とその支援班とかに分かれているなら、こいつらが可能性としては有力、か?」

 

 左は今も結構な速度で移動している。

 悩んでいる暇は無い。

 俺は一番怪しいと感じた左の道を選択した。

 

「よし、待ってやがれよ盗人。あの本はちゃんと渡すべき人に渡さないといけないんだからな!」

 

 巨人との戦いで鍛え上げられた肉体を生かし、出来る限りの最高速度で犯人の下へと急ぐ。

 巨人の相手の次は窃盗犯との鬼ごっこ――軽く泣けてくるよ!

 

 

 

 ◆ ◆

 

 ごそごそ、からん

 

「………………」

 

 タッタッタッ……ガツン!

 

「~~~~ッ!?」

 

 ローブを深く被り、視界が狭まっていたのか石の壁に激突した黒い影。

 蹲って痛みをこらえた後、1人の少年の後を追っていった。壁には少しひびが入っていた……。

  

 ◆ ◆

 

 

 

 体感時間で20分程経過した後、追跡していた青点は停止した。

 犯人達は安心したのか3人とも止まっている。

 

「あれか――ってまず!?」

 

 曲がり角を曲がろうとして一度俺は引き返した。

 3人いるということは数的優位は相手に軍配が上がる。

 身体能力が以前とは比べものにならないくらい強化されているという自覚はあるが、人相手に戦闘を行った経験も少ない。

 調査兵団で習ったときも格闘関連は修めてなかった。

 

 訓練兵団では成績にあまり反映されない項目のため、結果として得意な人間が少ないからだ。

 リヴァイ兵士長あたりは得意そうだがたぶん死ねる。

 具体的には蹴られて死にそう。

 エレン御愁傷様です。

 

(違う違う、今はそんなことはどうでもいい。問題はどうやって本を取り返すか……いや持っているか確認しないと駄目だな)

 

 俺はそっと音をたてないように壁の端から様子を窺う。

 声が聞こえてきた。

 

「へっへっへ……もう逃げられないぜぇ……さあこいや……」

「はっ、お前みたいな貧相なガキでも売れば多少の金になる。俺達の為にくるんだ」

「……ぃゃ! いやぁっ!!」

 

 あれ……これって。

 

「抵抗すんじゃねえ、よ!」

 

 ガツ!

 男が浮浪児らしき子供を殴りつけた。

 

「ぅ――」

 

 ドサリ

 

「手間かけさせやがって。薄汚れた坊主1人に手間かかっちまった」

「まあ、い~じゃねえか。煤だらけでゴミみてぇに見えるが顔は整ってるようだ。川で洗ったあと好き者の貴族様に売ればそこそこいけるかもしんねえ」

「ショタって奴か?俺たちにゃわからねえ趣味だなほんと。偉くなると庶民にゃ理解できない高尚な趣味を持つんかなぁ~……」

 

(おいおいおいおい! あれか、あれだな、いかにも私、今から浚われますって状況じゃねえか!? やべえな……さすがに見過ごすのは駄目だ。でも本が――――ええいくそ、どの道犯人を見失った以上、もう本は諦めるしかないっ。それより今は目の前の男の子を助けないと……。ショタ趣味ってあれだよな、貴族様って男なパターンだよな、アッ――! みたいなパターンだよな!? 同じ男として見捨てられねえ……そういうのは双子に言い寄られるリア充がヤラれちゃえばいいんだ。よし、策なら1つ思いついた。これで――――)

 

 俺は周囲に誰もいないことを確認したあと、急いでアイテムボックスから駐屯兵団の服を取り出し着始める。

着終わったら次に立体機動装置と装具一式を取り出し装着する。

男達は稼いだ後の分け前でごちゃごちゃ話始めたのでまだ時間はあるはず。

 アイテムボックスの存在を伝えることができない以上、このアイテム達は緊急時以外は出すわけにはいかないし、調整していないから立体機動もあまり行いたくない。

 まあ今回必要なのはフル装備の兵士がいるということだ。

 

 かちゃりとベルトを装着すると男達が物音に気付いたのか、

 

「誰だ!?」

 

 タイミングよく合図を出してくれた。

 

(いよっし……)

 

 意を決して飛びだす。

 

「んだ……てめぇは――――げぇ!?」

「まっじかよぉ……なんで兵士がここに……」

 

 俺の身長は150cm前半でまだ子供レベルだ。

 だがアニの身長も153cmだしほぼ一緒だし、誤魔化しはきく。

 むしろそのことにちょっと驚くが……まあ深く追求すると彼女にシバかれそうなので置いておく。

 

 出来るだけドスの聞いた声で脅すように言う。

 イメージは激おこ状態の兵士長さん。

 リヴァイ班全員の死亡を知ったときのあの人は怖すぎる。

 

「おい……てめぇら、人身売買は」

 

 ゆっくり一言一句区切るように。

 

「厳罰だって、知ってるよなぁ……」

 

 シャン高い音を響かせ超硬度ブレードを引き抜く。

 日差しが届きにくい路地裏で出来るだけ光が反射するようにブレードの面を見せながら。

 

「ぐ……」

 

 きらりと光る刃物。

 俺の低身長に反して刃は長く鋭い。

 相手が手に持っているナイフで敵うわけがない。

 巨人の肉を削ぎ落とす武器は人間の1人や2人簡単に切って捨てる事が可能だろう。

 男達はじりじりと後ずさりし始めた。

 

「おい、どうすんだよ!?」

「逃げんに決まってんだろっ!」

「ガキを人質にすれば――」

「ばっきゃろう! 市民をウォールマリアに平気で吶喊させる兵士が、浮浪児1匹の命なんて気にするわけないだろうが! 俺らごと捕まえて処刑だ! さっさとズラかんぞ、オラッ!!」

「うわっと!」

 

 そこらのゴミを投げつけながら逃げ始める男達。

 俺からすると人質を取られなかったからいいんだが……。

 というか兵士の評判最悪だなおい。

 あとリヴァイ兵士長の口調ってやっぱり怖いなと思った。俺ならちびる。

 

「ん――ッ」

「ってそういう場合じゃねえな。気を失ってるか、おーい起きろー」

 

 ぺちぺち

 

 子供は薄く目を開け始めた。

 

「うぅ…………?」

「おう起きたか、もう大丈夫――」

 

 パタン

 

 ――と思ったら何故かまたうつ伏せに!

 万歳した形で倒れてる。

 

 俺は慌てて何処か悪いところがないか確認しようとしたらなにやら音が聞こえてきた。

 こう腹の底から響くような音。

 

「……? なんだ、この重低音?」

 

 くぎゅるるる

 

「…………」

 

 くぎゅるるるるるるるる

 

「おい、お約束過ぎんだろう……」

 

 何処かの芋女を思い出した。

 あと何故かツンデレという単語を思い出した。

 

 まあアイツは170近い身長の持ち主だし、ちみっこのコイツとは違うだろう。

 とりあえず、食べ物を――

 

「食いもんって、これ、しかねーよなぁ…………ぐっ、いや情けは人の為ならず。人を助ければ巡り巡って自分に還ってきますよってありがたい御言葉があるし。うん、だから間接的に俺はこのパンを食べたことになるのだ…………なるよね……?」

 

 ぐきゅ~~ 

 

 俺の腹が返事した。

 アイテムボックス内に保存している肉もそう多くないから食べられるときは食べたいのだけど……。

 うぅ……お肉が……。

 

 

「ええいままよ! ほらコレ喰いやがれ!!」

 

 俺は倒れている子供の口にパンを押し込んだ。

 

「ふぎゅ!? …………ぱん?」

「ああ、腹減ってんならとっとと喰いやがれ!」

「いい、の?」

 

 思ったより高い声の子供だった。いやこの年齢ならこんなものか。

 ローブを深く被っているから顔はよく見えないけど、肌は土が付きまくって長く風呂にも入ってないのが判る。

 見えないが体もガリガリだろう。

 

「もう口付けたろ? もうアンタのモンだ」

「――ッ! あり、がとう……。おい、しい…………う、ぅ」

「ほら泣くなって。パンだけじゃ喉渇くだろ? リンゴもあるから喰えよ」

「う……ぅっ……おいしい、よぉ……。今までで、いちばん……おい……しぃ……」

「まあ空腹は最高の調味料とはいったもんだよなー」

 

 びっくりしたように息を飲む子供は、そのあとは一口一口、噛み締めるようにパンを齧っていった。リスのように頬をパンパンにしている。

 

 ポタリポタリとフードの奥から水が零れているが気にしない。

 ぐすりと鼻を啜りながらも、手はきっちりとパンをホールドしている。

 

 お腹は減ってもがつがつ食べない辺り、親の教育は良かったのかもしれない。

 ただ1人でこんな処にいる時点でなんとなく境遇は察せされる。

 

 俺は努めて明るい声を意識しながら話しかける。

 こんな子供も笑える未来がくればいいのに、と思いながら。

 

 本当の飢えを体験したことがない俺にはそうするぐらいしかできなかった。

 地球の何処かでも同じ境遇の子供が居ようと毎日をのんべんだらりと過ごした俺には……。

 

 昔と違うのはそれが近いか遠いかだ。

 それは物理的な距離という意味でだ。

 同じ空の下でも、環境は違う。現実はいつも過酷な試練を叩きつけるのだから。

 俺の戦う相手はどれだけいるのだろう?

 この剣2つじゃまだ足りないのだろうか?

 

 足りないんだろう、なぁ。

 

「あー、やるせないなぁ…………」

 

 もきゅ~~~

 

 返事をしたのは知らない誰かが発した可愛らしい腹の虫だけだった。

 

 

 

 

 




まだ名前は出ません。

次回に名前は明かされます(^_^;)

なにやら怪しい人物もいたような気がしましたが……。




 【現在の能力】

 
『アオイ・アルレルト』
 性別・男 11歳
 所属兵団『見習い調査&駐屯兵』
 称号『シガンシナに舞う鋼の翼』



『クエスト:ウォールローゼ撤退……達成 経験値ボーナス』
 
 LV14→21

 筋力 :61→97
 敏俊性:81→125
 器用さ:42→71
 頑強 :115→159
 体力 :73→113
 知性 :50(+25)→74(+36)

 運  :65(幸運)
 残ポイント(上昇値4)=0P→16P



 【天賦】天才:成長率特大アップ
 【才能】利発:成長率中アップ&知性20%アップ
 【体質】微再生:常人より怪我&病気の治りが早い
 【体質】復活:1日に一度だけ即死ダメージを喰らっても万全の状態で復活できる
 【回避】生存本能:致命傷になる攻撃を反射的に避ける
 【回避】縦横無尽:上下左右の移動速度10%UP
 【探知】夜目:暗闇でもよく見える
 【探知】気配察知:30m内の気配を敏感に察知。マップ敵表示可能
 【才能】器具の才能:立体機動装置の扱いがうまくなる。また機械にも強くなる
 【叡智】逆転発想:閃き。知性30%アップ。ときおりとんでもないことを思いつく
 【攻撃】投刃:ブレード系武器を投げつけるとき命中率上昇
 【生活】狩猟:狩りが巧くなる。狩るとき隠蔽能力上昇


 【運命】希望の兵士→希望の変革者:運命の女神は変革を認める。『絶望を希望に変えんとする者よ、遍く未来は定まらず』――スキル効果、ミッション報酬変化。決まり切った未来は訪れない、未来は誰にも分からない。通常以上の成果を得られる場合もあれば、報酬を達成しない方がいい結果を生む場合もある。しかし、時には避け得ぬ絶望すら希望へと捻じ曲げることもある能力。 
 【運命】鎖状の奇縁(さじょうのきえん):『縁を手繰り、人は繋がっていく』。見知らぬ人と出会いやすくなる。
 【運命】滂沱の決意(ぼうだのけつい):ハンネス生存確定以降、取得可能。『1人の男は悲しみ涙を流し決意する、それを見た子供も悲しませたくないと決意する』。効果無し。死の連鎖に捉えられた魂を救うほど、その効果は真価を発揮する。

 【立体機動装置の性能】

 アンカーの射出速度【70】
 ワイヤーの巻き取り速度【70】
 空中で方向転換する為の後部ガス噴出量の調整【60】

 値:0~100 
 ※ガス消費量2割増


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